オグリの幼馴染が記憶を無くしてチョコレートの怪物になって化け物と戦ってた話 作:かな餅
人工的に作られたらしい人工ゴチゾウ。
いつもぼーっとしていてぽつりと何かを発するが基本的にぼーっとしている。
自立はしてるようだけどその場を自主的に動こうとせずつついても反応しない。
ほかのゴチゾウによれば意識はあるけど自我がないらしい、よくわからん。
幸果が俺の居場所を突き止めたのは、チョコフラッペの一郎のおかげだったらしい。
二郎はその最中、パトロール中に
只事ではないと判断して辛木田に報告を入れた。
辛木田はというと長い旅から戻ってきたばかりで――。
今の状況については何一つ知らなかったようだ。
仮面ライダーの噂も組織じゃなくて赤ガヴかラキアだと思っていたらしい。
「最後の一体だったチョコフラッペは消えた、で……お前、何者なんだ?……」
「ちょっとハンティ……今の絆斗君には――」『……いい、助けて貰ったんだ。話すよ』
情報を整理すると……俺は、高橋翔馬という少年の身体を持った存在だ。
酸賀は、自らが生み出したクローンと引き換えに翔馬の肉体を譲り受け――。
その身体に“俺”を宿らせて、育てた。
翔馬の家族は、バウエル社の追手に狙われた。
父親はおそらく、その手にかかって命を落としたのだろう。
そして母さんは――瓦礫の中、
「……最悪じゃねえか、酸賀の野郎何で……何で生きて――」「それは……ウチから話す」
『俺よりも詳しそうだったな、幸果。俺のこともしってた』「まぁ……相談役だったから。」
――酸賀研造は死んだ――
「……ここまではラキアンとか
『……"クローン"かあいつも』「出会いは……たまたまというか、偶然っていうか〜バッタリって」
『何の相談役なんだ?』「組織とか方針とか……倫理……とかだけど、主に……絆斗君のこと」
「……こいつの?」
「最初は色々疑ってこの子が危ないって!乗り込んだりも……したけど――」『え?』
「まず話からって思ってたらさ。ただの悪い奴だって思えなくて、絆斗君のそばにいる顔は特に」
――7年前:酸賀の研究室
「こら……絆斗くん。どーいーて?」『いや。』「もー……
……本当に、あの酸賀っていう人なのかな。でも顔おんなじだし……ラキアン呼んだ方が――。
「ほら!早く退かないと……絆斗君がイヤイヤな抱っこするぞー!」『ん〜……』「よし、席が空いた」
……話だけでも少し聞いてからの方がいいかも。
「いやぁ来てくれてどうも、その様子じゃ前の俺を知ってるみたいだし色々聞きたいんでしょ?」
「ああ……まあ、そんな感じ――です。その……あの子は誰……ですか?」
「あー気にしないで俺の養子だから……でも傷つけないでね?」「いやいや!そんなことしません!」
目の前にいる酸賀って人は聞けば何でも答えてくれた、自分の正体、目的――。
「え?最強生物作るのやめた……!?なんで?」
「いや、なんか……育児してたらどうでも良くなっちゃってさ……でも作った方がいい?」
「いやいやいやッぜんっぜん!てかもしかして……元々は養子を――」「うん、でも……」
『……?』「強くなくても長く生きるなら良いかなぁって……」
ハピパレをやって色んな人を見てきてから、人を見る目には自信があると思ってる。
でも目の前の人間は酸賀研造という友達の恩人を殺してしまったクローン。
同じクローンでも違いがあったりすることはわかってる、それでも――子供は心配だった。
「あの……絆斗く――ん?はんと?……はんと……?!」『ん〜……』
「あ、ごめんね?……うるさかった?――はんと、くん。」『……』「……パパ、どんな人?」
『……酸賀?』「ああーそう呼んでるんだ……そう、酸賀さん、どんな人?」
『おかしくれる』「……他には?」『……んー……おかしくれる。』
「……だけ?」『ん。』「……てか大人しいんじゃなくてなんか幼――むぐっ!?」
絆斗っていう、友達と同じ名前の子供には色々複雑な思いが沢山ある――でも。
「むごっ…ふぁに!?」『おかし、わけるとおいしい。』「……ふぉうなんだ。」
お菓子が大好きな子供には多分、関係ないことかな……思った。
――駄菓子屋:【代理移動販売店"パピパレ"】
「てな感じで……関わるうちに……その、絆斗君を見守ろうってなっちゃった。」
「……何で俺に報告しねえんだよ?ラキアとかショウマには言ってたんだろ!?」「いや、その」
『……知ってたら、酸賀を殺したのか?』「……いや、そういう訳じゃない。ただ……納得が」
「だって海外行ってたし連絡してもつかないしで……今日初めて帰ってきたこと知ったし。」
「……悪い」『……ノルンすまんな。何もわからないだろう』「うん、あーし場違いすぎ。」
「ハンティにはこれから知らない事を話そうって思ってるけどさ、絆斗君は……電話したら?」
それについては、ずっと考えていた。途中で電話が切れて、肝心なことは何一つ聞けなかった。
そうして俺は、後から真実だけを知ることになった。
……俺は何を聞きたいんだろう?翔馬をなぜ探さなかったのか?どうして俺を育てたのか?
オグリに会わせたのは、誰のためだったのか?――酸賀は、悪いやつじゃない。
今やっている“グラニュートハンター”の活動にも、嘘も裏もない。それだけは、信じられる。
「絆斗、酸賀と話すんなら――いや、悪い奴だったら言え、俺が代わりにぶっ飛ばしてやる」
『……ああ。』
少し離れた場所でスマホを取り出す。
耳に当てると、まだ聞き慣れない呼び出し音が静かに響いた。
スマホってやつはどうにも苦手だ、突然震えるし操作もよくわからない。触るたびに緊張する。
本音を言えば、今すぐにでもガラケーに戻したい。
酸賀が無理に買い与えなければ、俺に友達なんていなければ、たぶんとっくにそうしてた。
〈……絆斗君?突然電話が切れたけど〉『話がある……酸賀。』
〈うん、何が聞きたい?〉『……全部知った、お前の事も俺の事も……全部、聞いちまった。』
〈……そっか〉『生きてる事は知ってたのか?……高橋翔馬が――オグリの幼馴染が』
〈知らなかったし……当時は知りたいと思ってなかった、
『探したのか。』〈探しは……した、一応友達の子供でまだ俺の患者でもあったからさ〉
声に嘘も罪悪感はない。解りきっていたことで責める気はなかった。
問題は、胸の奥ではずっと引っかかっていた存在が――今になって現れたことなんだ。
『本物が現れた。オグリの、“昔の幼馴染”……高橋翔馬が』〈……そっか〉
『でも……俺が知ってる翔馬じゃなかった。』
この言葉をこぼすのは自分でも戸惑ってる。あいつを知ってるはずがない、記憶にはない。
それでも”違う”と感じた。あの目の奥にあるものが、オグリが語った“翔馬”と重ならなかった。
『幼馴染よりも復讐を選びたいらしい、余程……バウエル社を潰したいだろうな』
翔馬を止めたい――でも、翔馬の痛みが分からないわけじゃない。
止めてしまえば、何もかも奪うことになる気がして――戦いを辞めてしまった。
〈俺は絆斗君を拾って色々割り切ったけどさ、やっぱり最強生物諦めてないよ〉『……だろうな』
〈絆斗君、今の組織ってなんで作られたと思う?〉『……お前が設立したんだろ?』
〈ある子供が、みんなが幸せで、美味しくお菓子を食べられる世界を作りたいと願った〉『俺か?』
〈ある少年が――みんなのために、その願いを守ろうと戦うことを決めた〉『……んなこと言ったか?』
〈ここにいる君は。今日はどうしたい?戦っても、本当に嫌なら逃げてもいい〉『……』
〈絆斗君が明日美味しくお菓子を食べられるのなら、俺はそれでもいいよ〉
『……俺がしたいこと?』
オグリは走りたい。チップはじゃれ合いたい。ラキアは……だらけたい?
幸果はみんなを幸せにしたい。狼奈は甘やかされたい。白狼は仮面ライダーになりたい。
ルドルフはウマ娘を幸福にしたい。酸賀は俺を誰よりも強く誰よりも長く生きるの命にしたい。
俺は酸賀に応えたい。幸果とルドルフの願いの為にラキアのように強くなりたい。
チップが1人でも笑えるような、狼奈と白狼が何不自由なく生きられる世界を作りたい。
そんな世界でオグリには自由に走ってほしい。そこに……そこに――。
『……やっぱ、考えんのはダルい。みんな幸せで菓子くって美味けりゃそれでいいんだよ。』
〈……それでこそ絆斗君だね、どうする?戦う?〉『……ああ、いいネタも思いついた。』
あいつは自分のやり方で復讐をしたい、逆の立場なら俺もああなるだろう。
だが"勝った方の案で行こう"――だったか?ならそれで良いな。
ただ人プレスに関しては一度辛木田にそうだ――何やってんだ……。
「見てみて!これは12歳になりたてのハンティで……まだ酸賀さんにベッタリでさぁ……」
「へぇ……まだちっこいな、てかどの写真もなんか食ってんな」「食いしん坊だからじゃない?」
『何やってんだ』「ハンティのアルバム鑑賞〜……げっ!ハンティ!?」『何で持ってんだよ。』
懐かしいんだがわからんが昔の俺、いつの間にこんな撮られてたんだ……。
『……いやんなことはいい、辛木田……話がある』「……おう。」
――ニエルブの研究室
「うーん、さっきの戦闘じゃあまり調子が出てなかったみたいだけど……どうしたんだい?」
「……そうか?むしろ……なんか。気分は良かった気がする。」「……ふむ、だとすれば――」
〔ぷるぅーん?〕「……この子の影響かな、そもそも人間の肉体じゃ限度があるだろうし……」
「なんだよ」「確かにパワーはあるけれど、黒チョコの方が良いんじゃないかな?」〔ビタァ?〕
「……いや、絶対に使いこなす」「いや、念の為に入れたセーフティが働いたんだよ。だから――」
「じゃあ、外せよ……ただでさえあいつはかなり強いのにこれ以上時間をかけたら……」
「僕としては長く楽しみたいんだけどなぁ、しょうがない負荷は増えるけど――あれ?」
――CHOCO-DON!!――
「……黒チョコが居場所をバラしたのかな?という事は……」「……戦う気になったのかよ。」
研究室に一発撃ち込んでやれば、案の定――出てきた。
周囲は既に、組織の手で人払い済みだ。ロシュアガルドの副作用についても確認は済んでいる。
どうやら“バランス感覚”への影響は大きいが純粋なスペック頼みで戦うなら、問題はない。
〔ビタァ〜……〕『何だやる気か?』〔ビタァ――ビッ!?〕『悪いな、今日はお前じゃない』〔チョコッ!〕
――CHOCO――
「やる気になったんだな?結局……お前は――」『もっと良い復讐を思いついたんだよ』「……」
『それをするのに強さなんていらない復讐心も憎しみも後悔も不要だ……』「……はぁ?」
――ただのうのうと生きる――
『それが一番、誰にだってできる悪意へ復讐だ……良いだろ?気楽で』「……ふざけてんのか?」
何が起きようと、誰に何をされようと――俺は、のうのうと生きてやる。
俺たちを殺したいやつがいるなら、そいつのしてきたことに“意味”なんかなくしてやる。
俺たちの存在を消そうとするなら、今度は俺たちが、そいつらをなかったことにしてやる。
誰も脅されず、誰も傷つけられず、ただ生きることが当たり前の世界を作るために俺は戦う。
「悔しくないのか……悲しくないのかッ!?悔しくないのかッ!?……家族は皆……」
『
「……ざけんな。母さんに産んでもらった身体でのうのうと生きてた癖に何を今更――」
『親父が
「こんな弱い人間の体で何が出来んだよッ!?
『十分だろ……だってお前は今ここにいる、俺とお前はあの日生き残った、家族に護られて――』
―― VRASTUM GEAR ――
―― CUP ON ――
―― FORCED REINFORCEMENT ――
〔WAO‼WAOWAO!!!〕「……黙れ」〔ぷるーん?〕『……こうなるか〗〔WAO‼WAOWAO!!!〕
―― PUDDING STRONG OVER ――
―― VLAM SYSTEM ―――― CHOCODON PAKI PAKI ――
〖勝った方の案だったな?さっさとどっちが強いか決めて……このダルい話を終わらせよう〗
〖俺が勝って――お前もバウエルも終わらせんだよ〗
こいつと戦って何か既視感があると思ったが……そうだな、タチの悪い酔っ払いだ。
こっちがどれだけ攻撃を当てても効いてる感じがない、傷はあるが痛みを感じさせない振舞い。
黒チョコの場合は衝動的な戦闘意欲と本人の凶暴性で痛みを気にしてなかったんだろう。
だが今は……どうにも高揚しているような――闇菓子を食ったグラニュートに似てんのか?
〖……これだ、これさえあればッ……全部ぶっ殺せるッ!!!〗〖あの
動きが荒いとは言え黒チョコの時よりもはるかにスペックは高い、真正面からは付き合えんな。
かといって……搦手が得意なわけでもないんだよな。どうするか。
〔メル、メルメル〕〔フワッ!ふわふわ~!〕〖……そうか、難しいことを考える必要はない〗
―― DOUGHNUT ――
―― DORMAL MOFU MOHU ――
〖肩に力入りすぎてたな。いつも通り、いくか〗
グロッタの時は
でも今回の相手は違う。単純な馬鹿力だけで衝撃波を起こしてくるような無法はしないだろう。
問題は、肝心の
しばらく退役中だった事もあってかまだ孵化はしてなかった。
ならあるもので代用するだけだ。手数で圧倒すればいい。
――CARAMEL SECOND DECORATION MEL MEL――
ドーナツを展開、ぐるっと囲むように翔馬のまわりを固めてやる。
ひとまず様子見、こっちから無理に動く必要はない。
……キャラメルかかったやつが混じってる。ベタついてるな、あれ。
動きづらくする粘着性、ってとこか。よし、使える。
下手に派手技ブッ放すより、こっちのペースに引きずり込んだ方がいい。
焦るな、こいつには“待ってるだけ”でも、じわじわ効く。
〔メルメル〕〖撃っても効かねえのに?まあ牽制はするか……おっ粘着弾か?〗
〖なんだこれ……!?……身体が――ベタついて……〗
―― 弾力性 + 粘着力 ――
ゴチゾウによってバスターが撃てなくなる事もあれば……バスターから出る弾も変わる。
〖結局酸賀に助けられてばっかだな〗〖ふざけた力ばっかり使いやがって……〗
装甲を犠牲にしてでも突破したいのか……いや、まるで自壊を前提にしてるシステムなのか?
剥がれた装甲はすぐに再生されていく、能力は何だ?ただスペックが異常に高いだけの存在か?
ニエルブの作品だとして何を見たい?何を試している?
「こっちはやられそうだね、仕方ない……セーフティーを解除するか」〖よそ見しやがってッ!〗
何でニエルブもここにいんだよ……てか辛木田の声がでけえ、喉枯れるぞ。
「翔馬君、使って良いよ。命の保証はしないけど――」〖野郎、何する気だ……〗
―― CUP LADY ――
―― PUDDING STRONG OVER ――
―― MUTATE BIO LOGY ――
翔馬の腰に巻かれたベルトから何本もの触手のような管が伸びてる……?
それが翔馬の身体に内部に何かを注入していく――正確には光を帯びた、黄色がかった粘液。
「人間はグラニュートの器官移植してもを拒絶反応はなくそれどころか身体の機能は向上……」
―― DO - RMAL MEL MEL THE HUNTING ――
何かする前に完全に捕縛して辛木田の援護に向かいたいが――。
翔馬を閉じ込めているドーナツが異常な動きを見せている。
粘着性のある弾力で形成されたそれが、内側から脈打つように膨張と収縮を繰り返す。
〖――ッ!――!〗〖……こっちを野放しにする方が不味いな〗
爆発寸前の風船だ。抑え込むには遅すぎたな……どう大人しくさせるか。
「変身は人間とグラニュート両方の特性が必要なのは酸賀さんから聞いてるよね?」〖……〗
「毎回血清を取るのは手間だし、なら純粋な人間の身体をグラニュートにすると……楽かなって」
〖野郎ッ……また碌でもないこと考えやがッ――てぇぇ?!〗「いい加減邪魔。」
ニエルブの相手をするはずだった辛木田は足を引っ掛けられた上、こっちに落ちた……ダル。
〖ニエルブの相手をするんじゃなかったのか?〗〖チョコだけじゃな……フラッペがありゃ――〗
〖――ッ!!!〗
拘束を破りやがったな……さて、手持ちのゴチゾウどもで止められそうに――ブシュエル。
〔……ぶ、ぶしゅ。〕〖……あいつはあれでも命をかけてぶつかってる、なら俺は――〗〖絆斗〗
――どうする?――
〖このままあいつを倒すか、あいつを止めるか〗
〖……あんな奴でも幼馴染は生きてて嬉しいと思うか?〗
〖さあな?でも生きてるから、引き返す事もやり直す事……誰かを助けたりできる〗
〖……答えは決まってる、あいつがオグリの隣にいて笑ってる方が食う菓子は美味い〗〔ロルッ!〕
〖ふっ……んだよそれ〗〔ブシュ!ブシュブシュ‼︎〕〖おっ?懐かしい奴がいるな。〗
――CAKE―― ――CAKE――
――SET CAKE―― ――SET CAKE――
〖お前ニエルブは?〗〖……あっ!?〗〖ダルッ……〗
「良ければおとなしくしてるよー?面白いものが見れそうだし」
―― LOLLAXE GURU GURU ―― ―― BUSHUEL FUWA FUWA ――
〖……こいつさっさと止めてニエルブぶっ倒すぞ〗〖言われなくても分かってる〗
やつのパワーは俺と絆斗を出してトントンなのかすら怪しい……抑えるにはまず弱らせる――
と思ったが痛みに鈍いせいでそれも難しいかもな、となるとベルトを狙うのが最適解だが。
〔ぷる〜ん〕〖あのゴチゾウの意思かは知らんがベルトは触手に守られる〗〔ぷるーん?〕
キャラメルで拘束した時も取り外そうとはしたがあのベルトは明らかに普通じゃない。
ベルトに“意志”があるような違和感……外付けのゴチゾウだけじゃない、中にも何かがいる。
あの触手の正体も、おそらくそれだ。
今のところは、自己防衛や使用者への血清投与といった機能に留まっているようだが――。
つまり、ベルト自体が一つの生命体であり、戦闘補助の中枢でもある。
問題は、そんなベルトごと翔馬に一撃を叩き込むことだ。奴の一撃を、かわしながら、確実に。
翔馬本体に攻撃しても止まらないだろうからな、何とか拘束――いや、出来るのか。
〖なんか思いついたか?〗〖……ベルトを狙うが並の攻撃じゃダメだ、最大限出せる一撃〗
ブシュエルの能力で拘束して2人の最大火力をぶつける、単純に見える話だが……。
素早さとこの怪力、俺がブシュエルを使えれば抑えられたがそっちは生憎無理だ。
ブシュエルの拘束じゃ確実に突破されるしな……どうする?
……何かないか、こいつの動き自体を一定時間止められる方法――。
もしくは真正面からぶつけ合う機会でもありがたいくらいだ。
〖
翔馬の足取りが向かってくるだけで、地面が確かに震える。
動きに無駄がなくまっすぐ、俺たちを潰すためだけに歩を進めてくる。
〖俺らの場合は真正面を向かせてそこにぶち当てれば良い話だ……ただッ――〗
辛木田と並んで構え、真正面からぶつかりにいく形になったが――重たい衝撃が腕から伝う。
肩が軋む。踏ん張っても、押し返される感覚が止まらない。辛木田の叫びが隣で響く。
互いに足を止めてるつもりだったが――違った。
〖なんだこの――ッ馬鹿力?!〗〖パワー特化の形態2人で押されてちゃ先が思いやられ――〗
わずかに足が滑る。その瞬間、視界が傾いた。不味い、仰向けにはならなかったが――。
〖押し合てられちゃ床と変わらん……〗〖さあ……出せよッ!?あの眷属をッ!〗
〖てめっこのッ……離れろッ!〗〖
〖……俺にそんな力はない、俺の力は確かに8年前に覚醒した〗〖……8年前のあの日、お前が――〗
〖その
〖んなわけないだろ……そんなわけないだろッ?!お前はッ……そんなくだらない力よりも〗
〖ロールケーキ、覚えてるか?誕生日にたべた……母さんがくれたケーキだ〗〖ああ?……何を――〗
〖この力は、ロールケーキと……俺を思ってくれる優しさと、母さんの記憶から生まれた。〗
〖……だからなんだ〗〖俺、お前が羨ましいよ記憶持ってて、本物の母さんがいて
――勝手生み出されて、勝手に生かされて元々は誰かだったんだってずっと思ってた――
〖……俺に求められてたのは
〖生まれることだけを望まれて、生きるはずなんてなかった。それでも守られて、今は生きてる〗
〖……〗〖俺は、翔馬じゃない、白い眷属を生み出す抜け殻でもない――俺は、絆斗だ。〗
〖……なんで、お前は、僕を恨もうとしないんだよ。〗〖お前以上に、自分を恨む奴なんていないだろ〗
本音は吐いた。声は届いた。腹を割って言葉も交わした――今更気づいたが。
こいつは、俺を憎んでるんじゃない――自分自身を許せずにいるだけだ。
俺を見て、自分の姿を重ねて、否定したくなったんだろう。
どう終わらせればいいのか分からない罪を抱えて。
家族を
それだけが、自分に残された方法だと思ってた。
〖分かってるよ。お前みたいなやつが家族を殺すわけがない。〗「……ヒーリング効果が効きすぎたのかな。」
力は殆ど緩んだ、これほど話が通じて効果があるとは思わなかったが……ある意味好都合だな。
壁を蹴って勢いをつけ、相手を弾き飛ばす。無理やりにでも距離を作ることはできた。
〖……辛木田、頼む〗〖いや……説得できそうなら〗〖必要なんだ、あいつにはこれが〗
俺が時間をかけて何度でも向き合えば、こいつは変われる。
マッドサイエンティストな酸賀を変えたんだ、もう1人くらいの人生も変えられる。
― CUP LADY ――
〖……分かった。〗
――PUTTING STRONG BREAK ――
―― LO - LLA - XE ―― ―― BU - SHU - EL - !!! ――
「――加減したのか?」
〖相殺されただけだ、で。どうする?〗
「……ニエルブ」「……まあ、データは取れたよ。あのシステムで生きてることも確認できた」
〖よし……次はお前――〗〖辛木田、人プレスが残ってる〗〖いや、ここでこいつを逃がしたら……〗
言ってる間にニエルブの姿は消えた、翔馬もいないが……まあ、何をするのかわかる。
「……納得いかねえけど、まあ……200人分の人プレスは確保できたし、いいか。」
『討伐ばかりがグラニュートハンターの仕事じゃない……さて、置いて行ったこの装備は――』
坂本の遺品らしいヴァレンバスターと改良版、ついでにプリンとベルト。
改心した……というか、何か迷いを割り切れたんだろうか、でも……心配ではあるな。
「社長が無事人質持って帰れたってよ、一旦俺達も引こうぜ」『ああ……先に行ってろ』
――路地裏
「研究室、壊されちゃったねぇ~?まあ他にあるからいいんだけど」「……」
「まあ、彼を倒すことが君の目的とはまた別だからさ?次はなにをする?あとベルトは――」
「……しばらくはいい」「もしかして……わざわざ捨てたの?勿体ない――おやっ?」
〔ちょわっ!〕〔ちょわわ〕〔ちょ~わ!〕〔ちょっわ!〕〔ちょわぁ?〕
「……ふむ、何のつもりなんだろうね?ヴァレンバスターと……ゴチゾウをよこしてくるなんて」
「……”やり直せ”ってか?――ごめんだね。僕はそっちには行けない」〔ちょわぁ?〕
「……翔馬は
〖ゴチゾウ図鑑:キャラメルメルゴチゾウ〗
キャラメルを食べた時に生まれたゴチゾウ。
形はチョコゾウと似ていて暗いところだとよく間違える。
メルメルと良くしゃべり陽気で元気、ついでにラップも上手いらしい。
ロルアックスゴチゾウとは仲良しでダンサーとボーカルでコンビを組んでいるようだ。
1話~12話:仮面ライダーヴァレン(酸賀絆斗)人気投票
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基本的な形態チョコドンフォーム
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粒子を振りまく災害ブシュエルフォーム
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ポテチの剣豪ザクザクチップスフォーム
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自由の象徴マジックザストーン フォーム
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重装甲近接特化ロルアックスフォーム