オグリの幼馴染が記憶を無くしてチョコレートの怪物になって化け物と戦ってた話   作:かな餅

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【特対通達第4712号】
件名:依頼選定における配慮不足に関する謝罪文

20――年6月26日
宛先:酸賀 絆斗 殿
発信元:特殊対応課・監察係
責任者:コール・スローン

拝啓
時下ますますのご清祥のこととお慶び申し上げます。
また、日頃より本部管轄区域における人員不足へのご理解とご協力に深く感謝申し上げます。

さて、このたび20――年6月25日に発生した中京レース場案件に際し、貴殿が長期戦闘任務後の休養期間中であったにも関わらず、正式依頼として現場投入された件につきまして、
本部・特殊対応課より正式に謝罪申し上げます。

当該依頼は迅速な対応を要する内容ではありましたが、
貴殿の身体的・精神的リスク状況への確認および考慮が十分になされておらず、
結果として現在の体調悪化およびゴチゾウ出力過多による症状を引き起こす一因となったこと、
重く受け止めております。

依頼選定フローにおける不備、および情報共有の不徹底について、
現在本部内にて内部精査を実施しております。
併せて、特殊対応課内部における依頼出力プロトコルの改定を進行中であり、
今後このような事態の再発を防止すべく、運用改善に努めてまいります。

なお、現場にて対応にあたられた代理担当者・ラキア氏の判断および貴殿自身の冷静かつ的確な対処により、被害拡大を未然に防げたこと、改めて本部一同、敬意を表します。

今はまず、ご自身の十分な回復と休息を優先されるよう、重ねてお願い申し上げます。
また、本件に関し直接の謝意を伝えられなかったことについても、改めて深くお詫び申し上げます。

末筆ながら、貴殿の一日も早い快復と、今後の平穏なる日々を心よりお祈り申し上げます。

敬具

特殊対応課 監察係
コール・スローン(COL SLOANE)
 


 
 


満腹ではない、けれど満たされる時間

 

急いで出した謝罪文か……本部は謝罪だけは丁寧なんだよな』「どうしたんだ?」『なんでもない』

 

 

 

 

 特に深く考えずに依頼を引き受けた俺にも落ち度はあるが。

 

 

 

 

 

 本部の対応を見る限り、恐らく酸賀に相当詰められたんだろう。

 

 

 

 

 

 結果的にはラキアを無理に使わず済んだが、人材不足がボディブローのように響いてきてる。

 

 

 

 

 

 あの日の記憶(6月25日)は途中から曖昧だし、気がついたらオグリが俺にのしかかって眠ってた。

 

 

 

 

 

 いや、その辺はどうでもいいな。問題は別だ。

 

 

 

 

 

 とりあえず、本部には幹部について覚えている限りの情報を報告しておく。

 

 

 

 

 

 ニエルブとラキアの話では――“グロッタ”。

 

 

 

 

 

 過去に討伐されたはずのグラニュートが、どうやら形を変えて戻ってきたらしい。

 

 

 

 

 

 ラキアも頼れる戦力だが、正直言って、もう一人は欲しいところだ。

 

 

 

 

 

 それが無理なら……新しい力を手に入れるしかない。

 

 

 

 

 

 仲間に関しては、時間が導いてくれるだろう――問題は、力の方だ。どう手に入れるか、だな。

 

 

 

 

「……どうしたんだ?」『いや?、身体やわらけえなって』「……そんなに見られると恥ずかしい。」

 

 

 

 

 過去の記憶を刺激された時に生まれるゴチゾウは……なんか強い。

 

 

 

 

 

 基本的には味で思い出すことが多いがオグリの場合は……こう、なんか。

 

 

 

 

 

 何か重なるんだ、何故か知らんが母親の言葉に――声の暖かさが似ているからか?

 

 

 

 

「それにしても……ろっぺいの補佐を受ける気になったのはどうしてなんだ?」

 

 

 

 

『色々あるが一番はじっと休めないから、だったらなるべく疲れがない仕事をやろうってな?』

 

 

 

 

「そうか、いつもは何と言うか……絆斗は身体を一杯動かしているからな」『そういうこった』

 

 

 

 

 

「おいオグリと酸賀とこの坊主、ちょっと話がある。」「……?」『ああ』

 

 

 

 

 

――トレセン学園:生徒会長室

 

 

 

 

 

 オグリは部室へ俺は――なんか、こう……あれだそうだ――校長室?違う気がする。

 

 

 

「よく来てくれた、グラニュートハンターの……酸賀絆斗君」

 

 

 

 ……こいつ――あれか?確か学園の偉い奴だ……誰だっけな。

 

 

 

 

「失礼、私はシンボリルドルフ……見ての通りこの学園の生徒会長だ」

 

 

 

 

『そうか、じゃあ……ここは生徒会室ってとこなんだな。何の用だ?問題でも俺が起こしたか?』

 

 

 

 

「……まず認識合わせをさせてもらいたいのだが、君は……グラニュートハンターだね?」

 

 

 

 

『そうだな、うちの本部から聞いたのか?』「ああ……それで、君は命令でここにきた。」

 

 

 

 

 ……話が見えんな、本部が勝手に話を進めていた……のはいつもの事として。

 

 

 

 

 

 現在、本部からは”休息を最優先せよ”との正式な命令が下されている。

 

 

 

 

 

 だが、“息抜き”としてトレセン学園に顔を出せとは言われていない。つまり……。

 

 

 

 

 

 俺以外のグラニュートハンターがこの学園に来る可能性がある……そんな感じだろう。

 

 

 

 

 

 気になるのは、こんな重要な話を持ち出してきたのが“学生”である点だ。

 

 

 

 

 

 理事長クラスの責任者が出てくるべき場面じゃないのか?その違和感が引っかかる。

 

 

 

 

『俺もガキだが、この手の話は学生がしていい話なのか?』「……ごもっともではあると思うよ」

 

 

 

 

 

『そもそも俺は気まぐれでこの学園に来たに過ぎん』「……ふむ」

 

 

 

 

 基本的に本部が交渉するのは一番偉い相手かその近い立場……生徒の代表っていうのは……。

 

 

 

 

 

 もしかして結構偉いのか?生徒会長って……学校いってねえからわかんねえな。 

 

 

 

 

 

 交渉する内容としては……レース会場を調べさせてくれみたいなもんばっかだろうからな。

 

 

 

 

 

 そこにグラニュートハンターが話に混ざるってなると……学園自体を護衛する話か?しらんが。

 

 

 

 

 

「これに関しては私の独断であり、グラニュートについても私はまだ詳しくない――だが。」

 

 

 

 

『学園の代表として同じウマ娘が攫われているのに黙っていられないって?』「そんなところさ」

 

 

 

 

 話を聞いてみると……どうやらどこかのグラニュートハンターが学校直属の護衛になるらしい。

 

 

 

 

 そこで挙げられたのが討伐数とトップの俺と二番手の誰か、それで使命は俺にだと……まじか。

 

 

 

「……私個人としては数字ではなく直接相手を見て決めたいと思ってね?」『独断でか?』

 

 

 

 

「人を見る目には自信があるんだ、とにかく理由はともあれ君がこの学園にいて丁度よかったよ」

 

 

 

 

 早く切り上げてもいいが……俺は自覚するくらいには独断行動が多い。

 

 

 

 

 

 その大半は成果で黙らせているが、個人的にこいつと縁を作っても良さそうだな。

 

 

 

 

 

『最初に言っておくが本部から一時退役の命を――』

 

 

 

 

 

「つまり指名は通っていてもどの道学園に来るのは別のグラニュートハンター……だね?」

 

 

 

 

『……話がはやいな?』「そこは、お互い様かもしれないね?」

 

 

 

 

 

 話している感じ的には……こいつは学園側のトップ層とも口が利けるらしいな……。

 

 

 

 

 

 対して俺も成績のおかげが組織中ではかなりの発言力を持っている……手を組むのは有りか?。

 

 

 

 

 

 不測の事態でグラニュートが現れたとして俺は人前で変身することはなるべく避けたい。

 

 

 

 

 

 だがそこに手回しをしてくれる関係者がいれば……ラキアも俺も動きやすくなる。

 

 

 

 

 

 対してこいつに渡せるメリットは何だ?俺の発言力と……組織の移行について。

 

 

 

 

 

 グラニュート退治はもちろん……だめだ、なんも思いつかん、取引が成立できんくなるな……。

 

 

  

 

「どうしたのかな?」『……まて、考えてる。』「何を?」『差し出せる何かを』

 

 

 

 

 

「……何か個人的に手を組みたいというような話かな?」『そうなるな』

 

 

 

「それは私も考えていることだが……そうだな、君が欲しいものをまず聞かせてくれ」

 

 

 

 

 こいつは随分と話易い気がするな……何と言うか酸賀みたいだ。

 

 

 

 

 やけに呑み込みが早くて少し気持ち悪い奴……理想主義に共通しやすい部類だな。

 

 

 

 

『グラニュートについてはさっき説明したとおりだが、俺達は基本人前で変身はしない』

 

 

 

 

 

「ならその不測の事態に成った時には手回しをしよう、ただ一部の――」『かまわん』

 

 

 

 

「分かった、他には?」『俺の独断に加担しろ、グラニュートを早く討伐するならそれが良い』

 

 

 

 

「それは私にもリスクがある話だね、なら私の独断にも付き合ってもらうかな?」『ああ』

 

 

 

 

 

 それと他には……そうだな――”斎藤”について話すべきか?まだ早いか?

 

 

 

 

 

 いやその前に……やることがあるな。

 

 

 

 

 

『ここまで長々話したが結局のところ、グラニュートに関して現実味を帯びてない』

 

 

 

 

 

……褒めているつもりではあるんだが、その。気持ちが悪いくらいには呑み込みが良いね」『お互い様だな』

 

 

 

 

 

 グラニュートの存在は徹底された情報統制のもとで隠されて世間にはほとんど知られていない。

 

 

 

 

 

 大人たちは深刻そうな顔で会議を重ねている。

 

 

 

 

 

 だが”本当に怪物なんているのか?”……普通の人間なら、そう思うだろう。

 

 

 

 

 

 

 たとえUFOの軍事資料を見せられたとしても自分の目で確かめない限り、現実感は薄れていく。

 

 

 

 

 

 たった一人が真実を叫んだところで、時間が経てば人は忘れる。

 

 

 

 

 

 やがて、それは都市伝説に変わる……俺たちの仕事は、その“都市伝説”のままで済ませること。

 

 

 

 

 

 怪物の存在が、世界の“日常”を壊さないように裏側で処理する。それが俺たちの役目だ。

 

 

 

 

 

 じゃあ、あとは変身して姿を見せ――いや、酸賀みたいなのでも子供だしな……。

 

 

 

 

『あ~……まず、こいつを見せてやるよ』〔ちょわぁ?〕「それは?……生き物……なのか?」

 

 

 

 

 

〔ちょう、ちょわ?ちょうちょう〕『お前生まれたてのやつだからウマ娘見るのは初めてか』〔チョコ!〕

 

 

 

 

 

「……おもちゃではなさそうだ、ちょっと柔らかい……のか?」〔ちょ~う……〕

 

 

 

 

 

『ご機嫌を損ねたな』「え?あ~いやすまない……何か気に障ったのだろうか?」〔チョワッ!〕

 

 

 

 

 

 握る力がちょっと強くて文句を言ってたな。

 

 

 

 

 

 まずはゴチゾウから慣れさせてほうがいいだろ……こいつら好かれやすいしな。

 

 

 

 

 

『こいつらは俺の眷属のゴチゾウ、お菓子を食べて俺の腹から生まれてくる』「……ジョークかな?」

 

 

 

 

 

『そしてこれが俺のもう1つの口で喉しかないんだが――』「ま、待ってくれ……一旦間を置こう。

 

 

 

 

 

 やっぱり情報量が限界を超えたか……無理に話を進めなくて正解だった。

 

 

 

 

 

 こいつもオグリと同じ“常識側”の存在だ、理解には段階が必要なんだよな。

 

 

 

 

『こんなのでも混乱するだろ?、これが怪物なら一周回って冷静になるが……まあ、怖いはずだ』

 

 

 

 

 

 

「……資料でみた限りでは、グラニュートの特徴は人間に化けていてもお腹に口が――」

 

 

 

 

 

『俺は”半分”グラニュートだ、ウマ娘とグラニュートの間で生まれた化け物だよ』「……」

 

 

 

 

 

『資料になんて書いてたが知らんが、これが事実だ』「……なるほど」

 

 

 

 

 

 交渉の骨子は固まった。今回は見送っても、次に話が持ち上がればすぐにまとまるだろう。

 

 

 

 

 

 あとは……こいつがこの現実をどう受け止め、どんな判断を下すか。

 

 

 

 

 

 それ次第で、これからの展開は大きく変わってくる。

 

 

 

 

 

「……うん、よし。」『決まったか?』「ここで、一つ提案だ。」

 

 

 

 

 

 

 

――遅くなってしまったがアイスブレイクの時間にしないかい?――

 

 

 

 

 

 

『……今更か?』「ああ……いや、何と言うか君とは喋り易くてね。」

 

 

 

 

 

「元々難しい話をするつもりはなかったんだ、どんな人物なのか知ってみたいってだけでね」

 

 

 

 

 

 

『あ~……難しくしたか?』「お互いにね、私もつい楽しくなってしまったかな……」

 

 

 

 

 というか……こいつ怖くなさそうだな、人間の姿だからか。

 

 

 

 

 

「君の人柄からして嘘はつかないだろう、だからさっきの言葉も真実。なんだろうけど」

 

 

 

 

 

 

『……あれか?妙に落ち着いてるのは俺がオグリの幼馴染だからか?』「それも一つだけども……」

 

 

 

 

 ……本部から学園への資料……いや、俺の取り扱い書……?――んだこれ、ふざけてんのか。

 

 

 

 

「最初は困惑したけれど、良く見てみると私とどこか似ている点が多い気もしてね?」

 

 

 

 

 

 ”①交渉をするときは純粋な心を持つ人からお菓子を与えてください”。

 

 

 

 

 

 ”②そうすれば相手の人柄を読み取って言う事を多少はきいてくれるでしょう”。

 

 

 

 

 

「それで実際に話してみると――こんなに話が弾むとは思わなかったよ」『これ書いたのぜってぇ酸賀だろ』

 

 

 

 

 

「まあ、君の正体がどうあれ……こうして対話もお互いに歩み寄ることもできている。」

 

 

 

 

 

 やべぇ、さっきまでの話なんも聞いてなかった。何言ってたんだこいつ。

 

 

 

 

「君とは通ずるところがあるからか私は君を個人的に信頼してもいいと思い始めているよ」

 

 

 

 

 

『……おう?そうか?』といっても……少し整理もかねて雑談をしよう、本来はそうしたかったしね」

 

 

 

 

 

――トレセン学園:生徒会長室前

 

 

 

 

 

 絆斗が……絆斗がなぜかルドルフのもとへ連れていかれてしまった。

 

 

 

 

 

 絆斗が何か悪いことをしてしまったのか……?胸がざわついて落ち着かない。

 

 

 

 

 

 お腹まで空いてくる。

 

 

 

 

 

 もしかして……絆斗が“半分グラニュート”ってことが誰かに知られたのか……?

 

 

 

 

 

 でも、グラニュート自体一般には秘匿されていていて……。

 

 

 

 

 

 ……けど、ルドルフは学園の生徒会長。知っていてもおかしくない立場……。

 

 

 

 

 

 ああもう……とにかく、心配で仕方が――。

 

 

 

 

 

「ふふ……かわいいな……思わず触れてしまったよ」『おい……そうやってさわったら、あっまた出て――』「おっと……勢いが……」

 

 

 

 

 

 

いったい何をしてるんだッ?!

 

 

 

 

 

 

『ぉぉ?……オグリどうした?』ロシュ?「お……オグリキャップ?どうしたんだ?」

 

 

 

 

 

 ……ご、ゴチゾウを可愛がってる……だけ?は、絆斗は無事そうだ……よか――。

 

 

 

 

 

「……お腹が空いているなら……私の手作りクッキーでも食べるかい?」「……うん。」

 

 

 

 

 

 どうやら……難しい話とルドルフが焼いたクッキーを一緒食べて雑談をしてただけらしい……。

 

 

 

 

 

 

 絆斗には何もなさそうで良かった……良かった?――手作りのクッキー?……え。

 

 

 

 

 

『にしてもこれ美味いな、変なゴチゾウも生まれたし』ロシュロシュ

 

 

 

 

 

 

「そうなのかい?そう言われると……なんだか特別な子に思えてきたよ、おや?……こ、子持ち?!

 

 

 

 

 

 

〔しゅぱ?しゅぱぱ!〕〔しゅぱ~!!〕ロッシュ『返せだってよ』「す、すまない」

 

 

 

 

 

 

 ……いつものよりも少し大きいゴチゾウで形が……クッキーをいれる箱のようだ。

 

 

 

 

 

 

 器にも中の6枚にも意識があるようで……ルドルフとの……とく、べつなゴチゾウ……。

 

 

 

 

 

『2体目が出てきたってことは無制限って訳じゃなさそうだな』「ああ……一度使えばもう……」

 

 

 

 

 

 

「こ、この子もいるぞ?……ほ、ほら白いチョコゴチゾウだ!」

 

 

 

 

 

 

〔ちょろぉ?〕「おや?……この子は少しオグリキャップに……」

 

 

 

 

 

 

『そいつは生まれる条件が分からんから使えん、強かったらもったいないしな』〔ちょわちょわ~♪〕

 

 

 

 

 

 

 

「で、でも絆斗と私の子だから……きっと役に立つぞ?」〔ちょわ?〕

 

 

 

 

 

 

『やめろその言い方余計に使いにくくなる。』「……ならこの子は私と絆斗――こほん。」

 

 

 

 

 

 

『てか六平に呼び出されたんだろ、抜け出してきたのか?』「いや……は、絆斗だって」

 

 

 

 

 

『なんだ?』「……今日は、私のトレーニングを見る予定で……その帰ってこないから。」

 

 

 

 

 

 

『忙しい父を待つ寂しがり屋の娘かお前は』「なるほど……それは、悪いことをしてしまったな。

 

 

 

 

 

「い、いや……その。忙しいなら、待てるぞ……ちょっとだけ。

 

 

 

 

 

 

『……ルドルフ、さっきの話はいつまでに終わる予定だ?』「今週中には」

 

 

 

 

『分かった、お互い独断とは言え今日は突発的に話過ぎた。ある程度まとまったらまた話そう』

 

 

 

 

 

〔ちょわ〕『連絡先も交換するが……何かあった時の伝令役も付けといてやる』

 

 

 

 

 

「ふふ、頼もしいな」〔ちょうわ!〕

 

 

 

 

 ……私が割り込んでしまったせいで大事な話を止めてしまったのだろうか……。

 

 

 

 

 

『じゃあなルドルフ……あ、あと』「これは……名刺かい?」

 

 

 

 

 

『なんかあったらここに来て仕事くれ、じゃあな。』

 

 

 

 

 

 

 迷惑だっただろうか、結局勘違いでクッキーまで頂いてしまって……。

 

 

 

 

『六平とは何話してたんだ?』「”絆斗がいると調子はどうだ”と聞かれた」

 

 

 

 

 居たの最初だけでトレーニングの時には居なかった……仕方ないんだが。

 

 

 

 

『調子悪いのか?』「あ、いや……その。絆斗がいると元気がでるからというだけで……」

 

 

 

 

 

『俺も最近酸賀がいなくて気持ちがダルい』「……」『飯も出ないし菓子も補充されない』

 

 

 

 

「……同じ気持ちって、言いたいのか?」『だから落ち込んでダルい時には――』

 

 

 

 

 

「むぐっ……ひょほ?」

 

 

 

 

 唐突に、口の中へチョコを押し込まれた。

 

 

 

 

 思わず目を瞬かせる。溶けかけのチョコが舌の上に乗って、じわじわと広がっていく。

 

 

 

 

 最初に来たのは、甘さ。思った以上にやわらかくて、口の中の温度で、すぐにとろけていく。

 

 

 

 

 次に感じたのは、少しだけビターなコク。後を引くような甘みじゃない。

 

 

 

 

 けれど、なんだか……安心する。

 

 

 

 

 ふわっと、背中があたたかくなるような味。懐かしいような、胸がきゅっとなる感じ。

 

 

 

 

 

 初めて。絆斗が私を包み込んで温もりを感じた、あの気持ち。それと、よく似ていた。

 

 

 

 

 

 あの頃も、今も。私が、絆斗を求める気持ちと、今の絆斗に私を求めて欲しい気持ちが――。

 

 

 

 

 

 

『落ち込んでダルそうなやつにはチョコでも突っ込んでおけば何とかなる』「……ふふ」

 

 

 

 

 

 

 昔と違って……ちょっとひどいやつだな、本当に。けど――ほんの少し、笑ってしまった。

 

 

 

 

 

 残った時間でほんの少しのトレーニングを見てもらった後、一緒にお菓子を食べた。

 

 

 

 

 

 

 満腹にはなれないけれど、とても……満たされる時間だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――本部:伝令施設

 

 

 

 

 

 

 

 

「我々は人間はとても無力です……どれだけ束になってもグラニュート一体には及ばない」

 

 

 

 

 

――とても弱く……儚く……時には産声を上げる前に生き途絶える命――

 

 

 

 

 

「それが人間です……今、グラニュート界は変化しつつあり、こちらも変化が必要となりました」

 

 

 

 

 

――ヴァレンシステムを用いても根絶できない犠牲――

 

 

 

 

 

「しかし……我々の目的は……兵器を作ることじゃない、彼らを抹殺することじゃない」

 

 

 

 

 

――ヴァレンシステムを超える何か――

  

 

 

 

 

――必要性・正当性・手段――

 

 

 

 

 

「今私たちに必要なのは象徴(抑止力)です、それが今……誕生しようとしています」

 

 

 

 

 

――誰よりも長く誰よりも強く生きる命――

 

 

 

 

 

 

 

「たった1人の英雄(仮面ライダー)の進化がこれからすべてを超越する」

 

 

 

 

 

 

――酸賀絆斗――

 

 

 

 

 

 

 

「1人の英雄に進化を促し、全てを超越するこのシステムの名はッ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――BEYOND-VITALIS――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




【ゴチゾウ図鑑:ケッキ―ゴチゾウ】



 誕生日に食べたミルククッキーから生まれた新しいゴチゾウ、ケッキ―。




 さくさく食べれるクッキーを食べるともりもり出てくるチョコゾウみたいなゴチゾウ。




 本部がゴチゾウのサンプルを欲しがっていたのでとりあえず20匹まとめて送り出した。




 欲しくなったらまた産めばいいだろう。




 ミルククッキーを食べるたび何か思い出せそうで思い出せないけれど、なんだろうか?

1話~12話:仮面ライダーヴァレン(酸賀絆斗)人気投票

  • 基本的な形態チョコドンフォーム
  • 粒子を振りまく災害ブシュエルフォーム
  • ポテチの剣豪ザクザクチップスフォーム
  • 自由の象徴マジックザストーン フォーム
  • 重装甲近接特化ロルアックスフォーム
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