ギュメイ将軍のキヴォトス放浪記   作:ルルザムート

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一ヶ月以上更新期間が空いたにも関わらず以前のように感想を送ってくれた読者さんの存在にかなり救われてます!ホントありがたい…!
そしてガンベクセン王ですが物語中で容姿の描写をする機会を作れなかったので後書きに書くことにします
というわけでイワン・クパーラ編 第5話です、お楽しみください


同志を救え

「──ふう、残りは逃げたか」

刀や鞘の中に雪が付かないよう気をつけながら剣を収める

おひげ広場と呼ばれる場所で起こった戦闘はギュメイの介入によりあっという間に決着がついた

 

 

 

「おお、すごい!ギュメイ先生お強いですね!」

「ったく、モノマネのクセにでしゃばりやがって…ストライキ女を捕まえたからっていい気になるなよ!チェリノ様の右腕はこのオレ様なんだからな!」

「ああ、分かっている。護送車を呼んでくれ、彼女を連れて行くぞ」

 

 

 

吹雪でもかき消されないほどの大声で『おーい護送車持ってこーい!』と原始的に護送車を呼ぶゴレオンに対して『いや携帯使えばいいじゃないっすか…』と呆れ気味に指摘するレッドウィンター生。

 

結局携帯電話の使い方に四苦八苦したゴレオンが直接呼びに行くことになり、それにレッドウィンター生もついて行った

…それにしてもあの伝令係、どこかで見たような?

 

そんなことを考えつつ状況を見渡せば場に残ったのは我と…

 

 

 

「ぐ、くそ!まだ終わるわけにはいかない!

労働者の権利を、生活を取り戻すまでは…!

奪われたものはまだ何も返ってきてないんだぞ!」

縄で雁字搦めに捕縛された反乱軍大将の安守ミノリだ

 

 

 

「連河チェリノがどんな暴虐を尽くしたのかは知らぬ、だが我が来たからにはこれ以上の無駄な争いを看過するわけにはいかん

…連河チェリノはシャーレが必ず止める、今は大人しくしていろ」

 

 

 

初めはゴレオンと反乱軍の戦いを傍観していた我だったが人にも建築物にも容赦のない戦い方をする彼の前に次々と倒れて行く生徒を見てしまったからには介入するしかなかった

 

 

 

「さて…」

 

 

 

ここからどうするか、ひとまずミノリをチェリノに引き渡せば向こうもある程度信頼はしてくれるはずだ

とはいえ果実の話になればかならず武力衝突が起こる…

 

ふむ、ゲルニックではないが今は信頼を得ながら機会を待つとしよう。ガンベクセン様の居場所も突き止めなければならんからな

 

 

 

「──連河チェリノはお前達を信用しないぞ」

「…なに?」

 

声に出ていたか?と思うほど正確にこちらの心境を読み取ったミノリの呟きに思わず聞き返す

 

 

 

「奴が心から信用しているのは目先の欲望だけに釣られるゴレオンのような兵士だけだ、奴の部下に賢い奴は1人もいない」

「………」

 

「シャーレのギュメイ先生…噂は聞いてるぞ、銃も持たずに前へ出ては障害を斬り刻んで突き進む高潔な剣士…チェリノ会長に言わせれば1番出ていって欲しい人間だ」

「かもしれん、故に我が止めに来たのだ」

 

 

 

もう初対面の人間が自分の名前や特徴を知っているということもだいぶ増えてきたな──

「それでは遅すぎるんだ!!」

──などと思っているとミノリが急に声を張り上げた

 

「なぜ密入したあなた達を生徒会長があっさり許したと思う!?まともにぶつかったら勝てないと分かりきっているからだ!

 

他者を踏みつけ、1000の資源を独占する卑怯な権力者どもは自分の地位を守るためならなんでもするぞ!なんでもだ!」

 

「何を、言っている?」

 

「わざわざ密入したということはここにくる前にレッドウィンターのことは調べていたんだろう、学園の様子を見ておかしいと思わなかったのか?」

「む…」

 

 

 

確かに黒服やアロナの報告にあったような内戦状態には見えなかったが…

 

「奴はあなたが来ると知って急に態度を変えて機会を待った!あなたとあなたの生徒が別行動を取るのをずっと待っていたんだ!」

「まさか…」

 

 

 

ユメ…!?

 

 

 

「っ!」

ゴレオン達が戻るのも待たず事務局へと駆け出すが──

 

がしっ!

 

「どけミノリ!もう喋っている時間は無い!」

「分かっている!だがあなた1人で行ったところで地下牢の場所は見つけられない…

縄をほどいてくれ!あそこには私の同志達もいるんだ、かならず助ける!」

 

 

 

ミノリ自身を斬らないように縄を斬り飛ばし、彼女を抱えて事務局へ走る

 

 

 

「おーい護送車が来…っておい、なにやってんだ折角捕まえたんだぜ?」

「ゴレオンどけ!『火炎斬り』

「は?うぼえっ!?ぐあああーっ!あっちぃ!!?雪っ、雪!!」

 

 

 

ゴレオンを吹き飛ばしてひたすら駆ける

「ユメ…!」

 

 

 

 

 

▽▲▽▲▽

 

 

 

 

 

『ヒャダルコ』

 

 

 

「あうっ…!」

ビデオの早送りのように天井に生成されていく氷柱が次々と降り注いで何もできない

 

盾で防げても落ちた氷が邪魔で動きにくい…!

 

 

 

「ひいい、た、頼むから頑張ってくれ!おいらもうこんなところ嫌なんだ!なんとか勝ってくれ!」

 

本物のチェリノちゃんが檻の中でそう言うが私1人ではどうしようもない、せめてギュメイ先生かワカモさんがいれば…

 

 

 

「流石はシャーレに選ばれた生徒、中々しぶといな」

「うう…」

 

 

 

一旦退くことも考えたが唯一の出入口は氷で防がれて通れない、砕くにしてもこの人が黙って見てるとは思えないし…

 

 

 

「っ…梔子ユメ!ギュメイが来ているのは本当なのだな!?」

「へ、は、はい!来てます!」

「よし…よいぞ、ここが使い時と見た」

 

「ぬ?ガンベクセン、何をする気だ?」

「ギュメイと梔子ユメを守れ、以前のレッドウィンターを取り戻したいと思うのならな…!

『アバカム』!!

 

 

 

謎の掛け声と共に牢屋の扉が蹴り開けられた

牢屋の中の生徒も、ユメも、本物のチェリノと偽物のチェリノも、等しく目を点にしてそれを凝視している

 

 

 

「な、な!ガンベクセン!お前っ、開けられたならもっと早くやらないか!お前が出し渋ったせいでおいらは昼寝もおやつも我慢することに…!いかにお前と言えど粛清だぞ粛清!」

「言ってる場合じゃないですチェリノちゃん!さぁ皆さんも逃げますよ!」

 

「おのれガンベクセン!まだそんな隠し玉を持っていたのか!ええい面倒だ、この場で全員粛清して──」

 

 

 

一瞬、自分への注意が逸れたのを見逃さず、打ち上げるように盾を振り抜く

「ぐっ、貴様ら!」

 

「氷を砕け!早くしろ!」

「や、やってますがこの氷ものすごく硬くて…!」

「どきなさい!っ『メラミ』!

 

 

 

直後彼の手から放たれた火の玉が氷の壁を粉々に粉砕。

今の、大きさは違うけどエリドゥでアウルさんが使ったやつと…

 

氷が消えたことで生徒達は我先にと出口に殺到、対して逃してたまるかと言わんばかりに氷を乱射する偽チェリノ

 

「許さん許さん許さん!『ヒャダイン』!

う、氷が多すぎて…!

 

 

 

『マジックバリア』

 

 

 

「えっ、なにこれ!?」

「ガンベクセン!キサマ…!」

「ここは余が抑える!全員脱出してシャーレのギュメイの元へゆけ!」

 

「待てガンベクセン、お前はどうする?」

「…さっさとゆくがよい、よいなトモエ」

「──分かりました。さぁチェリノ会長、ユメさんも一緒に逃げますよ」

 

 

 

トモエと呼ばれた生徒に手を引っ張られ、そのまま出口へ…

「待って!ガンベクセンさんがまだ

「同志を救え!!」

 

置き去りになりかけたガンベクセンさんに手を伸ばしかけた瞬間、今度は派手な爆発と共に天井に穴が空いて知らない生徒が飛び降りてきた

 

 

 

「くそぉ!今度はなんなんだ!」

「道半ばで倒れた同志達よ!今一度立ち上がる時が来…ん?捕まっていた仲間達はどこだ?」

「ミノリ!先走っては──っ!?王!ガンベクセン王!」

「ギュメイか、姿は違うが分かるぞ。まさか異世界に来てそなたとも会えるとは思っていなかったが」

 

 

 

遅れて降りてきたギュメイ先生とガンベクセンさんが何か話してる

 

 

 

「誰も彼も支配者に楯突きおって!キサマらまとめて粛清して「『マヒャド斬り』!

今度はギュメイが氷で偽チェリノを足止めし、駆けつけた2人と共に全員撤退。

当初の目的の1つであったガンベクセンの救出に成功したのである




感想1つでパワー全開の作者のルルザムートです、ハイ。
では前書きにあったようにガンベクセン王の外見をここで語っていきます

まず前提として今作における彼の姿はドラクエⅨのクリア後追加クエスト『名を奪われし王』で登場したボスとしてのガンベクセン王…ではなく、封印のほこらにて病魔パンデルム撃破後に地下で出会える霊体(クエスト『さまよえる王』を依頼してくる王の幽霊)の姿でイメージで書いています

汎用グラフィックなので個性が出づらいとは思いますがくたびれたヘルバトラーみたいな顔をした貧相な40代後半男性…みたいなのをイメージしていただければ。

こればかりは自分の表現力がまるで及ばず、彼の外見の説明がすごく雑になってしまったため登場を見送ろうと対策委員会編を執筆中にずっと思ってましたが彼もまたガナンの人間であることを思い出して強行することに。

ただその分彼の心情はとことん推測し、掘り下げたのでそこで取り返せたらいいなー、と

それではまた明日…
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