オグリの幼馴染が記憶を無くしてチョコレートの怪物になって化け物と戦ってた話   作:かな餅

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【ゴチゾウ図鑑:ロルアックスゴチゾウ】




 誕生日たべたロールケーキから生まれたロルアックスゴチゾウ。




 ロルロルと話して回転するステップが得意、ゴチゾウ界でのダンサーなのかもしれない。


 

 ケーキ仲間のブシュエルゴチゾウとは仲良しで親分として慕っているみたいだ。




 いつもは陽気で朝から晩まで踊っているけれど戦いとなるとイメージはガラッと変わる。





 口が悪くなりここでは書き写せないような言葉遣いになって敵を罵倒し始める。





 こいつの前世はバイキングだったのかもしれない。




 お風呂に入るといつも小さな船をこいで湯の感想を聞いてくる。




未完の勝利、燃えきれぬ鼓動

――中京レース場

 

 

 

 

 

 6月25日、調査担当:酸賀絆斗。

 

 

 

 

 

 中京レース場。高松宮杯など、数々の大規模レースが開催される場所だ。

 

 

 

 

 観客の歓声が絶えず、熱狂の中で幸福になる人間も多い。問題は……どこを狩場に選ぶか、だ。

 

 

 

 

 

 喫煙室――監視カメラもなく密室。人目も少ない。

 

 

 

 

 タバコが人プレスの質に影響するのかは知らんが、条件としては申し分ない。

 

 

 

 

 

 トイレは……行き来が多すぎて目立つな。却下。

 

 

 

 

 

 こういう巨大施設は本当に面倒だ。とにかく調べる箇所が多い。それだけで気が滅入る。

 

 

 

 

 

 当日の従業員の構成も洗っておくか……特に清掃員は目立つ難くて気付きにくいからな。

 

 

 

 

 〔わにゃ!〕『なんか見つけたのか?……あっちだな。』

 

 

 

 

 この手の広い場所じゃ、人間よりゴチゾウのほうが役に立つ。

 

 

 

 

 

 狭い通路にも自在に出入りできるから、探索にはもってこいだ。

 

 

 

 

 

 もしかしたら隠し通路を見つけ――いや、居たなぁ。

 

 

 

 

『あーあ、兄弟がいないから暇だなぁ……ん?――人ダァッ!!』『…怠いのか運がいいのか』

 

 

 

 

『は〜っけんされてもひとぷれすにぃ〜♪……あれ?、ならない?君?グラニュート……?』

 

 

 

 

〔ロルっ!ロール!〕『何だ?、使えって?』『……っ!?まさか、グラニュートハンター!?』

 

 

 

 

 ――CAKE――

 

 

 

 

『数週間振りか?……久しぶりだなぁ、キノコやろう』『し、しかもこの前のやつかよ……クソっ

 

 

 

 ――SET CAKE―― ――SET CAKE――

 

 

 

 

 

〔WAO‼WAOWAO!!!〕『敵の数と配置は?〔WAO‼WAOWAO!!!〕

 

 

 

 

 

 ―― LOLLAXE GURU GURU ――

 

 

 

 

 

 

 ……どこか、ブシュエルに似ている。

 

 

 

 

 

 

 熱を帯びた身体、圧し掛かるような肉体の重さ。

 

 

 

 

 

 

 鉛のように沈む足取りと、内側から胸を強く叩くような荒ぶる鼓動――。

 

 

 

 

 

あれに比べりゃまだマシだな……さて、敵の数と配置は?『まあ、待て……話そう……な?』

 

 

 

 

 

 

 

 ヴァレンバスターに装填すると、ザクザクチップスの時のように刃が生えるタイプか、重いな。

 

 

 

 

 見たところ、形状は手斧に近い。

 

 

 

 

 切り裂くというより、“叩き割る”に特化した武器だな……よし、試してみるか。

 

 

 

 

 『待ッ――グゥッ!?』……なるほど、こりゃいいな

 

 

 

 

 棍棒のように雑に叩きつけてみたが――どうやら、これは力任せに振るうのが正解らしい。

 

 

 

 

 

 人間の腕は、肘や肩を軸に弧を描く動きをする。だから“振り回す”という動作とは相性がいい。

 

 

 

 

 

 鋭さに頼らない分、多少雑でも威力が出る。これは“砕く”という行為に、相当特化してるな。

 

 

 

 〖敵の数と配置は『オッ――れは、しらねぇ!ここは……"担当"してない狩場だッ!!!』

 

 

 

 

 

 

 〖成程、"狩場"ではあるんだな?『あっ!?しまッ――』

 

 

 

 

 

  腰を沈めて踏み込み、反動を使って下から顎を突き上げた。確かな手応え。

 

 

 

 

 

  頭が跳ね上がるようにして敵の身体が浮く。

 

 

 

 

 

  間髪入れず、軸足を回転させながら身体ごと捻り、宙に舞った敵の背を地面に叩きつける。

 

 

 

 

 

  息を吐く暇も与えず、崩れ落ちる身体の腹部に足を突き刺すように蹴り込んだ。

 

 

 

 

 

  硬質な骨の下にわずかな柔らかさが伝わる。

 

 

 

 

 

ォェッ――

 

 

 

 

 

 

 蹴られた衝撃で敵は地面を滑り、背を柱にぶつけてようやく止まる。

 

 

 

 

 〖……どうする?

 

 

 

 

 

――2度と人間に関わらないか――

 

 

 

 

 

――それとも俺に倒されるか――

 

 

 

 

 

『ま、まだ人間を1人だってさらえてねえんだ!見逃してくれよッ!!!……まだ闇菓子にだってッ……

 

 

 

 

 

 ―― LO - LLA - XE ――

 

 

 

 

 

 

 

 『ヒィッ!?……あれ?生きてる?』〘……ッ、ぜ、絶対防御が……〙

 

 

 

 

 

 ……オレンジのエージェントか。と言うことは……。

 

 

 

 

 

「久しいね、酸賀さんの坊や」やっぱお前か……

 

 

 

 

 

「この前見た姿もそうだけどまた新しい力を手に入れたみたいだ、絶対防御を砕くまでにはね?」

 

 

 

 

 

 

 絶対防御を破れたのは収穫だが……見られたか。これも、次には通じないかもな。

 

 

 

 

 

〖人のことコソコソ観察しやがって……今度はお前直々に相手か?「いや?違うよ……」

 

 

 

 

 

前みたいに改造したバイトか?、お前のお遊びに付き合う暇な――〔ろ、ろる!?〕

 

 

 

 

 

「寂しいこと言ってくれるじゃなぁい?、グラニュートハンター?」……人間、じゃねえな。

 

 

 

 

 

 ゴチゾウが怯えたように身を引いた――この反応、ただの改造個体じゃない。

 

 

 

 

 

 

 ……あれが、パウエル社の幹部か?。

 

 

 

 

 

幹部がわざわざお出ましか?「あらぁ?あんた見る目あるわね?」「僕も幹部なんだけどね……」

 

 

 

 

 

 この大規模な施設を狩場にするなら幹部が出しゃばってくるんじゃないかとは思っていた。

 

 

 

 

 

 

 てかニエルブも幹部ってことはまずいな、今幹部2人と対峙してるってことか。

 

 

 

 

 

「さーて、この前見たデータより――どれだけやれるのか見せてもらおうかしらッー?』

 

 

 

 

 

 

 ――CHOCO――

 

 

 

 

 

 

 

 

 幹部相手に……すっとろい動きは出来ないな……〗〔チョワッ!〕

 

 

 

 

 

 ―― CHOCODON PAKI PAKI ――

 

 

 

 

 

 

 

「機動力の高い形態で様子見ってところかな?」

 

 

 

 

 

 

『随分と慎重ねぇ、あんたからは同族(戦闘狂)の匂いがするんだけど?』半分(グラニュート)そうだよ〗

 

 

「2人とも食い違ってるね。」

 

 

 

 

 

 

 

 あれは……メイスか?、姿はタコ……いや、イカの類か。

 

 

 

 

 

 

 見た目はともかく、どうやらあいつも触手を使ってくるタイプ……かもしれない。

 

 

 

 

 

 

 武器の形状から察するに接近戦に特化しているようだが。問題はまったく動く気配がないこと。

 

 

 

 

 

 

 情報が不足している以上、迂闊には踏み込めないな。

 

 

 

 

 

〔ザクッ!〕〖突っ込めってぇ?……そうだな、俺のやり方だ〗

 

 

 

 

 

 

――SET SNACK――

 

 

 

 

 

 

 『そうそうッ!そう来なくっちゃッ♡』

 

 

 

 

 

 

 

――SNACK SECOND WEAPON ZAKUZAKU――

 

 

 

 

 

 

 

 スナックの剣を投擲してから弾いた振りの後に素早く射撃。

 

 

 

 

 

 当たってはいるが効いてなさそうだな、大振り、だが早い。

 

 

 

 

 

 

 身軽さと腕力が桁違いだな……掠めるだけでも致命傷になりそうだ。

 

 

 

 

 

「……データじゃそこまでの身体能力は――あれ(ブシュエル)を使ってから変わったのかな?」

 

 

 

 

 身体の動きはやけに軽い。だが、それだけで勝てる相手じゃない。

 

 

 

 

 

 

 斬っても撃っても、仰け反るだけで手応えがない。

 

 

 

 

 

 効いている実感がまるでない――ただの反応だ。

 

 

 

 

 

 このままじゃ意味がない。相手の土俵に上がった以上、出し惜しみしてる余裕なんてない。

 

 

 

 

 

 

『あらぁ?……もう逃げ――いや、あの姿ねッ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

――STONE CHOCO――

 

 

 

 

 

 

〔ゲットレディ!!!〕行くぞ〗

 

 

 

 

 

〔IT'S SHOWTIME!!〕

 

 

 

 

 

 

――MAGIC THE CHOCO GOROGORO――

 

 

 

 

 

〔PLUS ULTRA!!!〕

 

 

 

 

 

 

〖……さぁ、どうする?〗〔MAGICTIMET!〕

 

 

 

 

 

 

 ――2度と人間に関わらないか――

 

 

 

 

 

 

 ――それとも俺に倒されるか―― 

 

 

 

 

 

『あんた……その決まり文句、誰から学んだの?』〖家族のために生きる男からだ。〗

 

 

 

 

 

 

 まずは下準備として、岩を一発ぶつけて砕かせる。

 

 

 

 

 

 力が強い分、粉砕される破片も細かくなる……よし、狙い通りだ。

 

 

 

 

 

 機動力ではチョコルドに及ばず、瞬発的な火力ではブシュエルに劣る。

 

 

 

 

 

 

 それでも、この姿には別の強みがある――”能力”だ。

 

 

 

 

 

 岩を操る動きは、自分の身体よりも速く、機動力の不足を補ってくれる。

 

 

 

 

 

 

 瞬間火力こそブシュエルには届かないが、攻撃の重ね方次第では火力の底上げも可能だ。

 

 

 

 

 

 なにより砕かれることで耐久性こそ下がるが――。

 

 

 

 

 

 

 

 

『何よぉ?面白そうなの能力持ってると思ったら岩をぶつけてだけ?こけおどしじゃないの?』

 

 

 

 

 

 そのぶん岩片一つひとつを精密に操作できる。

 

 

 

 

 

 

〖お前のフィジカルに真正面から付き合うのは悪手だ、だから搦手を使う〗〔MAGICTIMET!〕

 

 

 

 

 

 

『?……あぁ、拘束って訳ね?』「さて、どこまで通用するのか」

 

 

 

 

 攻撃が効いていないのは見ての通りだが、どうにも引っかかる点がある。

 

 

 

 

 

 

 動きが軽いわりに、攻撃が雑すぎる。反撃の隙が大きい。

 

 

 

 

 

 

 単なる粗雑さなら好都合だが……もし、それすらも“計算された隙”だったとしたら?

 

 

 

 

 

 俺みたいに、あえて攻撃を受ける意味があるとしたら――下手に踏み込むのは悪手だ。

 

 

 

 

 

「……僕は君のその形態について思ったよりも過小評価しすぎたのかもしれないね」『はぁ?』

 

 

 

 

 

 

 

『何言ってんのよ、こんな石をまとわりつかせるだけで脆く何の拘束力もない行動に……あら?』

 

 

 

 

 

〖俺がお前に出来る有効打は石をお前に纏わせるだけだ〗〔MAGICTIME!!!〕

 

 

 

 

 

 怪力に砕かれ軽快に散った石片たちが、一斉に“意志”を持ったかのように動き出す。

 

 

 

 

 

 俺の周囲を漂っていた破片もアルデミシアの身体を中心に渦を巻き始めた。

 

 

 

 

 

 

 奴の全身を包み込むように、円を描いて空間を囲んでいく。

 

 

 

 

 

 

 上からも、下からも、横からもあらゆる角度から石片が滑り込む。

 

 

 

 

 

 

 

 その軌道は寸分の狂いもない、すべてはただ“逃げ場”を消すためにやっていることだ。

 

 

 

 

『ニエルブッ!あんたこれが分かってッ――』「……好奇心には勝てなくてさ?」

 

 

 

 

 

 

 半端な速度ではない。けれど暴力的な力でもない。ただひたすらに“制御された圧”で圧迫する。

 

 

 

 

 

 石片同士が互いに引き寄せ合うように、球状に閉じていく。

 

 

 

 

 

 逃げ場をなくした空中の一点に、“圧縮された岩球体”が形成されていく。

 

 

 

 

 

 まるで核に核を押し込むように、内側に向かって静かに、けれど強く圧が増していく。

 

 

 

 

 

 掌で握り潰すように、何層もの岩の輪が、動きを一つひとつ奪っていく。

 

 

 

 

 

 

 身じろぎ一つで何かを砕いても、その分だけ内部から重圧が返るだけだ。

 

 

 

 

 

 

 攻撃じゃない、打撃でもない。“逃げられない空間そのものを作る”これが、決定打だ。

 

 

 

 

 

〖一生、そこで大人しくしてろ〗〔ぴゃぁっ!!〕

 

 

 

 

 どれだけ内から砕こうと石は再び身体を巻き込んで結合する、怪力馬鹿にはこれが一番だ。

 

 

 

 

 

 

 

 〖余計な心配だったか……〗

 

 

 

 

 

 

「……良いのかい?早くとどめを刺さなくて?」

 

 

 

 

 

 

〖とどめを刺せる火力がねえから搦手なんだろうがよ、一先ず衰弱させて……その前にお前だ。〗

 

 

 

 

 

 〖……今ならニエルブを〗

 

 

 

 

 

 

 「全く……もう少し緩やかな進化をして欲しいんだけどね?」『ッ――』〖成長期舐めんな〗

 

 

 

 

 

 

 

〔ちょぉ……?〕「何か反応を示しているようだね?」〖どうしたゴロゾウこんな時――に?〗

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ッ―――ダァァアッ!!!』

 

 

 

 

 

 

〖こいつッ……マジかよッ?!〗「ッ?!」〖何が起きた?!〗

 

 

 

 

 

 一瞬……空間が、歪んだ。

 

 

 

 

 

 

 包囲の中心――岩片が幾層にも重なり圧をかけ続けていた“核”の内部で、

 

 

 

 

 

 

 明確な“破裂音”にも似た衝撃が鳴った――何をしやがった……。

 

 

 

 

 

 

 拘束は完璧だった。逃げ場は潰した。出力も封じた。逃げようがなかった――はず、だった。

 

 

 

 

 

 

 だけど、そんな理屈を、“力”が無理やり捻じ曲げてきやがった。“圧”を上回る、“爆”の衝動。

 

 

 

 

 

 

 閉じ込めた空間を、内側から爆ぜるように“衝撃”で――まさか……”衝撃波”か?。

 

 

 

 

 

 

『はぁッ……流石に死ぬかと思ったわよ、単騎で1000体のグラニュートを相手した時以来よ』

 

 

 

 

 

 

〖……化け物かよ〗「……こっちも想定以上だ。」〔ま、MAGICTIME!!!〕

 

 

 

 

 

 

 

『もう同じ轍は……踏むわけないでしょ?』

 

 

 

 

 

 

 ……速い。さっきより詰めが早い、読めない――遅れた。防げるか? 無理か――。

 

 

 

 

 

 いや、耐えられるか、まともにこいつの衝撃を?それしかな――。

 

 

 

 

 

 

『ッ――……誰ッ!?こんな時に割り込んでくる野郎はッ!?』ぶねッ……なんでのけぞった?〗

 

 

 

 

 

 

 

 

――JELLY OVER――

 

 

 

 

 

 

 〖こういう時にはさっさと呼べ、ダルい〗〖ラキア?……なんでここに〗

 

 

 

 

 

 

 透明化していたラキアが横から奇襲を仕掛けたことで、攻撃の軌道がわずかに逸れた。

 

 

 

 

 

 有効打ではなかっただろうが、救いにはなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

〖色々聞きたいことはあるが……こいつはやばい、一旦引くぞ〗〖いや……弱ってる〗

 

 

 

 

 

 

奴を倒せば、この場所はもう狩場に使えなくなる。それはこれから先の流れにも、大きく響く。

 

 

 

 

 

 

 

今なら……“ブシュエル”で、仕留めきれる――。

 

 

 

 

 

 

 

あぁ?……〗〔ぴ……ぴぃ……〕

 

 

 

 

 

 ゴロゾウの思考が雪崩のように押し寄せてくる……これは怯えてんのか……?。

 

 

 

 

 

 

 なんで俺にも……いや、思考を共有してるから……あんな精密な操作が可能なのか。

 

 

 

 

 

〖おいっ!こっち見ろッ!!!聞いてんのか逃げるぞッ!!!〗

 

 

 

 

 それだけじゃない……視界がぶれる。脳の奥が焼けるように熱い。

 

 

 

 

 

 

 鼓動が妙に遠い、頭の中で誰かが喋っているような幻聴がこだまする……なんだ?。

 

 

 

 

 

 

「どっちも限界って感じかな、今なら倒せそうだけど……」『……この狩場はもういいわ』

 

 

 

 

 

「良いんですか?」『趣味じゃないのよ……弱ってるやつは、強敵なら尚更ね」

 

 

 

 

 

 

 逃げられる……速く、来い……ぶしゅえ――。

 

 

 

 

 

 〔ぶ、ぶ~しゅ!、ブシュッ!!!〕”だめだッ”――じゃないんだよ……いま、なら――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『……ん。……ゆれてる?』『やっと起きたか、この馬鹿』

 

 

 

 

 

 目覚めた瞬間罵倒された――いや、そんな場合じゃない――。

 

 

 

 

 

 

『お、おいっ!暴れるな……多分大丈夫だ、あそこはもう狩場じゃない』

 

 

 

 

 

 

 

 

――このあんた達も狩場も今回は諦めてあげる、死にかけたけど楽しかったわぁ……♡――

 

 

 

 

 

 

 

『……んだそれは。ふざけてんのか。怠いから首を絞めるな……また次リベンジすればいいだろ?』

 

 

 

 

 

 

 ……頭の奥が痛い、どこかは分からんが奥がいたい……そういや朝からなんも食ってねぇ。

 

 

 

 

 

『腹減ったのか?石ならあるぞ、サシ入りだ』『甘いのは無いのか。』

 

 

 

 

 

 ……頭がなんか、回らん。ぼーっとする、やっぱりあのグラニュートにイライラする。

 

 

 

 

 

 

 俺のこと背負ってるこいつ……だれだっけ?、そうだラキヤだ、ラキアか……?。

 

 

 

 

 

 

 

 

――何でも屋:【助っ人酸賀さん!】

 

 

 

 

 

 

 

〈絆斗君、結論から言うとドクターストップでしばらくは変身禁止です。〉

 

 

 

 

 

『……酸賀の声だけ聞こえる』『こいつ意識が朦朧として理解できてないぞ』

 

 

 

 

 

 

〈いや~……なんでかなぁ、前に使った時はこんなことならなかったのに〉

 

 

 

 

 さて、考えてみよう。絆斗君は今回使ったゴチゾウがこちら。

 

 

 

 

 

①ロールケーキのゴチゾウ

 

 

 

 

②ザクザクチップスゴチゾウ

 

 

 

 

③チョコドンゴチゾウ

 

 

 

 

④マジック・ストーン・ゴチゾウ

 

 

 

 

 

 ヴァレンバスターから見たデータをみるにこれらだけど……怪しいのは④かなぁ?。

 

 

 

 

 

 今日の絆斗君は朝からの血糖値が低かったのを見て……恐らく空腹。

 

 

 

 

 

 低血糖……意識が朦朧、グラニュートの器官には異常なし……なら脳が疲れてる?。

 

 

 

 

 

〈とりあえず、ゴロゾウ使って脳がつかれちゃったんじゃない?〉

 

 

 

 

 

 

『分かるのか?』〈いいや?、でも絆斗君の数値で割り出せる答えは……これくらいかなぁ〉

 

 

 

 

 

 

『……どうすりゃいいんだぁ?結構言う事効かないぞ』『……すがぁ、めし』

 

 

 

 

 

〈糖分を取らせて寝かせれば……復活するんじゃないかなぁ?〉

 

 

 

 

 

 この手の話は絆斗君自身が一番分かってるんだけど……今の状態じゃ聞けないからなぁ。

 

 

 

 

 

〈まあ、死ぬわけじゃないし……意識が戻るまでお世話お願いねぇ〉

 

 

 

 

 

 

『えっ?……いや、まて――切りやがった……だる。』

 

 

 

 

〔イートチョコ〕〔イートグミ〕

 

 

 

 

 

『……酸賀の言う通りにしろってことだな?……食い物は何処に――あっ』

 

 

 

 

 

 

〔チョッ?!〕『あいつ……どこ行った?』

 

 

 

――何でも屋:玄関前

 

 

 

 

「……今日も、来てしまった……」

 

 

 

 

 最近ろっぺい(六平)にも言われてしまったが……ここへ来すぎてしまっている。

 

 

 

 

 

 理由は1つ――絆斗に合いたいから。

 

 

 

 

 

 絆斗と食べるお菓子は美味しいし……触れられると元気になる、お喋りも楽しい……。

 

 

 

 

 

 でも本当は良くないんだ……最近身体が絆斗似合わないと調子が出なくなってきている。

 

 

 

 

 

 心なしかご飯もいつも食べている量じゃ足りない気もするし……いや――違うな。

 

 

 

 

 

 本当は怖いんだ、またあの時のようにいなくなってしまうのが、不安になる。

 

 

 

 

 

 不安だと……お腹が空いてしまう、沢山食べてしまう……お腹は満たされるのに。

 

 

 

 

 

 心は満たされなくて、だからずっと不安になってまた食べてしまう……でも今は違うんだ。

 

 

 

 

 

 絆斗の傍に居ると……不思議と何かが満たされて、お腹が空いても……なんだかそれ心地いい。

 

 

 

 

 

 

 何も食べていないのに……物凄く満たされて、幸せになれるんだ――やめられない

 

 

 

 

 

 私はもう……あの感覚無しじゃ――。

 

 

 

 

 

『……』「は、絆斗?……どうしたんだ?もしかして……丁度仕事に――」

 

 

 

 

 ぎゅっ――と突然耳を掴まれた……うん、これは……癖だ。昔ながらの、癖だ。

 

 

 

 

 

 この後来るものは幼い頃に沢山経験して今は痛みに耐性が出来たとも思ってる。

 

 

 

 

 

 でも、絆斗。痛いっていうのはどれだけ経験しても痛いんだぞ。

 

 

 

 

 

いたたたたッ⁈絆斗ッ!?なんだ?!怒ってるのか?!」

 

 

 

 

 

 

『……?』「どうしてそんな不思議そうな顔をしているんだ……?!」

 

 

 

 

 

『どこだぁ……?あっ、たくっ……おい何してんだ、ちからつよ……。』

 

 

 

 

「は、ハピパレのらき……あん?」『ラキアだ、丁度いい、お前も手伝え』

 

 

 

 

 

 

――何でも屋:【助っ人酸賀さん!】

 

 

 

 

 

 

 話を聞く限り……絆斗は頭を使い過ぎて疲れてしまったらしい……。

 

 

 

 

 

 

 沢山勉強でもしたんだろうか……?、絆斗は沢山資格を持っているらしいからな……。

 

 

 

 

 

「よし……私も絆斗を労うのを手伝うぞ!何をすればいいんだ?」

 

 

 

 

 

 

『そうか……助かる、じゃあ怠いから俺は寝る』「えっ?」

 

 

 

 

 

 ……寝てしまった、らきあんも疲れているのだろうか?……ん?。

 

 

 

 

〔イートチョコ!イートチョコ!〕

 

 

 

 

 私のゴチゾウがチョコを持ってきてくれた……おもてなしだろうか?。

 

 

 

 

 

「はひはほう!」ちょわっ~~~!!!(お前じゃないの意)『……ウルサイ。』

 

 

 

 

 

 お、怒られてしまった……私にくれたんじゃなかったんだろうか?。

 

 

 

 

 

「もしかして……絆斗に食べさせればいいのか?」〔ちょわっ!〕

 

 

 

 

 

 肝心の絆斗は声を掛けても意識が朦朧として意図を理解できない……少し恥ずかしいが。

 

 

 

 

 

「ほ、ほら……あ~ん……」『むぐ……ん。』

 

 

 

 

 

 食べてくれた……!、あとはこれをお腹いっぱいになるまで繰り返せばいいのか……?。

 

 

 

 

 

「……昔は私の方が甘えん坊だったのに、今では逆になってしまったな」『もごぉっ……』

 

 

 

 

 

 次々と絆斗の口のなかにお菓子を詰め込んでいると……なんだか、母親になったようだ。

 

 

 

 

 

 

 ……今の絆斗は誰かが……私が居ないと、駄目なんだな。

 

 

 

 

 

 

 そうか……なら、いっそこのままでも。

 

 

 

 

 

 

「いや……だめだな、こんなやましい考えは」『……もごっ』

 

 

 

 

 

 

 

 そうだ、不安になってちゃんと練習が出来ないことを解決するいい方法を思いついた!。

 

 

 

 

 

 

 明日のトレーニングは……絆斗にも手伝って貰おう……それくらいは……許される、と思う。

 

 

 

 




【仮面ライダーヴァレン(酸賀絆斗):ロルアックスフォーム】



 ロルアックスフォームは、酸賀絆斗が“ロルアックスゴチゾウ”を用いて変身するヴァレンの重装型派生フォームである。



 この形態の最大の特徴は、全身を覆う極厚の装甲による高い耐久性能である。



 ザクザクチップスフォームと比べても防御力の面では圧倒的に優れており、重量級の鎧騎士のような風格を持つ。



 ただしその分、機動力は著しく低下しており、俊敏な動きや高機動戦闘は不得手とされる。



 武装面では、ヴァレンバスターから展開される斧状の刃との相性が非常に良く、怪力による一撃一撃が重みと破壊力を兼ね備えた攻撃となる。



 まさに”一撃で押し切る”タイプの接近戦に特化したフォームである。



 一方で、同じく重装型であるブシュエルフォームとの共通点も多く、変身時や運用時にかかる負荷も高い。



 ブシュエルほどの極端な心臓への負担はないものの、肉体に強い圧迫を与える設計は変わらず、絆斗の身体へのダメージも無視できない。



 また、本フォームは射撃能力を完全に失っており、ヴァレンバスターによる遠距離攻撃が一切行えないという欠点を抱えている。



 結果として、射撃と斬撃を両立するフォームとは運用の方向性がまったく異なり、接近して力を叩き込むスタイルを貫くしかないという制限が存在する。



総じて、ロルアックスフォームは”鈍重だが堅く、重い”という特性を突き詰めた戦型であり、特定の状況下では非常に頼もしいが、絆斗自身の身体的・戦術的な負担もまた無視できないリスキーな形態と言える。
 


他のグラニュートハンターへの運用も難しいだろう。


――スペック
身長:184.4cm
体重:120kg
パンチ力:2t
キック力:2.2t
ジャンプ力:3m(一跳び)
走力 10.0秒(100m)
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