栄主と歌姫と白閃と   作:イ―グル

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2025年6月18日 後書きを改稿
2025年6月22日 改稿
2025年6月23日 改稿
2026年2月17日 改稿
2026年2月18日 改稿
2026年2月20日 改稿
山本 仁 (やまもとじん)
身長167㎝         趣味ゲーム
年齢(転移時)16歳       漫画
誕生日 3月31日        
体重 53㎏         
特技 計算
一般的な高校生。
特に大きな事故や出来事もなく、日々に鬱屈や不安を抱えながらも至って普通生活を送っていた。
しかし、彼の16歳の誕生日から運命は激変することになる。
ちなみに、にわかのミリオタでウマ娘プレーヤー

山本 白鳥 (やまもとしらとり)
身長162㎝         趣味読書
年齢 40歳        
誕生日 12月2日
体重 59㎏
特技 家計簿計算
仁の母。
慈愛の心をもって仁を育ててきた仁がもっとも感謝している人の一人。
ちなみに、体重が増えていることを気にしている。

山本 宗光 (やまもとむねみつ)
身長 172㎝     趣味釣り
年齢 42歳
誕生日 8月4日
体重 62㎏
特技 競馬予想
仁の父。
厳しくも仁のことを思っている仁がもっとも感謝している人の一人。
ちなみに、予想の的中率は大体50:50。


第一話 運命の転換点

人生とか生きる理由を、考えたことはないだろうか。      

喜劇? 悲劇?お金? 恋人? 

どれだけ考えたってその答えは出ない。

まぁ、そんなことは俺みたいな凡人にはどうだっていい。          

答えの出ないことを考えて、諦め生きてきた16年間。        

将来や人間関係を不安に思い過ごしてきた。

この状況から抜け出したいという鬱屈とした気持ちもある。

でも、誕生日くらいそんなことは忘れて過ごしてもいいか。  

         

そんなことを思っていた時、それは起きた。

 

一瞬で家が強烈な光に包まれ周りが全く見えなくなった。

雷かっ!?と思ったがあまりに長すぎる。

しばらくすると強烈な光は収まり、窓から自然な光が入ってきた。

ひとまずリビングへ行こうと思い、階段を降りた。

リビングには、(白鳥)(宗光)がいた。

「あっ!仁!」

「お前も無事だったか。」

全員無事であったことに安堵していたが、今はそれどころではない。

「ふたりとも無事でよかった。でも、いったいなにが起こったんだ」

「まったく分からない。突然光に包まれたと思ったらいつの間にか収まってた」

「私も同じ。ここで休んでいたら光に包まれて..........」

どうやら分かっている状況は同じなようだ。             

ひとまず周りの状況を知りたい。

とりあえずテレビをつけてみる。

だが、付かない。

スマホもネットもどちらも繋がらなかった。

「一体、どうしたんだ」

もうどうしようもないので、窓にかかっているカ―テンを開けてみた。

 

「…………は?」

 

そこは見慣れた住宅街ではなかった。

あまりの衝撃に、夢ではないかと頬をつねってみたが、

ただ、鈍い痛みを残すのみだった。

「いったいなにが起こっているんだ」

父は衝撃のあまり言葉を漏らす。

「信じたくはないけども、これ多分現実だよ」

「えぇ....認めるしかないのかしら」

もうこれ以上見るだけで分かることはないと感じたので、外へ出て確認してみることにした。

「外に出て大丈夫なの?」

不安に思う母を家に残して、二人で外に出てみることにした。

外へ出てみると辺りには住宅が並んでおり、現代の日本様式の住宅であることからここが日本であろうということが分かったのと、周りの地面が露出しているので、住宅開発地だとわかった。

あとはここがどこかわかる物が欲しい。

少し歩くと、大通りに出て看板を見ると「横浜」の文字が書かれていた。

神奈川だって!? 元々埼玉にいたのに、どれだけ移動しているんだ!?

位置情報はわかったから、次はこの状況を無駄かもしれないが市町村に報告しておきたい。

 

市街地を歩いていると、ある街頭広告が目についた。

『怪物チャン 新CD発売』

というメッセージとともに昔のアイドルみたいな髪型をしてウマ耳と尻尾がある人が載っていた。

間違いない、あれはウマ娘のハイセイコーだ。

ずっとやり込んでいたゲームだから見間違えるはずない。

しかもポスターは一枚ではなく、通りに何枚も並べられており、『ウマドル界の一番星』とまで書いてあった。

もしかして自分たちはウマ娘の世界に来てしまったのかもしれない。

そしてその疑念は確信へと変わった。

目の前をウマ耳と尻尾がある人たちが通って行ったのだ。

脳の処理が追いつかなかった。

多分10分くらい立ち尽くしていた。

自我を取り戻した後、この事実を伝えるために家に戻ろうとしたが、またしても一枚のチラシが目に入った。

 

『転移者は市役所の転移者窓口へ』

 

このチラシを見た瞬間心の中に助けてもらえるかも?という希望と本当に助けてくれるのかという疑念が同時に湧いてきた。

でもこの世界では戸籍もない状態、下手すれば飢え死にしかねない。

藁にも縋る思いでこれに希望を託し、家族全員で市役所へと向かった。

 

市役の窓口に相談すると、別の部屋へと通され一通りの個人情報を聞かれたのち身体検査が行われた。

 

この世界では昔から異世界からの転移者がやってくるらしい。

しかも、日本だけにだ。

こういうことがあるから、この世界の日本は受け入れ態勢を整えてるらしい。

 

 

検査の時に自分が高校生であることを伝えると、編入試験を受けさせてもらえることになり、改めて受験勉強をして、進級後の2年で同じような偏差値の学校に編入させてもらえることとなった。

だが、ただの学校生活を送れると思っていたもののその考えは甘く、転移者ゆえの偏見や差別によりいじめを受けた。

だが、この世界は少子化対策としていじめ対策も進んでおり、ほどなくいじめはなくなった。

 

学校に通い始めて3カ月がたったある日、近くの港で海上自衛隊の艦艇の一般開放が行われると聞き、眠い目をこすりながら並んで見に行った。この世界は北海道侵攻により防衛政策が大幅に変更され、防衛力強化が行われたことにより自衛隊の規模が巨大化し、比較的辺鄙な場所にも戦力が配備され、それに伴い自衛隊の広報イベントの数も増加しているらしい。

その行事の中でとある自衛官に話を聞いてみたことがある。

「なぜあなたは自衛官に?」

「そうですね…守りたいものを見つけるためでしょうか」

守りたいものを見つけるため?

最初、俺の頭にははてなが浮かんだ。

「どういうことでしょうか」

「自分も高校生の時はなんとな~く生きていたのですが、だんだんと生きるのがつらくなってきて、生きる理由とかを探し始めたんです。そしたら、自衛隊の宣伝ポスターを見つけて。

誰でも一度はあこがれるでしょう、誰かを守れるヒーローに。そういうのになれば生きる理由が見つかるんじゃないかと思って入ったんです」

「その生きる理由って見つかったんです?」

「見つかりましたよ」

「なんですか?」

「それは…自分で見つけてこそだと思いますね」

この時の自分は生きる理由というのが思いつかなかった。だが、誰かを守るという言葉に惹かれたことと、生きる理由が見つかるかもしれない希望と、転移者は大抵公務員系の職に就くことが多いと聞いたことがあるので、これを機に自衛官を目指すようになった。

その道は決して簡単なものではなかったが体作りと勉強を積み重ねた結果、防衛大学に合格した。

 

そんなさまざまなことがあった高校3年間を終え、防大に入って初めての正月を迎えた。

またしても僕の運命を変える出来事が起こった。

 

 

実家に帰って惰眠を貪っているのも落ち着かず、家の周りを散歩していた時だった。

突然、前方が強烈な光に覆われた。

またかっ!?とも思ったが周りの景色が光に包まれることなく、ただ前方が光っているだけであった。

まさか誰か転移してくるのかと思い、身構えていたが、光がかなり早く減退している。光に包まれる時間は転移してくる人数によって変わってくるらしく、明らかに自分たちの時より短く弱く、少い人数が転移してきているのかと思い待っていると光が開けた。

 

そこにいたのは前世界で彗星(スター)として有名な人だった。

 

髪は空を映し取ったような水色。

肌は絹のように白く美しい。

引き込まれるような、宇宙が広がる深い青の眼。

 

僕はその人を知っていた。

 

星街すいせい

 

ホロライブ所属のVtuberで、あらゆる人を魅了する歌声を持つアイドルだ。

 

その姿に少しの間見惚れてしまっていた。

 

「えっ、何、何、何ここは」

だが、ハッと思い、星街さんに声をかける。

戸惑う星街さんにどう対応すればいいか分からず、自分も慌てふためく謎状況が作り出された。

5分後…

「お、落ち着きましたか」

「は、はい何とか」

肩で息をする星街さん。

「まず、あなたに話さなければならないことがあります」

「な、なんでしょうか」

「ここはあなたの住んでた世界とは別世界です」

「え!?」

衝撃を受けた顔で俺の方を向いたまま止まる星街さん。

「衝撃なのはわかります。自分もそうでしたから」

「それじゃあ、あなたも?」

「はい、転移者ですよ」

また固まる星街さん。

話を続ける。

「取り敢えず、この世界の行政は転移者を受け入れる感じなので、市役所に行きましょう」

「し、信用していいんですか?」

「少なくとも、困ってる人を追い詰める真似はしませんよ」

まあ、警戒されるよな。

そんなこんなで市役所に行くことになった俺と星街さん。

星街さんが俺の少し後ろを歩く。

コツ コツ コツ

靴が地面にあたる音が、閑静な住宅街に響く。

あ、そういえば聞きたいことがあったんだ。

「あの星街さん」

「なんですか」

警戒されているの声で話す。

「2025年の4月くらいに、埼玉から家一軒とそこに住んでた家族が消えた事件とかありました?」

この質問は自分達の世界から来た人なのかもしれないと思っての発言だった。

まあ、キモがられるだろけど、やってしまった。

そう後悔していると後ろから返答が来た。

「…そういえば、そんな事件があったような」

「…!」

その言葉に体がピクリと動く。

「多分、それ自分達です」

「そうなんですね」

淡々とした声で答える。

その後は、転移してからの自分の話などをして市役所に着き、転移者窓口まで案内した。

「じゃあ、自分はこれで」

そういって、去ろうとした時だった。

「あ、あの!」

星街さんの声で呼び止められた。

「?どうしました?」

「疑ってしまって、ごめんなさい!」

「いえ、あの状況じゃ誰も信じられなくても当然ですよ」

「それでもです。お返しは何もできませんが本当にありがとうございました!」

そう言われた。

「…いえ、お役に立てただけ良かったです」

そう告げて、俺は市役所から出ていった。

きっとあの人の人生と交わることはもう二度とないだろう。

そんなことを思いながら、帰路についた。

だが、そんな予想が壊されるとはだれも思っていなかった。

 

2日後

もう防大の宿舎に帰る日なので、自分の部屋の片づけや身支度をしていた時だった。

ピンポーン

インターホンが鳴った。

誰かと思い、一階へと降りてみるとそこには見覚えのある人物が立っていた。

「え、星街さんどうしてここに?」

一昨日、市役所に案内したはずの星街さんが居た。

「あっ!仁君!」

「仁。この人って知り合いなの?」

そう母さんが尋ねる。

「昨日話した、市役所まで案内した転移者の人」

「すいちゃんじゃないか!」

何で星街さんの名を知っているかというと、父さんは星詠みなのだ。

状況がこんがらがっているが、一先ず星街さんに話しかける。

「どうしたんですか、星街さん」

「実は近くの公営住宅に引っ越してきてね、あいさつに来たの」

案内しただけなのに凄い打ち解けようだ。

まあ、明るい性格の星街さんならこれくらい打ち解けるか。

そんなことを思いながら、疑問に思ったことを問う。

「そういえば、家の住所どうやって知ったんですか?」

「ん?一昨日君が教えてくれたじゃん」

そうだった。なんか困ったことがあったら頼ってくださいって連絡先と住所教えたんだ。

まさか、こんな短期間で来るとは思いもしなかったが。

「というわけでよろしくね、仁君」

どうやら、自分はこのアイドルとの縁は切っても切れてないらしい。

その日の夕方、自分は実家を後にし防大の寮へと帰った。

 

防大の寮で部屋で荷物を整理していると戸をノックする音が聞こえた。

 

ガチャ

「よう、正月休みはどうだったよ」

 

防大同期である吉井晴斗が話しかけてきた。

「色々、衝撃的だったよ」

「へぇ、例えばどんな」

「自分が転移してくる前の世界の人が転移してきてたところに居合わせてさ、しかも歌姫でさ、

近くの公営住宅に住むことになったんだよ」

「は〜〜意外なこともあるもんだな」

そんな会話をしながら夜は更けていった。




星街すいせい※あくまでこの小説内での設定です。
身長 160㎝                    趣味色々
年齢 (小説内での実年齢) 永遠の18歳 (18+8歳)
体重 43㎏
特技 歌
みなさんご存じ歌姫Vtuber。
山本家が転移した二か月後からウマ娘世界へ転移しており、あまり認識の差異はない。
ちなみに、この世界での目標は再びの武道館ライブ。

吉井晴斗 (よしいはると)
身長 168㎝       趣味 漫画
年齢 19歳
体重 57㎏
特技 ボードゲーム
仁の同期の防大生。
一般的な中流家庭生まれで、仁とは同小隊。
ちなみに、マイナーなボードゲームにも精通している。

星詠み…星街すいせいのファンネーム
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