オグリの幼馴染が記憶を無くしてチョコレートの怪物になって化け物と戦ってた話   作:かな餅

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【ゴチゾウ図鑑:ブリザードソルベゴチゾウ】



スゴクカタイアイスから生まれる時期を間違えて生まれたブリザードソルベゴチゾウ。



マーブルのアイスの頭と食べた覚えのないコーンのボディ。




他のゴチゾウよりデカすぎてヴァレンバスターに入らないものだから使えない。




癖のあるしゃべり方で事ある度に”えっへん”と腕組みをする。




熱いのが苦手なようなので暑い日には氷袋に入れている。




胸ポケットにいれると顔だけがはみ出て随分とおさまりが良い。





君からもらったプライマルクッキー

――駄菓子屋:【代理移動販売店"ハピパレ"】

 

 

 

 

 

「あぁ~……長重労働……有給ほし~……別にいつでも休めるんでけど……ん?」

 

 

 

 

 

 

[絆斗:新しいゴチゾウ。生まれたぞ(アイス)]

 

 

 

 

 

 

「ふふ……()は絵文字のつもりかなぁ~?……おっ?ウマショーとおそろのごちぞうじゃ~ん?」

 

 

 

 

 

 

[幸果:かわいいじゃ~ん!スマホにも慣れてきた?][絆斗:ぜんぜん。]

 

 

 

 

 

 

「そういばハンティのガヴじゃ使えない、かもだけど……こっちの翔馬君なら……もしかして」

 

 

 

 

 

 

[幸果:ハンティ!その子……取りに行くわッ!][絆斗:……片道4時間5回目だろ?]

 

 

 

 

 

 

「帰る時は六回目かなぁ……いやぁ……しんどいなぁ」

 

 

 

 

 

 

 

 ――グラニュート界:【バウエル社】

 

 

 

 

 

 

 

 

 さて……今月の納品も何とかなりそうだし、しばらくは研究に没頭できそうだなぁ……。

 

 

 

 

 

 

に~え~る~ぶぅ~どこ行くの?「これはこれは……ジェレス様……何か御用ですか?」

 

 

 

 

 

 

 

『あるばいとのぉ~♪粛清ついでにグラニュートハンターのことぉ!教えてもらおうと思ってぇ♪』

 

 

 

 

 

 

「ええと……データが欲しいとの事で……分かりました。ではご用意を……」ちがうちがう!

 

 

 

 

 

 

 

『アルデお姉ちゃんと同じように遊ぶ機会を用意してってこと』そ、そうですか……分かりました。」

 

 

 

 

 

 

『それとアルバイト達の管理もしっかりねぇ?質も落ちてるみたいだから……半分粛清しちゃった♪』

 

 

 

 

 

 

 

「……承知、いたしました。」

 

 

 

 

 

 

 参ったな……厄介な人に目を付けられちゃったよ。彼いや、彼女?……まあ、この人は厄介。

 

 

 

 

 

 

 

 バウエル社では粛清係として成績不良のバイトを始末する係……なんだけど。

 

 

 

 

 

 

 命を奪うことそのものが趣味って言うこの上なく僕の研究に邪魔な存在でもある。

 

 

 

 

 

 

 

 だからグラニュートハンターの存在はなるべく目立たないように根回ししてたんだけど……。

 

 

 

 

 

 

 

 アルデミシアが予想より気に入ってしまったらしい、それ自体はいいけど。

 

 

 

 

 

 

 

 この人にバレれば酸賀さんの坊や(酸賀絆斗)が真っ先に狙われるはず……どうする?

 

 

 

 

 

 

 

 表立って力を貸すわけには行かない……なら酸賀さんに相談してみるか?

 

 

 

 

 

 

 

 でも今の酸賀さん(クローン)は僕の事を知らないだろうし……性格も思考も完全に一緒とは――。

 

 

 

 

 

 

 

時間かかりそ~……じゃあ、どうせ東京にいるんだし……自分でさがそうかなぁ~

 

 

 

 

 

 

 

 

「お、お待ちください!たかが人間とはいえ奴らは確かにアルデミシア様を――」

 

 

 

 

 

  

だから?僕より強いからってそれは僕に関係なくない?「それは……」

 

 

 

 

 

 

 

 

それとも……もしかして僕を――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――何でも屋:【助っ人酸賀さん!】

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ~疲れたぁ~……ハンティ~?」『おう、10体くらい用意したぞ』「ふふっそんなにぃ?」

 

 

 

 

 

 

 

〔なんべぇ?〕「じゃ、溶けちゃうかもだから……うちの冷蔵庫にと……」『翔馬は元気か?』

 

 

 

 

 

 

 

 

「気になる?まあ~……うん、元気だと思う。この前なんて……そうそう新しい仮面ライダーになったし」

 

 

 

 

 

 

 

 

『……どんなベルトだ?』「ベルトって言うか……口、ガヴだった気がするけど……」

 

 

 

 

 

 

 

『……ガヴのベルト……それならこいつを使えるのか?』〔んべ〕「うん、ハンティは?」

 

 

 

 

 

 

 

『エラーがでて使えん……あ?』〔わにゃ!〕『グラニュートか、最近大人しいと思った矢先に』

 

 

 

 

 

 

 

「あ!戸締りしとくから行って!」『すまん助かる。』〔ヂュッ‼〕

 

 

 

 

 

 

 

「うん!……うん?……あの黒いゴチゾウ……いつもの白い子と違くない?」

 

 

 

 

 

 

 

――美柳映画館:地下駐車場

 

 

 

 

 

 

 

 最近閉鎖になった映画館の地下駐車場、人気もなく都合が良いからと組織が丸ごと買い取った。

 

 

 

 

 

 

 

 監視下にもあるはずだが……監視カメラが何故か機能していない。

 

 

 

 

 

 

 

 目の前にはニエルブのエージェント、手には何個かの人プレス。

 

 

 

 

 

 

 

 おびき寄せられたか?……俺を仕留めたい雰囲気でもなさそうだが。

 

 

 

 

 

 

「やあ……酸賀さんの坊や、ちょっと話が会ってね?」『ニエルブ、わざわざ出てきたんだな?』

 

 

 

 

 

 

 

「それはお勧め(黒チョコ)しないよ。誰であろうと等しく限界を引き出すように設計してるから君も危ない」

 

 

 

 

 

 

『その眼鏡叩き割る前に手短に済ませろ』「……バウエルの幹部が1人、君を直接狙ってる。」

 

 

 

 

 

 

 今ここでニエルブを排除すれば、バウエルの技術部門に大きな打撃を与えられる。

 

 

 

 

 

 

 だが――それはむしろ最悪の選択肢かもしれない。

 

 

 

 

 

 

 見たところニエルブは、バウエルに忠誠を誓っているわけじゃない。

 

 

 

 

 

 

 ただ、自分の“実験”さえ自由にできればそれでいい。

 

 

 

 

 

 

 

 バウエルからすれば優秀だが、野放しでないと扱いにくい面倒な存在。

 

 

 

 

 

 

 

 だからこそ、今こいつを失えば逆に厄介だ。

 

 

 

 

 

 

 

 代わりに現れるのは、バウエルへの忠誠心に厚く命令に忠実な幹部かもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

 すると今よりはるかに面倒な相手を迎えることになる。だが流石にこいつと手は組めない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 うまくこいつを利用できればバウエルと正面から衝突するまでの時間稼ぎにはなる。

 

 

 

 

 

 

 

 

「結構時間がなくてね……不本意ではあるけど、これは僕にとってチャンスでもある」

 

 

 

 

 

 

 

『俺にその幹部を倒させて自分の価値を上げようってか?』「好きに捉えてもらって構わないよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

「僕にだって色々事情があるんだよ……とにかく君をやられたら僕の立場が危ぶまれる……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『……東京以外の闇バイトを減らせ、話はそれからだ』「……バイト君を東京に集めるのは?」

 

 

 

 

 

 

『なら俺に対して討伐命令を出せ、まとめて叩き潰す』「……期間は10月まででどう?」

 

 

 

 

 

 

 

『半年』……11月、これが僕が組織を欺けるぎりぎりのライン」『良いだろう、話は聞いてやる』

 

 

 

 

 

 

 

 バウエルの幹部、ジェレス。

 

 

 

 

 

 

 

 かつてストマック家にいたシータとジープという双子の遺伝子を組み込んだグラニュート。

 

 

 

 

 

 

 バウエルの中でも高い機動力を誇り、組織の幹部として高い実力を持っている……らしいが。

 

 

 

 

 

 

 

「生憎僕は信頼されてないから、実際にどんな力を持っているのか詳細なデータがない。」

 

 

 

 

 

 

 

『……それはいつも通りだが、グロッタって奴とどっちが早い?』「それは僕の姉さんの名前。」

 

 

 

 

 

 

 

「あの人と比べると……単純な実力ならアルデミシア、でも……ジェレスは何か違うみたい」

 

 

 

 

 

 

 

 

『何がだ』「……それが分からないんだってば、改造した時も最低限の情報しか貰えなかったし」

 

 

 

 

 

 

 バイトの粛清係、動きが早いだけでもかなり厄介だな。ゴロゾウとキャラメルで何とか動きを。

 

 

 

 

 

 

 

「とりあえず、僕の方でも何かわかれば伝えるよ。一時共闘だ」『握手はしないぞ』

 

 

 

 

 

「はいはい……じゃあ僕は此処で行くけど。」『おい、人プレスは――』

 

 

 

 

 

 

「エージェントから頑張って奪い取ってね。」『……だる。』

 

 

 

 

 

 

 

――CHOCO――

 

 

 

 

 

 

 

――SET CHOCO SET CHOCO ――

 

 

 

 

 

 

 

〔WAO‼WAOWAO!!!〕『あんな主人で大変だな――変身〗〘ふん。〙〔WAO‼WAOWAO!!!〕

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―― CHOCO LD PAKI PAKI ――

 

 

 

 

 

 

 

 

 なるほど、こりゃキツイな……特に心臓が破裂するんじゃないかってくらいには煩い……。

 

 

 

 

 

 

 

 翔馬の奴、人間の身体でこいつを何度も使ってたのか……馬鹿にできないな。

 

 

 

 

 

 

〖さて……どうする?〗

 

 

 

 

 

 

 

――大人しく人プレスを渡すか――

 

 

 

 

 

 

 

――それとも俺に倒されるか――

 

 

 

 

 

 

 

〖言っても無駄だろうがな……〗〘来い。〙

 

 

 

 

 

 

 

―― BEIKU GLOCK ――

 

 

 

 

 

 

 

〖あ?〗〘……〙

 

 

 

 

 

 

 

―― SET ――

 

 

 

 

 

 

 

―― HEATING ――

 

 

 

 

 

 

 

〖なんだ……新しいおもちゃの実験かよ〗〘……ニエルブ様のシステムではない〙〖……まじか〗

 

 

 

 

 

 

―― MECHANO BIO LOGY ――

 

 

 

 

 

 

―― PRIMAL COOKIE JUST MADE ――

 

 

 

 

 

 

 組織の報告にはないグラニュート……いや、仮面ライダーでくくる方が良いのか。

 

 

 

 

 

 

 

 ニエルブが作ったわけじゃないなら酸賀か?いや、酸賀はヴァレンシステムに固執してるしな。

 

 

 

 

 

 

〖こちらは酸賀絆斗――所属を名乗れ、さもなくば実力行使により身柄と武装を――〗

 

 

 

 

 

 

 

〖黒ずんだヴァレンと蜜柑色のエージェントを確認、対処する〗〖ダル……お前誰だ〗

 

 

 

 

 

 

 

 組織の人間では……あるのか?ベイクグロック(BEIKUGLOCK)……ベイクマグナム(BEIKUMAGNUM)の派生システム?

 

 

 

 

 

 

 

 だめだ分からん……三つ巴にはなるが叩き伏せて黙らせるか……。

 

 

 

 

 

 

 

〖ダルいがまとめて相手してやる、さあどっ――ッ?!

 

 

 

 

 

 

 

 

―― HEATING BLAST ――

 

 

 

 

 

 

何だあのバカみたいな威力は…… コンクリの壁に、あれだけでかい穴が開くとは……。

 

 

 

 

 

 

 

〖ニエルブの眷属!人プレスは?〗〘無事だ、酸賀絆斗ここは一時きょう――ッ……

 

 

 

 

 

 

 ニエルブの眷属は柱越しに頭を撃ち抜かれて消し飛んだ。

 

 

 

 

 

 

 普通の銃撃じゃない、対物ライフル並みだな……。

 

 

 

 

 

 

 

 いや、あの構造でこの出力……どう見ても規格外だ。

 

 

 

 

 

 

 

 真正面から喰らえただじゃすまない……が、どの武器にも特徴はある。

 

 

 

 

 

 

 

 床に、カン、と硬質な何かが転がる音――薬莢か。それともカートリッジごと交換か。

 

 

 

 

 

 

 一瞬の隙に、奴は銃身を素早く傾け、何かを抜き差ししている。……やっぱりリロードだな。

 

 

 

 

 

 

 あの火力、そしてあの連射性。常識的な銃火器とは思えないが弾丸に限界があるはずだ。

 

 

 

 

 

 

 威力に全振りした分、弾倉容量はそれほど多くない。

 

 

 

 

 

 

 あのサイズでせいぜい15発……下手すれば10発も撃てないかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 それに、リロード動作はどんなに慣れていても一瞬は隙になる。

 

 

 

 

 

 

 ……要は、撃ち切らせて一気に距離を詰めるか。

 

 

 

 

 

 

 〖……じゃあ、行くか?〗〖そこか。〗

 

 

 

 

 

 放置されていたバイクを拾い上げ、敵に向かって投げつける。

 

 

 

 

 

 

 相手の着弾と同時に爆発が起きるが、それでいい。十分な煙幕になる。

 

 

 

 

 

 

 爆発から接近してお互いに入って相手の動きに目を凝らす。

 

 

 

 

 

 

 どこかで見たことのあるようなゼロコンバット系統の立ち回りか。

 

 

 

 

 

 

 しかし、その所作には妙なクセが混じっている。武器の扱いが、まるでナイフだ。

 

 

 

 

 

 

 射撃すらもナイフを振るうような感覚で薙ぎ払ってくる。

 

 

 

 

 

 

 ただ、喧嘩慣れした翔馬と違い、動きそのものは洗練されている。

 

 

 

 

 

 

 だが元々の戦闘スタイルに銃撃を主体とする今の形態にはまだ馴染んでいないようだな。

 

 

 

 

 

〖リロードが必要なんて不便な銃だな?〗〖……〗〖お喋りは嫌いか?俺もそうだ〗〖ッ!〗

 

 

 

 

 

 

 銃――と見せかけてマガジンを蹴り飛ばせば、まずこれ以上は撃てなくなる。

 

 

 

 

 

 

 

 ほかのゴチゾウは置いて行ったから捕縛は難しいが……撃てない銃はただの鈍器だ。

 

 

 

 

 

 

 

〖……この、動き。〗〖悪いが寝てろ。〗

 

 

 

 

 

 

 

 

―― CHOCO ――

 

 

 

 

 

 

 

 

〖ッ!〗〖弾切れでも技は撃てるタイプか……〗

 

 

 

 

 

 

 

 

―― HEATING BLAST ――

 

 

 

 

 

 

 

 

〖……そう何度も同じ威力を連発できるわけじゃない、短期決戦のシステムか?〗〖……

 

 

 

 

 

 

 

 技を撃たれて不味いとは思ったが……相殺どころか押し勝てた。

 

 

 

 

 

 

 

 おそらく、極端な高出力を重視するかわりに、継続して戦う力は著しく低い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ヴァレンシステムが長期戦に特化しているのとは正反対の設計思想だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

『……酸賀、絆斗か?』〖さっきそう言っただろ……だる。』「――見覚えはないのか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

『あ?』「私の顔に……見覚えはないか?」『……所属と名前は?』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――何でも屋:【助っ人酸賀さん!】

 

 

 

 

 

 

 

 

 だめだ、だるい、面倒くさい。

 

 

 

 

 

 

  

 俺はなんだ?見覚えのないウマ娘に自分は幼馴染だと刷り込まれるのが因縁がなのか?

 

 

 

 

 

 

 また”私の容姿に見覚えは無いか”だと?、知るかそんなもん。

 

 

 

 

 

 

 

 だが話を聞く限りは……オグリよりは信憑性が有るのが確かだ。

 

 

 

 

 

 

『……PRIMAL(プライマル) COOKIE(クッキー)、ケッキーゴチゾウ共を改造したのか?』

 

 

 

 

 

 

 

「そうだ、人工ゴチゾウの生成は難航してるが変化を加えることは成功した」『……秘密裏か?』

 

 

 

 

 

 

 

「酸賀研造からは渋々ながら開発許可は出ている、予定より早く開発が進んだだけの事だ。」

 

 

 

 

 

 

 まあこいつもグラニュートハンターなのは間違いない、新型を任されるからして……。

 

 

 

 

 

 

 

 上位のハンター、戦い方からして組織に長くいる存在……ナイフ使い……。

 

 

 

 

 

 

「……本当に私に見覚えがないのか?」『知らん、さっさと所属をはけ。ダルい』「……」

 

 

 

 

 

 

 

 

「……クラウン・スローン。コール・スローンの子だ」『……うちのボスの娘か?』

 

 

 

 

 

 

「そうだが。」『……待ってろ』

 

 

 

 

 

 

 

 ……マジで誰だこいつ、うちのボスに娘なんて居たのか?だめだわからん。

 

 

 

 

 

 

 

 昔のアルバムをめくる。たぶん、これか……小さい頃の自分と、隣で寝ている栗毛のウマ娘。

 

 

 

 

 

 

 

 ……いや、正直、全然覚えていない。記憶がぼやけてる時期の知り合いだ。

 

 

 

 

 

 

 

 たぶん12歳から15歳ぐらいまで一緒だったのか?その頃はまだ訓練生だったはず。

 

 

 

 

 

 

『……つまり俺の同期か、酸賀からそんな話一才聞いてないけどな』「……」『落ち込むな……』

 

 

 

 

 

 

 

 俺とこいつの過去はひとまず脇に置いておくとして……。

 

 

 

 

 

 

 

 今気になるのはなぜこのタイミングで、この自治区に現れたのかということだ。

 

 

 

 

 

 

 あの映画館は、新システムの試験や極秘に情報をやり取りするために用意された場所。

 

 

 

 

 

 

 誰かと会うつもりだったのか?それとも……いや、この区域の担当は俺だ。

 

 

 

 

 

 

 

 つまり、会う相手は最初から俺だった――そういうことか?

 

 

 

 

 

「……本来ならこのシステムは絆斗に試験して貰うように依頼する予定だった」『……俺が?』

 

 

 

 

 

 

 恐らく酸賀は通してないんだろう――が、酸賀なしでここまでの代物を作るか……。

 

 

 

 

 

 

『俺は実戦で使いたいと思わないな……継戦能力に欠けてる。戦える時間は3分もないんだろう』

 

 

 

 

 

 

 だがあの火力は望ましい、見たところ変身後の負担も無さそうだな。

 

 

 

 

 

『幹部までには届かないが量産を進めるなら組織を大幅に強化できるだろう』

 

 

 

 

 

 

 

「……このシステムは本来廃止される予定だった」『何でだ?』

 

 

 

 

 

 

「変身負荷に耐えられるのはウマ娘、もしくはグラニュート。普通の人間には向いてない」

 

 

 

 

 

 

『……袖の下、見せてみろ』「……」『酷いな、塗り薬取ってくるから待ってろ』

 

 

 

 

 

 

 

 ……火傷か。初期に作られたベイクマグナムは、使うたび身体が干からびる副作用があった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 今回の型はまだマシだが、それでも連続使用すれば体への負担は避けられない。

 

 

 

 

 

 

 

 一体どんな基準で"ウマ娘なら耐えられる"と判断したんだ……。

 

 

 

 

 

 

 

「らきあん、今日も絆斗と電話が――えっ?」『おうオグリ、ラキアはプリン買いに行ってる』

 

 

 

 

 

 

 

「……芦毛のウマ娘。」「栗毛の……ウマ娘?は、絆斗……その、誰なんだ?」『俺の同期だ』

 

 

 

 

 

 

 

「ウマ娘の、友達は居ないんじゃ『俺も今日知ったが居たらしい、顔すら覚えてなかったけどな』

 

 

 

 

 

 

 

「そう、か。電話もその。忙しいんだな。」『ああー……いや、今日からできる様にはする』

 

 

 

 

 

 

 

「いや……良いんだ。その忙しいなら仕方な――」『そうだオグリ、こいつにこれ塗ってくれ』

 

 

 

 

 

 

 

「……わかった」『酸賀が居ない際で家のものが何も補給されない……だる。』

 

 

 

 

 

 

 とりあえず生活用品も色々ついでに買うか……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ――5年前:スローン邸

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 飛行機が落ちて、気づいたら私とお母様だけが残っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 どうしてこんなことになったのか、いまだによく分からない。

 

 

 

 

 

 

 

 お母様はいつもよりずっと静かで、知らないおじ様と何か深刻な話をしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 お母様の足が動かなくなったのも、お婆様が帰ってこなくなったのも、化け物のせいって。

 

 

 

 

 

 

 

「むぐっ……ふぇ?」『……』

 

 

 

 

 

 

 

 甘いサクサクのミルククッキー、お婆さまが好きだった、美味しいお菓子。

 

 

 

 

 

 

 

「こらこら絆斗くーん……見知らぬ子の口に突然お菓子を入れちゃダメ!」『んー……』

 

 

 

 

 

 

 

 

「ごめんねぇ……えっと?CROWN(王冠)……ああいや、クラウンちゃん?」『むー……』

 

 

 

 

 

 

 

「こらこら暴れないの……絆斗君はこっちでお菓子食べてなさい。」「……はんと。絆斗……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 お菓子なんて食べられる気分じゃなかったのに、突然口の中にクッキーが入ってきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 サクッという音と一緒に、ほんのりあたたかい甘さがひろがる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ミルクの味がやさしくて、ちょっとだけバターの香りもした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 なんだか懐かしくて、おばあさまが作ってくれたクッキーと似ている気がする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 最初は、なんで今こんなもの……って思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 でも、噛めば噛むほど、心の奥のほうがふわっとあたたかくなっていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 涙が出そうだったはずなのに、不思議とこぼれてこなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 泣きたい、でも甘さに包まれて、その気持ちがどこか遠くへいってしまったみたいだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 もう一口、食べてみたくなるくらい、おいしい甘さだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「……クラウン、あなたもあっちでお菓子を食べておいで」「……はい、お母様」

 

 

 

 

 

 

 

「それではコール婦人、本題に入りましょう。貴方達を襲ったグラニュートについて――」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――スローン邸:客室

 

 

 

 

 

 

 

「……貴方、はんとっていうの?」『……ん』

 

 

 

 

 

 

 頭を後ろからそっと抱えこむと、絆斗の髪からふんわりチョコレートの甘い匂いがした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ふわふわの髪に顔をうずめると、あったかくて気持ちいい。

 

 

 

 

 

 

 

「……何食べてるの?美味しい?」『ん~……』

 

 

 

 

 

 

 小さくむずがる声。でも私はやめない。

 

 

 

 

 

 

 

 むしろもう一度ぎゅっと抱きついて、もっと深く顔を埋めてみる。

 

 

 

 

 

 

 

 しばらくじっとしていたら諦めたみたいで、またお菓子をもぐもぐし始めた。

 

 

 

 

 

 

「私の名前、本当はね、空に浮かぶ雲――CLOUDって言うはずだったの。」『……?』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お父様が英語をちょっとだけ間違えちゃったの。CLOUD()じゃなくてCROWN(王冠)って書いちゃって」

 

 

 

 

 

 

 言いながら、くすっと笑う。

 

 

 

 

 

 

「お母様、呆れてたわ。ねぇ、はんと――お父様がなんて言い訳したと思う?」『ん~……』

 

 

 

 

 

 

 

「“お空に王冠の雲が浮かんでいたから、つい”……ですって。」

 

 

 

 

 

 

 その時のお父様の顔を思い出すと、ちょっとだけ胸がぽかぽか。

 

 

 

 

 

 

 

 悲しいのも不安なのも、ふっと遠くへ飛んでいく気持ちになる。

 

 

 

 

 

 

 

 あの日の青空と、お父様とお母様の笑い声が、胸の奥でふわっと膨らむ。

 

 

 

 

 

「……変な理由でしょう?でも、私、この名前とっても好きなの」『……?』

 

 

 

 

 

 

 絆斗が不思議そうな顔をする。私はその表情が何だかおかしくて、また小さく笑ってしまう。

 

 

 

 

 

 

 

 しばらくお菓子を一緒に食べていると2人とも呼び出された。

 

 

 

 

 

 

 

 お母様は疲れた様子でちょっとぐったりしてた気がする。

 

 

 

 

 

 

 

 お母様と話していたおじ様は絆斗を連れてかえっちゃった、また会えるかな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――何でも屋:【助っ人酸賀さん!】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……匂い、変わってなかったな。」「……君は、絆斗の……友達か?」

 

 

 

 

 

 軍服を少しだけまくり上げられて、冷たい指先が傷跡に触れる。

 

 

 

 

 

 

 

 ヒリつくような痛みと、ひやっとした薬の感触。

 

 

 

 

 

 

 

 その両方が、私の皮膚の奥にゆっくりと沁みていく。

 

 

 

 

 

 

 

 痛い――けど、思ったよりも我慢できる。私はただ、じっとしているだけ。

 

 

 

 

 

「……しみる?」「……別に。」

 

 

 

 

 

 

 ……このウマ娘はどこまで知っていて、絆斗の何だろう。

 

 

 

 

 

 

 

 昔の絆斗なら……友達なんて作らないし、私を友達って言わない。

 

 

 

 

 

 

 

 少し会わない間に、なんだか雰囲気も変わって。

 

 

 

 

 

 

 

 別人みたいに他人に気安く接して……ちょっと納得いかない。

 

 

 

 

 

 

 

「……絆斗の友達、私が知らない絆斗を知ってるんだな」「……”幼馴染”だから。」

 

 

 

 

 

 

 

 

「……幼馴染?」「私は絆斗の幼馴染。」「……私も絆斗の幼馴染だ。」「……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 ……こいつとは仲良くできなさそう。

 

 

 

 

 

 

 




【仮面ライダーベイク(クラウンスローン):プライマルクッキーフォーム】


クッキー系統の仮面ライダーベイクの量産を想定した形態。


このフォームは新たに開発された“ベイクグロック”によって変身し。


従来のヴァレンシステムに比べて極めて高性能。


単純なスペック面ではヴァレンの約3倍に達し、さらにゴチゾウの製造コストも低い。



プライマルクッキーの力は“焼きたて”状態に近いほど活性化。



時間の経過とともに内部熱が失われていく。



完全に冷めてしまうと、スペックは半分以下にまで落ち込み戦闘能力も著しく低下する。



変身開始時には体内で急激な加熱が行われるため、変身者自身が火傷を負うリスクもある。



特に連続運用では、肉体的なダメージが蓄積していくため通常の人間には向いていない。



武装であるベイクグロックは非常に高威力な射撃兵器。



グラニュートに対し有効なダメージを与えるが、その分弾数に制限がある。



1回の装填で15発しか撃てず、使用後には必ずリロードを要する。



――スペック
身長:170cm
体重:70.kg
パンチ力:2.4t~1.2t
キック力:4.6t~2.3t
ジャンプ力:5.0m(一跳び)
走力 5.5秒(100m)

1話~12話:仮面ライダーヴァレン(酸賀絆斗)人気投票

  • 基本的な形態チョコドンフォーム
  • 粒子を振りまく災害ブシュエルフォーム
  • ポテチの剣豪ザクザクチップスフォーム
  • 自由の象徴マジックザストーン フォーム
  • 重装甲近接特化ロルアックスフォーム
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