オグリの幼馴染が記憶を無くしてチョコレートの怪物になって化け物と戦ってた話 作:かな餅
ハピパレのふわふわなマシュマロから生まれた、空を飛べるレアなゴチゾウ。
目は眠たげでいつもとろんとしていて、身体は雲のように白くて軽い。
飛ぶというより、浮いてるような感覚で、風に流されてどこまでもいってしまう。
戦いにはあまり向かないけど、誰よりも高く飛べるので空中偵察にはぴったり。
時々、誰も呼んでないのに頭上からぽふっと降ってくる。重くないので驚かなくても大丈夫。
マシュモフは甘い匂いがしてなんとなく安心できる。
ゴチゾウ達によれば寒い日は焚き火のそばに浮かべておくと、ほんのり温かく光るという噂。
焼きマシュマロから生まれた別種もいる……かもらしい?
もう1人の幼馴染
――ニエルブの研究室
「えーと、このバスターはご丁寧に改良版……ところで――いつまで俯いてるの?」「……うるさい」
「君、最近様子がおかしいんじゃない?今日は特に出会った時はこう……ギラギラしたような」
「黙れ……」「……ま、ご機嫌斜めってことかな」
……やる気が忽然と消えた、無論復讐はしたいが――そこまで衝動的にってわけじゃない。
それどころか、なぜ自分があそこまで執着していたのかさえ……もう、わからない。
絆斗は――よく考えれば、何も悪くなかった。勝手に作られて、生きることを許された。
複製体というだけで意思も無視され、肉体と脳を引き裂かれた。
あいつは、生まれながらにしてずっと被害者だった。
それでも名前を持って、生きる場所を手に入れたのは――よかったと思う。
「人プレスの納品も近々……取っておけばよかったなぁ」「……人プレスってなんだ?」「え?」
「いや、そう言えば何かよく喋ってってから」「いやいや……冗談――じゃ、ないの?」「?」
……そういや、絆斗は人ブレスのこと気にしてた気がするな――"人"?
「まさか、知らないの?いや……まあ、普通は知らないんだけどさ――いや。まさか。」
――人プレスは人間を圧縮した闇菓子のスパイス――
「……はっ?……お前、巻き込まねえって言ったよな?……他の人間は巻き込むなッて――」
「いやいや……ちょっと待ってよ、気づいてたと思ってたんだけど」「はぁッ!?何がだよッ……」
「よく考えてみればさ?レース中・300人……それを静かにどかすって無茶なことじゃない?」
「……それは」「てか……君そもそも無関係な人間を庇わせて攻撃当ててなかった?」「……あ」
「何を今更気にする事があるのさ……何?黒チョコで"頭"でもやられちゃった?――あっ、いや。」
「……だとしても、いかねえと」「え?ちょっと……まだ容体は見てる途中なんだからまち――」
何で、何で気づかなかった?……何でわからなかった?何でこの町で僕は……ッ。
「……ま、帰ってくるか。復讐はしたいだろうし」
――笠松:商店街
日が落ちかけていた。蛍光灯の明かりが、やけに寒々しく感じる。
アーケードの壁に、張り出された無数のチラシ。
隙間なく並べられたその紙には、名前、年齢、服装、最後に目撃された場所。
どれも"行方不明者の情報提供を求めます"という文言で締めくくられていた。
「……やっちまった。何人――300人……?おれ、何やってんだ……本当に」
町中に行方不明のチラシが……たった1日で300人。
頭が痛む。喉が締めつけられる――いや、違う。苦しいのは喉じゃない。
胸の奥、心臓のあたりだ。胃が軋む。脳の奥が軋んで叫んでいる。
レース場、広くて誰も居なかった。誰も邪魔しなかった。だから、やりやすかった。
そう……それを“都合がいい”と、どこかで思っていた。
「……僕のせいだ、僕が、僕が生まれてなければ――
あんなのを追わなければ……
仇を討とうとして、ニエルブなんかに身体を預けなければ――。
僕は普通に、友達と笑って暮らせたかもしれない。
復讐なんて考えなければ……絆斗も、みんなも……僕が……僕が――。
「……あの日、しんどけば、僕が死ねば……」
「あー!おにいちゃん!」「……え?」「あのね!お姉ちゃんもお母さんも帰ってきたの!」
……この子供、誰だ?……帰ってき――帰ってきた?……そっか、
「探してくれてありがとう!……あ!お父さん呼んでくる!お父さんがねぇ!――あれ?……どこ?」
……帰らなきゃ、ここにいちゃいけない――母さんと……父さんのところに……。
帰らなきゃ。帰らなきゃ……そうすれば、全部……全部終わる。
帰――らないと。かえ、らな……な、きゃ……。
『……ぬ?お、おいお前さん!大丈夫か?!……ひ、ひとは――』
――翔馬!よく聞くんだ……君は生きろ――
――グラニュートとじゃなく、母さんと同じ……みんなと同じ人間として――
――君は何も背負わず……ただ、幸せに――
「……じゃあ、父さんは人間じゃないから幸せじゃなかったの?」
……夢なんて久々に見た、1ヶ月ぶり……くらいか?
「……ここ、何処だ?……ニエルブにでもひろわ――何だこの痣、痛くねえけど……」
……腕が、妙に重い。いや、重いっていうか――ひきつってる、みたいな。
脱がされていた服の下、目に入ったのは、普通の痣なんかじゃなかった。
黒紫。限りなく黒に近くて、それでいて、どこか生き物のような湿り気がある色。
深い。皮膚の表面じゃなくて、奥――筋肉の中、骨のあたりから滲んできたみたいな色合い。
そしてその痣は枝分かれした細い筋が、血管に沿って這うように伸びている。
まるで神経をなぞって拡がる根、まるで体の仕組みを理解して張り巡らされたような……?
「人前には見せらんねえな……銭湯行くの好きだったんだけど――てか、ここ何処だ?」
洞窟……にしては、やけに生活感がある。配線が這い、電気は通っている。
隅には手回し式の発電機、古びたソファが無造作に置かれている。
ホームレスの隠れ家というには整いすぎていて――かといって、住居とも言い難い。
奇妙な機械がいくつも並び、まるで科学者の隠れ研究所のようにも見える。
……おもちゃの設計図――ベルトか?
『いやぁ……お菓子しかないのぉ……おお!?お前さん目を覚ましよったか!』「ああ――あ?」
『?……ああっ!!心配せんでええ!わしはその、その〜着ぐるみじゃ!』「グラニュートッ……!」
チョコゾウは?置いてきた、せめて武器は?……意地張って受けんとなかった……。
『お、落ち着くんじゃ!その身体で動いたらいかん!胴体が壊死しかけてるんじゃ!』「……はぁ?」
話をよく聞くと――どうやら僕の身体は、“作り変わる直前”で止まっているらしい。
正直、何を言われているのかさっぱりだ。
『お主の遺伝子、ちょいと覗かせてもらったがな……グラニュート、知っておったな?』
「……ああ」
『本来なら、お前さんの身体は人間の細胞すべてが何かにひっくり返ってろうとしておる』
本当に何を言われてるのかが全く分からん、オセロみたいなこと言われたぞ。
『そしてその何かとは恐らく……グラニュートじゃな。何か……心当たりは?』「……ありすぎる。」
黒チョコは心臓に多少の負担が掛かる程度で、これほど深刻な影響はないはずだ。
ならば、原因はあのプリンのゴチゾウか?……いや、それとも違う。ベルト――あのベルトだ。
そういえば、ベルトから触手のようなものが出てきて、体内に何かを注入されたような……。
ニエルブなら十分あり得る話だが……いまさら考えても仕方がないか。
『治療するとなれば……』「グラニュートの器官は持ってねえぞ」『なぬ?お主……ハンターでは?』
「……血清を飲んで変身すんだ、そしたら一時的に変身できる」『ほぉー!?そんな方法が……』
「他のハンターもそういう仕組みでやってる
敵意がないのはわかる、だが人間界でグラニュートがコソコソ隠れて何やってる?
人を攫ってる訳じゃなさそうだが……洞窟にある設備と設計図を見るからに科学者……?
『見ての通り、ただのグラニュート……と、言っても納得はせんか。ほれ菓子でもどうじゃ?』
「……あんた、何年前からこの世界にいる?」『ざっと25年のう……?ワシは――』
パウル博士、元々パウエル社に所属していた生物学者で人間界へは研究の為に来たそうだ。
研究対象は無論人間……が――。
『いやぁ……焦ったわい、まさかあめりか?ちゅうっとこに行ってしまうてのぉ〜?』
言語が通じない、勉強した文字もわからない、そうやって放浪して人と関わるうちに――。
お菓子の魅力に惹かれてしまった。当初の目的とは外れ世界中のお菓子を食べてきたらしい。
『いやぁ……こんな太ってしもうてミミックキーも入らんでの?だからこうして変装しとるんじゃ』
まあ、人間に害が無さそうってのはわかった。あれを確認したらほっといても良さそうだな。
「……この設計図は何だ?おもちゃな訳ないんだろ?」『おお?それは……まあ――ふむ。』
……悩んでるな、ベルトだとしたら――戦うのか?何と?誰が?こいつが?
『……人間界とグラニュート界の戦争が起こった時、例外を除いて人間にグラニュートは倒せん』
「人間にも戦える武器を渡そうってことか?随分と大層な……」『否、ただの武器ではない。』
かつてストマック家を滅びし人間界に侵略するジャルダック家を退けた人間界の英雄。
通称赤ガウ……このベルトはそいつが持っていた物を人間用に複製したものらしい。
……つまり、このベルトを使えば何の変哲のない人間も怪物になれるって訳だ。
『まあ、物あっても人がいなければどんな発明品も置物に過ぎん、既に戦う手段はあるようじゃしのぉ……』
「……まあ僕には関係のない事だ、世話になった」『お前さん、その身体でどこへ――』
「……家族の元に還る、やることなすこと全部悪いことになる、僕は……何処にもいるべきじゃない」
『そうかぁ……お前さんの気持ち、分からんでもない』「……お前に何が分かる」
『嫁がいたんじゃアメリカで会った、美しい人間じゃった。わしを受けれてくれた恩人じゃった』
……グラニュートと人間、結ばれることもあるだろうな……僕の両親だってそうだった。
『でもその時はわしも愚かでなぁ、人間が幸せになるには怪物が傍に居ちゃいかんと思っての。』
――黙って姿をくらましてしまった、ありったけのお金を置いて……逃げてしまった―ー
『自分の正体、自分がやろうとしたこと、好きになる度知られるのが怖くなっての……』「……どうなった?」
『……置いてきた金で薬をありったけ買ったようじゃ……まあ、オーバードーズでの。』
「……僕も、似たようなことがあったよ。自分を守るための力が一番守りたかったものを殺した」
……立ち止まってる場合じゃない、早く帰ろう。
『……だからわしはせめて、彼女が愛したこの世界を守りたいんじゃ。何に変えても絶対に。』
……僕とはまるで違う。こんな場所で、たった一人きりで踏ん張っている。
どこか孤独に見えてとても惨めだ……うん、人間より人間らしい。
……出られるだろうか。夜の闇は濃く、足を踏み外せばすぐに道を見失いそうだ。
還った後はニエルブに身体を解剖されるのかな。まあ……死んだ後にどうなろうと――。
――その身体、
――ここで引き返して、母さんが生きた世界を守るために使うか――
〔チョワッ!〕「……”引き返せ”ってか?そうだな。帰り道にするにはこの道は暗すぎる。」
――駄菓子屋:【代理移動販売店"パピパレ"】
笠松にきて4日目、来て早々仕事ばかりで禄に観光もできず途中で一旦帰る事になった。
それはなぜか、ゴチゾウを量産して本部に輸送しないといけないからだ。
帰ったら
「よーし、ハンティ忘れ物は?」『あっても戻る。』
ハイエナの気配は特にない……ただ黒チョコの動向を見る限り蟹以外の奴もいそうだな。
「そんじゃ?暫くは俺に任せとけ。絆斗?」『ああ、頑張れよ。絆斗』
「にしても……まさかあの酸賀がな。まだ信用はしてねえけど、お前をここまで育てたんなら――」
『そういや酸賀、最強生物諦めてねえってよ』「は?」「じゃっしゅっぱーつ!」
「おい……待てどういうことだよ!?おい!待てッ!!!おーいッて!!!!」『ふぅ……だる。』
――笠松: パウル博士の洞窟
「おっちゃーん、またおかし――あれ?ハンティじゃん」「……あ?」「……ん?さっきかえ――」
「……」「……やべっ」『おお!ミニーかぁ!また今日も来てくれてうれしぃのぉ〜!』
「お前、もしかして偽ハンティの……」「……悪かったな、この前は。」「……」
見つかった……不味い、何より一度利用した相手だしな……恨んでるか……?
『ミニーこやつはワシの助手の……ウマショーじゃ!』「は?」「……ウマショー?」
『そうじゃ!、ワシと同じく世界を守る為に協力してくれとるんじゃあ!』「いや、何言っ――」
いや、匿おうとしてるの……?もう正体もバレてるから意味もないが。
「……ふーん、ウマショー。」「……なんだよ。」「別に。ハンティからこれ。」「……」
〔わにゃ!〕「……DART GUMI?何でこいつを寄こした?」「知らない」
『ぬぅ?何じゃこれは見たことない生き物じゃのぉ?……まさかッ!!!』「……?」
『ほっほぉーッ!?そうか!これが足りんかったんかぁ!』「……はしゃいでんな。」
……あのベルトが、ニエルブが造ったヴラムギアと同類の代物だとすれば。
ゴチゾウも、その一部として組み込まれる可能性があるってことか?
てか、このじいさん……ゴチゾウの存在自体、知らなかったんだな。
だとすると、この設計図……いったい、誰が最初に描いたんだ?
『いやぁずっと何が足りないのではと思ってたんじゃあ……まさかこれとはのぉ』〔わにゃ?〕
ニエルブから教わったグラニュート語、もしこの文字がそうだとするとこの図を描いたのは……?
で、ん、で……すとまっ……く?デンデ・ストマック――“ストマック”って、まさか……?
「これ作ったのニエルブ……の親族?――か?」『ほう?ニエルブを知っておるのか?』
「知ってるも何も……俺に力を与えたグラニュートだ」『なぬ?で、あるならば……』
……こいつがバウエルにいたんなら、ニエルブと繋がっていてもおかしくない。
しかも科学者――まさか、あのベルトのシステムにまで関与してるのか?
『これか……?いやだとして……人間が耐えられるはずがない……いや、まさか』「……なんだ?」
『……お主はもしかしたら普通の人間とは特別な身体を持っとるかもしれんなぁ……』「……?」
……まあ、間違ってはないが。この身体は人間のクローンでそれ以外に特別な事は――。
『……この血清、調べてもかまわんか?』「……最後の一本だが、複製はできるのか?」
『いや、じゃが似たようなものは作れる……ちと調べたいことがあってのぉ』「なら、やるよ」
この血清は、ニエルブにも話していない僕だけの秘密だ。
飲むと何故か変身できる、理由はわからない。
成分も正体も不明で、血清って呼んでるけど、もしかしたらただの毒かもしれない。
今のところ命に関わるような副作用は出てないし……たぶん、安全……なんだろうな。
「……ノルンと聞いたキャラとなんか違う」「グレたら君もああなる」
アイマスクに穴を開けた物を身に付けてるのはミニーザレディ、カサマツに通うウマ娘。
絆斗との戦闘中にはあいつを追いかけて来たところ……まあ、戦いに
『ミニー、ちょいと手伝っとくれ……ゆびがふとくてのぉ……』「あいあい」
ミニーとパウルの関係は、まるで本物の祖父と孫みたいだ。
いったい、どんな経緯で知り合ったんだろう。パウルは僕より前からこの笠松にいたらしい。
森の奥に潜んでいれば、さすがの黒チョコも気づけないかもしれない。
でも、変装して町に顔を出してるなら、誰かが気づいててもおかしくないはずなんだけどな。
「……てか、血清を調べるのになんでベルトを……ッ――?!」『ほぉッ?!』「いッ?!」
ベルトが光って――てかなにした……?!絶対に血清で何かしただろ。
「おいなんだ……そ――」『ほっほッ~!成功したわーい!!!』
ベルトは、最初ただの白い物体にしか見えなかった。
真っ白で、曇りも傷もなく、工業製品の無機質な冷たさだけが際立っていた。
だが、血清を流し込んだ瞬間。ベルトの表面に、ゆっくりと、何かが染み渡っていく。
光が差し込んだように――ただの白だったはずのそれが、内側からじわじわと色を持ち始める。
白の中に、微かな青み、温度を感じる橙色、きらりと反射するような銀色。
色彩が、生き物みたいに脈打ちながら浮かび上がってくる。
ほんの一瞬だけど、確かに”白”が”白”じゃなくなった。
このベルト……よく見たら顔みたいだな――いや、口?……まさか、これ。
「……これ、ベルトじゃなくて口じゃねえのか?」『ほぉ!お前さん良いところに目を付けたな!』
こいつが作ろうとしているベルトは、人間を疑似グラニュート化させて戦う力を与えるものだ。
ただし、副作用のない安全なものを作るのは極めて難しい。
だが、ここに血清が加わったことで状況が変わった。
この血清は、今のところ目立った副作用もなく、外見上も特に変化が現れない。
たぶん、グラニュートの器官から精製された体液などを外部から摂取しているだけなんだろう。
それでも変身できるという条件が揃ったことは、パウル博士にとっても予想外の発見だと思う。
『赤ガヴが持っていたといわれるのがこれの元になった赤いガヴじゃ』「……使えるのか?」
『恐らく……ただ相性もあって、血清を使っていたお前さんなら適性もあるじゃろう。』
……ニエルブが作ったベルトと……かつて赤ガウが使っていた物の複製。
どっちの方が強くなれるかは知らんが、適性でいうならもっとふさわしい奴を知ってる。
「お前が作りたいのは僕のベルトじゃなく……人間誰もが扱える力、僕には関係ない話だ」
『う~む、じゃがどうせだったらデータも欲しいからのぉ……』「しらん……じゃあ、世話になった」
『まだ容体は……行ってしもうた。こいつを置いて行っとるがええんじゃろうか?』〔グミ……〕
――ニエルブの研究室
「……やっぱり、急に人が変わったように他人を気にし始めたのは気になるな……」
高橋翔馬。あれほどまでに感情の起伏が激しく、他者を顧みる余裕なんて一切なかった男。
しかしさっきの様子は見る限りは妙に冷静で、妙に“まとも”になってきている。
確か、彼は幼少期に頭を強く打ってから感情を制御するのが極端に苦手になったって話だった。
衝動を抑えきれず、破壊衝動や復讐心に呑まれる。それが、彼の行動原理の核だった。
でも今はどうだ? まるで別人のように落ち着いている。
いや、落ち着いているというより――“自分を俯瞰できている”とでも言うべきか。
「……もしかして、身体が変化する過程で脳が“正常化”されたのかな……?」
だとすれば、これは興味深い事例だ。脳の損傷が自然治癒するなんて常識的にはあり得ない。
でも、翔馬の身体は今や人間とは別の原理で動いている。
グラニュート化のプロセスが、神経伝達経路の修復を伴った?
あるいは、変質した細胞が新たな神経組織を“最適化”した?
理論的には……いや、現実として十分あり得る話だ。
「これは面白い。つまり壊れた人間を治すには“怪物に変える”のが正解だったってこと……?」
笑いがこみ上げる。だとすれば彼の身に起こっていることは想像以上に面白い。
破壊も、変化も、すべては進化の過程――
それにしても。あの落ち着きぶり、まるで“死ぬ準備でもしてるような”雰囲気にも見えたけど。
ま、気のせいか。
【ゴチゾウ図鑑:ライドキャンゴチゾウ】
色とりどりのキャンディを一気に口に入れた時にだけ生まれる、極めて珍しいゴチゾウ。
カラカラと音を立てて現れ、キャンディの種類によっては身体の色が変わる。
最大の特徴は、種類に応じた専用の“バイク”を創り出す能力。
作られるバイクはミントの風をまとうスピード型や、装甲を持つ重装型などさまざま。
バイクで走っている間、種類によっては背後にカラフルな飴の光がきらめく。
良く目立つせいで目撃情報が後を絶たない。
本人は硬派を気取っているが、実は飴細工が得意でこっそり仲間にプレゼントしている。
シュワシュワ系キャンディからは、サイドカー付きのゴチゾウが生まれることもあるらしい。
1話~12話:仮面ライダーヴァレン(酸賀絆斗)人気投票
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基本的な形態チョコドンフォーム
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粒子を振りまく災害ブシュエルフォーム
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ポテチの剣豪ザクザクチップスフォーム
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自由の象徴マジックザストーン フォーム
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重装甲近接特化ロルアックスフォーム