オグリの幼馴染が記憶を無くしてチョコレートの怪物になって化け物と戦ってた話   作:かな餅

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【ゴチゾウ図鑑:シュワラムゴチゾウ】


 駄菓子のしゅわしゅわラムネから生まれた、元気すぎるゴチゾウ。


 身体は半透明で、中では泡のようなものが常に小さくはじけている。


 走るたびに“パチパチッ”と音がして、触れるとほんのり冷たい。


 話す声もどこか弾むようで、聞いていると気分が明るくなる。


 落ち込んでいる仲間を見つけると、全力で笑わせようとする。


 テンションが高すぎて逆に疲れることもしばしば。


 手品が得意なようで爆ぜた瞬間に姿を消し、別の場所でまた“しゅわっ”と現れる。


 ただし、暑い日や火のそばでは長くいられない。


 “しゅわしゅわ”が抜けると、とたんに静かになってしまう。


 ラムネの粉が多いほど、より元気な個体になるという噂もある。


ALTERNATE&CROSS BEND:UNIVERSE
もう1つの手綱


――■■■な世界

 

 

 

 

 

「え~と?次の取材先はオグ――」待てまてまてッ――ブッ――』いッ?!

 

 

 

 

 

 

 いてぇ……またなんかぶつかったな……てかここ何処だ?見たところ……戻ってきたのか?

 

 

 

 

 

 

 

 東京っぽいな……いや、なんか屋台多いな?どこの広場だここ――飛行船?

 

 

 

 

 

 

 

 実際に飛んでるのは初めて――なんか多くね?祭りでもやってんのか……。

 

 

 

 

 

 

 

 だとしても直近でこんな祭りがあるなんて自治会から聞いて――いや、待て別世界だ。

 

 

 

 

 

 

 

「ぃったぁ~……あのぉ。だいじょうぶですかぁ……」『あぁ?お前こそ……ん?翔馬?』

 

 

 

 

 

 

 

「えっ?!俺のこと知ってんの?!いやぁ……嬉しいなぁ!最近デビューしたばっかで――」

 

 

 

 

 

 

 ……翔馬ではあるが俺の知ってる”翔馬”じゃない、何より俺の顔見ても何の反応もない奴だ。

 

 

 

 

 

 

 いや逆になんで反応しないんだ?全く同じ顔した奴が目の前にいんだぞ、能天気なのか?

 

 

 

 

 

 

ところで……お兄さん、さっき”ストマック社”のビルから出てきたってことは――」『待てこら』

 

 

 

 

 

 ストマック社?ストマック社って言ったのか?――はっ?どうなってんだこの世界は。

 

 

 

 

 

 

 

 俺の身なりは別に会社員じゃ――じゃ……スーツ着て、社員証もって……皮のカバン。

 

 

 

 

 

 

 服装が変わってる、なんでだ?まさか別人にでもなったってのか?いや顔は変わってない。

 

 

 

 

 

 

 となればこの世界じゃそういう”役割”って形で俺は存在している?

 

 

 

 

 

 

 ますます分からなくなってきたが一番まずいのは……浮きすぎることだ。

 

 

 

 

 

『いや……何でもない。それでなんだ?』「えっ?いや、今日取材の約束してるんで……」

 

 

 

 

 

 

『あぁ~取材な?分かったわかったついて来い……ああ予定じゃ俺が出迎えだ「……お願いします?」

 

 

 

 

 

――ストマック社:社長室

 

 

 

 

 

 

 

 この世界の俺はどうやらやることなすこととメモに残すタイプのようで何とかはなりそうだ。

 

 

 

 

 

 

 

 問題は……俺は中身はまだ18で、社会のマナーとか知らねえんだよな。どうすっかな。

 

 

 

 

 

 

 

 敬語なんて殉職した隊員の家族とイギリスの嬢王にしか使ったことないがまあ行けるか?

 

 

 

 

 

 

『あ~……社長室ここだ、じゃあな』「いや、待って待って待って?

 

 

 

 

 

 

『いやなんだよ……』「俺社長と話すって聞いてないんですけど?」『そうか、頑張れ』

 

 

 

 

 

 

「え?なんかこう言うのって客室とかそこらへんで……」『チッ……だる。』「ガラ悪……」

 

 

 

 

 メモには社長室まで連れてくって書いてあったんだけどな……開けてやらなきゃダメか?

 

 

 

 

 

「入って良いぞ」『……失礼します、社長。方をお連れてしました』「失礼します……」

 

 

 

 

 

 

「2人とも座って良いぞ、今日はよく来てくれた。”高橋翔馬”」「ああ、どうも初めまして……」

 

 

 

 

 

 

 

 ストマック社社長のランゴ・ストマック、俺の世界にいた奴と同じ名前で……恐らくだが。

 

 

 

 

 

 

 こいつグラニュートだな、立ち振る舞い言葉遣いは威圧感のある人間だが。

 

 

 

 

 

 

 

 姿勢に隙が無い、流石は闇菓子の原点の社長であり……ニエルブの兄貴――どうするか。

 

 

 

 

 

 

 今は素手で戦いようがないのは確かだ、なら下手に動かない方が得策――だが。

 

 

 

 

 

 

 

 ■■■■が言うには確か役割があるらしい、もしかしたらこいつを倒すことかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

 どの道出方を見る必要はあるがな……ガヴ器官はついたままなのは見なくても分かる。

 

 

 

 

 

 

 ならヴァレンバスターも何処かにあってもおかしくはな――。

 

 

 

 

 

 

「――でなんだがどう思う?」『?……ええ、全くいいと思います』「だろう?……よし。」

 

 

 

 

 

 

 

「ではこのまま計画は進めよう」「はい!じゃあ俺は……このあと取材があるんでこれで」

 

 

 

 

 

 

 

 

『では見送りを――』「いや、残って良い。話があってな?」『……承知しました』

 

 

 

 

 

 

 

 大分頭が冷えてきたが……元の世界は今どうなってる?まだ数十分しか経ってないはず……。

 

 

 

 

 

 

 

 いつ帰れるんだ俺は?正直いくつも世界を渡ってる暇なんてないんだが……まさか。

 

 

 

 

 

 

 何十年もこの世界にいる可能性だってあるのか……冗談じゃない、社会人ごっこを――。

 

 

 

 

 

 

「――と言うことなんだが」『?……はい、全然良いと思います』「そうか、じゃあ行くか。」

 

 

 

 

 

 

――ストマック社:会議室

 

 

 

 

 

「――と言うのが今後の戦略だ、何か意見は?」『……』「ううん、それで良いと思うよ」

 

 

 

 

 

 

「最近は人間の趣向が掴めてきたからね?あとは趣旨の両立が問題かな」「それは最終課題だ」

 

 

 

 

 

「いやいや……最初に定めて方が今後に大きな影響がでる、所でOJT君」『……あっ、はい。』

 

 

 

 

 

 

「今後の戦略において、君はポテトチップスとグミどっちが要になると思う?」

 

 

 

 

 

 

『……何をもってその二択なんですか?』「おっと……これは失礼」

 

 

 

 

 

 

「我が社では顎が強い人に向けたお菓子を並行して作っていてね、それで候補が2つ」

 

 

 

 

 

 

 1つは弾力性を重視したグミ、もう1つは釜揚げ製法のポテトチップス。

 

 

 

 

 

 前者は噛みごたえを楽しみたい層向け、後者は香ばしさと食感を求める一般層に受けそうだ。

 

 

 

 

 

 

 単純に新商品企画の比較検討、ただ恐らく本質はグラニュート向き商品を作ること。

 

 

 

 

 

 それにしても異世界どうこう以前に、こうして普通に会議してるのが不思議な気分だな。

 

 

 

 

 

 

 ランゴとグロッタの間に居ることで感じるこの重圧も早いところ慣れたい。

 

 

 

 

 

 

『コンセプトがあくまで顎が強い人向け(グラニュート)の物ならアイスとかでも良さそうですけど』「へぇ?」

 

 

 

 

 

 硬いアイスといえば、俺の世界では小豆棒が有名だ。

 

 

 

 

 

 世界一硬いアイスなんて言われてるくらいだな。あれは乳製品や添加物をほとんど使わない。

 

 

 

 

 

 

 糖分は本来、氷の結晶を邪魔して柔らかくするんだが――それすら抑えめにしてある。

 

 

 

 

 

 

 原材料は小豆に砂糖、コーンスターチ、塩、水あめ。どれも素朴で、無駄がない。

 

 

 

 

 

 

 それらをぎっしり詰め込んで空気が入る隙間を無くしていく。

 

 

 

 

 

 

 その結果、密度が上がって――とんでもなくバカみたいに硬くなるらしい。

 

 

 

 

 

 しかも作り方は単純だ。小豆と砂糖、塩と水を混ぜて型に流し、冷やすだけ。

 

 

 

 

 

 こうやって誰でも作れる、試しに酸賀に食わせてみたら歯が折れそうになってた。

 

 

 

 

 

「……かなり有益な情報だ、ランゴ兄さん僕はここで失礼するよ」「待てまだ――」

 

 

 

 

 

 ストマック社は人間界に幾つか別荘を用意はしていたことを組織が確認している。

 

 

 

 

 

 

 ただこうやって堂々と人間界に居座っていた痕跡はなかった、知っている情報と違いすぎる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 「全く……ニエルブの奴め……しょうがない、少し短いが今日の会議はここまでだ。」

 

 

 

 

 

 

「やった!じゃあシータお菓子食べに行きましょ!」「ああ、最近新しい品もでたらしいしな!」

 

 

 

 

 

 

 

「私も適当に食べてくるわ……あっもちろん、経費落ちるわよね?」「お前も……全く」

 

 

 

 

 

 

『……とても有意義な時間でした?「それは良かった。お前ももう帰って良いぞ」『……では』

 

 

 

 

 

 

 もしかしてこの世界に闇菓子は存在しないのか?なんとも言えんが……居心地が悪い。

 

 

 

 

 

 

 平和なのは徐々にわかって来たが逆にそれが……こう、不謹慎だがつまらん。

 

 

 

 

 

 

 酸賀でも探すか?……いや、この世界じゃ他人か。そもそも帰る家ってどこに――。

 

 

 

 

  

 

 

 

「やぁ?OJT君、ちょっと裏でお話しない?」『……ええ、是非』「じゃあこっち」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――ストマック社:ニエルブの研究室

 

 

 

 

 

 

 

 この世界で俺はただの一般市民に過ぎない、特別な力は合っても特別な立場じゃない。

 

 

 

 

 

 

 

 踏み込んだ捜査はすぐに立場を悪くして、帰るのに時間を要してしまう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 だからこそ、こう言う状況は有り難い。相手の手から食べ物を渡される……それもお菓子を。

 

 

 

 

 

 

「これは僕が個人的に作ってるお菓子でね、ちょっと試食してみてよ?」『わかりました』

 

 

 

 

 

 

 

 相手から渡されたお菓子を食べると微量でも相手が感情が味覚になって識別できる。

 

 

 

 

 

 

 端的に言えば目の前の相手がどんな人柄なのかが明確に分かる、企みまではわからんが。

 

 

 

 

 

「これは僕が最近気に入ってるプリンと言うものでね――って別に教えるようなものでもないか」

 

 

 

 

 イタリアンプリン、ティラミスの材料でもあるマスカルポーネチーズを使用して固めのプリン。

 

 

 

 

 

 

 

 名前に反してイタリアではなく日本が発祥と言うのも特徴的なスイーツだな。

 

 

 

 

 

 

 

 肝心の味は……ああ、まあ予想通り――まともに菓子を作りをやってる奴によくある味だ。

 

 

 

 

 

 

 口に入れた瞬間、表面の焼き目が少し焦げていて、カラメルとは違うほのかな苦みが先に来る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 その下からじわっと広がるのは卵とチーズのまろやかさ、質感はぷんるとした柔らかさはない。

 

 

 

 

 

 

 舌にのせるとぷるんではなくねっとりと沈む感覚。

 

 

 

 

 

 

 甘さは控えめで、どちらかと言えば塩気が前に出てくるタイプ。

 

 

 

 

 

 

 香りは乳臭さよりも卵のコクが勝っていて、後味はしつこくない。

 

 

 

 

 

 

 

 しばらく噛むと、口の奥で淡く残る苦みがカラメルではなくチーズの焼き香だと気づく。

 

 

 

 

 

 

 

 ほんの少し幸果が作るお菓子の味に似ている気がする……本当にこう言う味だ。

 

 

 

 

 

 味覚に余計な感情が混ざらない、ただ純粋に"作りたいから作った"無邪気な味。

 

 

 

 

 

 そこに悪意も計算もない。実験でもなく、興味と好奇心だけで完成させた菓子。

 

 

 

 

 

 

 美味いか不味いかと聞かれれば、美味い。

 

 

 

 

 

 

 

 けれど、それ以上に“作った本人の楽しさ”が勝ってる。

 

 

 

 

 

 

 この世界のニエルブは、本当にただのお菓子を、しかも楽しんで作っているらしい。

 

 

 

 

 

 

 この世界に闇菓子はない、グラニュートは居ても人間を攫うようなことはしないだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 闇菓子のない世界で、俺が作られなかった(酸賀絆斗が居ない)世界――じゃあ、俺は誰なんだ?

 

 

 

 

「どうかな?結構自信作なんだけど……」 

『味の癖が強い』「あーやっぱり?なら次は――」

 

 

 

 

 

 

 

『まあ、悪くない』「……そう?なら良かった、と言うか……本来の君はそんな感じなんだ?」 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……いいね?僕の前ではそのままで居てよ」

じゃあお構いなく……はぁ。』

 

 

 

 

 

 

 とりあえず……ストマック社は放置で良いな、これからどうするか。

 

 

 

 

 

 

 

「あの両肩の重圧、疲れるでしょ?」

『特に隣の女がやばかった』「あー姉さんは……ねぇ?」

 

 

 

 

 

 

 

『……なあ、ニエルブ。お前今楽しいか?』「ん?どうしたのさいきなり?」

 

 

 

 

 

 

『家族と一緒に菓子を作って、食ったりして……お前は満足出来てるのか?』「ふーん?」

 

 

 

 

 

 

「正直言って物足りないって感じはあるよ。僕にはもっと凄いことができる……って思うくらい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『なのにここで満足してるのか?』「まさか?満足なんしてないよ、むしろいつも何か足りない」

 

 

 

 

 

 

 

「能天気な双子、喧嘩っ早い姉、あと一歩足りない社長。それで――いまいちパッとしない僕」

 

 

 

 

 

 

『……』「でも不思議と心地がいい、家族とか居場所ってそう言うもんじゃないの?」

 

 

 

 

 

 

 

『好きなんだな、この居場所(ストマック家)が』「……そう見える?」『ああ、こんな世界に来るくらいだ』

 

 

 

 

 

 

 

 

――オカシな世界――

 

 

 

 

 

 

 

 帰る道中に飯の配達をしてる辛木田を見つけた、めちゃくちゃマヌケそうな顔をしてた。

 

 

 

 

 

 

 

 少し歩いた先でストマック家のシープとシータにこき使われるラキアがいた。

 

 

 

 

 

 

 

 格好はキマってるのに荷物を抱えて息を切らす姿はとてもダサい、馬鹿みたいだ。

 

 

 

 

 

 

 それとオグリキャップとフジマサマーチも居た。今の2大スターなんだと。

 

 

 

 

 

 

 この世界じゃフジマサマーチが速いのか、それともオグリキャップが遅いのか……。

 

 

 

 

 

 

『そうしてその2人のケツを撮ってる翔馬――』「洒落になんないからその冗談辞めて?」

 

 

 

 

 

「俺これでもフジマサマーチの専属カメラマン候補なんだよ?……まだ見習いだけど」

 

 

 

 

 

 

『何が楽しい?』「楽しいよ?その日その時間でしか見れない瞬間を形に残す」

 

 

 

 

 

 

「そうして残った物は遠くから明日へ……更には後世まで残る。色褪せてもその形は不変的に」

 

 

 

 

 

 

『だとして……SX-70、そんな年季が入ったカメラで撮る写真は仕事用じゃなさそうだが?』

 

 

 

 

 

 

「……撮って良いとは言われてるから。それにこっちの方が味があるし?――撮ってみる?」

 

 

 

 

 

 

 カメラ……使ったことがあるとしたら一眼レフのカメラを1回程度だった気がするな。

 

 

 

 

 

 

 その時は何を撮ったんだったか……もう覚えてないな、帰ったら酸賀に聞いてみるか。

 

 

 

 

 

 

『……ボタンは?』「あ~前についてる赤いボタンで……片方の手に置く感じで持つ」

 

 

 

 

 

 

 

「それでも片方で……そう!撮れた!な~に撮ったのか――な?何この写真……カメラ壊した?」

 

 

 

 

 

 

 本当に俺の腕か?カメラが悪いのか?だとして……二重になってるだけならまだ納得できる。

 

 

 

 

 

 

 

 なんで2重になってるオグリの顔がそれぞれ別の表情なんだ?こういう仕組みか?

 

 

 

 

 

 

「あれ、別に壊れてるわけじゃない。え?心霊写真?こわ……」『カメラに嫌われてるのかもな』

 

 

 

 

 

 

 

 そういった類の者じゃあないな……スマホで撮っても同じようなことが起きる。

 

 

 

 

 

 

 

 1人の写真に2つ表情……いや、景色も重なってる別で重なってるように見える……これは。

 

 

 

 

 

 

 

 ハピパレの車の一部か?でもこの辺りにない、いるのは翔馬だけ――翔馬?

 

 

 

 

 

 

 この写真、1つの世界じゃなくて2つの世界の重なるように撮られたってことか?だとしたら。

 

 

 

 

 

 このもう片方は俺が知っている翔馬……このオグリの写真も恐らく別世界の……。

 

 

 

 

 

 

 

「……何あのニュース」『あ?どうし――災害警報……?にしてはなんか妙だな』

 

 

 

 

 

 

 

[緊急、ニュース速報です。東京都渋谷区を中心に黒い――のようなものが――して……]

 

 

 

 

 

 

 

「……なに?めっちゃ途切れてる」『……こう言う事件はよく起きるか?』「え?んなわけ――」

 

 

 

 

 

 

 

 

『俺のやるべきことが事が分かった』「え?……ちょ!?どこ行くの?あぁでも仕事……もう!」

 

 

 

 

 

 

――東京都:渋谷駅

 

 

 

 

 

 

 

 走って約1時間……酷い様子だ、警察すら居ないのも妙だが瓦礫に付着した黒いのはなんだ?

 

 

 

 

 

 

 

 瓦礫の状態を見るのに倒壊は殆どこれが原因……となれば侵食性の強い物質?

 

 

 

 

 

 

 

 

 発生源は……あいつらか?

 

 

 

 

 

 

 

〘……〙『グラニュートの眷属……ぽいな?とにかく、ろくな存在じゃなさそうだ、さて――あっ

 

 

 

 

 

 

 

 ヴァレンバスターどころかゴチゾウすらねぇな……流石に鞄の中には――あんじゃん。

 

 

 

 

 

 

 

 会社員のくせにヴァレンバスターを2丁も仕舞ってるとか馬鹿すぎるだろ。そんな馬鹿で良かった。

 

 

 

 

 

〖……こっちは銃身が拉げて撃てねえから、またこっちのバスター(坂本浩司)を借りるか〗

 

 

 

 

 

 

 

 後はゴチゾウさえあれば良いチョコ食えばすぐ――出て来ねえな、足りないか?

 

 

 

 

 

 

「ちょっと!……ちょ……はぁ、どんだけ体力あんの……うわっ……あれって。」

 

 

 

 

 

 

 

 

『なんでだ?ゴチゾウが出ねぇ、別に不調でもない』「何してんの?!離れよ!」 

 

 

 

 

 

 

 

 やっぱこの世界に来てから腹の調子がおかしい、なんか水が腹に溜まってるみたいな――。

 

 

 

 

 

 

 

 

〘ぅう……む~!〙「……どっから出したの?」『見りゃ分かんだろ腹から出たんだよ。』

 

 

 

 

 

 

 

 こいつ俺の世界からついて来た……ってか、腹のガヴの中に入っていた?

 

 

 

 

 

 

 

 そりゃそうだ。こいつ眷属だもんな――いや、そんな眷属みたことねえよ。

 

 

 

 

 

 

 

 ガヴから眷属が出るのは理解できるが眷属が出入りするなんて聞いたことがない。

 

 

 

 

 

 

 

 それとこいつ恐らく他の眷属(ゴチゾウ)は腹の中で食いやがったな……。

 

 

 

 

 

 

 

 面倒見るって言うのは決めたが真面目にだるい生態だな……後でどうするか考えるか。

 

 

 

 

 

 

『こいつ預かれ』「え?」『いいから……』〘あぁ~!やぁ~~!!!〙「超嫌がってる……」

 

 

 

 

 

 

 

〔ちょわぁっ!〕『よし……得体の知れない存在、本来であれば正規軍に任せて静観ってとこだ』

 

 

 

 

 

 

 

――CHOCO――

 

 

 

 

 

 

 

『だが俺はこの世界で何者でもない、だったらこれからは柄にもなく好きにやる』

 

 

 

 

 

 

 

 

―― SET CHOCO SET CHOCO ――

 

 

 

 

 

 

 

「……それって、――さんと同じ……」『あ?なんだ、早く行け』「……うん」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〔WAO‼WAOWAO!!!〕『変身〗〔WAO‼WAOWAO!!!〕

 

 

 

 

 

 

 

―― CHOCODON PAKI PAKI ――

 

 

 

 

 

 

 

〖あぁ……なんか、昨日ぶりの癖にやけに懐かしい感覚だな?色々ありすぎたからか?〗

 

 

 

 

 

 

 敵は数十体と多いがニエルブのエージェントに比べれば動きはかなり鈍い。

 

 

 

 

 

 

 

 武器こそ持っているから戦闘に向いた眷属なんだろうが、脅威ではないな。

 

 

 

 

 

 

 

 これなら一般の火器でも対処できる……が、浸食する物質が出てるのは気になる所だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

『……殴る蹴るは問題ない、ただあの黒いのには直で触れない方がいいな』

 

 

 

 

 

 

 

 

 この雑兵のボスはどこだ?少なくともここを襲うようには仕向けられたんだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 黒い物質の浸食具合から見るにこいつらだけの仕業じゃない、もっと強大な力が。

 

 

 

 

 

 

 

”ミューター”を発見、すでに1人のヴァレンが事態の鎮圧にあたっているようです

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〖この声どこかで――黒毛の、ウマ娘「母さん?」〖……そうか、確かにそれでもおかしくない〗

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いいえ、出来ません。私は彼の助力に入ります、それでは――……ふう、じゃあ行こうか?

 

 

 

 

 

 

 

――CHOCO――

 

 

 

 

 

 

 

WAO‼WAOWAO!!!えーと、何だっけ?あ、そうだった。変身WAO‼WAOWAO!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

―― CHOCODAN PAKI PAKI ――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〖マジかよ。〗君……所属は何処?君が初めてだよ現場で私より先に来てるの。

 

 

 

 

 

 

〖まあニュースで知ってからすぐに……〗え~?優秀だなぁ~って話してる場合じゃないか

 

 

 

 

 

 

 翔馬の母がグラニュートハンター……いや、ヴァレンになった?どうなってる?

 

 

 

 

 

 

 

 生きてるだけなら納得はできる、ただ何でヴァレンがいる?と言うか……。

 

 

 

 

 

 

〔チョウ?〕〖赤いチョコゾウ……〗あれ?君のは白いね?ホワイトチョコから産まれた子かな?

 

 

 

 

 

 

 確かに赤チョコは俺も産めるがこいつは俺が産んだ奴じゃない……居るのか?別世界の――。

 

 

 

 

 

 

よし!こっちはお終い……君は随分と手際がいいねぇ、戦いにも慣れてるみたいだし〖……〗

 

 

 

 

 

 

 

それじゃあ、速いとこ本体倒して帰ろっか?……てか増援遅いなぁ?何してんだろ「……ねえ」

 

 

 

 

 

 

 

んー?ここは危ないから早く避難――え?何でここに「母さん、何してんの?……それ何?」

 

 

 

 

 

 

 

「危ない事してないって……てか、それもただ(ゴチゾウ)のおもちゃだって――」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

えーとなぁ……困ったなぁ「あいつら?……俺を昔攫ったやつと何で母さんが――」

 

 

 

 

 

 揉めてるな……この辺りは敵は一掃したが安心できる場所じゃない、一旦退散か?

 

 

 

 

 

 

 

 かといって引いた後も重要だな、そもそも俺は他所者だし恐らく公的なヴァレンじゃない。

 

 

 

 

 

 

 

 ここの奴らは瓜二つの顔が隣に居ても何の反応も示さなかった、俺の顔は全く別の誰か。

 

 

 

 

 

 

 

 誰かの存在と変わる形で今の俺があるんだろう、それが誰なのかも知らないがな。

 

 

 

 

 

 

 

 本当の意味で誰かの人生を奪って今ここに居る、厄介過ぎる状況だ。ここからどうするか。

 

 

 

 

 

 

……帰ったら話すから、だから今は――「そういってずっと話を逸らしてきたよね。」

 

 

 

 

 

 

 

 

「俺が子どものころ攫われたあの日から、母さんはずっと“仕事”のせいにして何も言わない。」

 

 

 

 

 

 

 

 

〖おいそこまでにしろ、周りを見れば話なんてしてる場合じゃない事なんてわかるだろ〗

 

 

 

 

 

 

 

 

「そうだ、あんた知っててあそこに居たのか?母さんに俺のこと見る様に言われて――」

 

 

 

 

 

 

 

 

……翔馬、違うの。貴方には平穏に……普通に暮せる様に生きてほしくて「じゃあ、なんで」

 

 

 

 

 

 

 

――母さんは必要な時に居てくれなかったの?――

 

 

 

 

 

 

 

 おいおい……今は本当に――何だこの気配?……殺意じゃないが嫌な気配がする。

 

 

 

 

 

 

 

 身体の芯から感じる強い拒絶感、それと……硫黄臭?――ガスが引火でもしたのか?

 

 

 

 

 

 

……待ってこの匂い――ッ!!!君、すぐにこの子を連れてここを離れるよ〖ああ……?〗

 

 

 

 

 

 

「母さん。まだ話は――」帰ったらちゃんと話す!嘘じゃない……だから今は――

 

 

 

 

 

 

 

『……クラープの期待は外れた様だな、ガヴ器官を使ったシステムじゃない』〖……何だお前〗

 

 

 

 

 

 

 

―― TELLER ――

 

 

 

 

 

 

『何……名乗る程でもないさ、その男を渡してもらおう』〖その黒いガヴは……なるほど〗

 

 

 

 

 

 

 クローンの培養施設にあった黒い痕跡。黒ガヴの酸賀が対処しようとした存在(ミューター)

 

 

 

 

 

 

〖色々と合点が行った、お前らか?冬眠していたマッドサイエンティスト(酸賀研造のクローン)を叩き起こしたのは〗

 

 

 

 

 

 

『?……なぜお前がそんなことを――いや待て?そうか……そういうことか!貴様……絆斗だな?』

 

 

 

 

 

……えっ、君ミューターと知り合いなの?〖んなわけないでしょう、まあ……事情があって。

 

 

 

 

 

 

『ほう……?どうやってここまでやって来たのかは知らんが、丁度良い……〗

 

 

 

 

 

 

 

―― HORROR VIOLENCE ――

 

 

 

 

 

 

〖何処までやれるのか、試させて貰おうか?〗〖……奴の狙いは俺だ、さっさと行け〗

 

 

 

 

 

 

 

ちょっと何言っての――待って、絆斗?うちの部隊にそんな……〖通りすがりの仮面ライダーだ〗

 

 

 

 

 

 

〖覚えておく程じゃない、忘れろ――会えて良かった〗……事情は後で聞くからね

 

 

 

 

 

 

 

 

「……絆斗。」揺れるけど我慢して!……じゃっ!〖……よし、だるいのが一つ減った〗

 

 

 

 

 

 

 引き受けたのは良いが、状況は大分不味いだろうな。何より手持ちがチョコゾウだけ……。

 

 

 

 

 

 

 

 システム上、量産型と運用されるヴァレンシステムよりもあのガヴ器官の方が恐らく性能は上。

 

 

 

 

 

 

 

 あの黒くて不気味なゴチゾウは何だ?……異質でとても気味が悪い、ガヴから生まれたのか?

 

 

 

 

 

 

 

 奴の能力を引き立ててるらしい……テラー、恐怖から生まれたゴチゾウってことにするか?

 

 

 

 

 

 

 

 手持ちは何の改造もされていないただのヴァレンバスター、嫌というほど勝ち目が無い。

 

 

 

 

 

 

〖どうした?逃げるだけか……他の形態はどうした?〗〖悪いが品切れだ〗〖なにぃ……?〗

 

 

 

 

 

 

 

 

〖消えてくれりゃ次は派手に出迎えてやるよ〗〖……悪いがそうはいかないんでな、残念だ〗

 

 

 

 

 

 街路の奥。崩れた高架の向こう側で黒い塊がじわりと蠢く。

 

 

 

 

 

 奴が生み出した眷属の群れ。どれも均質に見えるが、動きには微妙な癖がある。

 

 

 

 

 

 

 足を引きずるやつ、上体を前に倒して突っ込んでくるやつ、地を這いながら形を保てないやつ。

 

 

 

 

 

 眷属を生み出すのが下手なのか、それとも何かを眷属の形にしてそれっぽくしてるだけなのか。

 

 

 

 

 

 

 それか元々何かだったものなのか――今はいいな、とりあえずこいつらはとてもとろい。

 

 

 

 

 

 まあそう判断してもそう判断しても数が集まれば状況は違う。

 

 

 

 

 

 

 群れに囲まれれば進路が限定される、対応として退路を作りながらできるだけ広く動く。

 

 

 

 

 

 上空を見上げれば、奴はそこにいる。腕を組み、こちらを眺めている観察者。

 

 

 

 

 

 まだ直接手を出す気配はない。ただ俺の手札が本当にこれだけなのか確かめたいんだろう。

 

 

 

 

 

〖……何を待っている?〗〖待っちゃいねえよ、こっちは必死でそれどころじゃない……まあ〗

 

 

 

 

 

 

 

〖時間稼ぎなのは否めんがな〗……各隊!交戦している例のヴァレンを発見!戦闘配置につけ!

 

 

 

 

 

 

  本来ヴァレンは単独戦を想定していない。どれだけ戦闘データ、経験があったとして。

 

 

 

 

 

 

 その性能は元となるゴチゾウに依存する、ヴァレンバスター自体を改造すれば話は変わるが。

 

 

 

 

 

 

 基本は量産を想定したシステム……当然、それに担った運用をされる事は当然。

 

 

 

 

 

 

 俺はヴァレンになる前は個の力より“連携”を前提に鍛え上げられた。

 

 

 

 

 

 

 俺の世界でも本来でならこうして頭数がしっかり揃った部隊を用意する筈だったんだ。

 

 

 

 

 

 

 それだから従来のヴァレンにはない、ヴァレン同士のテレパシー機能まで備わっている。

 

 

 

 

 

 

 バウエルの動きが消極的だったり偽バイトが想定以上に弱くなければ、本来はそうだった。

 

 

 

 

 

 

 

―― CHOCODAN PAKI PAKI ――

 

 

 

 

 

 

〖ほう?確かにこれなら手応えはありそうだ〗君が通りすがりの仮面ライダーか?〖忘れろ〗

 

 

 

 

 

 

事情は後でじっくり聞かせて貰おう、今は奴の対処だ〖話が早くて助かる〗

 

 

 

 

 

 

 

 

 徒党を組んだヴァレンの本領を見せてやる。

 

 

 

 

 




【仮面ライダーヴァレン(IF翔馬の母):チョコダンフォーム】

IF世界の高橋翔馬の母が“チョコダン・ゴチゾウ”を媒介として変身する、特異な派生ヴァレン。
◆肉体性能と戦闘適性

もともと卓越した身体能力を誇るウマ娘が変身することで、チョコダンフォームは驚異的な脚力を発揮する。
その初速は常人の視界では捉えられず、踏み込みぬかるみの中でも素早く機動が可能。
“脚で戦う”というスタイルは、グラニュートとの戦闘においても高い適応性を示し、射撃戦・近接戦のいずれにおいても優れた機動戦闘を可能としている。

かつてレースに生きた身体――すでに全盛期は過ぎたとはいえ、鍛錬を怠らないその肉体は今もなお現役さながらに研ぎ澄まされており、変身用血清との相乗効果によって、人間体の変身者を大きく上回る平均戦闘スペックが確認されている。
単純な“速さ”や“力”ではなく、瞬間的な判断・体幹制御・脚技の精度といった総合的な身体能力がヴァレンの特性と融合したことで、極めて完成度の高いフォームとなっている。

◆戦闘スタイルと特徴

チョコダンフォームの戦闘は、まさに“しなやかさと爆発力”の共演である。
脚力を核とした近接戦を得意とし、跳躍や旋回を織り交ぜながら相手の懐を突くような戦い方を展開する。
ヴァレンバスターを用いた銃撃もこなすが、真価を発揮するのは中距離から一瞬で距離を詰め、足技によって連撃を叩き込む瞬間。
その動きはまるで“走る”という行為を戦術に転化したよう。

また、脚部のチョコダン装甲は粘性と弾性を併せ持ち、攻撃の際に一時的なエネルギー蓄積を可能とする。これにより、踏み込みや蹴りの瞬発力を自在に強化できる点も特徴である。

◆耐久・継戦能力

チョコダンフォームの真の強みは、単なる脚力ではなく“しぶとさ”にある。
グラニュートほどの怪力こそ持たないが、その回復力と継戦能力は常識外れで、戦闘が長引くほどに調子を上げるタイプのフォームといえる。
これはウマ娘として培われた”走り続けるための身体構造”と、ヴァレンシステムの代謝促進効果が融合した結果である。

倒れても、息を切らしても、また立ち上がる。
その姿は戦士というよりも、どこか母としての“しなやかな執念”を思わせるものがある。

――スペック
身長:175.4cm
体重:72.2.kg
パンチ力:1.8t
キック力:4.2t
ジャンプ力:6.0m(一跳び)
走力 3.6秒~?(100m)

13話~27話:仮面ライダーヴァレン(酸賀絆斗)人気投票+α(他キャラフォーム)

  • 超反応クランチガルムフォーム
  • 超大幹ロシュアガルドフォーム
  • モフモフボディドーマルフォーム
  • ビターなギフデットチョコルド
  • 気怠いどっぷりんフォーム
  • 新兵器プライマルクッキーフォーム
  • 思い出の味ダートグミフォーム
  • 漲る怪力ストロングカスタム
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