…総力戦編 第5話です、お楽しみください
とあるカフェにて…
『エッ!?このほんよんでないの?』
サクラコ、アルと共に謎の本について調べていたところ、ふとサクラコの口から出た言葉に思わず聞き返す
「はい、危険物である可能性も考慮して中はまったく…」
『あきれたわ!かして!このラーミアさまがかいどくしてあげる!』パシッ
しどろもどろなサクラコから本をひったくり、地べたに置いて早速読書態勢に入る
「こ、こらラーミア!そんな乱暴に『しゃちょーうるさい!こういうのはよんだほうがはやいよ!こわいならあっちいってて!』
怯える2人を強引に遠ざけ、いざ本の中身を読み始める
『ふむふむ…タイトルは【大賢者のヒミツ】ね』
【んにゃむ…ぐぅぐぅ…】
確かに本からは時々変な声が聞こえるがそれだけである。自覚が無い上に今はまだクソガキ100%だがこれでも神鳥の力を継いだ聖鳥、いびき如きで怯むことはない
『・・・・・』
まー怯まなかったところで内容を理解できなければ意味がないのだが。
『・・・はかいしんフォロボス?』
かろうじて読めたのはそれくらい、あとは小難しいことばかりで意味不明な内容のみ。
『むむむ…きいてみたほうがいいわね、
しゃちょー!…あれ?』
2人がいるであろう方向へ呼びかけるも姿は無く…
『・・・え、かえっちゃった?まさかホントにわたしをおいてった?』
なんだかんだ自分は愛されていると楽観視していたラーミアもいざ1人(1羽?)になると一気に不安がこみあげる
やりすぎた、言い過ぎたと思ってももう遅い
『え、え!うそ!やだ!うわーん!しゃちょー!わたしをすてないでぇぇぇ!!!』
「捨てたりしないわよ!」
『あ!しゃちょー!…なんでそんなヘンなカッコしてるの?』
ヘンな羽衣にヘンな杖にヘンな…皿?を持ったアルが迎えにきたことでさっきまでの泣きもどこへやら。
主人が戻ったことにピョイピョイ喜ぶラーミアを肩に乗せどこかへと歩き出すアル
それでまぁ、落ち着いたところで。
『で、しゃちょーはなんでそんなカッコしてるの?』
「・・・仕事だからよ」
『────』
──なんかだまされてない?
▽▲▽▲▽
少し前…
▽▲▽▲▽
『良い!!!』
「きゃっ!?」
「ひゃっ…!な、なんでしょうか?」
ラーミアに追い立てられたアルとサクラコ。カフェから出た瞬間、真横から飛んできた叫びとも呼べる大声に揃って振り向く
猫の獣人…?うーん、どこかで会ったかしら?
以前の依頼者かと思い記憶を辿るが覚えが無い。間違いなく初対面である
ではサクラコの知り合いかと思えばそれも違うようだ
「ああ失礼、わたくしこういうものでして。」
差し出された名刺には──
…ヒーローショー委員会長?
「キミたち2人を見た時ビビッときたんだ!初対面で不躾なお願いだが是非ウチのショーにヒーローとヴィランとして出演してくれないか?」
「「ええっ!?」」
ヒーローショー?ショーってあの子供がたくさん見にくる…ヴィランとしてスカウトされたのは嬉しいけどヒーローショー…
一瞬迷いが出たものの久しぶりに便利屋に来た『アニ目当てでは無い依頼』でもある。
ただ今日初めて出会ったサクラコさんも同時にスカウトされているなら私の一存では決められない、彼女の意見も聞かないと
「ヒーローショー…!ええ、ぜひやってみたいです!あ、でもアルさんは…」
──聞くまでも無かったらしい
「ええ、いいわ!ただし便利屋68の社長としてタダ働きするつもりはないわよ?」
「もちろんだ!給金を2倍、いや3倍は出す!
せっかく子供たちが心待ちにしてるのに出し惜しみして失敗するわけにはいかないからね!」
「さ、3倍!?」
流石に3倍は貰いすぎだと思ったが異常に舞い上がっている委員会長にこちらの声は届いていないようだ
「おっとそうだった、早速ヒーローショー用の衣装を渡しておこう!
はいどうぞ!あ、シスターの君にはこれね!」
笑顔の絶えない彼から受け取った衣装は…というか小道具もセットになっていてちょっとしたコスプレセットだ
…?ヴィラン役の衣装にしては色がかなり爽やかというか明るいような…
「あとこれが台本ね!1時間後に始まるから悪いけどすぐに覚えてくれ!
会場の場所は台本の最後に載っている、私は子供たちを連れて待っているからね!」
言いたいだけ言って凄まじい速度で街中に消えていく獣人。
かなり強引な人ね…でも子供達をガッカリさせるわけにはいかない、やり遂げるのよ陸八魔アル!
「なんだかかなり強引な人でしたね、しかも1時間しか無いなんて…」
「引き受けた以上は最善を尽くすだけよ、一緒に頑張りましょう!」
「そうですね!ひとまず会場はすぐそこのようですし、えっと…ラーミアちゃんも連れて向かいましょう!」
「そうね、ついでにこの衣装も着ておこうかしら」
「そうですね、私も…」
見たところ貰った衣装はかなり大きい、仕事着の上からでも充分着られる
…やっぱりこの衣装、あんまりヴィランっぽく無いような・・・
水色の杖に水色の着物…こういうのを羽衣って言うのかしら?あとこの高そうなお盆は…
…考えるのは後ね、急いでラーミアを連れて練習に行かないと!
クソガキ100%なキャラが時の流れと経験によって成長していく展開が好きな作者のルルザムートです、ハイ。
今更ですがサクラコの肩に乗ってるフクロウは彼女がゲルニックから預かった『フラッグ』です
見返してみたらフクロウの描写が殆どなかったんでアレでしたが一応彼女の肩を止まり木にのんびりしてます。かわいい