ギュメイ将軍のキヴォトス放浪記   作:ルルザムート

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昨日の分少しこっちに回していれば文字数をキリよく分けることができたことに気付く
『宿屋の地下室』編 第11話です、お楽しみください


今この瞬間だけは

「く、うぐ…!」

ホシノから受けた散弾のダメージが異様に重く、そのまま重石のようにのしかかる

 

早く合流しねぇと…!

 

 

 

「逃がさんぞ!」

 

 

 

しっぷうの如く駆け抜けたギュメイ先生に進路を塞がれ、後方からホシノが追ってくる

 

…!ヒナはどこへ──ガガガガッ!

 

「ぐわあああっ!?」

 

 

 

真上から降り注いだ紫の弾丸をモロに受けてしまった

い、今のダメージはヤバい!

 

 

 

足だけの力では足りず、腕も使って飛び退いて追撃の散弾を避ける

こ、この包囲網はヤバすぎる!いったん建物の中へ「『マヒャド斬り』

 

 

 

!! クソ、逃走先が読まれてる!

 

 

 

先出しで放たれたマヒャド斬りを避けきれず左足が氷塊に捕まってしまった、もう走れない!

──それが

 

 

 

「どうしたぁぁぁ!!!」

 

 

 

アカネの爆弾も使って自爆同然に点火。至近距離にいたにも関わらずギュメイ先生は上手く凌いだみたいだが当然爆心地にいた自分はただでは済まない

 

とはいえ

 

 

 

「げふっ…!氷が、溶けた…!」

少しでも時間を稼げ、あたしの役目はまだ終わっていない!

 

 

 

「なら全身凍らせるまで。『マヒャド──

 

 

 

次が来る、もうギュメイ先生の剣技も、ヒナやホシノの銃弾も、防ぐ手段が無い

だが、諦めない!

 

 

 

「光よ!!」

 

 

 

「ぬ!?」

ゴレオンの時よりも弱く、それでいて尚眩しい光の一撃が自分とギュメイ先生達の間に割って入る

 

 

 

完全な死角からのレールガンを避けやがった、どんな感覚してんだ?だがチャンスはできた!

 

 

 

「オラァ!!」

「!!」

 

 

 

爆風で注意が逸れた瞬間を見逃さない、最後の力を振り絞って銃打撃を叩きつける

…刀で防御された、だがもう関係ない

 

「吹き飛び、やがれ…!」

元きた方向にギュメイ先生を殴り飛ばし、さらに追撃。

あのドラゴン斬りってやつさえ出させなければ…!

 

 

 

「ギュメイ先生っ!」

「構わん!ネルを倒せば終わりだ、お前達はアリスとユメを止めろ!」

 

 

 

空を駆けて合流しかけているアリス達を2人に任せ、あくまでネルへの迎撃に入るギュメイ。

ここで彼女を潰せばたとえアリス達が戻ってきてもギュメイ達の勝利は揺るがない

 

逆に言えばネルが残っていればどう戦況が動くか分からない

瀕死にまで追い詰められてなおその強さが衰えないのをエリドゥで見ていたからだ

故にギュメイはネルへの確実なトドメに入り、それ以外の雑音をヒナ達へと任せた

 

 

 

…キメラのつばさの賭けがあったとはいえ、大方ここまではユメの想定通り。想定外だったのは──

 

 

 

▽▲▽▲▽

 

 

 

「っ、ダメ、足りない!」

猛スピードでネルの元に向かう2人と1匹だったがここまで来てヒナとホシノが立ち塞がっている

 

どちらか1人を合流妨害に当ててくるとは思ったけどまさか2人ともなんて…

 

それだけ認められ、警戒されている事実に少しだけ嬉しくなるが唯一の切り札であったレールガンもネル救出に使ってしまい打つ手が無い

 

失敗した…!1人ならともかく2人を撃破して合流する準備なんてない、一か八か闇の炎に紛れて「ユメさん!」

 

 

 

 

 

 

「アリスちゃん?」

「アリスが、ネル先輩を助けに行きます!援護してください!」

 

 

 

▽▲▽▲▽

 

 

 

「バルボロス、お願いしますっ!」

『オオオオッ…ガアッ!』

 

 

 

前に飛び出し、光の剣を盾がわりにしてバルボロスの火球を受ける

火炎と違い、火の玉のそれを剣越しに衝撃として受けたアリスの身体が加速。

 

 

 

「あああああ!!」

冷却装置最大出力。火傷しそうなほど赤熱した光の剣の熱を強引に相殺し、ギュメイ目掛けてぶっ飛ぶ

 

 

 

「行かせないよ…!」

もちろんホシノとヒナが黙って見ているわけがない、壁蹴りで距離と高さを合わせたホシノのショットガンが火を吹く

 

ダァンッ!

 

「っ!?」

 

 

 

──よりも早くホシノの手から銃が弾き飛んだ

「! ユメ先輩、七囚人の銃を…!」

 

 

 

▽▲▽▲▽

 

 

 

「やった!」

ワカモさんの銃を拾っといてよかった!けど…!

当てたというより当たったと言った方が正しいユメの狙撃でその一瞬は助けられたものの──

 

 

 

次の弾が間に合わない、いやそもそもこの手はもう通用しない!

あの一瞬でヒナちゃんはこっちを認識した、撃てたところで…

 

 

 

▽▲▽▲▽

 

 

 

「悪いけど、ここを通すわけにはいかないわ」

紫の翼を大きく広げ、空路を塞ぐ空崎ヒナ。

もう打てる手は無い、勢いのまま空中を直進するしかないアリス1人では彼女の守りを突破することは不可能だ

 

 

 

──アリス1人なら。

 

 

 

「子レティス!お願いしますっ!」

「!?」

 

 

 

互いの距離がゼロになる直前、神鳥の光がアリスを包みその姿を変える。

さっきまでアリスだった小さな小鳥は紫の雨を掻い潜り、ひたすら前へ

 

『解除っ、ボクにできるのはここまでだよ

行くんだアリス!仲間を助けに!』

そしてついに、勇者は仲間の元へと辿り着く。

 

 

 

「こんな奥の手…!これもミレニアムの発明なの!?ギュメイ先生っ、逃げて!」

「げほっ、ここ…まで、来て…!逃がすと思うか…!?」

 

 

 

迫るアリスと意地でも逃すまいと息巻くネル、圧倒的不利な状況下でほんの一瞬『挟撃』という有利状況を作り出した生徒達にギュメイは僅かに口角を吊り上げた

 

 

 

「ギュメイ先生っ、勝負ですっ!」

「見事…!」

 

 

 

▽▲▽▲▽

 

 

 

アリスが向かってくる。勇者の剣を携えて。

 

「ギュメイ先生っ、逃げて!」

「げほっ、ここ…まで、来て…!逃がすと思うか…!?」

 

分かっている、ヒナの意見が正しい。ここで勝負せず距離を取れば体勢を立て直したホシノとヒナが戻ってくる

ワカモは倒されたが3人でかかれば勝利は確実。しかし…

 

 

 

「ギュメイ先生っ、勝負ですっ!」

「見事…!」

 

 

 

天童アリスに勝負を挑まれている。運と実力を重ね合わせ、ここまで食らいついてきた勇者から小細工無しの一騎討ちを。ならば──

 

「心配するな、ネル」

「あ…?」

 

ならば、我は!

 

 

 

「我は!退かぬ!

その勝負、受けて立つ!」

 

 

 

アリスに合わせたつもりは無い、ただギュメイ自身これまで抑え込んでいたものが湧き上がってきた

戦闘に対する欲求…他者との命を賭けた勝負…

 

戦闘の状況を見れば我がこの一騎討ちを受ける利点は無い、ゲルニックの指導を受けたユメもそれは分かっているはず

──いやユメは分かっていたのだ、ギュメイという剣士がこの一騎討ちの誘いに必ず乗ってくると

 

 

 

ほんの一瞬、剣士としての本能をを抑えきれなくなったギュメイ。

戦いたい、使命も恩も責任も、今この瞬間だけは忘れて目の前の戦士と戦いたい。

 

相手は子供だと言うのに清々しいまでの戦いの姿勢に彼は天童アリスを生徒ではなく戦士として認識し、男は生徒に対して初めて峰ではなく刃を向ける

 

 

 

参るぞ、ミレニアムの戦士よ

 

 

 

「『まじん』…!」

「『魔神』…!」

 

 

 

 

 

『ぎり!!』『斬り!!』




やはり戦闘描写は難しいなと思う作者のルルザムートです、ハイ。
文字色使い分けてそれぞれのキャラクターを表現したかったけど思ったよりイメージ通りにいかなかった…

レッドウィンター編でユメとアウル、どちらを連れて行くか

  • ユメ
  • アウル
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