ギュメイ将軍のキヴォトス放浪記   作:ルルザムート

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ギヒヒヒ…!こんなところで終わるワタクシではありませんですこと…!このまま書き切るぞ…!
イワン・クパーラ編 第20話です、お楽しみください


灼熱のレッドウィンター

クソ、クソが…!もう知るかクソがぁ!!

 

光の炎、迫るその塊に真っ向から突撃し、思い切り鉄球を振りかぶる

 

「効か、ねぇ…!」

【効くかよ馬鹿がぁぁぁ!!!

 

 

 

ぐっえ…身体が焼ける…!だが…!

 

「そう何度も逃すかっ!ぬおらぁ!」

再び飛び退いて距離を取ろうとしたグレイナルの胴体に鎖を巻きつけ、力任せに叩き伏せる

 

 

 

あとは頭をブッ潰しゃあ…!

『グギッ!ギャオオオオッ!!?』

「う、おっ…!往生際わりぃぞ!」

 

翼と尻尾を力の限り振り回して暴れるグレイナル。さらに鎖を巻きつけて動きを封じるがあまりの暴走っぷりに抑えるだけで精一杯、とても攻撃する余裕がない

 

「大人しく──」

【ギガデイン】

 

 

 

!!!

 

 

 

「ぐ、げ…!」

瞬間、レッドウィンターでは見たことも無かった巨大な雷が自分の身体に降り注いだ

…超高圧電流で意識、五感、筋力全てが狂い、鎖を握る手から力が解けて──

 

 

 

「あぐあああ!!舐めるなよグレイナルっ!」

飛びかけた意識を強引に揺り戻し、鎖をめいいっぱい引き絞る

 

「ごほっ、これしき──

【ギガデイン】

かっ…!?こっ…れしきの、雷なんざ…マッサージにもならにゃしねぇ…!

テメーは絶対…逃がさねぇぞグレイナルゥ…!」

 

 

 

とはいえこのままじゃコイツをブッ殺せねぇ…!

「ぐぎぎ…ギュメイ…!トモエでもマリナでもいい、誰でもいいからこのクソをなんとかしろ…!」

 

 

 

▽▲▽▲▽

 

 

 

「あああああ!!!」

「っ…!!」

 

ライフル弾を叩き落とし、振りかぶられたナイフを鞘で防御。続く二撃目を出される前に潰し、峰の無い剣を振り下ろす

 

ガンッ!

 

「くそ…!」

「邪魔を、するな!」

 

 

 

まただ、あと一歩のところであの短剣に防がれる。目の前の竜戦士が強いというのもあるがそれ以上に──

 

 

 

「…!!」グラッ

 

 

 

「! そこだ!」

首を吹き飛ばそうと振り抜かれた短剣を斬り上げて防御しつつ距離を取る

「く…」

くそ!なんという巫山戯た剣だ…!

 

 

 

手元の銀河の剣が視界に入るたびに集中と平衡感覚を乱される、おそらくこの剣特有の力が関係しているのだろうが自分が振るっている以上どうやっても刀身が目に入る

 

竜戦士も同様の状態に陥っているようでガンベクセン様を相手にした時より動きが鈍っているが手元にある関係で我の方がまともに影響を受けている。そのせいで全力を出せない

 

あと数刻振るえば馴染んでくるだろうが──

 

 

 

【ギガデイン】

「グワアアアッ!?ぐ、が…!お、おい誰かなんとかしろ!いくらオレ様でも…!」

 

 

 

──それを待っていればゴレオンが保たない!今すぐにこの竜戦士を排除せねば…!

 

「うぐ、おいギュメイ…!そんなやつさっさと片付けてこのバカをブッた斬れよ!!?」

「分かっている!」

分かっているが…!

 

 

 

ダダダダッ

 

 

 

「っ、はぁっ!」

可能な限り刀身を見ないようにしつつライフル弾を叩き落とし、再び距離を詰める

 

が、さっきと同じ。短剣に防がれ、反撃の早技から身を守るので精一杯だ

 

刀が欲しい…!我の刀があれば…

 

 

 

銀河の剣による弱体化、慣れない寒冷地での戦闘、バギムーチョによって崩壊し瓦礫の散乱するおひげ広場…その悪環境でもなんとか竜戦士を抑え込んでいたギュメイだったものの…

 

 

 

「っ!そこを、どけェッ!『火炎斬り』!

度重なる異常事態を打開しようと半ば強引に繰り出した火炎斬り。だがそれは駆け引きでも隙を縫った攻撃でもない。

 

 

 

『焦り』から出た、ただの大技だった。

本来なら好機を見極め、差し合いを制して初めて繰り出すべき技を焦りのまま打ってしまったギュメイ。

はっきり言って剣士としては1番やってはいけない行動である

 

 

 

っ…!!

 

 

 

失敗した、と虚空を振り抜いた後に気付いたがもう遅い、短剣で受け流した竜戦士はガラ空きになった彼の懐にその短剣を思い切り突き立てた

 

 

 

「っ────!!?」

 

 

 

ホシノに撃たれた時より数段熱い痛み、迫り上がってくる吐き気のまま喉の奥から血が吹き出してくる

 

 

 

「ガハ…!!」

「終わりだ、先生」

 

 

 

竜戦士の言った通り、終わりだ。肉ごと臓器の1つを串刺しにされて無事で済むはずがない、ましてや動くことなど不可能だ。

──常人であれば。

 

 

 

「ッ!があっ!!」ブン

「なに…!?」バッ

 

 

 

短剣が引き抜かれるより再び剣を振り抜き、竜戦士を弾き飛ばす

「…………ゴボ」

 

──下手に引き抜けば失血死するか、このまま戦うしかない

「…そうか、まだ動くのか」

「……………」

 

ギュメイはキヴォトスに住まう生徒とは違う、これまでその剣技で誤魔化してきたが刺突1発、銃弾1発が命取りになる。

 

目の前の人物はどうもそれを分かっているようで攻撃してきたようだが…瀕死の剣士を前にして油断している様子は微塵も感じられない

 

 

 

「…卑怯で悪いがこの距離から行かせてもらう」

一歩、二歩と竜戦士が下がっていく。距離を取ってアサルトライフルでトドメを刺すつもりだ

 

ギュメイにしてみれば先のような戦闘はもうできない。トドメを刺そうと近付いてきたところを反撃するくらいしか思いつけなかった彼にとって竜戦士の行動は死刑宣告に近かった

 

 

 

「………」チャキ…

「っ…」

 

 

 

全ては落とせない、落とせたとしても次が来る。我が死ぬまで彼女は我の射程距離内には決して近付いてこないだろう

 

──本当に何者だ?ただ果実の力を持っているだけではない。この女、相当に戦い慣れている!

 

 

 

「最後通告だ、果実を渡せ」

「…断る!」

「…そうか、なら ダァンッ

 

 

 

1発。レッドウィンターに来たばかりの時やカジノでも聞いた銃声と共に竜戦士のアサルトライフルが弾き飛ぶ。狼狽える様子も見せずすぐさまハンドガンを抜き取っていたがそれより早く別の生徒の飛び蹴りで竜戦士が吹き飛んだ

 

 

 

「はっ、はぁっはぁっ…あ、ああっ…!こんなに血が…!?よ、よくも…!」

「お前は…」

 

 

 

▽▲▽▲▽

 

 

 

「がああああ…!!」

『チギ、チギギギィ…!!』

 

 

 

もう何発カミナリを受けたかわからない、考える余裕もない

そんな中聞こえてきた最悪な音

 

 

 

ピシ…

 

 

 

「!!!」

お、オレより鎖が保たねぇ…!?ヤバい、逃げられる──

 

 

 

ゴゥン

 

 

 

好機と見るや否やより一層暴れ出そうとするグレイナルだったが空から飛来した【それ】が完全に妨害した。それはもう、強烈に。

 

 

 

『グギャアアッ!?』

「な、なんで戦車が降ってくるんだ!?」

 

 

 

トモエが戦車を送ったと言っていたが大砲を撃つわけでも無く、その重量のまま真上からグレイナルの顔面目掛けて──ぬっ!?

 

 

 

「──ブハハ…こりゃ、マジに頼りになるやつが来たな…!」

カジノの時と同じだ。足元に雪があってもよく分かる音。

極限まで鍛え上げられた筋肉の重量で大地を軋ませる足音に口元が吊り上がる

 

っし、勝つぞ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「申し訳ありません、ゴレオンさん」

「申し訳ありません、あなた様」

 

 

 

正直、この場面だけを見れば誰も彼女達が凶悪な脱獄囚だなんて思わない

 

レッドウィンターに襲来した謎の脅威、それに立ち向かう大人たちが砕かれようとしていたところを救ったのだ、誰が見てもヒーローそのものだろう

 

間違いなくレッドウィンターの全てを、ひいてはキヴォトス全土を救ったと言っても過言ではない2人の行動だったが当の本人たちにそんな自覚は無かった、あるのはひとつだけ

 

 

 

 

 

「激情に身を任せたままに力を振るうのは淑女として失格ですが」

「あなたはこの世で最もやってはいけないことをした」

 

 

 

 

 

──愛したヒトを傷つけられた。その事実に対する怒りのみ、相手が何者であろうとこうなってしまえば彼女たちは止まらない

 

 

 

 

 

「この栗浜アケミ、今だけはこの拳に怒りを乗せて放ちましょう──」

「あなたはこの狐坂ワカモが地の果てまで追いかけて八つ裂きにします──」

 

 

 

 

 

「「覚悟なさい!!」」

 

 

 

 

 

グレイナルとそれを駆る竜戦士、対し立ち向かうのは2人の元ガナン帝国将。

 

さらにそこへ2人の七囚人が駆けつけ、現レッドウィンター領内の最高戦力が結集したことで戦場は灼熱と化す。

 

戦いはまだ終わらない




追い詰められると執筆速度が上がる作者のルルザムートです、ハイ。

ギュメイとゴレオン、それぞれ別の七囚人から好意を向けられている彼らですがゴレオンは恋愛感情を向けられていると気付いておらず、ギュメイは気付いていますが地位や権力などの損得勘定無しで好意をぶつけてくるワカモに内心たじろいでいます
レッドウィンター編終わる前にその辺書いてみようかな…
それではまた明日…
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