オグリの幼馴染が記憶を無くしてチョコレートの怪物になって化け物と戦ってた話   作:かな餅

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【仮面ライダーヴァレン:ヴァレンエンゲージ】


仮面ライダーヴァレンの左腰に装着された、ゴチゾウの力を武装として顕現させる召喚デバイス。



ゴチゾウを装填することで、固有の特性に応じた武器を生成・展開する。



本体左面にはゴチゾウ用のスロットが2基搭載されており、



個体によっては武器以外の形態や補助的な機能を持つものもあり。



中には使用者本体に直接的な身体変化や能力強化を及ぼすタイプも存在する。


特定の組み合わせによって複合的な性能や変則的な出力が発生することもある。
(※現在は試作段階であり、安定性には課題が残されている)

ヴァレンバスター”変身デバイス”と比較してグラニュート器官への負荷は低いが、


同時併用時には総合的な負荷が増加するリスクがあるため、運用には注意を要する。


召喚された武装は基本的に破損するか、供給源であるゴチゾウが消滅するまで使用可能。





しけた後悔と残された良心の味

 

 

 

 人プレスをほとんど解放し終え、最後にクロックチップを救い出して……よし。

 

 

 

 今回の依頼に関してはこれですべてが終わった。

 

 

 

「……ん~……あれぇ……私、なにしてたんだっけ。あ、おばあちゃんの手伝い……」

 

 

 

 

『起きたのか、この馬鹿』「ひっどぉ……ん?、おばあちゃんどこ行ったぁ?」

 

 

 

 

『手伝いなら俺が済ませたし、店も閉めるとこだったみたいでこの公園まで運んだ』

 

 

 

 

「……なんか記憶が全くないんだけど、私寝てた?」『転んで気絶』

 

 

 

 

 ひとまずクロックチップには”田辺健司は見つかりそうだ”……てな感じで。

 

 

 

 

 それっぽく言って納得させて帰らせることにした。

 

 

 

 あと公園のベンチでなんで俺が膝枕してたのかそのへんは、説明するのも面倒だったし。

 

 

 

 適当にごまかした。

 

 

 

「田辺さん見つかりそうなんだ、良かったじゃ~ん?、あたしのおかげだねぇ?ねっ?」

 

 

 

 

 

『小突くな』「でぇ……寝てる私になんかした?」『するわけねだろ』

 

 

 

 

「思ったよりお堅いなぁ、まあ立派に働いてるしねぇ~私は学校さぼってるけど。」

 

 

 

 門限が近いせいか、今日は素直に帰ってくれるようで助かった。

 

 

 

 

 オグリについては、レースの予定もあるし、しばらくは押しかけてくることもないだろう。

 

 

 

 

 チップは……まあ、役には立つんだが、タイミングが悪いと厄介だからな。

 

 

 

 

『んで、人間に化けられるってことはバイト用に改造されたってことじゃないのか?、裏切り者』

 

 

 

 

「その呼び方はちょっと……まあ、これは自前で用意したもので特に改造はされてないよ」

 

 

 

 

『……それで、話ってのは何だ。俺に媚びたって人間には好かれねえぞ』「違うよ……」

 

 

 

 斎藤一狼、表向きは、東京の和菓子屋で働いていたところからトレーナーになったらしい。

 

 

 

 

 

 親はすでに亡くなっていて、自分を含めた妹と弟を育てたのは、一番上の長男だったという。

 

 

 

 

 

 和菓子屋については後で調べるとして……奴の言う“兄弟”は、おそらく全員がグラニュートだ。

 

 

 

 

 

 この一家は、どうやらグラニュート界から逃れて人間界にやってきたらしい。

 

 

 

 

 

 真偽は不明だが、人間界に来る手段も独自のものを使ったという話。

 

 

 

 

 

 グラニュート界からは敵視された一家……何にせよ、厄介な火種を抱えてるのは間違いない。

 

 

  

『……お前の家族に、ハイエナのグラニュートはいるのか』

 

 

 

 

「多分、兄さんかな。それについてもまとめて話すよ……君ならきっと理解はできるはずだから」

 

 

 

 

 薪に火が灯され、静かに揺れる炎が森の暗さをほんのりと照らす。

 

 

 

 

 どうやら、ここで兄弟たちと慎ましく暮らしているらしい。

 

 

 

 

 話は長くなりそうだが、耳を傾ける価値はありそうだ。

 

 

 

 

 その後どう動くかは……話の中身次第、ってところか。

 

 

 

 

 ……報告しなければならないグラニュートの居場所を、数が多いなら尚更だ。

 

 

 

 

 分かってる、これは俺の“仕事”だ…そのはずだ。

 

 

 

 

 

 チップは、知ってるんだろうか。自分のトレーナーが、化け物だってことを。

 

 

 

 

 ……もし、こいつがいなくなったら。あいつは、どうなる?

 

 

 

 

 

 時期をずらせばいい?。傷つけない方法なんてあるのか?。

 

 

 

 

 結局は、どんな形でも心に傷は残る。いや、それでも……誰かがやらないとだめだ

 

 

 

 

 ……間違った情に流されてる場合じゃない。

 

 

 

 

 こいつがいつ人間を襲い出すか分からないんだ。万が一でも、誰かが犠牲になるなら……。

 

 

 

 

 だったら……ここで、終わらせるべきなんじゃないのか。

 

 

 

  

 たとえ、それが“正しく”なくても。万が一誰かが傷つくことを防げるなら……尚更。

 

 

 

 

 

「私は、君がやってきたことを間違いだと思わないよ。兄さんを殺していたとしてもそう思う」

 

 

 

 

 

『……死んだのか、あいつは』「今は……分からない、でも最後に会った時はボロボロだった。」

 

 

 

 

『……お前は、悔しくないのか?悲しくないのか、家族を傷つけられたんだぞ。』

 

 

 

 

「兄さんも沢山の人生を奪った、その責任は僕らにだってある。だから出来るだけの償いを――」

 

 

 

 

お前はなんで、自分が罪人だとでも言うように振舞ってる?……命乞いか?』

 

 

 

 

「兄さんは私達の為に”バウエル社”に忠誠を誓った、何人も殺した。だから罪人だよ」

 

 

 

 

……グラニュートには家族なんていないだろ、そんなの嘘だろ。人間を騙すための嘘なんだろ

 

 

 

 

「いや、嘘を言ってるわけじゃ……」

 

 

 

 

『……』『誰だ……そこで何を――』『きゃっ……みつかっちゃった。』

 

 

 

 

 小さな……子供のグラニュート、仕事じゃ1番会いたくないやつだな。

 

 

 

『貴方お兄ちゃんのお友達?……じゃあ、おもてなししなくっちゃ!』『いや……まて……ッ』

 

 

 

 声が届かなかったのか、小屋の中に引っ込んでいった……。

 

 

 

 

 何か、石でも持ってくるつもりなのか?。

 

 

 

 

 石は食べられなくもないが、栄養面が不明だとかで酸賀に止められてる。

 

 

 

『……いやそうじゃねえ。』『あの子は私の妹だよ、私達の……たった1人のお姫様さ』

 

 

 

 

 ゴチゾウがいつになく落ち着いて――寝てやがるこいつら……。

 

 

 

 

 

 〔ちょぼぉ……zzz〕『……仮にも敵陣の中で』

 

 

 

 

 

『おまたせしたわぁ〜!はいこれどーぞ!』

『おい近い……ろ、ロールケーキか?、わざわざ人間の……』

 

 

 

 

『ちがうわー!、これはぶっしゅどのえるよ!、私のご飯!』

『……ケーキが、ご飯?』

 

 

 

 

 

『私……顎が弱くて石が食べられないの……でも人間さんが作ったお菓子は美味しいのよ!』

 

 

 

 

 俺たちで言えば……固形物が食べられない、みたいなもんか?。

 

 

 

 そこまで深刻じゃないにしても、石が食えないってことは……。

 

 

 

 つまり、グラニュートにとって基本の食事が無理ってことだ。

 

 

 

 

 酸賀の研究によれば、グラニュートは石や鉄みたいな硬いものを食するのが当たり前。

 

 

 

 

 人間の食べ物は柔くて口に合わない事も多いらしい。

 

 

 

 

 

 例えるなら、水でふやけたスナック菓子を食わされてる感じか。

 

 

 

 

 

 

 俺もああいう、やわいもんはちょっと苦手だ。

 

 

 

 

『……これは、お前のご飯じゃないのか?』

 

 

 

『知らないのー?、お菓子は分け合って食べた方が美味しいのよー?』

 

 

 

 

 

 差し出された一切れを口に運ぶ。噛んだ瞬間、ふわりと広がるのは、濃密なカカオの香り。

 

 

 

 

 まるで森の奥に漂う静けさのような、落ち着いた余韻が舌に残る。

 

 

 

 

 外側を包むチョコレートのコーティングはややビター。

 

 

 

 

 そのわずかな苦味が、大人びた味わいを引き立ててくれる。俺の好みにぴったりだった。

 

 

 

 

 中のスポンジは驚くほど柔らかく、指先で押せば、すぐに形を戻すほどの弾力がある。

 

 

 

 

 だが、決して脆いわけじゃない。巻かれたクリームとともに、舌の上でそっとほどけていく。

 

 

 

 

 甘さは控えめで、芯のある味わい。

 

 

 

 

 子供が好んで食べるようなものではないだろう、だが、不思議と懐かしさを感じる。

 

 

 

 

 そう、まるでサシの入った石のようだ。中でも特に美味なのは、赤い筋が走った石。

 

 

 

 

 柔らかさは皆無で、雑味も強い。だがそれがいい。

 

 

 

 

 ほんのりとした苦味に、コロコロとした独特の食感、一度慣れれば、やみつきになる。

 

 

 

 

 誰とも分かち合うことができなかった美味しい味。

 

 

 

 

〔ブシュッ!……ブッシュ!!『生きがいいのが生まれたな。』

 

 

 

 

 

『あらぁ!この子はなぁに?かわいいわねぇ〜』〔ブッシュ?……ブッシュ!〕

 

 

 

 

 ……目の前の相手がどんな存在か、俺には“味”で分かる。

 

 

 

 

 優しさや、想いがこもった食べ物は、その気持ちごと、舌に伝わってくるんだ。

 

 

 

『優しい味だな……誰に作ってもらった?』

 

 

 

 

『1番上のおにぃちゃんよ!、お菓子を作るのがとっても上手なの!』

 

 

 

 

『そうか……良い兄ちゃんだな。』

 

 

 

 

 

 

 一息ついてから、これからのことを整理してみる。

 

 

 

 

 斎藤はグラニュートでありながら、人間を襲う気配はない。

 

 

 

 

 それなら、無理に排除する理由はないはずだ。

 

 

 

 

 問題は、なぜ彼の一家がグラニュート界で標的にされているのか。そこが引っかかる。

 

 

 

 

 

 このあたりの事情は、まず酸賀を納得させて、斎藤たちを保護してから聞き出すべきだろう。

 

 

 

 

 何よりの収穫は、敵の輪郭がようやく見えてきたことだ。

 

 

 

 

 バウエル社……恐らくは、かつてのストマック社の代わりを担っている組織だろう。

 

 

 

 

 意外だったのは、闇菓子を巡る事情が変わっていたことだ。

 

 

 

 

 向こうの世界については正直まだ分からないことだらけ。

 

 

 

 

 数十年前まではグラニュートが飢えるように闇菓子を求めていた。

 

 

 

 

 それが今では、庶民が“生活のため”に闇菓子を回収させられているという現実。

 

 

 

 

 理由としては確かに似ている。けれど、その“生々しさ”が逆に厄介だ。

 

 

 

 

 理屈は理解できても、どうしても割り切れない何かが残ってしまう。

 

 

 

 

『……落ち着け、俺はまだガキだ。こういう時は……保護者(酸賀)に電話すっか……』

 

 

 

 

〈は~い、パパでーす〉『酸賀、話がある。』

 

 

 

 とりあえず、今日あった出来事と、斎藤から聞いた話を伝えた。

 

 

 

 

 話しているあいだ、酸賀は一言も喋らなかった。

 

 

 

 

 何を考えているのか気にはなったが、それを口にするべきかどうか、迷ってしまった。

 

 

 

 

〈なるほどねぇ……何にも考えずグラニュート退治してたけどそんな事情あったんだ。〉

 

 

 

 

『……それで、ハイエナはまあしょうがないとして。斎藤達は保護出来そうか?』

 

 

 

 

〈はっきり言えば本当に人間を襲ってないなら通るだろうし、何より敵の敵ってのが大きいかな〉

 

 

 

 グラニュートを倒さなければ、誰かが犠牲になる。

 

 

 

 

 倒せば、その誰かを守れるそう信じてきた。でも今は、もうそれだけじゃ割り切れない。

 

 

 

 

 もちろん、やるべきことは分かってる。必要なら、俺はまた引き金を引ける。

 

 

 

 

 ……それだけでも、きっと大切な人は守れる。それだけやっていれば、きっと。

 

 

 

 

『今更、グラニュートが可哀想なんてこと言うつもりはない、これからも倒す。』〈ほう?〉

 

 

 

 

『でも、俺は……』

 

 

 

 

 

――弟が、家族が待ってるッ――

 

 

 

 

 

『過ちから引き返そうとするやつがいるなら、俺はその手を掴みたい。』

 

 

 

 

〈絆斗君がそう思ったなら、そう思うだけの事があったんでしょう……よし、あとは任せて〉

 

 

 

 

 電話が切れた後、視線を感じた方へ顔を向ける。これは敵意ではないが……好意的でもない。

 

 

 

 

『お前ら兄妹揃って物陰から除くのが好きなのか?』『……何話してた、聞こえてたけどな。』

 

 

 

 

『じゃあ聞くなよ……』『……時間あるなら付いてこい、話がある。』

 

 

 

 

 

 

 

――何でも屋:【助っ人酸賀さん!】

 

 

 

 

 

〈たく……様子だけ見ておけばいいんだな?〉「えぇ、ほんとそれだけですよぉ」

 

 

 

 

[被験体の調整状態は良好。予想外の交友関係から、複数の興味深い“異常値”が観測された]

 

 

 

 

[当初の想定とは異なるが、“人間らしさ”の付加は有益と判断。思考と反応の変化が面白い]

 

 

 

 

 

「いやぁ……天才って色んな所で求められますからね、忙しいったらありゃしない」

 

 

 

 

〈こっちはてめえの自画自賛を聞くために電話してるんじゃねえんだ、切るぞ〉

 

 

 

 

「は~い、ありがとうございますぅ……あ、そうそう」〈なんだ……〉

 

 

 

 

 

[ただし近いうちに管理環境から離れる予定につき、行動制御不能となる懸念あり]

 

 

 

 

「絆斗君を是非、皆と一緒に遊ばせてあげてくださいね、六平さん」〈……気が向いたらな〉

 

 

 

 

 

 

[ただしそれは“グラニュート”として凶暴性を解析した場合の推論に過ぎない]

 

 

 

 

 

[人間という観点に基づく理性においては一旦無視しても差し支えない]

 

 

 

 

 

「絆斗君、あれから7年だっけ。すーぐに大きくなったよねぇ」

 

 

 

 

 

[被験体の意思が目覚めて1年、買い与えた服や靴下は想定以上の成長速度で買い直すことが多い]

 

 

 

 

 

[嫌いなものは人参であり、それ以外のモノは石でも鉄でも食すグラニュートとしての性質を確認]

 

 

 

 

 

[これから何かを買い与える時はもう少し先走って余裕を持たせるのがいいだろう、物置が一杯だ]

 

 

 

 

 

「これからもすくすく育って、誰よりも長く強く生きる命として……あっ」

 

 

 

 

[ゴチゾウを生み出すために毎日食べ尽くすため、お菓子の補充を常日頃から欠かさないこと]

 

 

 

 

 

「あらら、忘れてた……居ない間にお菓子沢山買っておかないとなぁ」

 

 

 




【被験体の成長につれ書き残した資料:永久保管予定】




[計画Kを破棄、被検体の管理にリソースを当てる]



[計画Vを再開、被検体の性質にあったシステムを割り当て目標に近づける]




[被検体Kを破棄、被検体がグラニュートと人間としての性質を満足に発揮できるように促す]




[被検体”絆斗”、赤ガブと同等の性質を持つと予想、時間は掛かるが長期的な研究を進める]





[絆斗君のお使い:ちょこれーとみっつ・すきなおやつさんこ・ぎゅにゅう(おもかったらかわない)]
 



[絆斗君は学校に行かない、行きたがらない、人と接することで傷つけると危惧していると判断]




[しかし寒い日に取腕をして知り合いの子供に合わせてみた所、案外仲良くお菓子を分け合ってる]




[その時に初めてゴチゾウを生み出すことも確認した、つまり眷属を生み出せる]




[この子は人の気持ちを受け取ってそれを形に変える事ができる]




[いつしか自分の事を”酸賀絆斗”と名乗るようになった]




[誤解を招きかねないので養子縁組を済ませて仮の親子に、これからも研究は続けて行く]
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