オグリの幼馴染が記憶を無くしてチョコレートの怪物になって化け物と戦ってた話   作:かな餅

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【ゴチゾウ図鑑:ブシュエルゴチゾウ】



 お菓子を食べるのが大好きな少女から分けてもらったブッシュドノエルで生まれたゴチゾウ。



  
 二つ目に見えて実は珍しい単眼のゴチゾウ、一目はくりくりで綺麗だ。


 

 緑色でブシュブシュと喋る、他のゴチゾウと比べて少し大きい。




 少女と友達になったおかげか今でもブッシュドノエルを食べると生まれてくる。




 でもロールケーキを食べても生まれてこない、何が違うんだろうか。



 ちなみにいつも食べるならビターなブッシュドノエル一筋。

 


甘く、重く、苦い重撃のブシュエル

 促されて歩いた先は……森の奥の、何の変哲もない静かな場所だった。

 

 

 

 

 話したいことがあるのは分かる。けれど、それが何なのかはまだ聞かされていない。

 

 

 

 

『……お前は人間か?、それともグラニュートなのか?』『どう見える?』

 

 

 

 

 

『混ざったような匂いがして気味が悪い』『お前俺が変身してなくてよかったな。』

 

 

 

 

 

 

『……”仮面ライダー”なのか?、お前は』『……ああ?、ああ……ん?』

 

 

 

 

 

 仮面ライダー……人間から見た、グラニュートハンターの事か?。

 

 

 

 

『ああ~……まあ、多分そうだな。グラニュートハンターだ』『はぁ?』

 

 

 

 

 なんだこいつ……話がかみ合わない、”仮面ライダー”ってなんだ……何を指す言葉だ?。

 

 

 

 

 

 

『……赤ガウの仲間とかじゃなかったのかよ、なんだ。』

 

 

 

 

 

『……一応同じグラニュートハンターなんだが』

 

 

 

 

 

『同じじゃねえし、仮面ライダーってのは……人間界に居るヒーローだ。』

 

 

 

 

 

『だから人間から見たグラニュートハンターを人間が勝手にそう呼んでるだけで……』

 

 

 

 

 

『じゃあお前は、なんて言うんだ?。人守ってるんだろ?』

 

 

 

 

 

『……俺はお前の兄ちゃんを傷つけた、”グラニュート”、ハンターだ?』『そうかよ』

 

 

 

 

 

……そういえば、仮面ライダー。酸賀も前にそんなことを口にしていたな。

 

 

 

 

今でこそ、情報管理が徹底されていて、目立たずに任務をこなせている。

 

 

 

 

だが、かつて赤ガヴがストマック家を壊滅させた頃、世間には仮面ライダーの噂が広まっていた。

 

 

 

 

化け物を狩る化け物。正体不明の仮面を被り、奇妙な乗り物で突如現れる存在。

 

 

 

 

それが“仮面ライダー”……少なくとも、ヒーローなんて呼ばれる存在じゃなかったはずだ。

 

 

 

 

 

『……なあ、仮面ライダーってなんだ?。なんで赤ガヴをそう呼んでる?』

 

 

 

 

居ない。……あいつ、どこ行った?考え込みすぎて、気づいたら置いてけぼりかよ。

 

 

 

 

 

……これ、帰れねぇんだけど?。夜の森で頼れるのが月の光だけって、冗談きついぞ。

 

 

 

 

 

酸賀に連絡――圏外。おい、まさか……あの野郎、俺をハメた……!?。

 

 

 

 

 

〔ブッシュ、ブシュブシュ!〕『……お前はロールケーキの。』

 

 

 

 

 またついてこいって?、丁度いい、長居もしすぎただろう……帰りたい。

 

 

 

 

 明らかに来た道を戻ってるわけではなさそうだが、恐らく大丈夫だろう。

 

 

 

 

『いや明らかに獣道を通ってるな……どこ行くんだぁ?』〔ブッシュッ!!!〕

 

 

 

 主に黙ってついてこいか、こいつ威勢がいいな。ある程度痛みに耐性が出来た時覚えとけよ。

 

 

 

 

『……あいつ、ここに居たのか。』

 

 

 

 

案内されたのは帰り道じゃなく、俺を置いて行った斎藤の弟がいる場所だった。

 

 

 

 

こんなところで……あいつ、何してる? 誰かを待ってる様子にも見えるが……。

 

 

 

 

にしても、密談するにしても、わざわざ森の奥まで来る必要あったか? 

 

 

 

 

なんか引っかかる。

 

 

 

 

 

〘我々の提案を聞く気になったようだな〙〘その前に……情報を貰おうか〙

 

 

 

 

『……何を知りたい』〘まずは、人プレスの収穫をしていた貴様の兄、ロガーの居場所だ〙

 

 

 

 ……エージェントが2人、それと取引をするグラニュート。

 

 

 

 前ならこの場面を目撃した事件で突撃するが……話だけでも聞くか。

 

 

 

『あいつならもう家には来ない、カサマツに行くってよ。』

 

 

 

 

〘カサマツ……なるほど、なら奴の事は良い。次はお前のこれからについて話をしよう〙

 

 

 

 

〘君も我々の元で働くことを提案する、あのロガーの血筋なら即戦力になりえるだろう。〙

 

 

 

〘君の妹は顎が弱いと聞いて……これを用意した、弾力はあるが柔らかいお菓子だ〙

 

 

 

 

 

 

……実物を見るのは初めてだが、あれが酸賀の資料に載っていた闇菓子か。

 

 

 

 

 

ロガー、おそらくはハイエナのグラニュート。カサマツに逃げ込んでいたのか。

 

 

 

 

 

……だが、まさか。あいつ、闇菓子と引き換えに身を売り渡すわけじゃないだろうな?。

 

 

 

 

 

『断る』〘……警戒するのも無理はない、たがこれは我々と貴様の友好の証だ〙

 

 

 

 

 

 

〘無理に食べなくてもこれはお金になる。誰にでも売ればいい運が良ければ貴族が買い――〙

 

 

 

 

 

 

『……俺達は兄弟は人間を襲わない、それが家族の誓いだ。ロガーはもう家族じゃねぇ』

 

 

 

 

 

 

〘立場を理解してないようだ、この世界でお前のようなはみだし者の居場所なんてない〙

 

 

 

 

 

 

んなことは関係ねぇッ!、兄貴は血迷った……取り返しのつかないことをしたッ』

 

 

 

 

〘誇らしくないのか……自分達のために、身を粉にして働いた、家族の事が。

〘復讐だって手伝えるぞ、ロガーを瀕死に追いやったグラニュートハンターに〙

 

 

 

 

『俺は……”仮面ライダー”のように、妹を笑顔にしたこの世界を守るって決めたんだよ』

 

 

〘ふっ……愚かな奴だ、バウエル社に楯突く気か?。一介のグラニュートが、英雄の真似事か〙

 

 

 

 

 

――顎が弱くて石が食べられないの――

 

 

 

 

――でも人間さんが作ったお菓子は美味しいのよ!――

 

 

 

 

 あいつの言う仮面ライダーは、世界を守る……いや、大切な人がいる場所を守るってことか。

 

 

 

 

〔ブッシュ……〕〔ちょーわ、ちょわ?〕

 

 

 

『……分かってる、俺が何とかしないとな。』〔チョワッ!〕

 

 

 

 

――CHOCO――

 

 

 

 

〘!……グラニュートハンターだと?!、貴様我々を……〙

 

 

 

 

――SET CHOCO SET CHOCO ――

 

 

 

 

『森の奥へ置いてけぼりかと思えば1人でだるい事してんじゃねえよ』『お前……なんで』

 

 

 

 

 

〘構えろ、奴はグラニュートハンターだ。どうせお前もここで――〙〘貴様……まさか〙

 

 

 

 

 

〔WAO‼WAOWAO!!!〕〔WAO‼WAOWAO!!!〕

 

 

 

 

『足引っ張んなよ』『誰に言ってんだ、喧嘩にはなれてる』

 

 

 

 

 

―― CHOCODON PAKI PAKI ――

 

 

 

〖ゴチゾウがもったいない気もするが念のため〗〔チョロ!〕〔スナック!〕

 

 

 

――SET SNACK SET CHOCO ――

 

 

 

 

――SNACK SECOND WEAPON ZAKUZAKU――

 

 

 

 

――CHOCO THIRD WEAPON PAKIPAKI――

 

 

 

 

 

 

 

『おぉ……これなんだよ』〖喧嘩じゃねんだ、武器だよ使え。〗

 

 

 

 

〘グラニュートとグラニュートハンターが手を組むだと……面倒な状況に……〙

 

 

 

 エージェントは、一般のグラニュートと比べて特別に頑丈なわけじゃない。

 

 

 

 ただ、俺のゴチゾウのような小型タイプとは違い、等身大の戦闘員としての構造。

 

 

 

 目立った特殊能力を持っているわけでもない。ただし知性も戦闘技術も備えている。

 

 

 

 最近では個体の色ごとに異なる装備を持つタイプのエージェントが確認されているらしい。

 

 

 

 白はこれまで通り、銃とナイフを使う汎用型。

 

 

 

 

 一方、オレンジの個体は銃と盾を装備している防御特化型だ。

 

 

 

 

 その盾自体に特別な機能はないが、物理的な硬さは相当なものらしい。

 

 

 

 

 いずれにせよ油断すればやられる相手であることに変わりはない。

 

 

 

 

〔ザクッザクザク〕〖ああ、押し切ればいい話だろう〗『どう戦う?、俺は喧嘩しかしたことねぇ』

 

 

 

 

 本音を言えば、まず連携はさせたくない。

 

 

 

 

 今回は2対2、数では互角だが……あれが4体、5体と増えたら、俺なら戦う前に引く。

 

 

 

〖分かってる通り奴等は眷属のエージェントで、撤退はしない。増援が来る前に各個撃破だ〗

 

 

 

『……やっぱ時間かけすぎたら増えるか?』〖本体がこの戦闘を認知してたらな〗

 

 

 

「その辺は安心してくれて構わないよ、ヴァレンに……レイザー君」

 

 

 

 

『あいつ人間じゃねえ、グラニュートだ』「流石、ロガーの弟君だね、敵に回ったのは痛手だ」

 

 

 

 

 切れ長の目に丸眼鏡をかけた短い茶髪の青年の姿……まて、あいつ酸賀の資料にあった……。

 

 

 

〖ニエルブ・ストマック……ストマック家の生き残りか?〗

 

 

 

 「へぇ……知ってるんだ?、流石酸賀さんの息子だね?おっと、僕に攻撃はお勧めしないよ?」

 

 

 

 

『あいつ知り合いか?……友達ってわけじゃなさそうだが』

 

 

 

 

「ヴァレン、君の成長力には一目置いているけど……まずは彼等を倒してもらおうか」

 

 

 

 元はストマック社に所属していて、今はバウエル社の研究員……といったところか。

 

 

 

 

 データを取られるのは癪だがな――。

 

 

 

 『んだよ?』〖今更撤退も出来ないな。〗「それじゃあ……健闘祈るよ」

 

 

 予想通り意図的に分断された、それは問題ない……ただ懸念なのは。

 

 

「ヴァレンバスターから剣か、ポテトチップスの眷属でも使ってるのかな。腰に新しい装備も……

 

 

 

 対策を取られて今後に響きそうってとこか。

 

 

 

『……おい、どさくさに紛れてあいつを倒――』〖返り討ちに会うだけだ、ストマック家だぞ〗

 

 

 

 研究員だとしても武力が地位を得るらしい世界の住人だ、一介のバイトとは格が違うだろう。

 

 

 

『……だよな、あいつちょっと強い匂いだし』

 

 

 

 

〖まずは目の前のエージェントに集中しろ、倒さなくて良い。後から加勢する〗

 

 

 

 

「ふむ、やっぱりレイザー君にはまだエージェントの相手は手厳しいかな、対してヴァレンは……

 

 

 

 触手を再生するタコ、針のミサイルを撒き散らすウニ、そして装甲が鉄壁のように硬い蟹。

 

 

 

 

 そんな連中を相手にしてきた俺が……今さらエージェントごときに手こずるほどヤワじゃない。

 

 

 

「銃を封じ、盾の死角を突く。動きに無駄がない。」

 

 

 

 『剣が壊れたッ!?』〖角度だ角度〗〔ザクッ〕

 

 

 

 

「撃たせず守らせず一手で詰める。想定以上の戦闘能力……これは期待できる、故に残念だよ。」

 

 

 

 押し切る……つもりだったが、感触が違う。何だ? 今、何かに弾かれたか……?

 

 

「君の天敵はたた硬い装甲を持つだけのグラニュートただそれだけ、対策は容易だったよ。」

 

 

 

 蟹のグラニュート、攻撃は大振りで動きも鈍かったが――。

 

 

 

 

 逃げ足の速さと鉄壁の装甲が厄介で、何度も取り逃がした記憶がある。

 

 

 

 

 最終的には、チョコゾウの限界を引き出す荒技を数発ぶつけて、ようやく仕留めた。

 

 

 

「それはランゴ兄さんの絶対防御再現した試作品、寄せ集めで作ったから性能は型落ちだけど」

 

 

 絶対防御……か、名の通りどこを狙っても弾かれる――だが。

 

 

 

――CHOCO-DON!!――

 

 

 

 全身が覆われていない限り、どこかに“裂け目”は生まれる。

 

 

 

 

 そこを見逃さず、隙を作りその隙間に攻撃を叩き込めば……。

 

 

 

「無駄だよ、君が持つ技を当てようと視界を潰して不意打ちをしようと絶対防御は破れない」

 

 

 

 〖ヒビすらは入らないのかよ……面倒だな〗

 

 

 

 

「君はずっとその姿で戦ってきた、それが示すのはヴァレンシステムの停滞、わかるかい?」

 

 

 

 『おい早く片付けるんじゃないのかよ……そろそろきついぞ……』〔ちょ、ちょろぉ〕

 

 

 

「2年間掛けてやっと新しい力を手に入れたようだけど、それも絶対防御の前では無意味だよ。」

 

 

 

 確かに今の俺も、あの装甲をぶち抜く力はまだ持ってない。

 

 

 

 

 2年かけて……ようやく手に入れた力が、たった2種類だけってのが現実だ。

 

 

 

 

「君を倒して、絶対防御の開発許可を貰う。ついでにレイザー君も連れて帰るとするよ……」

 

 

 

『!?行くわけッ――』「良いのかい?、ヴァレンが此処で負けたら君の家族が……?」

 

 

 

 ……酸賀はやろうと思えばよりもっと強い兵器を作れる、でも俺がいるからそれをしない。

 

 

 

 

 だけど1番負担が少なく仲間に力を与えられるのがヴァレンシステムと――。

 

 

 

 俺が生み出すゴチゾウだった。

 

 

 

〖訂正するなら停滞したのはヴァレンじゃない、俺自身だ〗「……へぇ?」

 

 

 

 今でも、どうして自分がゴチゾウを生み出せるのか、本当のところは分かっていない。

 

 

 

 

 どうしてこいつらが俺の意思に応えてくれるのか。

 

 

 

 

 どうして、戦う力を貸してくれるのか。それも全部、謎のままだ。

 

 

 

 

 でも一つだけ、はっきりしていることがある。ゴチゾウは戦うために生まれてくるんじゃない。

 

 

 

 

 誰かの想い()を受け取って、俺の心を動く。そのときに、初めてゴチゾウは生まれてくるんだ。

 

 

 

 

 石の味のロールケーキを食った時に思い出した、俺がゴチゾウを初めて生み出した時――。

 

 

 

 

 

〖悪いが、そいつもその家族には手を出させない〗〔イート!ケーキ!イート!ケーキ!〕

 

 

 

 

 美味しいお菓子をくれた人を守りたいって、ただそう思っただけだった。

 

 

 

 

 

 チョコゾウが生まれた時だって息子にしてくれた酸賀の役に立ちたいって思っただけだった。

 

 

 

 

 

 ノリスケが生まれた時もチップがくれたあの味の中に感謝があって役に立てたのが嬉しかった。

 

 

 

 

 

〖入り込む隙がないなら、真正面から叩き潰すだけだ。それも(絶対防御)バウエル社も』

 

 

 

 

 ――CAKE・THE・CHANGING!――

 

 

 

 

「僕のデータにない機能!?、やっぱり酸賀さんが何かしら仕組んでたね……!」

 

 

 

 チェンジング……?、酸賀のベイクマグナムと同じ……酸賀と同じか、悪くないな。

 

 

 

 〔WAO……WAO……WAO WAO WAO!!!〕

 

 

 

 

――絆斗君、もし誰かの前でヴァレンになることがあったら……こう言うと良いよ――

 

 

 

 

  〔WAO……WAO……WAO WAOWAO!!!〕

 

 

 

 

 

 『何だっけな、そうだ……変身

 

 

 

 

 

 ――BEYOND BIO LOGY――

 

 

 

 

 ――BUSHUEL FUWAFUWA――

 

 

 

 

 ――PHASE 2 VALEN――

 

 

 

 

「……一回り大きくなったただの派生形態、何だ特別――地震?、いやこれは……」

 

 

 

 身体が……熱い。血管の中に熱湯が回ってるみたいだ……。

 

 

 

 体全体がそれを抑え込むように圧迫されてる、特に指先が痺れて……握った拳を開けない。

 

 

 

 地に立つ足が、信じられないほどに重い……千切れそうだ。

 

 

 

 胸が苦しい。ズン、ズン、と内側から殴られているような振動。

 

 

 

 いや、違う。これは――。

 

 

 

 鼓動か……「鼓動……!?」

 

 

 

 

『……まじかよ、兄貴でもこんな気迫……』

 

 

 

 

〘……力が溢れすぎている。ニエルブ様、撤退を〙

「いやデータが欲しい、赤ガウにも似たような形態はあったけど、これはそれとは訳が違う……」

 

 

 

助かる……それなら、何も考えなくて良さそうだ。

 

 

 

「強化されたとはいえ僕が再現した絶対防御は破れない、ランゴ兄さんのDNA――」

 

 

 

 片手で握った大斧を肩に乗せ、踏み込む。

 

 

 

 

 刃を振るうのではなく、ただその質量を鈍器振り回すかの如く勢いごと叩きつける。

 

 

 

〘ッ?!〙

 

 

 

 

 盾ごと構えたエージェントの体そのまま地面を滑る、後方の太い木へと叩きつけられた。

 

 

 

 

 衝撃で幹がたわみ、エージェントの身体は深く木に盾も装甲ごとめり込んだ。

 

 

 

 

 守る構えは意味を失い、全身が圧に潰されるように固定される。

 

 

 

 

「……グロッタ姉さんにも引けを取らない馬鹿力、想定以上の急激な進化。流石……まさか。」

 

 

 

 ただ呻くように震えるだけで、もう反撃はない。砕く必要はない。ただ、押し通す。

 

 

防げるといいな。

 

 

 

 盾が壊せないなら、盾越しに使用者を破壊すればいい。

 

 

 

 

絶対、防御なんだろ?

 

 

 

 

 

 一歩、後ろへ退いた。土を蹴る音すら飲み込まれる静寂。

 

 

 

 

 

 地を掠めるように、斧を地面すれすれまで下ろした。刃が地を削り、煙が舞う。

 

 

 

 

 そのまま、下からえぐるようにすくい上げる。

 

 

 

 ――BEYOND THE STRIKE!!!――

 

 

 

 

 

 〘ニエルブ様……撤退をッ――

 

 

 

 

 ―― BU - SHU - EL - !!! ――

 

 

 

 

 

「……型落ち品とは言え、運用初日で防御が破られるとは。もう十分だ、撤退しよう。」

 

 

 

 

 〘ッ……『……あとはてめえだけだな?』

 

 

 

 

「1人で倒すなんてやるじゃないか。だけどもう此処には用はない、深追いはお勧めしないよ」

 

 

 

 

 

 『おいまっ――』逃すと思うのか?……お前のような奴を〔ブシュッ!〕

 

 

 

 

 

「だから何度も……警告――白い……粉?、まさかヴァレンッ――」

 

 

 

 

爆ぜろおまっ俺らまで巻きッ――』

 

 

 

 

 

 

 ――何でも屋:【助っ人酸賀さん!】

 

 

 

 

 

「あらぁ、絆斗君……もう次の段階に行っちゃったんだ。身体への負荷が少ないと良いけど。」

 

 

 

 

ダァ……ダートグミ……!〕「……君が来たと言うことは絆斗はまともに動けない……と?」

 

 

 

 

 ……迎えに行くかぁ、すぐ食べれるようにグミとかラムネも買わないと。

 

 

 

 

 

 

――隠れ家

 

 

 

 

〔ザクッ!ザク?〕『ああ……起きてる……デコに乗るな……』〔ザックザク!〕

 

 

 

 大斧からどうやら振り回す度起爆性の粒子を拡散する効果があったらしく、自爆した。

 

 

 

 

 意志が朦朧としていてロールケーキのゴチゾウに言われるがまま行動したのが不味かった。

 

 

 

 

『まじで死ぬかと思ったわ……てか、何だよあの姿……化け物だろ。』

 

 

 

 

 予想としては酸賀が仕込んでいた何らかの機能、BEYOND(超越)……酸賀が好きそうな言葉だ。

 

 

 

 

 

『難しい話だが、恐らくヴァレンシステムが次の段階に進んだって事だろ……知らんが。』

 

 

 

 

 

 あのゴチゾウに特別変わりはなかった、ゴチゾウとの相性が良すぎたのか?。

 

 

 

 

 

 いや原因は……恐らく俺自身にある。

 

 

 

 

 込められた2つの優しさが曖昧だった記憶を刺激して生まれたゴチゾウ……。

 

 

 

 

 

 これ以上は酸賀の意見も聞く必要がある……し、今はとにかく身体が辛い。

 

 

 

 

 

 張り裂けそうな鼓動と外からの圧迫から解放されて体温も正常にはなってるが動けん。

 

 

 

 

『あのニエルブって奴?、倒せたのか?』『あれで死ぬなら巻き込まれたお前も俺も死ぬ』

 

 

 

 

 

 電子機器は何処かに落とした、使い捨てのプリペイド式だから別に良かったが……。

 

 

 

 

 

 今の状態を酸賀に診せたい、変身している間は本当に死ぬかと思った。

 

 

 

 

 〔ザク!イート!ザク!イート!〕『……食いもんあるか?、多少はそれで回復できる……』

 

 

 

 

『あぁ……石?』『食えるが回復するなら人間用の……出来ればお菓子だ。』

 

 

 

 

 

『あ〜だったら、兄貴がふざけて買って来た石チョコってのがあるけど……これお菓子だろ?』

 

 

 

 石チョコ……うろ覚えだが酸賀がなんかふざけて買って来てたな、味は覚えてない。

 

 

 

 

〔イート、チップス?〕『仲間が欲しいのか?……ちゃんと会えるから待ってろ。』

 

 

 

 

 味はただの甘いチョコで、硬さも舌触りもただのチョコと変わりない……石とは違うな。

 

 

 

 

 

 ああ、でも……石の味は共有できなかったけど。これは一緒に食べられたっけ。

 

 

 

 

 〔ゴロッ……ゴロゴロォッ!〕『こりゃまた見た事ねえゴチゾウ……しかも元気だ』

 

 

 

 

 

 〔ゴロォ?〕『石みてえにまんまるだな、こい――おっも。

 

 

 

 

 

『いや大袈裟だろ――おっも、何だこいつ。お前ら兄弟から貰う菓子は妙なのばっか生まれるな』

 

 

 

 

 グラニュートだからか……?、いや関係ない。

 

 

 

 

 

 俺がやっぱり忘れた記憶を刺激する物が特殊な個体を産み出すのか。

 

 

 

 

〔ザクッ!ザーック!〕〔ゴロォ?〕『先輩風吹かすな、お前だって今日生まれたばっかだろ』

 

 

 

 

 

 『何言ってんのか分かるんだな、産みの親だからか?』『俺の眷属だからだ。』

 

 

 

 

 

 そういえは立て続けにゴチゾウが出てくると言うことは……こっちは回復してるみたいだな。

 

 

 

 

〔グミ!ダートグミ!〕〔ザクッ!〕〔ごぉろぉ?〕『五月蠅いのが来たな』『……人間の匂い?』

 

 

 

 

 

 

「あ~いたいた、絆斗くぅん。なに~?ボロボロじゃないの?データ見るからヴァレンバスター」

 

 

 

 

 

『まず診察しろ……』「心配だけどどうせ食べて寝たら治るでしょ、でも家で寝た方がいっか?」

 

 

 

 

 

 

 〔ごろぉ?〕「えぇ~?こんな短期間で新しいゴチゾウが……この子何で生まれたの?石?」

 

 

 

 

 

 『だる。』「あぁ~あとそこのグラニュート。」『んだよ』「後で調べさせて?」『だる……』

 

 

 

 

 

 

 

 斎藤一家は、ニエルブに居所を把握されていた可能性も考慮され、早急に保護措置が取られた。

 

 

 

 

 

 組織の管理下にある地域であれば、グラニュートも容易には近づけないはずだ。

 

 

 

 

 

 そして俺は――体内の一部の器官が完全に回復するまで、時間がかかると言われてしまった。

 

 

 

 

 

 つまり、しばらくのあいだは変身を控える必要がある。

 

 

 

 

 

 その代わりに任されるのは、ゴチゾウの生産――つまり、大量に食べること。

 

 

 

 

 

 ちょうどチョコゾウたちの出荷時期が近づいているのもあって元気なうちに蓄えとかないとな。

 

 

 

 

 

 ……2日後のレースまでに、間に合えばいいんだけどな。

 

 

 

 




【仮面ライダーヴァレン(酸賀絆斗):ブシュエルフォーム】


 ブシュエルフォームは、酸賀絆斗が基本形態”チョコルドフォーム”から新たに派生させた強化形態であり、その名の通りブッシュ・ド・ノエルをモチーフとした装甲を特徴とする。


 全身に分厚い装甲を纏っており、その内部には“外付けの筋肉”と称されるエネルギー収束層が内蔵されている。特筆すべきはその耐久性で、グラニュートの攻撃すら正面から受け止められるほどの強固さを持つ。


 しかしその一方で、装甲の重量は非常に重く、機動力の大幅な低下という致命的な弱点を抱えている。


 胸部の“ブシュエルラング”は、ブシュエル系のゴチゾウから抽出した力を利用し、エネルギーを一定方向に巻き上げる装置である。


 この機構によって高トルクを発生させ、身体全体にそれを供給することで一時的に爆発的な出力を得ることが可能となる。
 

 だがこの出力は絆斗自身の生理的負荷を無視できるものではなく、特に心臓への負担が極端に大きいため、長時間の運用は危険とされている。


 初運用時には装甲の圧迫によって手の可動が制限され、絆斗自身がブシュエルの力に適応しきれなかったという記録が残っている。


 また、上部装甲には粉砂糖を模した白い模様が施されているが、これは高い殺傷性を持つ起爆性粒子で構成されている。
 

 微細であるが故に動くだけで周囲に粒子が拡散してしまい、ブシュエルフォームがヴァレンバスターなどの武器を使用する際には、即座に誘爆を引き起こす可能性がある。


 事実上、使用者本人すら制御困難な危険物と化している。


 怪力を活かした斧型武材”クリスマックス”は爆発も絆斗に負荷を強いることのないただの大斧。


 攻守ともに極端な性質を持つこのフォームは、文字通り“力を得る代償”を絆斗の身体と周囲に強いる形で成立している。


――スペック
身長:250.25cm
体重:150kg
パンチ力:7.6t
キック力:5.4t
ジャンプ力:2m(一跳び)
走力 13秒(100m)
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