オグリの幼馴染が記憶を無くしてチョコレートの怪物になって化け物と戦ってた話   作:かな餅

21 / 36
【ゴチゾウ図鑑:きなこっちゴチゾウ】



 きなこもちを食べた時に生まれる、ぬくもり系きなこっちゴチゾウ。




 全身がもちもちしていて少し触れるとちょっと粉がつく。




 動きはゆっくり。けれどとても慎重で、落ち葉の上でも音を立てずに歩けるのが特技。





 しゃべり方はとてもゆっくり。”……もっちゃ……”が口ぐせ。




 そっと肩に乗せていると、不思議と肩こりが取れる。気がする(※医学的根拠はない)。



 使うともちもちの布を大きく広げて敵を包んで動きを封じることもできる。



 落ち着いた黄金色の目をしていて、見つめているとなんだか昔の夢を思い出しそうになる。



 黒蜜入りだと、眠気を誘う催眠効果を持つ個体もいるらしいが……寝落ち注意。


 
 黒蜜をかけたら進化する……かもしれないけど、試すのはちょっと怖い。






CHEWY & BITTERSWEET: PARALLEL
まだ、噛みきれないままの後味


――何でも屋:【助っ人酸賀さん!】

 

 

 

 

 

 

『らきあー、帰ったぞ』『?……ああ、もう帰ってきたのか?』『一時的にな』

 

 

 

 

 

 

 

 とりあえず、ノルマがノリスケ25体とチョコゾウ50体か……ダルいな。

 

 

 

 

 

 

 

『……お前も夏休みなのか?』『俺は学生じゃないからそんなもんはない……さて』

 

 

 

 

 

 

 

 菓子の在庫は……補充し忘れた、何なら少し減ってる気がするな。

 

 

 

 

 

 

 

『……食ったか?』『客が何人か来てた。』『ふむ……じゃあ買いに行くか』

 

 

 

 

 

 

 

――東京:原宿

 

 

 

 

 

 

 原宿にはチュロスやら巨大なハチミーやら、華やかなスイーツがいろいろ並んでいるが――。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 どこも値段が高すぎる。気まぐれにコーヒーでも頼もうものなら、一杯700円もする始末だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ……正直、やってられない。

 

 

 

 

 

 

『にいちゃん、これ落としてんぞ?気をつけな』「ああ、ありがとうございます。」

 

 

 

 

 

 

 

『良い事もするんだな?』『んだよ、小突くな……あ?アイスか……食うか?』

 

 

 

 

 

 

 

 アイス……本音を言うならカキ氷が好ましいが……この暑さじゃな。

 

 

 

 

 

 

『俺は良い……が、硬いアイスはあるか?』『そう言うのだと……あ、スゴクカタイアイスがあるぞ』

 

 

 

 

 

 

『何だそのスゴクカタイアイスってのは?』『スプーンが入らないくらい硬いらしい』『ふーん?』

 

 

 

 

 

 

 

 外を歩いていると、数分で汗が滲む。今日はとにかく暑い。

 

 

 

 

 

 

 服の中に熱がこもって、まとわりつく日差しがうっとうしい。

 

 

 

 

 

 

 普段なら用事だけ済ませてすぐ帰るところだけど、まだ戦いの疲れが抜けきっていない。

 

 

 

 

 

 

 たまには、こうしてゆっくりしてもいいか

 

 

 

 

 

 

 

「あらぁ?おさんぽしてるのねぇ」『あ?なんだ。ゆたんぽ(狼奈)か』「ろうなー!」

 

 

 

 

 

 

「ラキアのおっちゃん」『おっちゃんじゃない兄ちゃんだ、こんな暑い日散歩か?』「まあな?」

 

 

 

 

 

 

 人数が増えたな……どうやら本当にただの散歩らしい、こんな暑い日に正気じゃない。

 

 

 

 

 

 

『ラキアも夏休みだってな、何するんだ?』『無論だらける――ん?』

 

 

 

 

 

〔えっへん!……えっへん。『アイスのゴチゾウか……暑そうだな、氷貰ってきてくれ』「おう」

 

 

 

 

 

 

『こいつは見た事がある。氷を扱う良いゴチゾウだ、あと変身中に溶ける』『後半は致命的だな』

 

 

 

 

 

 

 どうやら、赤ガヴが生み出したゴチゾウと俺のゴチゾウは、かなり似た種類らしい。

 

 

 

 

 

 

 ラキアとかが一度でも見たことのある個体なら、無理に使わなくても弱点や能力は把握できる。

 

 

 

 

 

 

 そしてこのアイス系のゴチゾウは、溶ける前に氷袋へ入れておくのが一番だろう。

 

 

 

 

 

〔イイベ〕『氷袋は気に入ったか、名前は?』〔そるべぇ〕『ソルベか?洒落た名前だな。』〔えっへん!〕

 

 

 

 

 

「そいつ案外喋れんだな?」『そうか?他のやつほどお喋りじゃないと思うが……』〔なんべぇ〕

 

 

 

 

 

 

 と……こうやって喋ってると本来の目的を忘れる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 早く菓子を食い溜めてゴチゾウを量産しないと。

 

 

 

 

 

 

 

「あー!どこいくのー!わたしもいくわー!」『菓子買いに行くだけだ湯たんぽ』「ろうなー!」

 

 

 

 

 

 

 

 

――ニエルブの研究室

 

 

 

 

 

 

「さて、あのベルトを何故彼が持っていたのか、可能性としては……パウル博士」

 

 

 

 

 

 25年前、パウル博士は人間界の調査へ出たきり、行方知れずのままだ。

 

 

 

 

 

 

 その後、あの空席を埋める役目は――結局この僕に回ってきた。

 

 

 

 

 

 

 ストマック社の中で“頭脳”だけが取り柄の僕にとっては、ある意味ありがたい状況だったが。

 

 

 

 

 

 

 同時に、それだけがすべてという窮屈さもあったし……困ったことに――。

 

 

 

 

 

 

 バウエルに提出したグラニュートハンターのデータは残らずごっそり持っていかれてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 幸い、必要な情報はすべて僕の頭の中に残っているから、特に困ることはない。

 

 

 

 

 

 

 

 それにしても――かつての幹部が今や人間側に寝返ったとは、面白い話だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 現役時代ほどの影響力はないにせよ、カサマツの平和を守る側に回った一員……ふふ。

 

 

 

 

 

 

「ぜっちゃーん!、今日のトレーニングは?みんな待ってるよ」「こら、(ぜつ)トレーナーだよ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

「えぇ〜!いいじゃーん!早く行こいこ!カサマツの新人トレーナー?」「はいはい……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 さて、彼等を調べる(絆斗と翔馬)にあたってウマ娘という生き物は何か……調べてみよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ――何でも屋:【助っ人酸賀さん!】

 

 

 

 

 

 

 

 

  ……どうも様子がおかしい。ゴチゾウがほとんど生まれない。

 

 

 

 

 

 

 

 普段ならチョコを5枚食べれば一体は必ず出てくるのに、今日は30枚食べてようやく3体だけ。

 

 

 

 

 

 

 

 別に飽きたわけじゃない。なのに、だんだん口に運ぶのが重くなってきた。

 

 

 

 

 

 

〔ちょわ?〕『……昨日はまだ出たんだけどな』『どうした、手が止まってるぞ?』『いや……』

 

 

 

 

 

 

 

 

単純に食いすぎかも知らんな……仕方ない、今日中にノルマを達成するのは諦めるか。

 

 

 

 

 

 

『ほら湯たんぽ好きなだけくえ』「む~……ろうなだもん。」『食わないなら食うぞ』「や!」

 

 

 

 

 

 

 

 斎藤狼奈、組織で保護しているグラニュートの1人。組織では可愛がられているようで……。

 

 

 

 

 

 

『お前また新しい服貰ったのか?』「ん、わんぴーすもらったのよ~!」『似合ってるな』

 

 

 

 

 

 

 

 ベルベット素材のワンピースは、ワインレッドとブラックの2色展開で、見た目も上品。

 

 

 

 

 

 

 手ざわりもやわらかくて、指先で触れるとほのかにすべすべしている。

 

 

 

 

 

 

 でも何よりすごいのは、その服の下からじんわり伝わる体温だ。

 

 

 

 

 

 

 抱きついてくるたび、まるで熱い湯たんぽを背中に押し当てられているみたいにぽかぽかする。

 

 

 

 

 

 

 汗ばむくらいの熱気で、しばらく離れても身体の芯まであったかさが残るほど。

 

 

 

 

 

 

 この肌触りと体温を“湯たんぽ”と呼ばずに何て言うんだ。

 

 

 

 

 

 

 暑いから、ほんとはちょっと離れてほしい。

 

 

 

 

 

 

「組織の奴らすっかり狼奈にメロメロなんだぜ」『社畜ばっかだからな、癒しになってるんだろ』

 

 

 

 

 

 

 

 組織の中ではどの職員も狼奈には甘い。狼奈はグラニュート、元は組織が敵視してるの存在だ。

 

 

 

 

 

 

 でも今は、見た目も中身もほとんど“犬っころの子供”みたいなもんだから――。

 

 

 

 

 

 

 誰かが構ってくれるまでうろちょろし続け、呼ばれたら一番に走ってくる。

 

 

 

 

 

 

 それで、床にすわって犬みたいにこっちを見上げてくるらしい。

 

 

 

 

 

 

 そのおかげで組織の内部では完全にマスコット扱い、人望なら俺よりあるだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

『馴染めてるようで良かったな。お前は最近どうなんだ?白狼』「最近は何でも屋やってる」

 

 

 

 

 

 

 

 

 うち(ハピパレ)で手伝いをさせてる筋は悪くない』「人前で石食えねえのは嫌だな」 『俺もだ』

 

 

 

 

 

 

 白狼は知らぬ間にハピパレの手伝いをしていた、いや……俺が促したんだっけか?

 

 

 

 

 

 

 

 案外上手くやれてるらしいな、肝心の幸果は多忙で今は仕事もないだろうが。

 

 

 

 

 

 

  『そう言えば幸果は?』『そういや……なんか笠松に戻ってたな?忘れもんでもしたんだろ』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  ――カサマツ:パウルの隠れ家

 

 

 

 

 

 

『こりゃおどろいたのぉ……お前さんの身体は回復しつつある』「それで?」

 

 

 

 

 

 

『恐らく……お前さん変身した時に身体が別の何かに一時的に変化した可能性がある』

 

 

 

 

「何に?グラニュートか?」『わからぬが……より人間に近い何かじゃろう、例えば……「ん?」

 

 

 

 

 

 

 

『うーむ……ウマ娘っちゅうやつかのぉ?』「……だとしたらこの身体は弱すぎねえか?」

 

 

 

 

 

 

 酸賀によって作られたこの身体は、もともと“純粋な人間”として設計されたものだった。

 

 

 

 

 

 

 絆斗との違いは、身体の中にグラニュートの要素を持つかどうか?それだけだ。

 

 

 

 

 

 その他の構造はほとんど絆斗と同じはず。たったそれだけでこれほどまでに差が生まれるのか。

 

 

 

 

 

 

 けれど思い返すと――白いゴチゾウを使っていた時は、特に負担も感じてなかった。

 

 

 

 

 

 むしろ普段よりも体の調子が良かった気がする。

 

 

 

 

『身体の中に眠る遺伝子(ウマ娘)、それが刺激されることで強力な力を出せたのかもしれんのぉ……』

 

 

 

 

 

 

 肝心のガヴは色彩を失って恐らく使えなくなった……血清が必要だな。

 

 

 

 

 

 

 その血清も使い果たしたんだが――いや、パウル博士が代替品を作ってるとか言ってたか?

 

 

 

 

 

 

『そうじゃった!血清の代替品じゃが、恐らくこれで代用できるじゃろう』「おお、すげえな。」

 

 

 

 

 

 

『血清……まあ、わしの血から分離した体液じゃな』「聞きたくねえわそんなこと……」

 

 

 

 

 

 

 

 血清とは、一般的には血液から細胞成分を除いた透明な液体のことを指す。

 

 

 

 

 

 

 

 特定の場面では、毒性を持つ薬剤として使われることもある。

 

 

 

 

 

 

 この血清にも、まず“毒”が含まれている。ただし適量なら基本的には無害だ。

 

 

 

 

 

 

 

 しかし、過剰に摂取すると僕のように身体の一部が変異してしまうこともある。

 

 

 

 

 

 

 

 いわゆる拒絶反応だろう。そして、適量を取り入れることで変身が可能になる。

 

 

 

 

 

 

 博士の見解によれば、この変身の仕組みは“一時的な進化”のようなものだという仮説らしい。

 

 

 

 

 

 

『効力はざっと……30分も持たんと考えてええかの、それとあくまでこれは変身する鍵じゃ』

 

 

 

 

 

 

 

「分かってる、飲めばすぐ強くなれるわけじゃないんだろう……精々一回の戦闘で一本か」

 

 

 

 

 

 

 

 

『まあ実際にどれくらいかはわからん、最後は全てガヴに注いでしまったからのぉ……』

 

 

 

 

 

 

 

 まあ戦えるなら何でも――こいつら(ゴチゾウ)は力を貸してくれるけど本当に良いんだろうか。

 

 

 

 

 

 

 正直、絆斗に執着しなくなっただけで復讐心は変わってない、かと言って……。

 

 

 

 

 

〔ちょわ?(何見てんだよの意)〕『貰った力を不用意に振り回すものな……仕方ない』

 

 

 

 

 

 暫くはあいつの案(のうのうと生きる)で行くか……グラニュートは退治しながら。

 

 

 

 

 

 

『さて、お前さんとしてここでじっとするのもあれじゃろう?どうする?』「成り行きに任せる」

 

 

 

 

 

 

 

「……おっ?いたいた……こんな森奥で何やって――グラニュートッ!?オォッ!?

 

 

 

 

 

 

 

「このおっちゃんは俺の命の恩人でバウエルを足抜けしたグラニュートだ」「……お、おう?」

 

 

 

 

 

 

『せっかく人から隠れるためにここを選んだと言うのに……これじゃ意味がないのぉ……』

 

 

 

 

 

 

 

 

 辛木田絆斗、この絆斗は20年前にストマック社と戦った仮面ライダーで……ニエルブの天敵。

 

 

 

 

 

 

 

 

 確か辛木田のことはめちゃくちゃに嫌いだった気がする、暑苦しいなりうるさいなり……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 辛木田と連めばニエルブへの当てつけにもなるな……てか、何でここが?

 

 

 

 

 

 

「ちょっと成り行きで失踪者探してんだけど……お前もどうだ?」「……何で僕が」

 

 

 

 

 

「良いからいいからどうせ暇だろ?」

 

 

 

 

 

 

 

――笠松:商店街

 

 

 

 

 

 

 探しているのは居酒屋をやっている親父の娘……まあ、ウマ娘だな。

 

 

 

 

 

 

 昨日から連絡がつかないらしい、となると僕のせいじゃないわけだ。

 

 

 

 

 

 

 特段気にすることじゃないけど……バウエル社の仕業なら癪だなぁ。

 

 

 

 

 

 

 ある程度探ってバウエルと関係なかったら辛木田が後はやるでしょ。

 

 

 

 

 

「ここら辺は聞き回ったからなぁ……お前はここら辺のグラニュート監視してたんだろ?」

 

 

 

 

 

「僕じゃない黒チョコがやってたんだよ、僕は知らん」「マジか……んーじゃ。絆斗に電話だな」

 

 

 

 

 

 

「え?」「ほら、あいつ黒チョコ持ってからお前なら言葉わかんだろ?」「……」

 

 

 

 

 

 ……どうしよう、やだ。

 

 

 

 

 

 

 そっち側には行けないみたいなこと言っといて笠松でのんびりしてるのバレたくない。

 

 

 

 

 

「……まあ、気まずいよな。俺もそう言う時あった――もしもし?」〈電話をかけるな驚くだろ〉

 

 

 

 

 

 

 

「ちょっと成り行きで失踪者探してんだけど見つかんなねえんだ」〈グラニュートか?〉

 

 

 

 

 

 

「わかんねえけど……黒チョコならここら辺にいるグラニュート詳しいんじゃねえかなって」

 

 

 

 

 

 

 

 〈……翔馬と居るのか?〉「あ〜……」

 

 

 

 

 

 言うな言うな言うな。

 

 

 

 

 

 

「まあ……探してる、黒チョコの言ってること録音して送ってくれると助かる。」

 

 

 

 

 

〈分かった、こいつら強力的じゃないから嘘つでも知らん――なんだラキア?そうだ、辛木田だ。

 

 

 

 

 

 

 

「おぉ?……そういやあいつも居るのか」〈放浪から帰ってきたんだな、"辛木田"〉

 

 

 

 

 

 

「放浪じゃねえよ、てかなんだその呼び方……」〈名前を呼んでるだけだろ?辛木田?〉

 

 

 

 

 

 

「まあいいか、近いうち……ショウマのついて話したい事がある」「僕?」

 

 

 

 

 

 

〈俺もその件は話そうと思ってた、近いうちに……そうだな、"絆斗"の何でも屋に来い〉

 

 

 

 

 

「……何でそっちは絆斗(酸賀絆斗)で俺は辛木田(辛木田絆斗)なんだよ?」〈いちいち気にすることか?〉

 

 

 

 

 

 

「別にそうじゃねえけど……」〈シワは増えても器は小さいままか?〉「はっ?」

 

 

 

 

「お前ッ……この、20年経ってもお変わりないようで何よりだな……!」

 

 

 

 

〈ショウマってそこに居る翔馬と違うのか?〉「ああそうだよ……ん?〈そうか、居るんだな。〉

 

 

 

 

 

 

「……やべ。」「……馬鹿木田。」〈そうか、なら……暫くは戻らなくてもいいな〉

 

 

 

 

 

 

「切りやがった……話さなくて良かったのか?翔馬」「……別に、話す事なんてない。」

 

 

 

 

 

 

 さて、黒チョコが言うには……何?

 

 

 

 

 

 

「あの蟹野郎……約束破りやがったな」「おい何か……蟹……野郎?――まさか。」

 

 

 

 

 

 

 

――笠松:【ごはん居酒屋:いろいろん】

 

 

 

 

 

 

 

『ふぅ……さ~て、やることやったし東京に――え?』「よう?蟹野郎?ちょっと話聞かせろ」

 

 

 

 

 

 

 

 

『あ、あはは……ははは?!し、失礼しまーすッ!!!「……消すか。」「いや、まずは人プレスだ。」

 

 

 

 

 

 

 あいつと対峙したのは笠松へ初めて来た時以来。

 

 

 

 

 

 

 

 

 当時はニエルブと組んでたし人を攫ってないこともあって見逃してたが――。

 

 

 

 

 

 

 

 人を攫ったとなれば話は別だ、こいつはバウエルに協力した生かしては返さない。

 

 

 

 

 

 

 

――CAKE―― ――CAKE――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『くそ……なんでこんなときにくるんだよッ!!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―― SET CAKE SET CAKE ―― ―― SET CAKE SET CAKE ――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「観念しろよ蟹野郎」「バウエル共にあるのなら消すだけだ」『いや……今回のは――』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〔WAO‼WAOWAO!!!〕〔WAO‼WAOWAO!!!〕

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―― LOLLAXE GURU GURU ―― ―― BUSHUEL FUWA FUWA ――

 

 

 

  

 

 

 

 なんっだ……これ、身体おっも……おう……?そうなのか?

 

 

 

 

 

 

 あいつ、こんなフォームをよく平気な顔で使えるな……いや、絆斗は半分グラニュートだ。

 

 

 

 

 

 

 

 僕と絆斗じゃ当然、素のフィジカルに差がある。だから僕は黒チョコでそれを埋めた。

 

 

 

 

 

 

 

 黒チョコが身体能力そのものを底上げする形態なら、ロールケーキは――。

 

 

 

 

 

 

 

 

 違う。外からの重さじゃない、これは内側からくる。装甲の密着が強すぎて、息がしづらい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 筋肉にぴったり張りついて、動くたびに肋骨を締めつけてくるような感覚。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ブシュエルも多少きつかったけど、こんなの比にならない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 これを絆斗は平然と……?どれだけ鍛えてるんだよ……あいつ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 つ、潰れないよな?何とか……!ぎりぎり戦えるッ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

『ま、まずは話し合いをッ――?!』なら人プレスを返しやがれッ!

 

 

 

 

 

 

 辛木田が踏み込み、大斧を構えて一直線に突っ込んでいく。

 

 

 

 

 

 

 

 大斧を扱うブシュエルの形態、武器が重いくらいでそれ以外は動けるけど……すごいな。

 

 

 

 

 

 

 

 あの斧は重いはず……けれど、振り上げも、振り下ろしも、一切に無駄がない。

 

 

 

 

 

 

 

 武器の扱いに慣れてるんだ、ざっくり言えば力任せ。でも、それが通じる。

 

 

 

 

 

 

黒チョコに比べればこんな苦しさ、いくらだって我慢できる……!『だから話をッてぇッ!!!』

 

 

 

 

 

 重たい身体、リーチの短い斧……どっちも僕とは相性が悪い。

 

 

 

 

 

 

 重たいな……身体も、装甲も、全部が僕の動きに逆らってくる。

 

 

 

 

 

 

 ロールケーキのこのフォーム、パワーがあるのはわかる。

 

 

 

 

 

 

 けど、それを扱いきれるだけの筋力も、慣れも、今の僕には足りない。

 

 

 

 

 

 

 でも。託してくれたんだったら……全部使いこなしてやる……!

 

 

 

 

 

 

『あッ‼背中が……ッぜ、絶対ヒビ入ったってぇッ!!!』掴んだッ!『あッ?!』

 

 

 

 

 

 

 

ナイスっ!!!〔ブシュブシュッ!!!〕動けなくすればこっちのもんだ。

 

 

 

 

 

 

 ケーキの柱で動けなくすれば……力のままに叩き込むだけだッ……!!!

 

 

 

 

 

 

 ―― LO - LLA - XE ――

 

 

 

 

 

 

『ひ、人プレスッ!!!あッ?!てめっ!?それを盾に?!ブッ……ない?!

 

 

 

 

 

 

 ぎりぎりで……何とか逸らせたけど。それはそれは地面が……すごい痕跡のこしちゃった。

 

 

 

 

 

 

 

 こういう時どうするんだろ、グラニュートハンターって後始末するらしいけど……。

 

 

 

 

 

 

 いや、そんなことより……こいつ、人プレスを盾にしやが――。

 

 

 

 

 

 

『人プレスなら渡すから話を聞けよッ!?』……えっ?

 

 

 

 

 

 

 

――笠松:【ごはん居酒屋:いろいろん】

 

 

 

 

 

 

 

 

 ……話をじっくり聞いてみれば、まず、人間を人プレスにしたのは事実らしい。

 

 

 

 

 

 

 

 ただ、それも闇菓子を貰うためというよりは、騒がしい追っかけを黙らせるためだったとか。

 

 

 

 

 

 

 

 要するに――静かにさせたかった、それだけの理由らしい。

 

 

 

 

 

 

 

 そして、こいつは今のうちに東京へ逃げるつもりみたい……逃がす気はないけど。

 

 

 

 

 

 

 

「これで分かったでしょう?!俺そんなに悪い事してないですって」「いや人間圧縮してんだろ」

 

 

 

 

 

 

「だからッ!ここに置いて行こうと思ったんですっ!」「おいて行ってどうすんだよ」

 

 

 

 

 

 

 一般人がこれを見てもプラスチックの何かにしか見えないし。人プレスなんて知らないでしょ。

 

 

 

 

 

 

「……お前の事覚えてないのか?」「え?……いや知りませんけど。」「知ってるやつ?」

 

 

 

 

 

 

 

「こいつ、前に倒した覚えがある、色はちょっと違えけど……化けてる姿は一緒だな。」

 

 

 

 

 

 

「えぇ?」「まあ……なんか案なら大体ニエルブの仕業だろ……てか、倒さなくていいのか?」

 

 

 

 

 

 

「絆斗が言うには様子見の際中……らしいな?で、お前はどうするんだ?」「……はぁ」

 

 

 

 

 

 

 正直に言えば今ここで倒した方が良い気もする、でも……絆斗がそうするってんなら仕方ない。

 

 

 

 

 

 

「5年人を攫ってないってんなら信じられる……とも言えないな。」「ええ?!」

 

 

 

 

 

 

「てか、5年前から本部とのやり取り仕方が分からなくなって人を攫っても仕方なかったんだろ」

 

 

 

 

 

「な、なんで知って……?」「ニエルブに確認したらお前バイトにすら登録されてねえだろ。」

 

 

 

 

 

 

「……つまり?」「ニエルブの実験で復活したけれど、その後はバウエルに放置されたってこと」

 

 

 

 

 

 

 これはすべてニエルブから聞いた話だ。言ってしまえば、こいつの役目はただの囮にすぎない。

 

 

 

 

 

 

 正式なバイトと偽のバイトを意図的に混在させ、人プレスの回収をより確実に行う仕組みだ。

 

 

 

 

 

 

 偽バイトも当然、人間の拉致には関わっているが。

 

 

 

 

 

 

 

 正規バイトに比べれば、やらされる仕事の質も、与えられる報酬も劣っている。

 

 

 

 

 

 

 ……これ、絆斗に教えとくべきことだな?

 

 

 

 

 

「倒しても復活してかといって放置もできない……じゃあいくら戦ってきりが……」

 

 

 

 

 

 

「だからわざわざニエルブと組んでバウエルを直接叩こうとしてたんだけどね」

 

 

 

 

 

 ……ニエルブがその気になれば、人攫いの被害なんて今の何倍にも膨れ上がる。

 

 

 

 

 

 

 けれど、それをやらないのは――バウエルの発展なんかには興味がないから。

 

 

 

 

 

 

 ただ純粋に自分が面白と思う“実験”だけを続けたいだけなんだろうね。

 

 

 

 

 

 

 絆斗もそのことには、もうとっくに気づいているはずだ。

 

 

 

 

 

 だがら、ニエルブを簡単に排除するわけにはいかないのが現状だ。

 

 

 

 

 

「……恐らくこいつを今ここで倒せば、二度と復活はしない……だったらいっそ。」「待て」

 

 

 

 

 

「お前の言う追っかけってどんな奴だ?」「な、なんでそんなこと……」

 

 

 

 

 

「闇菓子が心の底から欲しいんなら……人プレスを簡単に手放したりとかってしないだろ?」

 

 

 

 

 

「いや……もしこいつの前に高品質の闇菓子が――」「俺は知りたいと思うけどな?」

 

 

 

 

 

「……何が」「こいつが誰かにとって大事な存在なら簡単に奪うわけにはいかないだろ?」

 

 

 

 

 

 

「だから、誰かを悲しませる前に簡単に倒していい相手なのかしっとかねえとなって。」

 

 

 

 

 

 

 なんだ、それ。こいつを野放しにして手をくれになる前に倒す方が……倒す方がいいだろ。

 

 

 

 

 

 

「……なんでお前東京に行くんだ?お前に取っちゃ余計に危ないだろ」「……それは。」

 

 

 

 

 

 

「……どうせ何度も殺されて惨めに生きるんだったら、いろんなとこ行きたいってだけですよ。」

 

 

 

 

 

 ……ニエルブによって作られた、使い捨ての駒(クローン)。見逃す価値なんて微塵もない。

 

 

 

 

 

 

 

 でも……あくまで絆斗が様子をみるって判断したなら、そこに僕の意思は要らない。 

 

 

 

 

 

 

 

 ……今ここで貴重なゴチゾウを使わなくてもいい。うん、それだけ。

 

 

 

 

 

「……決まったな?じゃあ聞かせろえっと……この……ウマ娘について――」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




【ゴチゾウ図鑑:ミズヨカーンゴチゾウ】



 ひんやり冷たい水ようかんを味わった、その一瞬の静けさの中から生まれるゴチゾウ。




 透けるような赤紫色でつやつやと光る、よく見ると内側に小さな金魚の影が見えるという噂。




 性格はとてもおだやか。いつも静かに佇んでいて、声を発することはほとんどない。




 でもその存在感はなぜか強く、いるだけで空気がすっと涼しくなる。




 水辺を好み、池や噴水の近くにひっそりと現れて、水を清める力を持っているらしい。




 使うと一時的に身体が液状化し、水の中に溶け込むように姿を消せる。




 姿をくらますのが得意な補助型。



 
 ゴチゾウ自体が何か能力を使う事はあまりないが時々水を操ってる姿を見かけたりもする。




 こしあん派とつぶあん派で個体の色が微妙に違うとか……?

1話~12話:仮面ライダーヴァレン(酸賀絆斗)人気投票

  • 基本的な形態チョコドンフォーム
  • 粒子を振りまく災害ブシュエルフォーム
  • ポテチの剣豪ザクザクチップスフォーム
  • 自由の象徴マジックザストーン フォーム
  • 重装甲近接特化ロルアックスフォーム
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。