!!注意!!
機動戦士ガンダム閃光のハサウェイキルケーの魔女のネタバレが多分に含まれます!
ここまで来たなら、覚悟はあるということですね?
それでは本編をどうぞ!
2034年12月1日 トレセン学園
年越しが見えてきた師走の寒い日。
山本仁はパソコンと書類をにらめっこしながら、仕事を進めていた。
「あ~~~~年末調整の仕事が終わらねえ~~~~~」
「大変そうですね、仁さん」
たづなさんが横で仕事を進めながらそう話す。
「それはあなたもでしょう。たづなさん」
「もう長いことここに務めているので慣れましたね」
「そう言ってますけど、今月何時間仕事してます?」
「グッ!」
「ちゃんと休んでください」
「そういうあなたもたまに休日つぶしたりしてますよね」
痛いところを突かれ何も言えなくなる。
「あなたもお互い様ですよ」
「…善処します」
「朗報!!」
そんなことを話しながら仕事を再開すると、理事長が仕事部屋に入ってきた。
「どうしたんですか理事長」
「また変な事考え付いたわけじゃないですよね」
この人ゲームだとかなり破天荒な思い出しかないので、一瞬身構える
「違うぞ!これは本当の朗報だっ!」
まだ若干怪しいが、取り合えず話を聞く。
「今月の23日!有マ記念があることは知っているな?」
有マ記念
俺たちの世界では有馬記念と呼ばれているレースだ。
もとの世界と同じく、この世界でも国民的行事となっているレース。
条件は中山レース場、芝2500m。
「ありますね」
「どうしたんですか理事長。確かに私たちにとって重要な行事ではありますけど」
「うむ!その有馬記念を見て思い出したのだ!世は年末!休暇の時であると!」
まあ、確かに。
「そこで諸君に確定休暇を与えようと思う!」
説明しよう!確定休暇とは一部の警備員以外全員の出勤が完全に禁じられる日だ!!
「あの、質問がいくつかあるんですが」
「うむ!許可する!」
「まず一つ目、期間は何時から何時までですか?」
「期間は12月23日から29日!無論年始年末休みもしっかりあるぞ!」
かなりの長期休暇だな。
「それと2つ目、自分たちのような自衛隊員たちはどうなるのでしょうか?」
「そのことなんだが、自衛隊の上層部に掛け合った結果、ローテでの休暇が許可されたぞ!」
まじか
「ちなみにローテはどのように?」
「それはそちらで自由に決めていいとのことだ!」
はわ~、かなり寛大な処置だな。
だけど
だけど!!
「この量の仕事22日までに終わらせなきゃいけないのか~~~~~~~~~!!!!!」
「それに関してはこちらも頑張るのでどうにかしてくれ~~~~~!」
その日は一晩中トレーナー室と執務室の明かりがついていたという。
2034年12月4日 トレセン学園 トレーナー室
アタシは授業が終わったので、ジャージに着替えてトレーナー室に向かっていた。
コンコン
「トレーナーさん、入るぜ」
キィ
軽くも高い音を立てながらドアが開くと仕事に追われている様子のトレーナーさんが目に入った。
「ああエース、ちょっと待ってくれ。もう少しで切りいいところまで行くから…」
「おう。分かった」
適当にあったパイプ椅子に腰を下ろし、仕事が終わるのを待つ。
そういえばトレーナーさんってこの頃毎日仕事してないか?
この前の土日もトレーナー室の明かりがついてた気がするし。
「なあ、トレーナーさん。この前休み取ったのはいつだ?」
「確か2週間前…だった気がする」
やっぱり。
この人あんまりにも自己肯定感が低すぎる。
自己肯定感が低すぎるあまり、仕事を断れていない感じがする。
ガンッ
「⁉トレーナーさん!」
突然、トレーナさんが机に突っ伏した。
何かと思い、駆け寄ると、寝ているようだった。
10連勤以上してるし、疲れもたまってくるだろう。
取り合えず、トレーナーさんを椅子から持ち上げ、仮眠用のベットに寝かせる。
後何かできることは…
「んぁ……」
いつの間にか眠っていたようだった。
まあこの頃激務だったし、仕方ないか…
どうやら俺はトレーナー室にある仮眠用のベットに寝かされているようだ。
あとでエースには礼を言わなくちゃな。
それにしても、なんか枕が異常に柔らかいような…?
「スゥ……スゥ……」
目を開けると寝ているエースに膝枕されている俺が居た。
まって、状況が理解できない。
何でエースに膝枕されているんだ?????
まあ、一回起きるか……
「お~い、エース起きろ~」
「んん……、トレーナーさんおはよう……」
エースを起こし、俺も上体を起こす。
「すまないな、迷惑かけて」
「いや、トレーナーさんはいつも頑張ってるし、これくらいなんてことないぜ」
申し訳なさを感じつつ、気になっていたことを尋ねる。
「それにしても、一体何で膝枕してたんだ?」
「いや~いつも頑張っているトレーナーさんに対してなんかできないかな~って」
推しからの労いの行動。
嬉しくないわけがない。
だけど…
「嬉しいけど、生徒と教師がこういうことするのってな~とは思うけど、どうなんだ?」
「ん?膝枕くらいなら皆してるぞ?この前もシービーがぶっ倒れたトレーナーさんにしてたし」
まじか、爛れすぎだろトレセン学園。
「というか橋塚、アイツぶっ倒れてたのか」
「ああ、働きすぎみたいでな」
この駐屯地のオーバーワーク問題、本当にどうにかした方がいい。
それはそうとして…
「う~~~~ん」
「どうしたんだ?トレーナーさん」
「いや、ちょっとお返しを考えてたんだけど…これいいのかな」
「話さないと、さすがにあたしも分からないぜ?」
「実は23日から休みになってな。有馬記念があるから一緒に見に行かないか?」
ガタッ
「えっ!いいのか?」
嬉しそうな様子でこっちに近づくエース
「お、おう。ちょっと落ち着け、尻尾の振りが凄いぞ」
「あっ、すまん」
ちょっと恥ずかしそうに尻尾を抑えるエース。
可愛いな、おい。
「俺の家族と知り合いも来ると思うけど、それでも良いなら」
同居人も来るというところで、耳が大きく動いた気がしたがまあいいだろう。
「おう!別に構わないぜ!」
「じゃあ、家族に話しておくから。予定に入れといてくれ」
一先ずお礼が決まったので一安心していると、エースが話題を変えてきた。
「そういえばずっと仕事してるみたいだけど、どうしたんだ?」
「あぁ、休みが決まったせいで仕事が詰め詰めでな」
「は~、じゃあアタシは自主練しといたほうがいいか?」
「いや、切りいいところまで来たから、トレーニング見るよ」
「いいのか?」
「俺にも気分転換が必要だしな。それに仕事は十分終わるペースだし」
流石に同じ仕事だけでは俺も壊れてしまう。
「それじゃあ、グラウンド行ってるぜ!」
扉が閉められるとともに、軽快な足音が廊下から聞こえてくる。
さてと、俺も書類片づけたら行きますかね。
同居人と行くってことは当然、星街さんとの対決になる訳だ。
廊下を歩きながら、そう考えるエース。
今度こそ勝ってやる、絶対に!
その固い意志を持ちながら、歩むエースであった。
同日 夜 山本家
何とか仕事を終わらせて帰ってきた仁。
もう既に夕食や風呂を済ませ、後は寝るだけという状態。
ピピピピ
ピ
「すいちゃんだよ~」
「今日もですか?」
「お願いできる?」
俺が家にいるときはほぼ毎日寝落ち通話することが日課になっている。
星詠みから後ろ指さされそうな内容だが、よく眠れるので拒みはしない。
「それじゃ、時間も時間なので自分も布団入りますか」
そう言ったあと、先にすいちゃんが布団に入り、次に俺が入る。
「そういえばすいちゃんに話すことがあるんですよ」
「ん~何?」
深蒼の目でこちらを見ながら、話を聞く。
「23日、有馬記念行くって話したじゃないですか」
「うん。その辺の日程は明けてあるよ」
「それなんですけど、エースも行くことになりました」
そのことを聞くとすいちゃんの体がわずかに身じろぐ。
「…へぇ。宗光さん、白鳥さんとみこちは?」
「別に構わないって言ってます」
「じゃあ私も別に構わないよ」
「すいませんね。こっちの独断で決めてしまって」
「良いよ別に。それに……」
「それに?」
「……何でもないっ!」
ちょっと引っかかるが、まあ大丈夫だろう。
そんな気持ちで仁は眠りに落ちていった。
向こうも勝負を想定してるだろう。
仁が眠りに落ちる中、すいせいは静かに考え事をしていた。
だとしたら猶更負けてられない。
このレースに勝つのはすいちゃんだ!
そんなことを思いながら、夜は更けていった。
その夜 一階のリビング
「中々動かないわね、あの子たちの恋の戦い」
二人が寝ようとしているころ、一階のリビングでは宗光、白鳥、通話でみこちが話していた。
「まあ、仁君が鈍すぎるからって言うのも大きいからにぇ」
「アイツ結構モテるのに鈍感だからなあ。中学の時なんて女の子とデートしてもまじで買い物の付き添いと思ってて気づかなかったし、バレンタインもらっても義理だと思ってたし」
「そういう血筋なのかにぇ」
「いやぁ、別にウチはそんなことないんだがなあ」
「私の方もそんなことないわね」
「突然変異ってことにぇ」
「「「……」」」
「普通だったら好きじゃない相手と添い寝なんてしないんだがなぁ」
「「「はぁ~~~~~」」」
恋愛って難しい、と三人は思うのだった。
2034年12月23日 中山レース場
寒空の晴天となった中山レース場。
落ちるのが早くなった夕日は、この後の勝負を静かに見守っているようだった。
「そういえば父さん、席の方はどうなってるん?」
「なぜに関西弁…ちゃんと全員分取ってあるよ。エースちゃんの分も含めてな」
「エースちゃんの分含めて、丁度一家族が取れる限度だったわね」
今はmiCometとエース、俺と父さん母さんで別行動しており、それぞれレース場を回っている。
「改めて思うけど、券売機とかがない分野球場とかのスポーツ娯楽施設って感じがするなぁ」
「まあ、競馬場が競馬場である所以が無くなったらそうなるよな…」
「レース場の名物は変わってないみたいだけどね」
ちなみに、回っている理由はレース場のグルメを回るというもの。
東京は知っていても中山のグルメはあまり知らないので、結構楽しかった。
「ここらへんよね?集合場所って」
「うん、合ってるはず」
「仁く~ん。こっちこっち~」
聞きなれた声に振り向くと、三人がこっちに向かって歩いてきていた。
「集まったことだし、席に行きましょうか」
6人で移動し、屋外の席に着く。
寒いが、一番熱い場所でもある。
この世界の中山競馬場はレース人気の増加に合わせて、2030年に改修されている。
これにより収容人数が9万人まで増えたうえ、飲食関係も強化された。
だから、今回俺らはチケットを取ることが出来た。
ちなみに、今回の有馬記念の動員人数は13万人とニュースを見たら出た。
凄い数だなと思いつつも、前の世界は17万とか来たし大丈夫かと仁は思うのだった。
「トレーナーさん」
「ん?どうしたんだエース」
全員が席に座ったころ、エースちゃんが仁君に話しかけてきた。
「トレーナーさんはあたしのことどう思ってます?」
その言葉に眉が少し動く。
かなり直接的な質問をしてきたな。
「どうって…好きだよ」
「「「「「えっ!」」」」」
「教え子とか推しとして」
「「「「「ガクッ」」」」」
まだ完全に勝たれたわけでない安心を感じつつ、鈍感さを痛感する。
「?どうした?」
朴念仁過ぎる……この人……
それじゃあ、次はこっちの番だね。
「ねえ、仁君」
「なんでしょう、すいちゃん」
「もう結構長いよね、今まで過ごしてきて」
「まあ、もう六年になりますからね」
「もう六年にもなるんだし、私へのイメージ変わってるんと思うんだけど、如何なの?」
「まあ、変わりましたね」
「へえ、どんな風に?」
どうせならエースちゃんの作戦に乗ってやろうと思い、イメージを聞いてみる。
「どうって……思ってた以上に仕草とかが可愛いなって」
ヨっし!
かなりいい反応が来た!
エースちゃんを見てみると、少し悔しさと焦りが見える。
「お!出走する子たちがゲートに入り始めたぞ!」
宗光さんがそう言う。
目をやると、すでにゲートが設置されてゲート入りが始まっていた。
丁度いいタイミングで、宗光さんが話題を出してくれた。
このまま逃げ切るぞ!私!
してやられたな……
完全に星街さんに一本取られた。
でも、こっちは前に膝枕したし、これでイーブンだろう。
そう思いながら、最後の子が入るのを見守る。
「そういえばエース、同期が出るんだってな」
「あぁ、なんでもこのレースだけに賭けてるらしくて、このレースで早期引退だってよ」
アナタノタヅナ。
アタシの同期であり、菊花賞で四着だった子だ。
自分の力に限界を感じていたらしく、今回の有馬記念を最後に引退するらしい。
『さぁ!年末の大一番、有馬記念!今最後の一人が入りました!』
見せてくれタヅナ。お前の闘志を!
『スタートしました!』
いよいよ始まった有馬記念。
『三番人気アナタノタヅナ!先行策で攻めています!』
現在400m
タヅナは先行策を取っている。
実は昨日、タヅナと話をした。
12月22日 トレセン学園
「エースちゃん!」
後ろを振り向くと、タヅナがこっちに向かって走ってきた。
「おう!どうしたんだ、タヅナ?」
「明日の有馬記念に行くんでしょ?なら言っておきたいことがあるんだ!」
なんだろうと思いつつ話を聞く。
「明日の有馬記念の主役は私だ!」
「今までのレースで私は勝てなかった!もちろんエースちゃんにも!」
「だけど、全てを賭けて誓う!明日の主役は誰が言おうと私だ!」
その宣言にあることを思い出した。
アタシの昔の信念だ。
反逆
それがアタシの信念だった。
誰にも見向きもされず、「あきらめろ」なんて声をかけられたりした。
それを見返してやると思い、この言葉を信念にしていた。
だけど、アタシは勝ちすぎた。
G13勝という成果は油断するには十分すぎた。
そして菊花賞での敗北とこの宣言で再び思いだした。
ありがとうな、タヅナ。
今日の主役は間違いなくお前だ!
『残り200m!アナタノタヅナ先頭!アナタノタヅナ先頭!』
「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」
『アナタノタヅナ一着!アナタノタヅナ一着!雪辱を晴らし、年末の栄冠を掴み取りました!』
勝利の余韻に浸る中、事件は起こった。
『ん?レースコースの上が光っている?』
あぁ~~~~~~~~~~~~~~~!!!!!!!!!
呪われてんのか俺は!
レース場で二度目の転移現象。
しかも大体20mぐらいの巨大な影。
それが二つ並ぶように光っている。
取り合えず、トレセン学園関係者兼自衛隊員として規制を行う。
人混みをかき分け、関係者専用ゲートにキーカードをかざしてコースの内側に向かう。
俺がコース内に着いたときには光が大分弱まっており、輪郭もはっきりしてきた。
レースを終えた彼女たちを退避させ、観客も安全のため退避させる。
そして、光が完全に消えてその正体が判明した。
その影の正体は
一機は竜の首のようなパーツを頭上に持ち、十二単のような重ね着をしている機体。
もう一機は竜の首を持ちつつも、もっと重ね着している機体だった。
もっと重ね着している機体は分からなかったが、もう一機は分かった。
「ペーネロペー……」
機動戦士ガンダム閃光のハサウェイに登場するMS。
オデュセウスガンダムにFFユニットを装着した機体。
ミノフスキー・フライトユニットによってマッハ2での戦闘を可能にする機体。
しかも劇場版のほうだ。
もう一機のことは分からないが、形が似ているし、練習機か量産機だろう。
その後は自衛隊に主導権を移し、俺たちは帰る……
とはならなかった
「え!動かせるパイロットがいない⁉」
それもそうである。
ペーネロペーは百トンを超える機体重量で、トレーラー等では移動できない。
片方の機体は分からないが、かなりの重量だろう。
だから、機体を直接移動させるしかないのだが、今MSを操縦できるパイロットはこの世に二人。
アムロ二尉と、俺だけだ。
他はまだ練習生レベルだ。
仕方ないので家族たちは先に帰して、俺だけ現場に残ることになった。
3時間後
「すまない。遅くなった」
アムロ二尉が現着した。
「問題の機体はこれか?」
「はい。紺と白の片方はペーネロペーという機体で単独で飛行可能な機体です」
「もう片方は?」
「初めは分からなかったんですが、調査の結果量産型νガンダムをベースにした機体らしいです」
よくよく見ると、この機体はνガンダムの面影が顔にある。
「こっちも飛べるのか?」
「はい」
「ほ~う。それで機体名は?」
「コンピューターを解析したところ……アリュゼウスって出ました」
機体データによると、この機体はU.C.105辺りでの戦闘記録が残っているらしい。
恐らく、マフティーとの物だろう。
「それで、どうします?」
「どうするって、俺は93年の機体の操縦方法しか知らんぞ」
「そんなこと言ったら、俺は人型機動機のことしか知りませんよ」
こうなったら……
「もういっそじゃんけんで決めます?」
「良いな、それ」
まあ、俺だったらどちらに乗ってもあまり変わらないが。
「「最初はグー!じゃんけん!」」
「「ポン!」」
キュオオオオオ
結局、じゃんけんに負けてアムロ二尉がアリュゼウス、俺がペーネロペーになった。
「退避終わりました!」
退避の終了を告げられ、離陸を開始する。
目の前のディスプレイを操作し、ミノフスキーフライトを動かす。
キュイイイイ
ペーネロペー特有の機動音を響かせながら、100tを超える巨体が宙に浮く。
横を見ると、アムロ二尉のアリュゼウスがエンジン音を響かせながら離陸している。
そのまま上昇し、高度3000mを超えたあたりで停止。
両機ともに飛行形態であるフライトフォームへ変形する。
全天周囲モニターが前方のモノアイに切り替わり、飛行準備が整った。
さて、行きますかね。
「アムロ二尉、準備イイですか?」
「ちょっと待て……よし、こっちもOKだ」
その返事を聞くと、操縦桿を握りなおしてスロットルを全開にする。
ドォォォォォォォォン!!!!!!!!!
一瞬でマッハ2まで加速し、尋常じゃないGがかかる。
普段から音速に近い速度で訓練していても、一瞬でマッハ2はキツイ。
後ろを一瞬見ると、アムロ二尉が後方に付いてきていた。
「このまま東京湾基地まででいいんですよね?」
「あぁ、向こうも受け入れ態勢が整ったらしい」
そのまま数分飛行していると、東京湾基地が見えてきた。
速度を落とし、フライトフォームを解除する。
そのままゆっくり着地し、続けてアリュゼウスも着陸する。
コックピットハッチを開放し、下へ降りると島崎一尉が待っていた。
「お疲れさん。今日はもう上がってもええで」
「良いんですか?事後処理とかは」
「事後処理は別の班になってるから、こっちの班は明日からや」
え、明日からってことは……
「自分も明日出勤ですか?」
「おう。休みのとこ悪いが頼む~」
まじか、休めると思ったのに
まあ、トレセンの方の仕事は終わってるし、普段よりは楽か。
そう思いながら、バスで帰る仁であった。
2034年12月27日 東京湾基地
その日の東京湾基地は先日の転移の件で慌ただしく動いていた。
「それじゃあ、上層部の考えがこの機体で変わったと?」
「どうやらそうみたいやな」
特殊技術班の部屋で、俺と島崎一尉は話していた。
「この機体の高速性能に惹かれて、ミノフスキー粒子の取り扱いを変えるみたいや」
「具体的には?」
「ビ―ムバリアーのみ許可するみたいや。まあ、あんな化け物誰でも惹かれる」
まあ、一瞬で音速を超えられる機体はとても魅力的だろうしな。
「それともう一つ決まったことがある」
「なんでしょうか」
まさかあの機体を量産するとか言わないだろうな
「上層部があの機体を解析して、量産化しろって言う命令を出した」
マジかよ。
アリュゼウスはともかく、ペーネロペーとかいくらするんだ。
「上はコストとか考えてないんでしょうか……」
「低コスト高性能化しろっていう命令も来てるし、考えてはいると思うぞ」
「って、なると…」
「年末年始まで休みはないぞ」
結局働かせられる仁であった。
仁君は2025年転移のためアリュゼウスのことを知りません。
あと、人型機とMSの操縦方法は基本的に同じです。
ペーネロペー・アリュゼウス
第5世代モビルスーツとその練習機。
両機ともに高速移動ができ、ファンネルミサイルなどの強力な兵装を備えている。
これらの機体は、マフティー事変後に倉庫番となっており、誰にも気づかれず転移した。
自衛隊はこの機体を量産化し、ハイ・ローミックス運用する予定である。
感想、評価よろしくお願いします。