オグリの幼馴染が記憶を無くしてチョコレートの怪物になって化け物と戦ってた話   作:かな餅

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【ゴチゾウ図鑑:チョコルド】


 黒いビターチョコを食べたときにたまに生まれる、チョコ系ゴチゾウの異端児。


 体は深い黒褐色で、紫の瞳は鋭く、どこか人を試すような目つきをしている。


 性格はちょっと意地悪。


 わざと道をふさいだり、隠しておいた物を別の場所に置き直したりして仲間を困らせる。


 でも本当に危険が迫ると、必ず最初に前に出て仲間を守るため、その真意はよくわからない。


 苦味のある香りをまとっており、周囲のゴチゾウたちも近づきにくい。


 それでも不思議と嫌われてはいない。ただ正確に癖があるだけなのとちょっと酸賀に似てるだけ。


欠けた者たちへ

――7月17日

――笠松

 

 

 

 

 

 

「えぇ?!また――」「ごめん、幸果……さん。絆斗が危ないんだ」「……お前が行くのか?」

 

 

 

 

 

 

 

 ……絆斗は確かに強いし僕なんかよりずっと戦える、でも狙いが僕で絆斗が目障りなら。

 

 

 

 

 

 

 

 

 一緒2人で集まって立ち向かう方が相手にとっては厄介なはずだ、それに絆斗はそうそう……。

 

 

 

 

 

 

 

〔らいらい!EAT RIDE!EAT RIDE!〕「いや……僕免許持ってないから――おおっ……」

 

 

 

 

 

 

 プロペラ飛行機……いやどの道免許持ってないけど、確かにこれなら早くつける。

 

 

 

 

 

「おいおい……あいつのゴチゾウめちゃく――お前運転できんの?」「何とかなる、前もそうだった」

 

 

 

 

 

 

 

〔らいらい!〕「1人用と1匹用、辛木田」「……はぁ、なんだ?」「この場所をお願い」

 

 

 

 

 

 

 

「……分かった、きいつけろよ?」「……それじゃ、行こう」〔らいらいらいら〜い!〕

 

 

 

 

 

 

――東京

 

 

 

 

 

 

 スペックは酸賀のベイクシステムより一回り向上、ただそれだけなら白狼でもくらいつける。

 

 

 

 

 

 

 

――サクッサクッ

 

 

 

 

 

 

 

 特に厄介なのは……あのベイクマグナムから発射される謎の擬音だ。

 

 

 

 

 

 

 

 精度の高い追尾性能に当たれば爆撃を喰らう。あれが無尽蔵に発射されると不味いな。

 

 

 

 

 

 

 

 ――CHOCO――

 

 

 

 

 

 あ?……何だ結局君も戦うんだ『変身〗

 

 

 

 

 

 

―― CHOCO LD PAKI PAKI ――

 

 

 

 

 

 

〖絆斗……こいつはやばいッ〗〖見ててわかる、擬音は俺が撃ち落とすから何とかそいつを――〗

 

 

 

 

 

 ――サクッサクッサクッサクッサクッ

 

 

 

 

 

 

 

 ……多過ぎだ、全部打ち落とせるか?、3発はこっちに向かってきているから良いとして。

 

 

 

 

 

 

 

 残り2発は白狼……ジェレスよりは遅いが、変則的な機動で照準が定まりにくい。

 

 

 

 

 

 

 ―― CRUNCH SECOND WEAPON GATU GATU ――

 

 

 

 

 

 

へぇ?あの速度で動く物体を撃ち落とせる反射神経〖よそ見しやがって……〗《きゃぷちゃー》

 

 

 

 

 

 

それと黒ガヴのシステムに匹敵するほどの新型のヴラムシステム。これは凄いなぁ……

 

 

 

 

 

 

 

 拳が当たっている。白狼の膝、肘、拳、どれも研造の顔や胴を的確に捉えていた。

 

 

 

 

 

 

 

 鈍い衝撃音は確かに鳴っているのに……奴は崩れない。

 

 

 

 

 

 

 

 殴られた勢いのまま少し仰け反っても、まるで糸で吊られているかのように体勢を戻し、

 

 

 

 

 

 

 

 ただ淡々と、目の前の白狼へ銃口を向けてくる。

 

 

 

 

 

 

 

 ゾンビのような立ち尽くし方――単純に防御力に優れた形態……いや、違うだろうな。

 

 

 

 

 

 

 

 効いてはいるし効果はある、本人がそれを気にしていない。それだけだ……。

 

 

 

 

 

 

 撃ち返す動作すらぎこちないのに、銃口の軌道だけは正確。

 

 

 

 

 

 

  

 白狼が叩き込んだ拳の隙間を縫うように、機械仕掛けの精度で銃弾を返してくる。

 

 

 

 

 

 

 

〖白狼、まずはその銃をはたき落とせ。肉弾戦だけならお前にも分がある――数が多い……〗

 

 

 

 

 

 

〖分かってっけど……こいつ、不死身ではないんだよな……?〗〖不死身でも骨は折れる〗

 

 

 

 

 

 

――サクッサクッサクサクッ

 

 

 

 

 

 

ま、充分にデータは取れたかなぁ……さて、絆斗君に質問なだけどさぁ?人間になってみたい?

 

 

 

 

 

 

 何を言ってるんだこいつは、こんな状況でイカれてる――。

 

 

 

 

 

 

 

 

いやね?君みたいなグラニュートを完全な人間にする方法を最近確立したんだよ、それで

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――翔馬と同じ人間になって絆斗君も最強生物になろうよ――

 

 

 

 

 

 

 

〖……酸賀は確かにイカれているが、お前のように非合理な選択はしない。くだらない提案だ〗

 

 

 

 

 

 

 

 

そう……でも良い提案だと思うなぁ?あの志が低い男(酸賀)の側じゃ強くなれないよ?〖その口を――〗

 

 

 

 

 

 

 

 

それに君の酸賀研造はもう居ないよ。俺が殺したんだから〖……〗〖……まじかよ。〗

 

 

 

 

 

 

 

 

古いシステムを使ってるだけで別に何の面白味も無かったよ、ほんと……ただの弱い――

 

 

 

 

 

 

 

 

―― CHOCO ――

 

 

 

 

 

 

〖絆斗?何も言わずに突然――〗……酸賀に何をした?

 

 

 

 

 

 

 

もう……いきなり酷いなぁ……そんなに強いならもっと早く言ってくれれば良いのに

 

 

 

 

 

 

 

 

 酸賀が、死んだ。その言葉が耳に落ちた瞬間から、思考が固まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 何をどう返すべきかも浮かばない。ただ胸の奥に、鉛を流し込まれたような重さが沈んでいく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ……嘘かもしれない。挑発かもしれない。

 

 

 

 

 

 

 けれど、その一言を口にした時点で、もう許す理由はどこにもない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 怒鳴り声を上げたいわけじゃない、ただこいつだけは潰す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 怒りは音にせずとも、全身に滲んでいる。

 

 

 

 

 

 

 

良いねぇスペック差を物ともしない戦闘技術……それが本来の――〖黙れ〗何?

 

 

 

 

 

 

 

怒ってるの?聞いてた話らしくないじゃない?心の奥底は優しいって……でも今は――

 

 

 

 

 

 

 

 

―― CHOCO ――

 

 

 

 

 

―― CHOCO ――

 

 

 

 

 

 

―― CHOCO ――

 

 

 

 

 

 

〖絆斗……もうやめろ。〗〖……何を言ってる〗〖気絶してる、これ以上攻撃して何になるんだよ……だから〗

 

 

 

 

 

 

 

〖だったら尚更ここで始末する、生かしておく必要も――〖じゃあ俺は必要だから生かしたのか?〗

 

 

 

 

 

……冷静に考えろ、こいつはバウエルとの違いなんてない。生かして捕らえる?いいや、危険だ〗

 

 

 

 

〖……じゃあ、これからもそうすんのか?ただ殺すのか?だから変身すんのか?〗

 

 

 

 

 

 

 

――絆斗君、これから本格的に任務にでてグラニュートを倒して人を守ることになるけど――

 

 

 

 

 

 

――それは、今やるべきこと、できることであってしなくちゃいけない事じゃない――

 

 

 

 

 

 

――絆斗君が何かしたいと思った時の足枷にはしちゃいけないよ、どうしたいかはその時……――

 

 

 

 

 

 

 

〖俺は守りたいから変身する……でも今はこいつを心の底から殺したい。だから止めるな〗

 

 

 

 

 

 

――レイザー、もし友達が出来て兄ちゃんみたいに悪いことをしようとすることがあったら――

 

 

 

 

 

――その友達はお前が止めてやるんだ、引き返せなくなる前に例え嫌われても――

 

 

 

 

 

 

――二度と引き返せなくなる過ちを犯す間にお前は連れ戻してやるんだ――

 

 

 

 

 

 

〖……今ここでこいつを殺したら、お前は後戻りできなくなる〗〖俺はそれでいい、それが俺だ〗

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〖……そうか〗〖だからその手をどけろ、俺達は正義の味方じゃないんだ綺麗ごとは――〗ッ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 突然何かに視界が何か覆われたと思えば視界が裏返る。地面が空に、空が地面に。

 

 

  

 

 

 

 

 肺から空気が押し出される音だけが耳の内側で大きく跳ねた――投げ飛ばされた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 抵抗する暇もなく、腕を掴まれ、体ごと持ち上げられた感覚がまだ残っている。

 

 

 

 

 

 

 

 地面が背中を受け止める衝撃で、胸骨まで震えた。息を飲み込んで頭をあげる。

 

 

 

 

 

 

 

 あいつの姿はない、いや……上空。空からの追撃――殺す殺意を感じる勢いだ。

 

 

 

 

 

 

 

〖……副作用の凶暴化か、人に酷似した存在への情か。ベルトを託したのは間違いだったか。〗

 

 

 

 

 

 

 

〖……その黒チョコ、幸果からちょっとだけ聞いた。負担がすげえんだってな〗〖だからなんだ〗

 

 

 

 

 

 

 

〖特に自制が効かなくなるってな〗言いたいことはそれだけか?”レイザー”

 

 

 

 

 

 

 

 奴のスペックは二回りほど上と言ったところか。だがスペックだけで勝敗は決まらない。

 

 

 

 

 

 

 

 こいつには元々反射神経も力も備わっているがそれを生かせる技術はまだない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 力任せの攻撃、振りが早くても空ぶればただの大振り、経験不足が目に余る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 この手の奴はいくらでも相手してきた、何度も、何体も何百体と。

 

 

 

 

 

 

 

 

 問題はどう倒すかだ、避けられるとは言え限度がある。ここはいつも通り――まて。

 

 

 

 

 

 

 

 

 俺は……何を相手にしてる?いや、グラニュートを相手にしてるんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 グラニュート?いや、違う。こいつは――敵だ、俺の邪魔をした1人の敵だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 違うだろ。俺は酸賀を……酸賀を――殺す?……酸賀は――もう死んでる、関係ない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 違うその酸賀じゃない、俺は――殺せ――違う――やれ――守るんだ――酸賀もこいつも。

 

 

 

 

 

 

 

〖絆斗ッ!!!こっち見ろ――本当に殺したいのか?!それがお前のやりたいことか?!〗〖俺は――〗

 

 

 

 

 

 

 

 

〖俺だってあいつを殺したい。殺した方がきっと良い。でも……そのための力じゃないんだろ?〗

 

 

 

 

 

 

 

 

……止めちゃダメだよぉ~……せっかく、本当に絆斗君が出てこれるのに君はさぁ。

 

 

 

 

 

 

 

 

〖起きやがった……絆斗……おい、絆斗ッ!〗〖俺は……おれ、は――〗

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〖頼むッ!目を覚ませ……お前は――〗さっ、絆斗君……大人しく俺と一緒に行こう?

 

 

 

 

 

 

 

 

―― BURNING FULL EXPLOSION ――

 

 

 

 

 

 

 

 

さぁッ?!絆斗君ってぇッ――〖俺は……まもる、ために――〗

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――何でも屋:【助っ人酸賀さん!】

 

 

 

 

 

 

 

『……』「……起きたか?」『……何があった?』「まあ、色々――」「絆斗」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『……4日ぶりか?』「案外早い再開……って話してる雰囲気でもないけど、身体の方は?」

 

 

 

 

 

 

 

 

『……なんでここに居る?』「ほんとは来る気も会う気も一生なかったけど……まあ」

 

 

 

 

 

 

 

「お前が危ないってわかったらいてもたってもいられなかったからさ、笠松は辛木田が――」

 

 

 

 

 

 

 

 

 笠松から飛び去って大体……一時間半くらい?慣れないながらも飛んでたらなんか……いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 クッキーのライダーとニエルブのヴラムと黒チョコのヴァレンを見つけられたまでは良かった。

 

 

 

 

 

 

 

 ただ着陸の仕方が分からず、そのまま突っ込んじゃって……手前に居た一人を轢いて。

 

 

 

 

 

 

 

 ついでに絆斗と白狼も轢いちゃって大惨事に……でも案外それで助かった、らしい?

 

 

 

 

 

 

 

「……翔馬って言うんだよな?」「え?ああ、そうだよ。てか、初めまして?いやその前に轢いてごめん

 

 

 

 

 

 

 

「狙ったわけじゃねえんだな、まあいいけどよ。そうだ、絆斗……酸賀――『……酸賀がどうした?』

 

 

 

 

 

 

 

 

「まず、酸賀は生きてる……でも。容体は……良くない。」『どこにいる、酸賀は……どこに。』

 

 

 

 

 

 

 

 

「あそこの部屋……だけどあんま見ない方が――って聞いてないな?まあ仕方ないか……」

 

 

 

 

 

 

 

 とりあえず正直状況はあんまり把握できてない。なんか、襲われてたのは確かだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 問題は敵は誰なのかってところだ、バウエルにしろ第三勢力にしても情報は欲しい。

 

 

 

 

 

 

 

「話に聞いてたけどよ、見た目は容姿だけでその他は別人なんだな」「まあね、クローンだし」

 

 

 

 

 

 

 

 絆斗の様子が気になるな、あの状態の酸賀を見てショックを受けてる頃だろうし様子を――。

 

 

 

 

 

 

 

「……絆斗、ちょっと話をしたい。」「葦毛のウマ娘……オグリ?」「絆斗……私は」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ああ~待った、オグリ……ええと?オグ。僕は絆斗じゃない方だから……てか、久しぶり?」

 

 

 

 

 

 

 

 

「絆斗じゃない方……もしかして翔馬?」「そうそう……名前覚えてたんだ?」

 

 

 

 

 

 

 

――お前と過ごした記憶を持ってる高橋翔馬は生きてる、人間としてこの世界に存在する―ー

 

 

 

 

 

 

 

 

……本当に、翔馬なのか?……私と幼い頃遊んだ翔馬なのか?」「将来の夢はどて煮だったっけ?」

 

 

 

 

 

 

 

「……」「オグ……まあ、そうなんだけど。案外普通だ。」「え?」

 

 

 

 

 

 

 

 

「いや、絆斗に幼馴染だって、言われてたからさ。もっと感傷深い再開かと思ったけどそんなに――

 

 

 

 

 

 

 

「……今まで、何をしていたんだ?」「え?」「なんで、会いに来てくれなかったんだ?私は……ずっと」

 

 

 

 

 

 

 ……無事を知りたかったとか、そんな感じかな?まあそれは悪いと思ってるけど。

 

 

 

 

 

 

 

「会えなかったというか……”会う理由”もなかったというか。深い関係でもなかったし……」

 

 

 

 

 

 

 

 

「……理由?」「うん。別に……理由がなかったら会わないでしょ?」

 

 

 

 

 

 

 

「……毎日、会いに来てくれてたのは?」「耳とほっぺもちもちするためだけにだったかな?」

 

 

 

 

 

 

 

「足を……揉みに来てくれたのは?」「ええ?……覚えてないけど、暇だったから?」

 

 

 

 

 

 

 

 

「……私のことは、どう思っていたんだ?」「そりゃあ……大切な友達の中の1人だけど」

 

 

 

 

 

 

 

「僕にとってはそれ以上でもそれ以下でもない、家族じゃあるまいしね。」「そう、か……うん」

 

 

 

 

 

 

 でもオグリの母ちゃんには結構懐いてたっけ?前の事過ぎてあんまり覚えてないけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

 てか、なんで絆斗はオグリを僕にとって特別な存在みたいに言ってたんだろ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 別に思い出にはいるし、大切な友達ではあるけど。一緒に生きるにしても……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 現にオグリは生きてるし、オグリと一緒に居る理由もない……いや?

 

 

 

 

 

 

 

 

 僕の為って寄りはオグリの為?だとしてもなんで僕――いや、オグリって友達少なかったな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 僕は友達が沢山いて一々家族以外に特別視はしてないけど、オグリは確かに……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 寂しがりやで、足も悪いから禄に外でも遊べなかっただろうし。

 

 

 

 

 

 

 

 

 僕くらいしか会いに行く子供はいなかったし……唯一の友達って立場だったんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 だとしても……今更ここであって、話して……それで?って感じはぬぐえないけど。

 

 

 

 

 

 

 

「……多分さ。”唯一の幼馴染”って肩書がオグリにはあると思う」「……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「でも、家族が死んで、人生が変わって他人に向ける感性が育つ暇なんて僕には一切なかった」

 

 

 

 

 

 

 

 

 オグリと僕の温度差にはきっと、オグリが僕に抱いてる僕じゃいけない理由(幼馴染)が僕には欠けてる。

 

 

 

 

 

 

 

「正直、久しぶりってより。初めましてって方がオグリに向ける言葉として会ってる気がする」

 

 

 

 

 

 

 

 

 根本的な話、オグリが話して絆斗が聞かされたあの子(高橋翔馬)はとっくの昔に死んでいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 心を引き裂かれて、身体から引き離されて、僕に残ったものは頭の中(記憶)だけ。

 

 

 

 

 

 

 

 その記憶を中に欠かせない人(家族)たちが欠けた僕には、オグリを大切な存在にする余裕なかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 うん、そんな余裕一切なかった。だって、なんで家族が死んだのかって迷い続けてたから。

 

 

 

 

 

 

 

 

「絆斗に会いたいなら、向こうにいるけど。多分、話せる雰囲気じゃない――ってきいてないな」

 

 

 

 

 

 

 

 

「……お前、ああ言ってよかったのか?仮にも――」「幼馴染って。固有名詞より大事?」

 

 

 

 

 

 

 

――酸賀の寝室

 

 

 

 

 

 

 

『……ここには来るなって言っただろ』「……ごめん、話したいことがあって。どうしても」

 

 

 

 

 

 

 

 オグリの足が止まった位置からは酸賀の姿は見えない、見なくていい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 正直、今はオグリを気に掛ける余裕がない。他のことを考えたくない。

 

 

 

 

 

 

 

 

『正直、お前と話せる余裕が今の俺にはない』「私も、そんな気持ちだ。立って歩くのも辛い」

 

 

 

 

 

 

 

 

「でも話さないとって――思ったから、ううん。今話せなかったらきっとずっと話せないから」

 

 

 

 

 

 

 

 

『そうか』「まず翔馬に会えた。君は……願いを叶えてくれた。幼馴染にまた会いたいって願いを

 

 

 

 

 

 

 

「それで話したんだ――うん、久しぶりに。でも……なんて言えばいいんだろう。分からない」

 

 

 

 

 

 

 

 

『……』「好きな人に会えたのに、確かにそこにいるのに。その人は私と同じ気持ちをもってない」

 

 

 

 

 

 

 

 

「それどころか、私の知ってるあの子と……余りにも違い過ぎた。あの子は……いいや、私は。」

 

 

 

 

 

 

 

 

――あの子にとって幼馴染(特別な人)じゃない、ただのウマ娘(大切な友人の1人)だった――

 

 

 

 

 

 

 

 

「……それでも、私は翔馬が大好きなんだと思う。耳は触られなかったし触れてくれなった」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『そうか』「でも、私と過ごした記憶を持ってる。それで……もう1人大好きな人がいるんだ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「その人は……幼馴染でも、私の友達でも知り合いですらなかった」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――だけど、確かにあの日、私に欠けた欠けていた何かを埋めてくれた――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――記憶はないけれど、まるで昔から傍にいてくれたように心を穏やかにしてくれた――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あの子(幼馴染)はもういない、それは分かってる……それなのに私は業突く張りだろうか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「俺は――」私は……その、なんて言えば。幼馴染だからとかあの子似てるとかじゃなくて――」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「君が好きだ。翔馬も好きだけど。違うんだ……あの子(幼馴染)とかじゃなく。君じゃないといけない理由がある」

 

 

 

 

 

 

 

 

『……オグリ』「うん、なに?」『明日、翔馬と俺がいれば幸せか?』

 

 

 

 

 

 

 

「明日だけじゃなくて、毎日会いたいな。もちろん……お菓子も沢山食べたいぞ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 オグリは部屋を出て行った、きっとしばらくここに立ち寄ることはない。いや……。

 

 

 

 

 

 

 

 俺が立ち寄れるようにしないと、来ることはない……そうだな、俺も会いたいよ。

 

 

 

 

 

 

 

 でも俺は……酸賀が明日居なくなるなら。きっと俺もいない。

 

 

 

 

 

 

 

 目の前に倒れてる身体が干からびた男は、俺の父親だ。家族だ。

 

 

 

 

 

 

 

 その男がいま、死にかけてる。何もしてやれない。強くなること以外――何も。

 

 

 

 

 

 

 

「……差し入れ、持ってきたぞ。ほらチョコフラッペ。辛木田も落ち込んだ時貰ったって」

 

 

 

 

 

 

 

『……普通暖かいもんだろ』「そう?生憎教えてくれる親はいなかったから。でも次はそうする」

 

 

 

 

 

 

 

 

『そうしろ、でも今はいらん。それどころじゃないんだ』「だろうね、お前の気持ちわかるよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

『お前にそれを言われると俺は何も返せない』「辛さでも比べてんの?辛いものは辛いじゃん」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それでさ。未だに自分が僕の人生を奪ったって思ってる?」『……まあな』

 

 

 

 

 

 

 

 

「……はっきり言う、お前は何にも悪くない。ただ生まれただけ。むしろ生まれて良かった」

 

 

 

 

 

 

 

 

 ……急に何言ってんだこいつ。

 

 

 

 

 

 

 

 

「……ほら、僕さ。ずっと兄弟が欲しかった。気持ちを分かち合える存在、的な?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 ……クローンとオリジナルの脳みそが入れ替わってるだけの俺達が、兄弟?

 

 

 

 

 

 

 

 

「……とにかく、その――お前の事、僕は好きだよ」『……は?』

 

 

 

 

 

 

 

 

「ずっと一人だと思ってた。もう家族はいないって。でも……ちゃんとここに居る。」

 

 

 

 

 

 

 

『……俺の正体。分かってんだろ?』「うん、絆斗は母さんが認めた家族。」

 

 

 

 

 

 

 

 

――大事な家族だから……この子も、あの子もッ!私の子なんだから……!――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「だから、これからは僕がお前を守る。お前の大切(酸賀)な存在もひっくるめて守る。だから――」

 

 

 

 

 

 

 

 ――過去に何があったのかはもう関係ない、僕達は母さんの子として生きていい――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『……だる、本当に………………お前は――馬鹿だな。』

 

 

 

 

 

 

 

 

 ストローを差し込んだ瞬間、ざらりとした氷の粒が音を立てる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 口に運ぶと、冷たさが舌を痺れさせ、奥歯に染みる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 溶けた甘さが喉を流れていくたびに、妙に心が軽くなる気がした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 だが、それが“甘い”からなのか、“こいつが差し出したから”なのか……判断がつかない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 頭は疲れているはずなのに、身体は少しずつ冷気に馴染んでいく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 苦い記憶を思い出させるものじゃない。ただ純粋に甘くて、冷たくて――。

 

 

 

 

 

 

 

 

 だから、腹が立つ。何でもない顔してこんなもん差し出して。俺の重さなんて気にもせずに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ……いや、違う。きっと気にしてる。気にした上で、くだらねぇもんを押しつけて、

 

 

 

 

 

 

 

 

 何が家族だ、分かってるだろ。俺にとって酸賀が全てだって。俺は酸賀次第で――。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 怪物にも人間にも……仮面ライダーもグラニュートハンターにも、何にだってなる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 何があっても俺は、酸賀と同じだけ生きて同じだけ苦しんで死にたい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

うらぁッ!!!狭かったでぇ!〔わーい!〕『……兄弟って響きは悪くない』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「こいつは……チョコフラッペ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

〔〔はいどーも!〕〕

 

 

 

 

 

 

 

フラッペ一郎!〔フラッペ二郎!〕

 

 

 

 

 

 

 

〔〔僕ら(わしら)フラッペいず!!〕〕

 

 

 

 

 

 

 

「漫才師か……?てか、こいつら2体で一つなんだ?」『……翔馬の面倒見てやってくれ』

 

 

 

 

 

 

 

まかせとき!〔はい!〕「……僕?」『ゴチゾウの言葉なんてわかんねえだろ』

 

 

 

 

 

 

 

 

 あの黒ガヴは恐らく死んではないだろう、気絶はしたがあまりにも奴はしぶとい。

 

 

 

 

 

 

 恐らく身体を作る過程で限りなくグラニュートに近いように作られたんだろう。

 

 

 

 

 

 

 その分大雑把な動きしか出来ていないようだった、神経が死んでいる?

 

 

 

 

 

 

 

 どの道、詳しい話は酸賀か、ニエルブを引きずり出して聞くしかない。

 

 

 

 

 

 

 

 ただ、俺はしばらく休みたい。酸賀が寝ている間だけは。

 

 

 

 

 

 

 




【仮面ライダーヴァレン(酸賀絆斗):チョコルドフォーム】

酸賀絆斗が“チョコルド”を用いて変身することで発現する、特殊な黒ずんだヴァレンの強化形態。


このフォームの最大の特徴は、スペックを瞬時に最大限まで引き上げる限界強化型。


基礎性能はチョコドンフォームを大きく凌駕し、最大で約3倍にまで戦闘力を押し上げる。


短時間であれば、他のどのフォームをも圧倒する力を発揮できる。


しかし、活性化しすぎたグラニュート由来の器官が心臓に莫大な負荷を与えてしまう。


変身解除後には五感機能が著しく低下する。視覚や聴覚にまで影響が出る。


そのため戦闘後の行動に深刻な制限をもたらすことから、普段使いは厳禁とされる。


さらに、このフォームは誰でも扱えるわけではない。


チョコルドゴチゾウ自身が使用者を選ぶため、選ばれた者しか変身できないという制限が存在。


使用後の代償や制御の難しさから、まさに諸刃の剣とも評される。


――スペック
身長:185.4cm
体重:74.5kg
パンチ力:2.1t
キック力:3.15t
ジャンプ力:8.0m(一跳び)
走力 5.5秒(100m)

13話~27話:仮面ライダーヴァレン(酸賀絆斗)人気投票+α(他キャラフォーム)

  • 超反応クランチガルムフォーム
  • 超大幹ロシュアガルドフォーム
  • モフモフボディドーマルフォーム
  • ビターなギフデットチョコルド
  • 気怠いどっぷりんフォーム
  • 新兵器プライマルクッキーフォーム
  • 思い出の味ダートグミフォーム
  • 漲る怪力ストロングカスタム
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