ギュメイ将軍のキヴォトス放浪記   作:ルルザムート

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結局ミレニアムの時と変わらず駆け足でしたがこれにてレッドウィンター編は終了です!うーん、計画性の無さが露骨に…
ともかくイワン・クパーラ編 最終話です、お楽しみください!
(久々に幕間もありますヨ)

※追記、後半に書いていたその後の動きが半分くらい抜け落ちてたんで急いで入れました。ので、18時投稿時点より少し文字が増えてます


牢獄を訪れた者

「………やれやれ」

とっくに無人となっている地下牢にて、シッテムの箱を片手にため息をつく

 

『あの、ギュメイ先生?やっぱりやめます?』

「いや掛けてくれアロナ、この件は我の手に余る。奴の頭脳が必要だ」

 

 

 

どんな嫌味が飛び出すか考えただけで憂鬱になるがガンベクセン様は多くを語らない、逆行の影響で学園外との断絶が続いていたが連絡を取れるならしておくべきだろう

…2コール目が始まる前に通話は繋がった

 

 

 

「ゲルニック」

『ギュメイさん?1ヶ月も連絡を寄越さないで今までどこで遊んでいたんですか?』

 

「…遊んでいたわけではない」

『知ってますよ、ただの皮肉です

…それで?ワタクシに皮肉を言われるために連絡したわけではないでしょう。人払いは既に済ませてますから教えてください、何があったんです?』

 

 

 

ああ、話が早くて助かるな

もちろん色々と言うべきことはあるがまずはこれだ

 

 

 

「レッドウィンターにグレイナルが現れた、前回はいなかった竜戦士を連れてな」

『────黒いペロロジラの件が済んだと思ったら今度は竜戦士?全く…ワタクシを過労死させるおつもりですか?』

 

「我に言っても仕方ないだろう。結論から言えば投獄した竜戦士には逃げられ、無力化したグレイナルはガンベクセン様が逃がした、いや見逃したと言うべきか

 

…竜戦士がどうやって脱獄したのかもそうだがそれ以上にガンベクセン様の意図を我やゴレオンには理解できない、かの王は何を考えていると思う?」

 

 

 

チェリノ達との関わりで彼にも変化があったのは間違いないがやはり根本は変わっていない、人間らしさがよく見えるようになったとはいえガナン王国をまとめ上げていた『合理性の王』が消え去ったわけではないのだ

 

 

 

「竜戦士への尋問も許可しなかった…我には意図が分からない」

まさか本当にユメと同じ考えを、とは到底思えないが…

 

『………許可や不許可の判断をガンベクセンが行っていたのなら牢の施錠をしたのは彼自身でしょう、魔法鍵を使ったのならワタクシでも開錠するのは容易ではありません

 

おそらく撒き餌でしょう、敵にとっても竜戦士とグレイナルが失えない手駒であるのなら回収に来ると踏んでいた…

 

対処に手間取るグレイナルをあえて見逃し、孤立した竜戦士を尋問するつもりだったんだと思います

彼にとって誤算だったのはガンベクセン自ら施錠した扉を竜戦士が開けたことです』

 

 

 

………現場にいるわけでもないのによくもここまで…

 

 

 

『・・・しかしガンベクセンの魔法を解ける人物なんて思い当たるとすれば──』

 

────

 

「………ゲルニック?」

 

なんだ今の沈黙は…明らかに誰か分かっていたようだったが

 

『────いえ、そんな人物はいません。やはり果実の力によるゴリ押しでしょう』

「地下牢に果実の力の残留は確認できなかったが」

 

 

 

これでもこの身に果実を宿している、使われたのなら分かるはずだ

 

 

 

『剣しか振らないアナタに痕跡なんて分かりませんよ、ともかくさっさと戻ってきてください

こっちはアナタ方が雪遊びしている間、世界を救ってたんですからね?』

「お前が世界を?…皮肉だけでなく冗談も言うようになったのか」

 

 

 

お前はどちらかと迷うまでもなく破壊者側の存在だろう

 

 

 

『冗談で済ませたいですよホント…ああまったく、サージタウスも大破したうえにケイさんの処遇、浜辺に現れた巨大魚やらヴァルキューレからの要請やら…

 

今回良かったのはワタクシの能力が【良いカタチで】知れ渡ったことくらいですかね?

 

というか雑談はここまででいいでしょう。今すぐシャーレに戻ってきてください、さもないとストレス発散にメラゾーマのひとつやふたつ表通りに放つので。』

「…分かった」

 

 

 

流石にやらないだろうがこれを冗談扱いにして機嫌を損ねれば本当に撃ちかねない

彼女の言う通り、さっさと2人を連れてシャーレに戻ろう

 

 

 

通話を切って地上階へ。

帰還の支度自体は終わっている、あとは挨拶を済ませるだけだ

 

「門番ご苦労だった、ワカモ」

「あなた様の頼みとあらば。次の望みをお聞かせいただいてもよろしいでしょうか?」

 

「ユメを連れてきてくれ、我が言っても聞かないかもしれないからな

正午丁度にハイランダーの2人が迎えに来る、それまでに備蓄倉庫に連れてきて欲しい」

「かしこまりました」

 

 

 

ユメとの衝突から丸一日経っているが…あれ以降話していない。

我の言葉は正しかったと思うものの、ユメの言葉が間違っているとも断定できない。

 

きっとあの優しさはユメそのものだ、ユメがユメのまま生きることを間違いだと言ったに等しい我は…他になんと言葉をかければいいのだろうか?

 

 

 

「今はできることをするとしよう」

ガンベクセン様やゴレオンはもちろん、生徒達にも。…ミノリだけは正直苦手だが結果的に彼女率いる工務部にも助けてもらった、避ける選択肢は無い

 

 

 

「それが終われば…久しぶりにシャーレに戻るとしよう」

 

 

 

 

 

▽▲▽▲▽

 

 

 

 

 

幕間 牢獄を訪れた者

 

 

 

 

 

「────」

 

 

 

グレイナルを封じられ、牢屋に放り込まれてから1日かそこら経ったか?

 

明らかにレッドウィンター生でもシャーレでも無い人物がそこにいた

 

いや、大別すればシャーレ側の人間か

 

 

 

「おや、せっかく助けに来てあげたのにだんまりですか。私自ら出向いてきたと言うのに…

あ、鍵開けますね?『アバカム』っと」

 

 

 

連邦生徒会の制服に身を包んだ桃髪の生徒は家の鍵でも開けるかのような手早さで扉を開け、中に入ってきた

 

 

 

「…果実の力か?」

「んー、半分正解ってところですかね?実際のところ果実があったところで難解な呪文は使えませんよ

私のこれはただ預かっただけですので、あなたを回収したら返却しますよ」

 

 

 

回収…?

 

 

 

「始末しに来たと思っていたのだが」

「まさか!そんな恐ろしいことしませんよ、アナタもグレイナルも私──いえ、陛下の切り札なので。」

「……………」

 

羊のような瞳をこちらに向けてそう話す生徒。

彼女は自分の行動に何一つ間違いが無いと信じきっているのだろう

──羨ましいことだ

 

 

 

「グレイナルは残るFOX小隊で今回収してます、と言っても氷と監視を吹き飛ばしただけですがね。あとはあなただけです【隊長】さん」

 

 

 

 

 

ガナサダイ皇帝陛下がお待ちですよ

 

 

 

 

 

▽▲▽▲▽

 

 

 

 

以下レッドウィンター、及びそれに関わった者達について

 

 

 

ギュメイ

竜戦士に負わされた負傷は未だ治っていないものの、ゲルニックからの要請もあり帰還。

3つ目の果実を回収、保管し、桐藤ナギサの保管する4つ目及び5.6.7つ目の果実の捜索を始めている

 

ユメ

竜戦士を巡った口論からギュメイとは少し距離を置いており、仕事はしているもののあまり話すことは無くなった

ホシノから『ギュメイ先生が正しい』とやんわり言われてからは仲直りしたいと考えているがその一歩は未だ踏み出せていない

 

ワカモ

レッドウィンターでの功績を持って正式にシャーレの一員としてギュメイがスカウト。以降問題行動は完全に無くなったが七囚人という脱獄の肩書きは消えていないため、近々ギュメイと共にヴァルキューレを訪れるつもりのようだ

 

ガンベクセン

ひとまず落ち着いたレッドウィンターにて彼は事務局長の椅子をマリナに移譲。果実が絡んでいたとはいえチェリノに変わって統治できてはいたので適任と判断したようだ

今はチェリノに為政について教鞭をとっている

 

ゴレオン

椅子から転がり落ちたチェリノを以前と変わらず主人と称え、チェリノのボディガード継続。前のような豪勢な生活は出来なくなったものの、しばらくアケミが滞在すると聞いた彼は満面の笑みを浮かべていた

 

アケミ

戦闘で破壊された学園復興のため滞在。最初はロブ以外いなかったが何処からかアケミの存在を聞きつけたスケバン達が駆けつけ『アネゴのために』とレッドウィンター復興に協力していたらしい

 

ミノリ

流石に学園が滅茶苦茶ではストライキどころでは無いので工務部共々復興作業に協力している

逆行事件の犯人として幽閉されていたこともあったが『逆にストライキを起こさせる原因になる』としてガンベクセンが釈放した

…ミノリ的に『非のつけどころない統治者』であるガンベクセンはある意味天敵なのだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

不知火カヤ

竜戦士とグレイナルをレッドウィンターから回収。




ホントは色んな生徒との会話シーンを挟んでいざ帰還…とするつもりでひたが余裕がなくてこうなってしまった作者のルルザムートです、ハイ。
相変わらず大ピンチのまま書き進んできましたが今章もなんとかなりました。今度こそ、今度こそこの教訓を忘れない…!

さて次の章ですが牢獄を訪れた人物の章…ではなくギュメイ不在時にシャーレで起こった事件。そしてそれに対してゲルニックが何をしていたかの物語となります
…先に言っておくとギュメイは殆ど出ません。タイトル詐欺みたいになってしまうのヤバいかな?と思いましたが一応ガナン帝国軍のタグはつけてるのでいいかな…

これまで通り次の章を書き切るまではお休みとさせていただきます、頑張りますので応援していただけたら幸いです
それではまた次回…
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