機動戦士ガンダムSEED DESTINY 運命の破壊者   作:くまたいよう

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 トダカとアレックス帰国な回。


帰国、近くにあった答え

 トダカとアスランが、シンとロミナに対して他には言えない訪問をした二日後。移民に対する誠意として改めて面会したデュランダルに誓約書まで貰った。

 

 内容はシンを含む移民は自国の市民として当然守ると言うものだが、アスランがユウナに指摘されたような連合やオーブの都合の為に引き渡す等の事態を考えてかった事を見抜かれてソレは断じて有り得ないとすべき内容でもある。

 

 ロミナの屋敷の一件でそれは口惜しいとすら思えずに代わりのシャトルを用意してもらい、途中迄護衛付きで二人は帰国したがセイラン親子が居合わせる中でカガリからは尋問とすべき形で呼び出された。

 

「トダカ、アレックス・・・・先ずはご苦労だったと言ってやりたかった」

 

「わ、私は・・・・」

 

「か、カガリ・・・・」

 

「わかっているよ、何かの陰謀に巻き込まれたんだろ?」

 

 ユウナが嘆きを隠さずに仲介するが、カガリの怒りや関心はユウナに向く事は無い、合わない人間からはとことん合わないとされるユウナですらカガリの怒りの矛先を逸らせなかった。

 

「私もわかっている!人の事を言えた義理では無いのだからな!けど、これは何だっ!?」

 

 モニターをつけると、そこには一つのカプセルが映っていた。これがデュランダルのオーブに対して協力を要請する証とされている。

 

「例のミラージュ・コロイド搭載艦から回収したエクステンデット用のカプセルか、地球軍側は自分達には関係無い。どう調べても構わないと声明が出た。プラントは協力を申し出たい証としてジャンク屋やアメノミハシラ、オーブ本国にも解析を頼むとの事で譲ってくれた。不都合なら此方で処分して良いとまで言ったんだ。ただならぬ何とやらだよ・・・・一見はね」

 

「最後、確認したんだな?」

 

「はい、確かにっ!【空のカプセル】でした。その後に閉じるのも見ていました。その時は外からは中の様子がわからなくなる処置等は無いのも確かに!」

 

「それは信じよう!では、お前達がシャトルに乗り、オーブに戻る間に・・・・いつの間にかカプセルの中に【シン・アスカが入れられて、お前が無かったとする外から中身が見えなくなる処置をされていた】と言うんだなっ!?」

 

 モニターを操作して真上から移す視点にすると、カガリが言うように中にはシンが睡眠措置を取らされていて寝息すら立てているか定かではない程の深さに眠っていた。

 

「全く、とんでもない証とやらですな。いつの間にかと言っても、トダカ一佐とアレックス君が隙を見てシン・アスカを拉致してカプセルに入れて持ち帰ったのだと言われかねない状況ではないか・・・・下手に証拠隠滅として消すのも躊躇われますな」

 

 ウナトの非情な言葉が出るが、トダカには反論が出来ない理由がある。仮にだが、事情を聞かれてはアレックスが何故かトダカには想像が無理な形に暴発してシンに暴行を加えたとする醜態にまで話が及びかねない。実はセイラン親子にでも相談すれば対処法を出してもらえる問題とわからないが、今は内部で眠らされているシンを早く無事に目覚めさせるべきとカガリは判断したが、カプセルの解析は【エリカ・シモンズ】に頼りながらを待つしか無いとして一時間経った時に解除が成功して間も無くが目覚めると連絡が来た。しかし、目覚めた後に状況をどう説明すれば良いのかと全員が及び腰気味であったが、カガリは即座に自分が会いに行く事にした。

 

「代表、危険ではないですか?」

 

「そうだよ。話によると彼ってオーブに恨み節を言うとかじゃなくて外宇宙に行って頑張ろうとしてたのにコレなんだから、もう少し落ち着いてからだね?」

 

「私が立ち会いましょう」

 

「トダカ・・・・頼む!」

 

 少なくとも、トダカにいきなり襲い掛かる事は無いとして周りは了承した。誰かに状況を探られているかもしれない可能性はあるが、それ以外に良い策は思い付かないのだ。

 

 

 

 

 -ー-ー-ー-ー。

 

 

 

 

 そして、オーブの地下施設の一つでエリカに出迎えられた。どこか余裕があるキャリアウーマンの外見な美女も流石に表情が重い。淡々と語ったように二分経ってシンがカプセルから目覚めた。間近で立ち会うトダカと後方で控えるカガリもどう言えば良いのかわからないが誠意は示さねばと思っていた時、カプセルで眠るシンはゆっくり身体を起こしたが、見慣れない場に戸惑う仕草である。

 

「おぉ、目覚めたか。すまない!何を言って良いかわからない・・・・だが、私は・・・・」

 

「あの、誰ですか?」

 

「し、シン君?」

 

「・・・・【シン】・・・・シンって?」

 

 他にも質問するが、返ってくるのは何もかもわかってない内容ばかり、徐々に浮かんだ可能性をエリカが肯定した。

 

「はあ・・・・これは、二重の厄介さですね。新たな解析結果が出ましたよ、どうやら記憶操作処置のシステムが働いてたようで・・・・シン・アスカの記憶は全て削除されています」

 

 率直に事実だけを告げる言葉を発した彼女は周りを見回して、内心で嘆いていた。

 

 カガリ、アレックス、ウナト、ユウナは唖然としているようで何処か打算的な色が浮かんでいるのを見抜いたのだ。それはそうだろう、自分達の不始末の生き証人がこうなっては程度の違いはあるが黒い考えも浮かぶとしたが、トダカだけはシンの手を握りながら無念さに泣き崩れていた。軍人としては失格だが人間としては正しい、報われたと思った少年が自分の不甲斐なさが絡む形で再び全てを失ったのだ。良心がズタズタに引き裂かれていたのだ。

 

(全く・・・・こんなんでどうする気なのよ、考えが正しければ状況を打破できる切り札の力を帳消しにしちゃったわ・・・・子持ちの母失格なんですけど、そう考えられるくらいじゃないと【連中】には勝てないわ、私を恨んでも良いから何とかして欲しいわ・・・・)

 

 ツテはあるのだが、やはりカガリ達には全てを話さない事をエリカは決めた。

 

【シン・アスカが、ただ偶発的に戦災孤児となった少年と考えた時点で論外なのだから】

 

 だが、この後をどうするかだ。別室に案内されたシンを内通者の力を借りたか予め決めていたかにしても記憶を消しながら拉致したと取られかねないので下手な扱いをしてはと考えが及んでいるか怪しいカガリを目の当たりにしてエリカはしびれを切らした。

 

【もう付き合いきれない】

 

【自分の嘗ての選択が間違いだと思いたくないからかもしれないとしても】

 

 エリカはカードを一枚切ったのだ。

 

「私が預かります。息子持ちならではの身として放っておけませんし」

 

「いや、それは有り難いがシモンズ主任は何故そんな事を即決してくれるんだい?」

 

 ユウナの言葉は尤もだ。シンを率先して引き取るような性格や立場ではないとしていたが返されたのは意外な一言。

 

「【知己達】の息子ですから」

 

 全員が絶句した。それも神経を逆撫でしたがやはり付き合いきれないとして、今話すべき事を許容範囲で話す。

 

「私は【シン・アスカの両親と親交がありました】現在、オーブのMSに採用されている機体には、あの二人の恩恵があります」

 

「な、何故それを言わなかったんだっ!?」

 

「相談しなかったでしょう、元オーブ市民の扱いなんて、つい最近にトダカ一佐がプラントに行った後に知ったばかりです」

 

 頭が真っ白になって漸く出た質問への返しは慈悲の色が無く、確かにそうだとする他無かった。

 

 カガリは自分で戦っていたつもりだが、悪く言えば国政に関わる事全てを自分の狭いと自覚が無い視野でやりたがっていた形になっていたのだ。これでは砂漠でバクゥに自走砲で戦いを挑んでた時と何ら変わらないとしてエリカの怒りが臨界点に達していた。

 

 そもそも、アフリカに行ったのは付き人であるキサカがあの方面の。

 

【砂漠の虎に焼かれたタッシルの生まれだからああしていたのだ】

 

 加えてカガリが参加したレジスタンスのリーダーであるサイーブ・アシュマンは亡きウズミの顔見知りであったから。

 

 実はキサカが遠ざけられているのは、その関連が原因な【左遷】でもある。

 

【亡きウズミが白兵用の武器であるが、自国のモルゲンレーテ社製武器を多数に横流ししていたともなる意味は重大である】

 

 コレを放蕩娘のやる事としていたツケもアスカ一家を始めとしたオーブに住むコーディネーターの悲劇に繋がったかと思う罪悪感があるからこそ、カガリへの追い討ちに繋げた。

 

「じゃじゃ馬娘扱いした身として言わせて頂きますが、周りにちゃんと相談するべきでしたわね代表・・・・オーブに住んでいたコーディネーターという事はモルゲンレーテを始めとした重要施設に関係していたか顔見知りの一人二人知り合いがいてもおかしくはないどころか自然に近いでしょう、知らされてさえいれば。許可が出れば私がプラントに行っていましたわ」

 

 カガリは遠回しは自分のやり方が自分よがりな無駄骨と糾弾された。トダカにしてもプラントに行かせたのが失敗だったと思ってしまった少年と面識があるかもしれないし両親の知己であった者が最適だったとする流れ、ましてエリカは自分達より洞察力からして遥かに上で同じ結果にはならなかったかもしれない。過保護とされるアスランにも成す術が無い。

 

 セイラン親子からしたら、これで少しは視野を正しく広めてくれれば良いとした。問題に対する答えが実は近くにあるのは珍しくは無いのだと理解せず自分達に責任転嫁するならするで都合が良いのだから。

 

(けど、自分で行かなかっただけはマシかもしれないわ、全く・・・・自分がそこまでやる必要があると思ってるのしら?)

 

 許可を貰ってシンを自宅に案内する事になったエリカの疑念は尤もであるが、自分で何もかもを抱え込み始める事を良い方向に向かっていると感じる思考こそをしているのはカガリばかりではなかった。尤もその内の一人であるデュランダルが既に想定外な路線変更をしたのがこうなった一因であるが。

 

 

 

 

 そして、プラントではエリカにとっても皮肉な事態が起きていた。プラント内にいるシンの知り合いにでも手を伸ばされたら、若しくは自分達が敢えてとした際に考えられる者達がせめて分散はしないでいて欲しいとした甘い期待が叶えられていた。

 

 

 

 

「そんなワケで・・・・シン君が【親善大使役】として地球に行っている間は、此処を好きに使いながらゆっくりしててね。二人のリハビリには丁度良いハズよ」

 

「は、はいっ」

 

「うぇ~い」

 

「ステラちゃん、お世話になるんだから返事は【はい】よ?」

 

「【パイ】・・・・ブルーベリー、アップル?」

 

「ふふ、お腹が空いてるなら有り合わせだけどパイでも食べる?」

 

「食べる~」

 

「あ、あの・・・・」

 

「良いのよセツコさん、ステラちゃんには色々時間が必要よ」

 

 ロミナの屋敷では、セツコとステラが滞在する事になっていた。

 

 シンに持ち掛けた計画の実行まで、ミネルバの中で過ごさせるワケにはいかない。その間は人が少ない場の方が良いとのデュランダルの案であるが真相を知る術は無い、そもそもステラとセツコから見たロミナは邪気がまるで無い、記憶に無いが【母】をイメージさせる類いすら感じているのだ。

 

 これは自分もワケありなエリカには搦め手を仕掛けられる対象ではないので僥倖だった。




 健全になったと思ったら真っ白になったシンがオーブに帰国しました(汗)

 劇場版後にシンの両親もエグい考案されたりする始末だが、今作設定じゃどうかな?(汗)
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