ギュメイ将軍のキヴォトス放浪記   作:ルルザムート

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・・・本気でマズい。ストックが無くなった。
…イワン・クパーラ編 第19話です、お楽しみください


砂漠の残影

『ギャギギ…!ガアッ!』

「しつっ、けぇなァ!?」

 

迫る光の炎を鉄球でかき消し、その向こう側にいるグレイナルの頭を叩き潰そうと振りかぶるがまたしても避けられる

 

 

 

クソが…!あっちこっち跳ねまわりやがって!

撃ち落とされるのを警戒しているのか飛び立つことはしないようだがこうも距離を取られ続けては殴れない

 

 

 

「卑怯だぞテメー!勝負しやが──」

 

 

 

ボゥッ

 

 

 

! また炎…!

「クソッ!」

 

 

 

だめだ、どれだけ距離を詰めてもあの光の炎が邪魔で近付けねぇ

以前のオレなら知ったことかと言わんばかりに無理矢理突撃したが今はそうも行かない

 

300年前の戦争でどうしようも無くなった結果強引に突っ込んであの炎に焼かれ、そして死んだ…ゴチャゴチャ考えるのは性に合わねーが流石に2度同じ死に方はごめんだ

 

 

 

ああクソ、クソクソクソ!いくら相手がグレイナルだからってなんで戦闘中にあれこれ考えなくちゃならねぇんだ!さっさと殴って終わらせろよ…!

 

『ザザッ…ゴレオン将軍!』

「トモエか?今バカ忙しいから後にしろ!」

『分かっています!だから連絡したんです!』

「なにが『だから』なのかまるで分からねぇ!」

 

 

 

耳元の通信機に悪態を吐きながら炎をかき消し、叩きつけられた尻尾を跳ね返し、爪の一撃を避ける

マジで余裕がねぇんだが!?

 

 

 

『事情は把握しきれていませんがそのドラゴンを倒すため、私たちも協力します!今戦車を3両そちらに向かわせました!』

「戦車?あの鉄の箱を出したってならやめておけ!あんな大砲くらいで倒せるほどグレイナルはヤワじゃねぇ!

バルボロスの騎手が使ってたレーザー砲を持って来い!ブチのめすならあの火力が必要だ!」

 

『レールガンを…!?流石にレッドウィンターにそこまでの物は…』

「じゃあ今作れ!うおっ…!?」

もう返答を返す余裕すら無い!ンナロー…!

 

 

 

「ぐああっ…!」

 

 

 

後方で聞こえてくる苦痛の籠った声、もちろんした方を見る余裕などない、だがその声だけでゴレオンも分かった

マジでヤベェ…!

 

「ヤベェぞ、ガンベクセン様が保たねぇ!」

『そんな…!? どけ!どけっ!通せ!っ、ガンベクセン王!!

 

 

 

▽▲▽▲▽

 

 

 

「かひゅ、ごほっ…ぜぇ、ぜぇ…」

「致命傷になり得る刺突や銃撃のみに絞って回復魔法を…その様子ではもう魔力は残っていない、か」

 

 

 

彼女の言う通り、連発できるような魔力は残っていない

いや、落ち着け。そもそも私は戦いの専門ではない、こうなることは分かっていた

 

 

 

「………」

ギュメイはまだ戻ってこない…このまま戦い続けたところでもう止められないだろう

思い出せ、私は──違う、余はガナン国王ガンベクセン…ゲルニックに合理性の化け物と言わせた男だ。使えるものは全て使え!

 

 

 

「…君は、いったい何者なんだ」

「答える必要はない」

「いや、ある…この状況、おそらく君の本意ではないはずだ」

 

 

 

彼女からは『戦う上で最低限必要な分の殺気』しか感じない。正確に言えば私自身戦ったことなど殆ど無いのだが少なくとも妻を慕っていた国民やガナサダイから向けられた殺気より遥かに下回っている

少なくとも憎しみで動いてはいまい

 

 

 

「ギュメイが果実を持って退いた時、強引に追わなかったね…果実だけが狙いならなぜ丸腰の彼を追わなかった?」

「………」

 

「──私を殺せ、と誰かに言われたのか?」

「……っ!」

 

さっきよりも速く振られた短剣の軌道を杖で逸らす

速いが直線的…当たりか?

 

 

 

「その戦闘能力…およそ子供が持っていいものでは無い。別の果実による後付けの力か?」

「答える、必要は…」

「君はまだ戻れる、もうやめなさい」

「っ、私は…もう戻れない…!

 

 

 

他の誰でも無い自分自身に言い聞かせるように彼女は言葉を吐き出す

…この子も被害者か

 

 

 

「兜を取ってくれないか、私は君の力になりたい」

 

そう言いつつ、この後はドラゴン騒動の重要参考人としてヴァルキューレに引き渡す、もしくは素顔を公表して指名手配することになるだろうとも思っていた

 

以前の私なら何も感じなかっただろうが…こう思うと胸が締め付けられる

だが全てを取ることはできない、仮にこの子が被害者だとしてもギュメイやチェリノ達に害を成そうとするのなら…私はこの子を討つ。

 

 

 

「わ、わたし、は…」

その手が兜に触れかけた瞬間、ひび割れたヘイローに新しいヒビが入り──

 

「──ぐ、そうだ、あなたの言う通り…

私は!あなたを殺しに来たんだっ!」

「!」

 

ダメか…!

「やめてっ!!」

心臓狙いのひと突きが間に割り込んできた盾によって防がれる

その盾にはアビドスの校章が…

 

 

 

「っ、退がりなさい!キミの手に負える相手ではない!」

「はっ、はーっ、はーっ…!」

 

梔子ユメのおかげで私は助かったがこれでは後が続かない

こうなれば余力を考えずいちかばちか全力のメラゾーマを…──っ?

 

「もう少しでギュメイ先生が来る…!それまであなたは私が──っ…?」

 

 

 

「な────」

 

 

 

なんだ…動きが止まった?

竜戦士がユメの顔を見た瞬間、動きが停止した

特に誰かが何かした気配はない、いったい…?

 

「あり…得ない、なんで、ここに…

だって、アビドス砂漠で、死んだと…」

訳のわからない独り言を呟きながら後ずさっていく彼女

 

 

 

なぜユメを見た瞬間に…もしや、

「君は…アビドスゆかりの生徒、なのか…?」

アビドスでヘイローの付いた人物となると相当絞られてくるが…

 

「いや…ちがう、そんなはずない!ただ似ているだけの偽物…!お前は、違う!!!」チャキッ

「っ!」

来る!

 

 

 

「下がれユメ!『しんくう斬り』!

「ぐ…!?」

 

 

 

一手遅れて戻ってきてくれたギュメイが竜戦士を吹き飛ばして振り出しに

刀は…見つかったわけでは無さそうだ

 

 

 

「ガンベクセン様!お怪我を…!」

「私はいい!それよりもその剣で勝てるか!?」

 

「…負けるつもりは毛頭ありません。…ですが彼女の身のこなしも相当なもの、加えて私はこの銀河の剣を扱い切れていません

口惜しいですがすんなりとは勝てないでしょう」

 

「分かった、私とユメで対策を考える!それまで時間を稼いでくれ!」

「──それでしたらどうか私ではなくゴレオンの加勢を。グレイナルを野放しにはできません

先はああ言いましたが、必ず勝ってみせます」

 

────よし

 

「信じる!…梔子ユメ、下がるぞ!」

「は、はいっ!」

 

 

 

 

 

「はーっ、はーっ、ギュメイ、先生…!」

「…お前がどこの誰なのかは知らぬ。だがグレイナルを駆り、果実を狙って暴を振り撒くと言うのなら斬るまでだ。かかってくるがいい…!!」




レッドウィンター編を書く前、刀と剣では使い心地が全然違うのを知ってギュメイに銀河の剣を装備させようと思いついた作者のルルザムートです、ハイ。

パヴァーヌ編で懲りたはずなのに!学んだはずなのにこれだよ!?
というわけでストック消失によりガチのチキンレースの開催です、幸いまとまった休みを貰えているので明日のこの時間までに間に合わせます
できなかったらメガンテします。

…嘘です、とにかくなんとかしますのでまた明日…
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