オグリの幼馴染が記憶を無くしてチョコレートの怪物になって化け物と戦ってた話 作:かな餅
ケッキ―ゴチゾウを、失敗と成功の繰り返しで改造し、再構築された特殊な個体。
見た目はクッキー生地の名残をとどめつつ、表面は焼き目のように硬い。
かつてのケッキ―の性格は残っておらず、今は無口で、まるで任務だけをこなすように動く。
命令には忠実。ただしミルクの香りにだけは時々足を止め、意味もなく空を見上げる癖がある。
使っても消えない代わりに、使った後はオーブンで焼き上げないと力を発揮しないらしい。
無口で何も喋らないが、時々ケッキーだった頃のような面影が見える気がする。
――5年前: 第十三旧育成所
「では、コール・スローンさん。絆斗君について解説しましょう」
【被験体:絆斗】
【グラニュートとウマ娘の間に生まれた、特異な人種である】
【グラニュートと同じく腹部に口のような器官を持つのが特徴】
「おっと……修正として彼はお腹につけているのは喉の部分だけですね、これは失礼」
【食欲は非常に旺盛。普段は人間用のお菓子を好んで食べる】
【グラニュートと同じく消化器官と顎が発達しているため、石を主食とすることもできる】
【学習能力は際立って高く、物体の構造を素早く理解し、必要とあれば分解も容易にこなす】
【一方で人との対話はあまり得意ではなく、慣れた相手以外には強い警戒心を示す傾向がある】
「と……基本的な情報がこれですねー、何か不明点は?」「……被験体、良い響きではないな」
「ああーまた失礼、そうですよねぇ〜。貴方の親族は皆この施設で有望な人材を育てていた」
スローン家、表向きは有望なウマ娘を育てるためのトレーニング施設だが、実態は違う。
この家はウマ娘の孤児たちを集めて、超人的な兵士を生み出す研究を密かに進めていた。
そして今はもう、その計画も終わりを告げている。
コール・スローンとその娘クラウンを残し、他の親族はすでにこの世にいない。
研究も施設も、ただ静かに歴史の中へ埋もれつつある――だから都合が良い。
「さて、コールさん。貴方が背負う負の遺産、全て私が背負いましょう……そして貴方は自由だ」
孤児の供給ルートを利用すれば、グラニュートハンターの人員を確保できる。
武器工場を売却し、必要最低限の設備でヴァレンバスターの製造を続行することも可能だ。
さらに、膨大な資産と、権力者たちを脅すためのアナログな証拠も手元に残る。
これだけ揃えば、組織の立ち上げに必要な条件は整う。
あとは、どうやって政府の目を誤魔化すかだけだ。世界安全保障委員会にでも掛け合おうか?
「……化け物を退治する
「同じ親として語るなら絆斗君が当たり前に生きられる世界を作る」「なぜ隠れて暮らさない?」
「隠れてって……そんなコソコソして、絆斗君が楽しいかって言われたらそうじゃないでしよ?」
「絆斗君は誰よりも強く誰よりも長く生きる命にする。何不自由なく幸せになる為にね?」『?』
絆斗君なら吸収力を活かして、身体と脳が完全に馴染む前に多くの技術や知識を蓄えられる。
人間としての強さも、グラニュートとしての力も…その両方を、俺がしっかり引き出してみせる。
「……私はこの負の遺産を葬る為に家族を捨てた。私がここで貴方の意見に同意するということは」
――この施設で人生を歪まされる子供を1人増やすということ――
「……何を根拠に私が同意するとでも?」「俺の気持ちがわかるかなって?同じ"親"として」
「ええ、分かるとも。この身体に流れる血はいくら焼いたとて蒸発することはない。娘にも――」
「貴方も娘もただのウマ娘だ、身体のどこを調べてもみんなとは変わらない。絆斗君は違う」
身分を隠そうと顔を変えようと身体の中身までは変えられない……変える必要もない。
「今この世界には対処しなければいけない
その問題に立ち向かうのに過去の過ちや存在など関係はない……なら、誰でも良いはずだ。
「何があろうと絆斗君は人ではなく化け物だ、なら俺は
「……そちらが計画に対していかに真剣なのかは分かった、こちらとしても条件は……悪くない」
新しい戸籍、経歴のすり替えに……その他諸々、これだけ用意するのに結構苦労した。
「さて……ここまで無駄話をしましたが後の話はあなた次第。ぜびじっくり考えてください」
――第十三旧育成所:被験者共用室
今もこの施設が意味を成していたなら、ここに子供たちがいた。
私も子供の頃ここで遊んでいた、友達なんて作れなかったから。用意されたもので。
解放した子供たちは……今頃何をしてる?生活に馴染めているだろうか。
『……』「……君はいつも何かを食べているね、お菓子は美味しいかい?」『ん。』
三ヶ月前に合ったこの子は背丈がぐんと伸びた、でも言動は幼い……まだ子供。
まるで施設で育てられた子供のようだ、人との関りを制限する子によくある特徴。
……お腹に、喉があるといったのかな?とても信じたがたいが……確かめてみようか。
子供たちの中にはお菓子を貯め込んで隠す子もいた、特に寝室にお菓子を持ち込んだり……。
その時は服の中に隠す子が多かったからよく服をめくってお菓子を没収――。
〔ちょわぁ?ちょわ!〕「?!い、いきも……え?こ、これはおもちゃか?」
……なんだこれは、小さい……お菓子?――いやでも……鳴き声が聞こえた……。
『……また出た』〔ちょわ?ちょうちょう〕『……知らない』〔ちょう……〕
……これは何だ、見たことがない……そうだ、この子の記録には……。
【グラニュートと人間のハーフには、どちらにも当てはまらない独自の特徴が現れる】
【その一つがお菓子を食べることで生まれる眷属、”ゴチゾウ”】
「ゴチゾウ?……君のそれは、ゴチゾウって言うのかい?」『……』
ご機嫌は斜めでお喋りの気分ではないらしい、ふむ……グミなら持っているが……。
「これは好きかな?グミだよ」『……?』「初めて私の方を向いてくれたね、ほらどうぞ。」
少々固めのグミだとおもったが、この子なら石を噛み砕くほどの歯を持つのだ。
むしろ柔らかすぎるかもしれないと思いながら、グミを一粒、そっと差し出す。
最初は訝しげにこちらを見たが、しばらくためらったあと、ようやく指先でそれをつまんだ。
小さな手が、不思議そうにグミを眺める。そのまま、おそるおそる口元へ運ぶ。
ほんの一瞬、私の方を見て何かを確認するように。そして、そのままぱくりと口に入れた。
噛んだ瞬間、思いがけない弾力に、ほんの少し目を丸くした。
グミ独特のもちっとした歯ごたえが、初めての感触だったのかもしれない。
頬の内側でゆっくりと噛みしめて、どうやら中から甘い果汁がじゅわっと広がったのだろう。
ほかの子供達もお菓子を初めてあげた時はこんな顔をしていたな、とても懐かしい。
〔わにゃ!〕「……ふむ、お菓子を食べるとこの子達を産むことができる、不思議な子だ」
『……ふにふに』〔わうわうわう……〕「……君は
酸賀研造、この男は間違いなく常人では測れない。
その狂気じみた頭脳で、自らの理想や信念を現実にねじ曲げる力を持つ人物だ。
スローン家についても、表も裏も驚くほど正確に把握していた。
おそらく、表立って語られない危険な道を何度もくぐり抜けてきたのだろう。
"誰よりも強く、誰よりも長く生きる命"そう口にする姿は、表面的には私の親族たち……。
過去に研究の犠牲を強いた者たちと、さして変わらないようにも見える。
だが、今この子を前にしてみると、その印象はわずかに揺らぐ。
少なくとも、この子はただ“管理”されている子供には見えない。
『……菓子をくれる』「美味しいお菓子かい?」『歪な味のお菓子』「……どんなお菓子だ?」
……薬か?もしかして彼が持っている市販に見えるお菓子何か含まれている?
『酸賀はそういうお菓子をくれる。』「……それが好きなのかい?」『……別に』「……そうか」
【通常の味覚に加えて、食べ物を与えた相手の感情や心理状態を風味として感じ取る特性を持つ】
【食事の味わいは単なる物理的な味覚だけでなく、与える側の心情によって微妙に変化する】
「……いつも、毎日、歪な味のお菓子をくれる。それが酸賀という人間なのかな」『……ん』
普通の子どもと変わらず、頬はやわらかく、つまむとよく伸びる。
やはり、人間の特徴が強く現れているのだろう。
一方、グラニュートは人型ではあるが、その本質はまるで異なる。
なかには魚や鳥のような姿をした個体も存在するという。
だからこそ、グラニュートの容姿は個体ごとに大きな違いがある。
それぞれ独特の特徴を持ち、ひと目で“人間とは違う”と分かる。
私が見たグラニュートも、黒い羽毛をまとい、まるで類似しているもので言えば鴉。
そう考えると、この子は”人間に酷似したグラニュート”とも言えるのかもしれない。
しかし……手も柔く、身体の構造は外からみて人間のそれと相違がない。
普通の兵士として訓練させる……にしてはあの狂人にしてはありきたりすぎる気もする。
「……お母様?」「クラウン?……ああ、施設を探検させていたね」「……絆斗をもちもちしてる。」
「ああ……これはその、あれだ、子供と仲良くなるのにいいスキンシップなんだ。」『ん~……』
「お母様も絆斗と仲良くなりたいの?……」「まあ……?そういうことかな」
頬を触りすぎてしまったのかそっぽを向かれてしまった……結局考えはまとまらなかったが。
彼らの人生に私が無下に踏む込むこともないだろう、対価も……確かに用意はされている。
「絆斗、お菓子を持ってきたの。一緒に食べましょ?」『……む。』
……ただ様子は少し見る必要ある、うん。そうだな……定期的に……娘も連れて。
「あー!絆斗君いたいた……コールさんはうちの絆斗君のことを随分気に入った様で?」「……」
「……交渉については提案を受け入れよう、ただし、常にではないが監視はさせて貰う」
「へぇ?まあ良いけど。じゃ、絆斗君?今日は帰ろっか?」『……』「あれ?ここ気にいちゃった?」
そういえば、この施設には脱走を防ぐために――。
"子どもが自然とここに留まりたくなる仕掛け"が施されているらしい。
けれど、正直なところ……それがどんな仕組みなのか、私には未だによく分からない。
何かオカルト的な作用なのか、それともどこかに目に見えない催眠装置でもあるのか。
私自身が子供だった頃には、そうした影響を感じた覚えは特になかった気がする。
それでも、いざ子どもを無理に連れ出そうとすると、驚くほど激しく抵抗されること……も?
「……しまった。この施設の仕組みを考慮していなかった。」「……お母様?」
クラウンには影響はない……いや、正確には、この“仕掛け”が作用するのは主にこの部屋だ。
人体への直接的な害はほとんどないはずだが、原則段階的に“刷り込み”しなければならない。
出なければ良くも悪くも子どもはこの部屋から自分の意志で出ることが難しくなる。
クラウンもここに長く居れば……
「……お母様、帰りたくない。ここ、安心する」「……はぁ、仕方ない。仕掛けを解除しよう」
正直どうやって施設が稼働していたのか理解してない、謎が多過ぎるんだ。
設計に関わった父と祖父は死んだ、だからそもそも止めようがない……が、ここには生憎――。
「絆斗君?はんとくーん?あれぇ?お菓子食べてるのに不機嫌だな……」
「研造、忘れていたがこの施設には止める仕掛けがあってこの子達はその仕掛けに掛かっている」
「あー成程?……じゃあ、それ止めないとねぇ……丸みを帯びた構造物、心音のような低周波」
「この施設が理解できるのか?」「いやぁ?……パステルカラーの壁にミルクの様な甘い匂い」
この施設をあても無くふらついた時、職員も子供も必ずここに辿り着く様に設計されている。
だから道が分からなくとも子供達が迷子になることはそう多くなかった。
ここに……帰るか、なぜ私はここに戻ってきた?クラウンと絆斗を探してはいない。
本来なら外の空気を吸いたくて……酸賀と話していた職員室を出ようとした。
外まで出口はそう遠くないしむしろ距離としてはこの部屋の方がかなり遠い……。
「この施設、どれだけ放置されていたの?」「3年程、関係者もここには立ち寄ってない筈だが」
「へぇ?俺が常に部屋が汚いからわかんないけど。誰も掃除してないのにこんなに綺麗なんだ」
「……なに?」「ほら、このお菓子だって……結構新しいよ?新作のチョコ味のポテチ」
……誰か立ち寄っている?誰が――?マスターキーは私が持っているもの以外全て壊した……。
施設の関係者……いや、良くも悪くも全て死んだ。解放した子供達?
この座標を特定するのは困難で……20にもなっていない子供がたどり着けるとは思えない。
「ん~1ヶ月前には人が来てたんじゃない?埃ひとつないところを見ると定期的に」
だめだ特定できん……誰だ?管理室に行って出入りの履歴を確かめるしかない。
「……絆斗君は"不機嫌"でここを動く気はないか。しょうがないちゃっと装置を止めようか」
「……ああ、うろ覚えだが……制御室があるそれで一時的に出られる様にはできる筈だ」
……懐かしい、ここは父と歩いていた場所だ。幼い頃はまだこの施設を理解できていなかった。
ただその時はいつもは中々会えない父と一緒に歩けるのが好きだった。
「……確か、この辺りの壁に……あった」「へぇ~隠し扉……」
それでここに連れられて……連れられて――何をしていたんだっけ。
――第十三旧育成所:――の部屋
「制御室……って言うよりは、個人用の子供部屋って感じだけど……でも端末から絆斗君がみえる」
ここは確か、管理人がここで子供たちを見張る部屋。悪い子を見つけると褒美がもらえた。
悪い子が出ない時ももらえた、悪い子が少ない時ももらえた。悪い子を沢山見つけた時も――。
「……この部屋は、この施設を管理する人間が滞在する部屋だ。今は……使われてない」
「へぇ~詳しいね……流石、元管理人……いや、元見守り係?」
……壁には子供の字で書かれた自分の役割、一番偉い子はここにきて皆を見守る。
その子と子供たちはもういない、だから……この場所も、もういらない。
「……災害時の避難通路を開けた、これで問題なく出られるはずだ」「催眠んみたいなのは?」
「ここではとめられはしないが……スプリンクラーを発動させればびっくりして出て行くだろう」
あの“安心できる空間”が、突然、闇に包まれ、天井からは容赦なく冷たい水が降り注ぐ。
驚き、怯えた子供たちは、一斉に部屋の外へと逃げ出していった。
誰かが戻ってくるたび、そのたびに私はスプリンクラーを作動させて、水を浴びせかけた。
この部屋がもう"安全な場所ではない"と、はっきりと教え込むために。
あの時の私には他に方法がなかった。
子供たちがここを冷たくて、怖い場所だと覚えてくれるようにと、そう仕向けるしかなかった。
「……濡れた子供達はもう外に出た、行こう。」「そう」
制御室から出て外に行くと……ずぶ濡れになった、子供達。
「お母様……お洋服が濡れちゃった」『酸賀、お菓子』「はいはい、機嫌が直ったね」
この施設を管理している存在がわかった、いや……思い出した。
この廊下も、壁の色も、部屋に漂う甘い香りも。そうだ、全部私が決めたんだ。
父はいつだって私に微笑んで尋ねていた。
"どんな色が好き?"……"どんな香りが落ち着く?"って。
その度に私は嬉しくなって、"パステルの壁が好き"……"甘いミルクの匂いがいい"と答えた。
……あの仕掛けは、誰かが悪意を持って作ったんじゃない。
私が父と交わした、小さなお願いや約束が積み重なって生まれたものだった。
この施設の管理者とは、子供たちを見守っていたのは――最初から、私自身だったんだ。
母親の居ない孤児達がいつでも安心して帰られる場所。
この施設そのものがあの子達に欠けた母として、ただそうなる様に、父が作っただけだった。
それが今では……ウマ娘を軍事利用する施設に成り下がった――それも、すでに終わった。
「……おや、お菓子が欲しいのかな」『ん』「グミしかないがこれを――」
食べさせてあげるとさっきとは変わって眉を顰めてしまった。
私の心に影響されて味が変わってしまったのだろうか。
「絆斗君、じゃあ明日からはあそこで――」『んー……酸賀、あれ嫌い』「あれ?そう?」
「……クラウン、君は?」「え?……水が降らないなら、また……」
絆斗は濡れて不機嫌というわけじゃない、むしろ濡れていた時の方が機嫌はいい様に見えた。
そう言えばこの子は……この施設にいてずっと顔を顰めていた。もしかして――。
「そっか、確かに悪趣味な場所だもんねぇ。行きたい場所に行けない。新しい場所に出られない」
―― SET ――
「じゃあいっそのこと、全部絆斗君の好きな様に作り替えちゃおっか!」
―― CHANGING ――
「えーっと?一応人前だから〜……そうだ。変身〗
―― FIRE ――
―― BEYOND BIO LOGY ――
―― BAKE ――
〖こらこら絆斗君、出来立て近づいたら火傷しちゃうよー?〗『さむい。』
「な、何だその姿は……」〖ああ?これ?絆斗君の眷属の力で変身する……何だっけ?〗
〖そう!仮面ライダーってやつ!、これがグラニュートに人間が立ち向かう手段の一つ〗
かめ……いや、そんな事聞いてる場合じゃない、その手段を何故今ここで――作り替える?
「まさか……ここを破壊――」〖そっちも別にここが好きなわけじゃない〗「……」
〖居たい場所じゃないのに居たいって感じてしまう、それが苦痛なら別に良いでしょ?〗
そう言って酸賀は迷いなく建物の中へ踏み込んだ。
その背中が見えなくなった直後、爆発音が鼓膜を震わせた。
強烈な振動が地面を揺るがし、壁が次々と砕けていく音が響く。
轟音の連続のなかに、あの不思議な空間が悲鳴をあげているようにも聞こえた。
かつて私と父と子供たちのすべてだったあの部屋は今、熱を帯びた怪物――。
いや、クッキーの仮面ライダーによって無残に焼き尽くされ、崩れていく。
それでも、不思議と心が穏やかになっていくのを感じた。
むしろ、この破壊が進むほど、懐かしくて記憶が鮮明に蘇ってくる。
忘れていた父の顔、柔らかな母の微笑み、かすかに響く友達の笑い声。
全てが燃えて壊れていくにつれ、それらははっきりとした輪郭を取り戻す。
私の胸を優しく包み込むようだった。あの部屋が消えてしまうことが、寂しくてたまらない。
でもその寂しさが私には必要だった。もう私はここに縛られない。今ならちゃんと思い出せる。
「お母様……何が起こってるの?」「……かつて私ができなかったことを彼がやってるだけだよ」
「……お母様、お部屋が壊れちゃう。」「そうだね、でもまた好きなように作ればいいんだ」
『ん、お菓子。』「……君は私のためにあれを壊させたのかな?それとも……」『お菓子。』
「美味しいお菓子を食べるために、私の心を晴らしたのかな?」
――本部:統括指令室
何やら、懐かしい夢を見ていた。気づけば机に突っ伏していたようだ。
疲労が溜まっていたか……だが、仕事は山積みだ。
デスクの上には新しいシステムの提案書がいくつも並んでいる。
どれも酸賀の賛同を前提とした内容ばかりだ。最終的には私が目を通して決裁しなければだが。
笠松レース場の被害額。金額だけを見れば頭が痛い、だが300人もの命が救われたのなら安い。
一通り目を通し終え、後はこの書類の束に確認の印を捺すだけだが。
今日に限っては人手がまるで足りない。
それに、そろそろ絆斗に休暇を与えなければとも考えている。だが、クラウンの様子次第だ。
討伐数でいえば、絆斗に続いて二番手。これなら一時的に現場を離れても問題はないはずだ。
とはいえ、クラウンは実力はあるものの……あの社交性のなさはどうしたものか。
組織の中でも浮きがちなのが、やはり気になる。
「まあ、絆斗が何とかするだろう……今度会った時にはどれだけ背丈が伸びているんだろうか」
【仮面ライダーベイク(酸賀研造):ブレイクッキーフォーム】
過去の仮面ライダーおよびグラニュートとの戦闘データを統合し、かつて開発された“旧ヴァレンシステム”の後継機として誕生した。
ベイクシステムと呼ばれる新型構造により、ヴァレンシステムを大きく上回る戦闘能力を発揮するが、その代償として変身時の負荷は極めて高い。
特に人体に対する適応性が著しく低く、通常の人間が変身を行えば、肉体が急激に水分を失い、やがて“干からびたミイラ”のような状態へと変異してしまうという、深刻な副作用を伴う。
このため、ベイクシステムは現在では使用不適格と判断され、公式には廃棄された機密技術として封印されている。
だが実際には、ヴァレンシステムでは対応不可能な一部の特異グラニュートとの戦闘において、例外的かつ限定的に運用されている。
現在、この危険なフォームを運用できる人物は極めて限られており、その中でも特異な例が酸賀研造である。
彼自身の記録によれば、「酸賀絆斗のゴチゾウであれば、幾分か負荷は抑えられる」と語っており、絆斗のゴチゾウがシステムの負担軽減に寄与している可能性が示唆されている。
そのため、ベイクシステムに関する研究と運用は現在も組織内の一部部門において秘密裏に継続されており、酸賀研造を通じて“生存可能な使用例”を模索している段階である。
――スペック
身長:195.3cm
体重:84.2kg
パンチ力:2.5t
キック力:6.4t
ジャンプ力:7.1m(一跳び)
走力:6.6秒(100m)
1話~12話:仮面ライダーヴァレン(酸賀絆斗)人気投票
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基本的な形態チョコドンフォーム
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粒子を振りまく災害ブシュエルフォーム
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ポテチの剣豪ザクザクチップスフォーム
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自由の象徴マジックザストーン フォーム
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重装甲近接特化ロルアックスフォーム