ギュメイ将軍のキヴォトス放浪記   作:ルルザムート

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あ、あが。あががががっ。色ついた、4話しか投稿してなかったのに色がついてた。
しかもそれぞれ別の人から感想が3つも来た。応援してるって言ってくれてた。あわ、あわがががが。ギュメイ将軍のパワー凄すぎ…
いやホント、ビビりまくってます。もう後には退けない…(退く気ないけど。)
気分的にはスーパーハイテンションです、頭の中ではラプソーン戦と本気ムドー戦のbgmが交互に流れています。本当に嬉しいのです!ありがとうございます!

…さて、人の役に立ちたい、家に残した娘を放っておけない、自分の作品を残したい、他人に怯える自分が嫌だ、自分だけに心を開いてくれる人の助けになりたい、未来ある子供達にまっすぐ育って欲しい…
これだけ真っ当な願いが果実にかけられ、その末に流れるボス戦bgmが『渦巻く欲望』ってタイトルなの本当に良いですよね。
…アビドス編第2話です、お楽しみください


アビドスに渦巻く欲望

「え。全滅!?」

「ああ」

 

特に問題なくヘルメット団を撃滅し、校舎に戻った

無力化した生徒をどうするか迷ったが『空き教室にでもブチ込んでおけばいい』というシロコの助言に従って運び込むことに。

 

 

 

「…40人はいたと思うんですけど?」

「10人落としたあたりから逃げ出す奴が出てきてな、背中を討つだけだったから楽だった

全員気絶させて隣の教室に入れておいたから後をどうするかは話し合って決めてくれ

我はその対応の手伝いをしよう」

 

 

 

「これが大人の力…?」

「ん、先に自己紹介しよう。改めて…私たちはアビドス対策委員会。

砂狼シロコ、2年生。同じく2年生のノノミちゃん」

「よろしくお願いしますね、先生」

 

「後輩のセリカちゃんとアヤネちゃん」

「よろしくお願いします」

「よ、よろしく!」

 

「あと3年生、ユメ先輩。一応対策委員会の委員長」

「一応はいらないよぅ、シロコちゃん」

「ん、実質ホシノ先輩が委員長。」

「ひぃん…」

 

「ホシノ先輩は…まだ帰ってきてないけど帰ってきたら紹介する」よろしく、先生

「ああ、ところで対策委員会というのは…?」

 

 

 

さっきの武装勢力に対するものかとも思ったが他にもいると…

 

「ご説明いたします、対策委員会とはこのアビドスを蘇らせるために有志が集った部活です」

「全校生徒で構成された校内唯一の部活なんですよ!…といっても6人だけですが」

 

「6人だけ?」

「そう、他の生徒は退学したり転校したりして出ていった

学校がこの有様だから学園都市の住民も殆どいなくなっちゃって…」

 

 

 

住宅地なのに人が全く居なかったのはそういうことか

 

 

 

「…それで?ひとまず補給は届くが届いたとして守り切れるか?」

「ん、難しい。在校生として恥ずかしい限りだけどその場しのぎにしかなってない

ヘルメット団も諦めるような連中じゃないし…」

 

「? あれで全員じゃないのか?」

「もっとたくさんいますよ、今頃他の団員がアジトで次の攻撃の準備をしてるんじゃないですか?」

 

 

 

…それはもう部隊ではないのか?いや待て

「攻撃の頻度は?どのくらいの間隔でやってくる?1ヶ月か?2ヶ月か?」

「そ、そんなものじゃないよぅ、2.3日空いたらすぐに次がやってくるの!」ひぃん…

 

「………そうか」

垂直の崖に一つだけはみ出た岩場のような違和感を頼りに思考を回す

「先生?」

「しばし待て、整理する」

 

 

 

ガナン帝国三将軍の1人であるギュメイは武人であり、将軍とはいえ軍を率いたことも殆ど無く、軍略にもあまり明るくはない

 

──が、彼のそばには常に彼を追い落とそうと狙っていた帝国軍随一の知将、ゲルニックがいた

直接学ぶことこそあまり無かったものの、ガナンの剣としてゲルニックと共に戦い続けてきたギュメイには彼女の戦略や考え方を一部再現することができる

 

 

 

 

 

『いいですかギュメイ将軍、誰も彼もがアナタのように馬鹿正直に真っ直ぐで胸焼けするほど忠義に溢れる人間ではありません

 

人を知り、御し、操り、騙すのに必要なのは欲望を知ることです。欲望を見抜き、掴み取ることは相手の心臓を掴むに等しい

 

剣術しか能の無いあなたもワタクシと同じ帝国の将軍です。人を従え、人と戦う以上覚えておきなさい

相手を推し量る最高の材料は欲望であると』

 

 

 

 

 

「……………」

「せんせ「ユメ先輩静かに」

 

 

 

リンが一緒に銃や弾丸の補給申請をやってくれたから分かる。武器というのは意外と高価だ

それも剣と違って確実に消耗するなら尚のこと

 

カタカタヘルメット団は見たところただの不良生徒の集まりだ。にも関わらず高価な消耗品を惜しみなく使って連日攻撃を仕掛けてきている

 

攻撃目標はアビドス高等学校…なぜここなのか

シロコの話を聞くに数えきれないほどの戦いを挑み、その全てで負けている

にも関わらず奴らは装備と人員を新調し、再びここを狙ってくる、と

 

 

 

狙う理由は?それだけのコストを払ってなおここが欲しい理由は?

 

新しい拠点が欲しい…というわけではないだろう、ざっと周囲を見回したがここは使い勝手が悪すぎる。あの無人の住宅地を奪った方が手間も金もかからないはず

 

つまり拠点以外でここを狙い、奪えたのならこれまでのコストなんて度外視できるほどの利点があの不良生徒たちにはある

 

いや、そもそもとしてあの不良達はコストを払っているのか?

払っているとして、その相手は?誰が不良生徒に銃を渡している?

 

 

 

「…シロコ、さっきの不良生徒の銃はあるか?」

「あるよ」スッ

 

「ひとつでは駄目だ、ヘルメット団から奪った分を全部ここに集めてくれ」

「ん、分かった!みんなも手伝って、ちょっと数が多い」

 

 

 

困惑気味な他の生徒を引っ張り、疑問を挟むことなくシロコは隣の教室へ

…他はどうか知らんが少なくともシロコからは信頼され始めているようだ

 

 

 

「ん、持ってきた!」どっさり

「こうして見るといい装備使ってますね…」

「………アロナ、解析を」

『分かりました!』

 

シッテムの箱をかざし、分析を依頼。我の考えが正しければ…

 

『………あれ?どの銃も登録されてませんね』

つまり正規品ではないと、だがヘルメット団が銃を作れるとは思えない

もし作れるならアビドスを狙わずそれで食っていけるはず

 

 

 

………つまりヘルメット団はシャーレの目を盗んで銃を密造できる組織と繋がりがあるということ

 

ならばその組織はなぜヘルメット団に武器の提供をする?その組織が武器を流すことによってどんな利点がある?

…ヘルメット団がアビドスを攻撃することがその組織にとっての利点となる?

 

銃を密造できるほどの組織がアビドスを狙っている?だがここを狙ったとして手に入るものは?

ここまでのコストをかけ、確実性に欠ける不良達まで使い倒してアビドスを狙う意味は?

それは──

 

 

 

ギュメイの推測には穴があった。それは彼がこのアビドスという地を知らないこと。

アビドスに眠る遺産がどういうものなのか、そもそも遺産の存在自体を知らなかったため間違った結論を出してしまった

…もっとも、その推理も完全な的外れではなかったのだが

 

 

 

──それはこの学校のどこかに女神の果実があるからだ

 

銃を密造し、不良生徒に戦わせている以上まっとうな組織ではないだろう

そんな組織がもし果実の存在を知ったら…

 

 

 

「シロコ、ヘルメット団の拠点の場所は分かっているのか?」

「ここから30km言ったところに前哨基地が──まさか先生?」

「打って出る。今日その前哨基地を消すぞ」

 

もしかすれば背後の組織につながる何かがそこにあるかもしれない

 

「ん、賛成。まさか連中も送り込んだ生徒が全滅した挙句反撃されるとは思っていないはず」

「あと30分で補給が来る、それが届いたらシロコ達も現場に来てくれ」

「先生は?」

 

「先に行く、今は少しでも早く攻勢に移るべきだ」

下手に時間をかければ組織側からヘルメット団を切る可能性もある

今は電光石火の如く攻め込まなければ

 

 

 

「ん、分かった。みんなは?それでいい?」

「普通なら心配するところでしょうけど…あんなデタラメな強さを見せられましたら…」

「異議はありません、合流は補給が終わってからですが補給が無くともサポートできます、ナビゲートは任せてください!」

 

 

 

「よし。ユメ先輩は?」

「わ、わたしは…反対かな、流石に先生1人にだけ危険なことをさせるのは…

これはアビドスの問題なんだし押し付けるんじゃなくて補給が終わって、ホシノちゃんが戻ってきてからみんなでやった方が…」

「わたしも反対よ!確かに補給のこととかは感謝するけど…でも部外者なんて信用できないわ!」

 

 

 

「………」

ユメとセリカ、反対する理由は違えどどちらも理屈は通っている、他所から来た奴に問題を丸投げするのは倫理観以前にいい気分はしないだろう

彼女達にとってまだ我は得体の知れない剣士だ

 

しかし足踏みしていられないのもまた事実

「…悪いがこればかりは同意を取っている暇は無い、なんと言おうと行かせてもらうぞ」

 

 

 

我の目的は各学園の問題解決ではない、果実の回収だ。無論相手は子供、意思は尊重したいがそればかりで目的を見失うわけにはいかない

 

「ひぃん…」

「私は信用しないわよ…!」

「──行ってくる、ナビゲートを頼むぞアヤネ」

「…はい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんだお前──うわっ!」

『ぎ、ギュメイ先生!前に出過ぎです!ものすごい数が…』

「逃げようとする奴だけを見ておけ、そいつがリーダーだ」

 

 

 

アヤネとアロナのナビゲートを頼りにカタカタヘルメット団の拠点を強襲したギュメイは以前と同じように銃を斬り捨て、峰打ちによって敵を気絶させ続ける

 

 

 

「相手は1人だぞ!?なにやって──ぎゃふっ!」

装備は良質だが肝心の兵隊が弱い、これなら問題ないだろう

「さて…」

 

 

 

ここにいる生徒の殆どは背後の組織を知らない、だが元締めとなれば話は別だ

ヘルメット団のリーダーは武器の供給元を知っている、そしてそれを知られるわけにもいかないだろう

ここまで派手にやれば身の危険を感じて真っ先に逃げ出すはず──

 

 

 

『あ、あっ!いました!裏口から1人逃げていきます!』

そいつだ!

 

「ぬんっ!」

ナビゲートを頼りに直進。壁やドア、ブロック塀、進路を塞ぐ無機物全てを細切れにしながら最短距離でそこへ。

 

 

 

「ひっ!?ひいいいっ!?」

最後の悪あがきとして放たれた弾丸も叩き落とし、へたり込む彼女目掛けて──

 

「────ア…!」

 

 

 

 

 

スヒンッ…

 

 

 

 

 

刀を振り下ろした

音もなく2つに割れ落ちたヘルメットの奥からは涙と鼻水でぐしゃぐしゃになった少女の顔が出てくる

 

「ヘルメット団のリーダーだな?少し話を聞きたいが…構わないな?」

「うっ、ウンウン!話す!話すから、なんでも話すから命だけは…!」

「よし、ならばまずはここから聞こう

──背後にいる組織はなんだ」




魔獣体だから分からないけどギュメイ将軍の実年齢はいくつなんだろうか…?と思っている作者のルルザムートです、ハイ。

投稿したあとで知ったんですがゲルニック将軍は外伝だと男性の設定らしいですね。丁寧な口調にメッセージウインドウ羅列時の『ポポポポ』という高い音程から女性だと思ってたんですがフリーザ様タイプだったようで…

しかし私は女性がいいのでギュメイの記憶に残るゲルニックは『女性』とさせていただきます
イケメンと脳筋が横にいるんですから1人くらい女性の将軍がいてもいいはずなのです。
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