イワン・クパーラ編 第3話です、お楽しみください
『番組の途中ですがクロノス報道部より臨時ニュースです!
先ほどカイザーコーポレーションが運営するアビドスカジノ、宿屋の地下室へ【覆面水着団】を名乗る者達が強盗に入った模様です!
詳細はまだ入っておりませんがカジノには10億を超える金銭が保管されているという噂もあり…
いやぁ私もあやかりたいですね!
勢いのままに次のニュースです!ミレニアムサイエンススクールが開発している有人仕様型超巨大決戦兵器【サージタウス】の起動実験が近々行われると…え?放送妨害?
カイザーが作ってるくっだらないエンタメよりこっちの方が視聴率とれるでしょ…あ、あー!離してください!私にはこの情報を発信する義務が──あー!』
プチッ
「アビドスカジノに強盗か…ううむ、あの娯楽施設は気に入っていたのだが…
ああすまない、好きな場所に掛けてくれ」
連河チェリノ率いる一団の雪上車でレッドウィンターの中心部…事務局本部へ通されたギュメイとユメは暖房の効いた暖かい談話室で連河チェリノと向かう合うように腰をかけた
「連邦捜査部シャーレ顧問、ギュメイだ
密入しようとしたにも関わらず手厚くもてなしてくれたことに感謝する」
「れ、連邦捜査部シャーレ所属、アビドス高等学校の梔子ユメです!
よろしくお願いします…!」
「ギュメイ先生に梔子ユメ殿、自己紹介感謝する。改めて…既に周知かもしれぬが余がレッドウィンター事務局書記長の連河チェリノである。
他にも色々と肩書きはあるが全て読み上げていては長い上に客人も面倒であろうからそれだけ知ってくれれば良い
もちろん聞かれれば答えるがね。…ゴレオン、自己紹介を。」
「はっ!…つーわけでオレ様の名はゴレオン!チェリノ様からこのレッドウィンター学園の治安維持軍団長を任されている!
シャーレは諜、ホーキテキ?機関らしいがレッドウィンターに来た以上はチェリノ様に従ってもらうぜ」
治安維持軍団長?カジノでは鎮圧軍将校だと聞いていたが…
「よせゴレオン。…重ね重ねすまない、彼は頼りにはなるが不器用な男でな
他者に威圧的になるのも余への忠義の高さゆえ、当校の規則には従ってもらうが余に服従などする必要はない、そなたらはそなたらの成すべきことを成すがよい」
「感謝する」
およそ子供が出せるようなものではない『王』の気配、それもマコトの時のように集中せねば分からぬようなものではなく、これでは王そのもの…完成された支配者だ
果実は王の資格まで与えうるというのか…?
「して、密入までしてレッドウィンターに来た目的は何かな?出来うる限り協力はするが見ての通りここに潤沢にあるのは雪と寒波だけ、力になれると良いのだが」
飾られている肖像画と変わらない柔らかな笑みを浮かべながら話を切り出す連河チェリノ
さて話すべきか、否か…
「………」チラ
「………」コク
…ユメも我と同じく『話すべきだ』と頷いたのが見えた
うむ、まずは対話からだ
「実は バンッ! 「チェリノ様!ゴレオン将軍!緊急の報告が!…あ。」
飛び込んで来たのは彼女の部下の1人であろうレッドウィンター生、それを見たチェリノはみるみるうちに顔を曇らせてゆく
誰が見ても『激怒している』と分かる表情へと…
「──今は客人を、それも『シャーレ御一行』をもてなしている最中だ。それを押して割り込んで来たのなら相応の覚悟があってのことだろうな?」
「ひっ…も、申し訳ありません!また例のレジスタンスが『書記長を出せ』と攻め込んで来ており、現有戦力だけでは鎮圧に支障が…」
「ああ!?あのストライキ女、まだ懲りてねぇのか!!」
「鎮圧が遅れたところで死に体の反乱分子如きができることなどたかが知れている、にも関わらずそんなもののために客人の言葉を遮ったと?」
「ひ、ひいいっ!お許し、お許しください!書記長、どうか粛清だけは──」
「────」スッ
怒りに満ちた無表情で、おそらく制裁の合図であろうその手を振り下ろ「待ってくださいチェリノさん!」
割って入ったユメの声に手が止まる
「彼女はくだらぬ些事であなた方の言葉を遮った、粛清に値する痴れ者だ」
「我もユメもそのようなことで怒りを覚えることはない、我らのために怒ってくれたことには感謝するが書記長の怒りは見当違いだ
その手を引いてくれないか」
怯える生徒を守るように抱きしめるユメに続いてチェリノを制止する
独裁者の眼光で睨みを効かせていたがやがてその威圧的な光も消えてゆく
「ふむ…確かにそなたらの言う通り先走りすぎた
報告ご苦労、下がっていいぞ。
予備の武器は持っているなゴレオン?直ちに現地に赴き、今日こそ反乱軍大将の安守ミノリを捕縛せよ」
「はっ!仰せの通りに!…っし行くぞぉ!」
鼻息荒く飛び出していくゴレオン
…気になるな
「チェリノ書記長、我も彼に同行してよいか」
「構わないが…彼の戦い方は少々苛烈だ、巻き込まれないように注意したまえ」打撲では済まないぞ
「知っている。…ユメ、ここで待っていてくれ」
「うん、分かった」
安守ミノリ…レッドウィンター工務部のトップだったか?
内戦状態、と言った割に学園は静かだったが彼女らの言うレジスタンスが内戦の核であるのなら見ておきたい
「ユメ」
「・・・」
「………ユメ?」
「…あ、ギュメイ先生?」
何か考え事をしていたのか?反応が悪い…
「大丈夫か?」
「大丈夫!だよ!…どうしたの?」
「反乱分子のリーダー、安守ミノリを見に行く。シッテムの箱を預かってくれないか」
「分かった!」
「すぐ戻る。…ゴレオン!待て!」
様子が気になるが今はゴレオンを見失わないことが大切だ。そう考えたギュメイはシッテムの箱をユメに預けてゴレオンの後を追うのだった…
なんかゲルニックよりゴレオンの方がエミュ難しくないか…?と思っている作者のルルザムートです、ハイ。
今更ですが今章は原作ブルアカのイワン・クパーラにかなり手を加えて書いてます
というのも(イベントなので仕方ないんですが)メイン・ストーリーほど厚みがあるわけではないのでそのままなぞるとメチャクチャに短くなるというのに終盤気付きまして…