ギュメイ将軍のキヴォトス放浪記   作:ルルザムート

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とある読者の方が心配してくださった通りの暑さに悶えながら、ここでようやくメインストーリー2章分を書き始めました
しかしここまで書いてきたギュメイ将軍のスタンスとモモイの性格の相性が最悪でどれだけ書き直してもモモイが…
まぁこの話のメインはあくまでギュメイ将軍なのでここは曲げずに行きます

そしてその二次創作へ。本編と違ってホシノをガチギレさせてしまったギュメイ先生。一旦シャーレに戻ることになりましたがここで新キャラ2名の加入を。
とはいってもそこまで出番は無いので今は気にしなくても大丈夫です

…今はね



再会

「ギュメイ先生!受けた依頼を完遂し、ヘルメット団ただいま帰還したっす!次は何をすれば?」

「分かった、休息は取ったか?」

「取らなくたって平気っすよ!」

「取るんだ、お前達が良くても我にはお前達を監督する責任がある。休んで次に備えろ」

「了解っ!」タッタカター

 

 

 

ホシノに追い出されて以降、我はシャーレへと戻りヘルメット団…いや、元ヘルメット団を監督してシャーレの依頼に当たらせていた

 

アビドスから手を引くことになったとはいえ壊滅させたヘルメット団がまたシロコ達の邪魔をするんじゃないかと考えた結果、彼女達をシャーレの生徒として先に囲んでしまおうと思ったのだ

 

やらせているのは民家の庭の草むしりや迷子の捜索といった大した仕事ではないがそこから働き先(アルバイト)を見つけて新しい道に進む生徒も少しずつ出てきている

 

…そしてヘルメット団とは別に正式な手続きを経てシャーレに加入してきてくれた生徒が2人。

 

 

 

「ひぃん、ぜんぜん終わらない…」

アビドスからついてきたユメと

 

「ギュメイ先生、書類の記入及び確認と整理、終わりました」

「速いな、助かるぞ」

トリニティ総合学園の桐藤ナギサ──が派遣してきた生徒、アウルだ

 

 

 

「アウルさん速すぎるよぉ…私まだ半分も終わってないのに…」

「少なくとも我やヘルメット団がやるよりずっと速いぞ、彼女がおかしいだけだから気にするな」

「おかしいって…手伝ってあげているのに酷い言い草ですね?

もっともナギサ様の命令が無ければこんなところに来てませんが」

 

 

 

ホシノと同じくらいの体躯から生えた不釣り合いなほど大きい翼を不機嫌そうに揺らしながらも書類を捌いていくアウル

美しく銀色にたなびく髪と童顔ながらも整った顔立ちは否が応でも彼女が貴族の出であることを主張するが言動まで含めればとてもそうは思えない

 

 

 

──何が目的だ?桐藤ナギサ…

 

 

 

トリニティ総合学園の生徒とはハスミ以外面識が無かったものの、ナギサという生徒はこちらに興味を持ったようで彼女を派遣してきた

 

こちらを見定めるためか、あるいはシャーレを調査するためか

いずれにせよ善意だけの行動ではないだろう

むしろこっちに善意の塊みたいな存在が…

 

 

 

「本当に良かったのか?アビドスを放っておいても」

「良くないよ!…でも今のまま戻っても私どうしたらいいか分かんない…

あんなに怒ったホシノちゃんなんて初めて見たし…だからまずはギュメイ先生とホシノちゃんを仲直りさせるところから!

今の私はアビドスのホシノちゃんとシャーレのギュメイ先生を繋ぐ架け橋になるんだ!」コーヒーどうぞ!

 

「ありが──…っ!?ユメ、コーヒーに何を入れた?」

「え?お砂糖を少し…」

「・・・多分間違えているぞ」

「え?ちょっと私にも…ひぃん、しょっぱい…」

「やれやれ…」

 

 

 

『ギュメイ先生!いいニュースです!』

新しいコーヒーを入れ直そうとしているとシッテムの箱から元気な声が聞こえた

 

「アロナか、どうした?」

『黄金の果実を見つけました!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガナンの軍服に着替え、身分証も隠して歩く

「闇市場か、確かにここならあってもおかしくは無いな」

『ははっ、相変わらずここは変わらないな

ただの闇市場だと思うと迷子になる広さっす、私がしっかりナビゲートするんで任せてください!』

 

 

 

アロナの情報を頼りに我はブラックマーケットに来ていた、サポートとして来てくれたのはアウル。通信でバックアップしてくれるのはヘルメット団リーダーの彼女だ

 

ちなみにユメは来ていない

『着いていく!』と少しゴネていたが『すぐに攫われる』『飴で懐柔されそう』『身体だけは良いから性奴隷まっしぐら』『振り返ったら迷子になってそう』『次の日、バラ売りされてそう』等々アウルにボロボロに言われて留守番することに

 

トリニティは貴族が通う学校だと資料で見たが…彼女本当にトリニティから来たのか…?よくもまあ次から次に言葉が出てくるものだ

 

 

 

「…ところでギュメイ先生は何を探しに?」

「黄金に輝く果実だ」

 

 

 

特に隠すことなく彼女の質問に答える

闇市場にまで来て下手に隠しても面倒な事になるのは目に見えている。ならばある程度言ってやった方がいい

 

上手く言えないが…どうもアウルは信用できん、桐藤ナギサがシャーレに潜り込ませたスパイか何かだからだろうか?

言語化は難しいが気は配っておくとしよう

 

 

 

「そんな果実があるんですか?聞いたことありませんが」

「我も半信半疑だが『見た』という人物がいる。支援のおかげで我にも時間ができた。今のうちに調べておこうと思ってな」

「ふぅん…」

 

とはいえただの目撃情報だけで探し出せるほど甘くはない、バックアップしてもらって地道に探すしか無いだろう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ありませんねぇ」

「そう簡単に見つかるとは思っていない」

とはいえここまで広いと…ヘルメット団に手を借りるか?だが更生し始めた彼女達を巻き込むのも気が引ける

 

どうしたものか…

 

「おや…?ギュメイ先生、あの校章は…」

「?」

闇市場に入ってから数時間、人混みの向こうに見知った顔が…

 

 

 

「あ。」

「うへぇ、シロコちゃんどうした、の…あ。」

アビドス対策委員会の面々だった、つい先日衝突したばかりのホシノももちろんいる

 

のんびりと空気の抜けた風船みたいな顔がみるみるうちに険しくなっていくのが嫌でも分かる

 

 

 

「ホシノ…」

「ユメ先輩は?お前はここで何してるの」

 

「ん、ホシノ先輩やめよう」

「そ、そうです!今騒ぎを起こしたらマーケットガードが…」

 

む?

 

よく見るとアビドス生に混じって知らない顔が1人

転入生…じゃないな

 

 

 

「おや、まさかこんなところにいらっしゃったとは。ナギサ様がたいっそう心配されていましたよヒフミ様」

「えっ!どうして私の名前を…」

 

 

 

どうやらアウルは知っているようだ、向こうの反応から知り合いというわけでは無さそうだが

 

 

 

「無断で抜け出して、あろうことかトリニティの生徒が闇市場なんかに…このことは私の胸にしまっておくので今すぐお帰りください」

「ううっ…で、でもまだペロロ様グッズが…」

 

「ペロロ?あの不快な鳥型モンスターのことですか。たかだかそんなもののためにトリニティの品格を落とさないで欲しいのですが」

「ちょっと!あなたなんなんですかいきなり現れてヒフミちゃんに…!だいたいその制服、あなたもトリニティですよね?あなたこそこんなところで何をしてるんですか?」

 

 

 

ノノミが指摘するがアウルはどこ吹く風と言ったように返す

 

 

 

「私はシャーレ所属の生徒としてブラックマーケット調査という先生の仕事の補佐として来ています

いいですかアビドスの皆さん?失うものなどとうにないあなた方とヒフミ様は違う、立場というものがあるんですよ。ですから「そこまでだアウル」

 

 

 

聞くに耐えない言葉の数々に手をかざして制止

トリニティがどういう学園で、ヒフミという生徒の立場が理解できていないまま上から押さえつけるのは少し抵抗があったがアビドスまでいいように言われては黙ってられない

 

 

 

「先生、これはトリニティ総合学園の生徒としての役目です。口を出さないでいただきたい」

「かもしれん、ヒフミという生徒の立場を知らない以上口出しは野暮というもの

だがお前もアビドスを知らないだろう、部外者のお前が軽々しく彼女達の願いと努力を踏み躙るな。次は無いぞ」

 

 

 

「──肝に銘じて置きましょう。…アビドスの皆様、先の発言は思慮に欠けた無粋な物言いだったと認めて謝罪させていただきます

失礼しました」

「違う」

 

「はい?」

「撤回しろ」

「やれやれまったく…ええ、撤回させていただきますとも、ワタクシの発言は間違いだったと

これで良いですか?」

 

 

 

「ちょっと何よそんな言い方「もういいよみんな、こいつらと関わるだけ時間の無駄だ。ごめんねヒフミちゃん、もう少しだけ案内を頼んでもいいかな?」

「うぇっ…?でも私は…」

 

「こら、勝手にヒフミ様を「アウル、これはお前の落ち度だ。ここは見逃せ、それともシャーレの権限で無理矢理引っ張っていった方がいいか?」

「………仕方ありませんねぇ」

 

 

 

険悪なムードのままアビドス組+ヒフミとすれ違い、各々の目的を果たすため歩み始める

だがそのすれ違う瞬間

 

 

 

「ん、3つ先のブロックに先生の探し物がある」

「…っ!?シロコ…?」

「早く行って」

 

「シロコちゃん、迷子になる前に早くおいでよ」

「ん、今行く」

 

 

 

正直アビドス組が闇市場で何をしようとしているのか気になるがホシノがいるならまず大丈夫だ、我らは──

 

「急ぐぞ」

「はいはい仰せのままに」

 

ひとつ目の果実を回収する!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まさか本当にあるとは」

「ようやく見つけたぞ」

 

シロコの言った通り、本当にあった

ひび割れた照明に照らされた小さな劇場跡を改造した競り広場の中央で爛々と輝く女神の果実が。

セリシアから受け取ったものと全く同じものがそこに…

 

 

 

『400万!400万出ました!他にはいませんか!?』

司会者と思しき機械男がマイクを片手に叫ぶ

 

「オークションの真っ最中ですね、どうするおつもりですか?」

そんなもの決まっている

 

 

 

「斬って奪う。お前は隠れていろ」

「またその手ですか、野蛮な…ブラックマーケットにはブラックマーケットの流儀があります

そんなことをすればたとえシャーレでも報復は止められませんよ」

 

『アウルさんの言う通りっすよ先生、先生の力を信じてないわけじゃないっすけどここのマーケットガードはマジでヤバい奴らで…

それに飾られてるのが本物とは限らないっす、盗難防止のためにそこらへんのリンゴに金メッキ付けただけの可能性だってあるっすよ』

 

「ならばどうする?」

生憎そんな金銭は持ち合わせていないが

 

 

 

『それは…その、分かんねぇっすけど…』

「オークション会場に来てやることなんて1つだけでしょう?…600万!」

「アウル…!?」

 

 

 

それまでまったく無関心だった客達が一斉にこっちを振り向いた

…シャーレの制服を脱いできて正解だったな

 

 

 

『おおっ、600万!600万出ました!飛び入り参加のお客様がまさかの600万!

さぁさぁ他には!?他にはいませんか!?

ソラから落ちてきた世にも珍しい光り輝く星の果実!ここを逃せばもう手に入らないかもしれませんよ!』

 

 

 

「く、ぐ…!ろ、650万!」

「700万」

「ななっ…!?く、うおおああっ!750万!!」

「800万」

 

 

 

ポンポンととんでもない金額を提示していくアウルに司会者も客も釘付けで、当初400万で競っていた獣人も負けてたまるかと金額を釣り上げていくが…

 

 

 

「まったくチマチマと…キリがありませんねぇ。1200万」

「ばっ…!?」

 

『す、すごい!一気に飛び越え1200万!1200万です!他には?他にはいませんか!?』

狂っているとしか思えない吊り上げに他の客達も完全に意気消沈、そのまま時が流れ…

 

 

 

『落札!1200万で落札です!では商品をお渡しするので裏へどうぞ!』

「アウル…」

「これでさっきの件はチャラ…ということにしてください」では行ってきますね

 

ひらひらと手を振って舞台裏に消えていく彼女を我は黙って見送ることしかできなかった

 

 

 

そして…

 

 

 

「ほら、取ってきましたよ」

「っと、まさか本当に手に入れてくるとはな」

ポイっとなんの有り難みも無さそうに投げ渡された果実を受け取る

 

「それで?これで目的達成ですか?」

「ああ、まだ終わりでは無いがおかげで──む?」

 

 

 

手に取った瞬間、違和感に気付いた

「………違う」

「はい?」

「偽物だ」

 

 

 

セリシアから受け取った時のような力の波動を感じない、見かけはそっくりだがこれにはなんの力も無い偽物だ

 

 

 

「ええ…?1200万も出させておいて…」

「追うぞ。…金の行き先は?」

『ブラックマーケットのアガリは基本的に銀行に集められるっす!カイザーコーポレーションが経営してる中央の銀行っすね』

 

またカイザー…銀行に入られたら手出しできんな

 

「はみ出し者如きが…

つくづく人をコケにしてくれますねぇ

たっぷりと思い知らせてあげましょう」

「ああ…ところでアウル、お前は──」

「なんです?」

「………いや、なんでもない」

 

 

 

 

 

──まさか、な

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、あいつらはさっきの…!?」

『輸送車が狙われているぞ!』

『マーケットガードを派遣しろ!』

 

狭いマーケット内を凄まじい速度逃げていく車

だが速いといってもマーケット内にしては、という意味でありギュメイの速度なら追いつくのに何も問題はない

 

 

 

「結局力ずくになるんですねぇ」あ、左からマーケットガードが。

駆け付けたマーケットガードをアウルが狙撃銃を構えるより早く斬り捨てる

もちろん刃でだ、生徒と違って手加減する必要は無いからな

 

 

 

『なんか変っすね…』

「変?」

『マーケットガードが少なすぎる、ここまで派手に襲えば今の3倍は出てきてもおかしくないはずっすけど…』

 

「…罠か?」

『それは無いと思うっすよ?ブラックマーケットに限らず治安維持組織なんて舐められたら終わりっすからね、相手が誰であろうと小細工なしに全力で潰しにかかるはずっす』

 

「いずれにせよ好機でしょう、とっとと車を止めてワタクシの金を取り返してください」

「ああ」

 

 

 

「そいつらを止めろ!」

「輸送車を守れ!」

「他部隊はなぜ来ない!?」

 

「邪魔だ。…『さみだれ斬り』!」

 

群がるマーケットガード達を相手に一切速度を緩めることなくさみだれ斬りを放つ

盾や重装甲の鎧を纏った兵士もいたがギュメイの前では紙切れ同然だった

 

「!!! お、追いつかれ ゾンッ… ひいっ!?」

後ろから前へ、振り抜いた刀は左側のタイヤ2つを綺麗に両断しそこで車は停止した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「で?どうです?」

「平行線だ。『偽物とは知らなかった』『吹っ掛けることはするが商品に偽りは無かった』等々…」

 

1200万を回収し、さっきの司会者を見つけて捕まえたはいいがずっとこれだ

 

 

 

『うーん…ブラックマーケットにいる連中は千差万別っすからね…あんまり信用しないほうがいいと思うっす』

 

「仮に本当だとして…どこですり替えられたかだ」

手元にあるこれは見た目だけは女神の果実そのものだ。つまり本物の女神の果実を見た事のある誰かがこの偽物を作ってすり替えたということになる

 

「そして本物がどこにあるか、ですか

難儀ですねぇ」

 

 

 

『あ!分かったっす!』

「よし、どこだ?」

『え、あーいやそっちじゃなくてマーケットガードの方っすよ、数が少なかったのは別の事件の対応をしてたからみたいっすね

中央の銀行を襲った連中を追うために殆どの戦力を回してたみたいで…』

 

「・・・あのですねおバカさん?ワタクシ達が探しているのは女神の果実です。マーケットガードがなぜ少なかったかなどどうでもよろしい」

「いちいち食ってかかるな、ともかく調べるぞ」

 

 

 

そのあとオークション会場周辺や輸送車のドライバー等調査の手を広げてみたが全て空振りし、仕方なくシャーレへと戻ることとなった




ガナン帝国、ガナサダイ皇帝陛下に出会わなかった世界線のギュメイを想像して楽しんでる作者のルルザムートです、ハイ。
というわけで少し別行動、時間軸的には同じですが銀行強盗及び覆面水着団の存在を知らないまま物語は進行しました
そして新キャラのアウルさんですがもちろんブルアカにこんな生徒いないのでオリ生徒です。こういう幼子系毒舌キャラ好きなんですよねぇ
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