栄主と歌姫と白閃と   作:イ―グル

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第四十七話 決着

2036年12月28日 東京レ―ス場

とうとうやってきた、主任との決戦の日。

だがこの日は、俺にとってもう一つ重要な事があった。

それがドリームトロフィ―リ―グのレ―スだ。

しかも、久々のシ―ビ―とのレ―ス。

多分、主任はこれで集中を分散しせることを狙ってるんだろう。

だが、やってやる。

どっちも勝ってやる。

「どうしたんだ?なんか顔怖いぞ?」

控室にいるエースが心配そうに声をかける。

「あぁ、なんでもない。少し考え事をしてた」

俺が行かなかったら、エースにも被害が出るかもしれない。

それに母さん、父さん、すいちゃんにも………

「そうか、ならよかった」

「それより、そっちは大丈夫なのか?久しぶりのシ―ビ―だぞ?」

「あんたも最後の宝塚で分かったろ?信じていろって」

「……そうだったな。」

「じゃ、行ってくるぜ」

そう言ってエースは控室を出ていった。

………俺も行くか。

最後の戦いに。

そういって、俺も走り出した。

 

 

 

「始まりました!!夢の頂上決戦!!ドリームトロフィ―リ―グ!!」

「このレ―スを照らす18個の星をご紹介しましょう!」

カメラはゲート前を写す。

「まずは一番人気!!G1十勝は伊達じゃない!!」

「栄冠の王者!!カツラギエース!!」

いつもの勝負服が傾きかけた陽の光に当てられ、輝いて見える。

「次に二番人気!!英雄の戦友は勝利という光を追い続ける!!」

「英雄を抜かした唯一のウマ娘!!ミスターシービー!!」

ゲートに入っていくその姿は、どこか嬉しそうでもあった。

「ドリームトロフィーリーグ!!まもなく発送です!!」

 

 

 

同時刻 東京湾基地

車を飛ばして、急いでやってきた東京湾基地。

カタパルト前では一機の機体が出撃準備を行っていた。

その機体は以前地下格納庫で最終調整が行われていた機体。

目は「巨人」のような複眼でロービジ塗装に近い白で塗装された機体だ。

「すみません、遅れました」

出撃準備を指揮する島崎一尉に駆け寄る。

「いや、ええところに来た。ちょうど出撃準備が終わったところや」

その期待の両腕には新開発の多機能ビームライフル、36式が装備。

背部に装備されたスラスター両端には特殊誘導弾の発展型が装備されている。

「もう後は君が乗り込むだけや」

俺の新たな翼か……

「良くはわからんけど、君はあいつに付け回されてるんやろ?」

「本当になんでかはわからないですけど、ですね」

「なら、コイツを使って決着つけてこい!!」

そう言って背中を叩かれた。

「はい!行ってきます!!」

そう言って、タラップを駆け上がりコックピットに潜る。

HMDを被ると同時に起動し、コックピットハッチが閉じられ、発進準備が完了。

先月、いずも型の物の改良型に換装された電磁カタパルトに自動で接続される。

さあ、いくぞ。

「36式戦略人型機動機!!白閃!!出るぞ!!」

電磁の力で0から300kmに一気に加速され、空に投げ出される。

投げ出された瞬間、スラスターを横に展開しマッハ8に加速する。

その姿はまさしく白閃(ホワイトグリント)だった。

 

 

 

「各バ順調にゲートへ入っていきます」

それにしてもトレーナーさん、怖い顔してたけど何なんだろうなぁ。

「最後の一人が入り……」

まぁ、それより今は

ガシャン!!

「スタートしました!!」

トレーナーさんへ捧げる勝利を!!

 

 

 

「各バ好調なスタートを切りました!」

今回の条件は東京レース場2400m。

どうやらエースはジャパンカップと同じ大逃げか。

関係者席からそう見極める橋塚。

にしても、仁が自衛隊の任務でこのレース見れないとはな。

俺の方には知らされてないし、なにか重要な任務なんだろう。

まさか、仁も大きな勝負に出ているとはこの時誰も思わないのであった。

残り2400

 

 

 

「指定の座標まで残り40秒」

流石にマッハ8ともなると早いな。

東京湾基地から5分ほどで目標地点周辺に到達するとは。

レーダーには全くと行っていいほど反応がない。

だが、ヤツは確実に来る。

俺の経験と勘がそう言ってる。

そう思った瞬間だった。

レーダーに極小の反応が映る。

機体のAIシステムが即座に照合し、目標を判別する。

その目標は第一次伊豆事件で観測された砲弾だった。

来たか!主任!!

対Gスーツだけなら確実に潰れるであろう、マッハ8の旋回を行い砲弾の方向へ向かう。

潰れないのはGN粒子による質量軽減によるもの。

そして、左手のパルスブレードを展開し、更に加速する。

その数秒後、砲弾は真っ二つに切断されて爆発した。

さぁ、次はどう出る?

決戦の狼煙

 

 

 

アタシがエースと一緒に引退した理由はただひとつ。

エースと一緒に走りたかったから。

ただそれだけ。

だけど、ここに至るまでには色々理由がある。

始まりはエースと初めて走った模擬レース。

あの時に感じた楽しさと嬉しさはコレ以上無いものだった。

だけどそれはいつまでも続くことはなかった。

ホープフルステークスを皮切りにG1を3勝し、有数のG1ウマ娘になっていくエース。

それに負けていったアタシ。

でも何故か楽しかった。

たぶん、全力で競って負けた結果で満足してたんだと思う。

そんな中、転機がやってきた。

菊花賞。

あのレースの栄光は確かに享受した。

だけど、どこか満たされない気持ちがあった。

それは距離による不利がある状態での戦いで、エースと全力でぶつかれなかったこと。

そこでアタシは気づいたんだ。

エースと全力で競うことが一番楽しいと。

そしてアタシはシニア期一年目で、できる限りエース一緒に走った。

一緒に走って、負けて、また走って。

だけど、負け続きだと楽しくても飽きてしまうものだ。

それに、好きなトレーナーに勝利を送れない。

だから、有マで負けた後、シニア二年目はエースが走らない長距離路線に切り替えた。

しかし、ここでもまた転機が訪れる。

その初戦の天皇賞(春)。

ルドルフと全力で競っての二着。

だけど、ルドルフには悪いがエースと走っている方が楽しかった。

そう思った矢先にエースの引退が迫っていた。

じゃあ、やることは1つだ。

そして現在に至る。

大逃げをしているエースが遥か前方に見える。

ここからどう動こうか?

残り1600m

 

 

 

砲弾の発射地点をAIが弾き出し、接近する。

次々と砲弾がやってくるも、切断するか避けるかしている。

近づき、主任の機影を確認した時、俺は目を疑った。

その姿はハングドマンをベースにしつつ、あまりにも巨大だった。

背部には様々な武装を装備し、その1つ1つに見覚えがあった。

全て規格外兵器(オーバードウェポン)だ。

クソっ!!狂ってやがる!!

更に接近すると砲撃をやめ、マルチプルパルスとヒュージミサイルによる攻撃に移行した。

雨あられのようにパルス弾が周辺に着弾し、接近しようにも近づけない。

かと言って、距離を取るとヒュージミサイルによる攻撃が来る。

八方塞がりか…

今までの機体でならそうだろうな。

スロットルを全開にし、一気に吶喊する。

マッハ10の高速により、ヒュージミサイルは航跡に着弾していく。

接近とともにパルス弾の雨が見えてきたが、GNフィールドを使って強引に突破。

そのままハングドマンを蹴り飛ばした。

蹴り飛ばされた主任は海上ギリギリを掠め、二つをパージして次の武装に切り替える。

その武装はグラインドブレード、マスブレードの同時装備。

尋常ではない近接装備だ!!

戦いは激化の一途を辿る

 

 

 

アタシが引退した後も、トレーナーさんへの気持ちは止まらなかった。

だけど一向に気づいてもらえる様子はなかった。

好きと言えば友愛の方だと勘違いされ、ハグしても適度な担当とのスキンシップと思われる。

本当に鈍感過ぎる。

だったらもう直接伝えるしか無い。

このレースが終わった後、アタシはすいちゃんと一緒にトレーナーさんに告白するつもりだ。

それでアタシたちの好意に気づいてもらうつもりだ。

これなら、鈍感なトレーナーさんにも気づいてもらえるだろう。

そのためにも、このレースは勝たねぇとなぁ!!

「カツラギエース!!更に加速!!他のウマ娘は付いてこれるのか!!」

景気よく行こうじゃねぇか。

なぁ、シービー!!

残り800m

 

 

 

近接装備に切り替えた主任はマスブレードで加速しながら、グラインドブレードで突撃してきた。

炎を纏ったグラインドブレードは地獄の剣のような禍々しさを見せる。

だが直線状の動きしかできないため、超加速で乗り切る。

塗装が摩擦で一部剥げるほど加速を連続して行い、突撃を避ける。

そうして海面に引き付けた後、直撃する直前で加速して海面に突っ込ませる。

そこにパルスブレードを展開して、水柱の中に突撃する。

水泡の中でも赤外線で主任の機影を確認し、オーバードウェポンを全て切り落とす。

切り落とされたオーバードウェポンが持っている熱から水蒸気が立ち込める。

一方で主任と俺は、突撃した勢いで近くの岩礁に乗り上げていた。

「終わりだな、主任」

そう呟いた。

「どうせ通信に介入してるだろうし、聞こえてるんだろう?」

「………俺達には目的がある」

戦いの終わり?

 

 

 

「さぁ、残り500!!ここから英雄と挑戦者を超えるものは現れるのか!!」

後に一人の観客はこう語ったという。

「あのレースはウマ娘のレースじゃない」

そう思ったのも当然であった。

残り700の地点で仕掛けたシービーと逃げるエース。

その二人と後続の差は8馬身にも及んでいた。

「エース逃げる!!シービー追いかける!!」

ジリジリと迫るシービー。

だが、エースの顔は笑っていた。

その瞬間、最後尾まで尋常ではない気迫が支配した。

まるで、龍に巻き付かれているような圧迫感と恐怖。

それは観客すら支配した。

「強い、強すぎる!!カツラギエース!!トロフィーリーグ制覇!!」

その支配に圧倒されていた内に、ゴールはとっくに後ろに過ぎていた。

圧倒的な強さ

 

 

 

「戦い続ける人類には可能性があるのかを、な」

「それを確かめて、どうしたいんだ、お前は」

「この世界は面白いって、証明したいのさ」

話し終わった瞬間、機体のセンサーが接近警報を鳴らした。

「何っ!!」

急いでハングドマンの周辺から退避する。

ハングドマンが爆発すると同時に、海中から一機機体が飛び出してきた。

その機体はまるで骨組みのような機体で、羽が折りたたまれている。

そして、その機体に俺は見覚えがあった。

EXUSIA(第六位の天使)……!!」

「果たして、本当に人類の可能性などあるのでしょうか」

「証明してみせよう。貴様にならできるはずだ」

天使対白閃

 

 

 

「はぁ、はぁ、はぁ」

最大限の力を出して、勝てた…!!

エースはコレ以上無い達成感に包まれていた。

「おめでとう、エース」

声の方向にはシービーがいた。

「対等な条件で全力で戦えて、本当に楽しかった!!」

「ありがとう!!エース!!」

そのことに感極まって、泣いてしまうエースと抱きしめるシービー。

そこには戦友の称え合いとそれへの讃歌が満ちていた。

その裏では本当の戦いが起きていた。

 

 

 

主任がEXUSIAに乗り換え、戦況はさらに加速していた。

ネクストACレベルの機体と通常レベルの機体から、一気に同等の機体に変化。

それによって高火力、高機動の戦いへと昇華していった。

多数の豊富な武装で爆撃してくる主任。

それを海面を這うように飛行し、すべて避ける仁。

膠着状態が打破されたのは、最初の戦闘開始から1時間後のことであった。

レーザーキャノンによって海面が爆発し、その上には黒い天使が舞う。

主任はこのままじゃ埒が明かないとと思ったのか、翼から発振されるレーザーブレードを展開。

対してこちらもパルスブレードを展開。

海面背面飛行から脱し、一気にEXUSIAの懐へ向かって加速する。

十分に接近しないまま、レーザーブレードとパルスブレードでの鍔迫り合いが起こった。

互いの刃から電撃が発生し、お互いをそれぞれの目で睨みつける。

その後も何回も鍔迫り合いを行い、戦況はまた膠着状態に移ってしまった。

それから5分という、本人たちにとっては長い時間が経った。

「!?海中から多数の反応!?」

鍔迫り合いを中断し、急いで後退する。

その瞬間、レーダーに百に近い機影が出現した。

それらのほとんどは一次伊豆事件のときに出てきたUNACだった。

だが、それらの機影の中に1つだけ違う機影が現れた。

その機体と同じ複眼を持つ機体。

違うのは色だけと言っていいほどだ。

「随分と苦戦しているようだな?主任?」

「やはり彼は一考の価値がある存在だ。苦戦もする」

「なら、見せてもらおうか。その価値を」

そして、その機体にも見覚えがあった。

「次はN-WGⅨ/Vかよ!!クソッタレぇ!!」

戦いは続く。誰にも知られないところで

 

 

 

「…………」

レース後のライブを待機する控室でアタシは妙な胸騒ぎを覚えていた。

控室で見せた、あの顔。

シービーのトレーナーさんから聞いた、「自衛隊での特別任務」。

前から色々絡まれている「主任」っていう存在。

それが妙につながっているように思えて仕方がない。

「大丈夫?エースちゃん?」

同じ控室にいるすいちゃんに声をかけられた。

すいちゃんはデジタル出演なものの、一応機器とともに現地にいる。

多分、アタシはひどい顔をしているのだろう。

大好きなトレーナーさんが今どうなってるのかわからないんだから。

「すいちゃん。ちょっと話聞いてもらえるか?」

アタシは知っていること、感じていること、思うことを洗いざらい話した。

「……心配になる気持ちは分かるよ。私もそう」

すいちゃんがそう話し始める。

「でも、多分私達にできることは殆どないと思う」

残酷だけど、真実を優しく語りかける。

「だから信じよう、仁君を。必ず生きてくれてるって」

結局、信じることしか出来ない、か……

「ありがとうな、すいちゃん」

「ううん、これくらいなんてこと無いよ」

「本番十分前です!!」

スタッフの声が響く。

信じる者たち。

 

 

 

日が落ちようとしても、戦いは更に激化していた。

UNACの大半は誘導弾とビームライフルによって撃破され、残り6機。

だが、EXUSIAとN-WGⅨ/Vは依然健在で、激しい戦いを繰り広げていた。

2機を相手している白閃を仕留めようと、残りのUNACが後ろから接近してくる。

だが、仁はスラスター端の36式特殊誘導弾を発射機ごと後方に向けて発射する。

発射されたのは一発だけだったが、それでも十分だった。

ミサイルが飛行途中で分離し、中から子ミサイルを6発が発射される。

その六発はレーダーとサイコミュによって精密誘導され、胴体やミサイルポッドに直撃。

100機のUNACはわずか30分で全滅した。

「100機のUNACが全滅か」

「残るは俺と財団、あるだろう価値は?」

「ふん、まだ証明はできないな」

「なら、俺等で証明してみようか」

そう言って、主任と財団の連携戦術が始まった。

主任が多種多様な武装で動きを制限するフィールドを作り、財団が突撃する。

「消耗戦かよ!!」

俺はそう吐き捨てた。

黒き天使と黒き一閃

 

 

 

すっかり日も落ちきった東京レース場。

そのレース場で行われる一大ライブ。

「お前ら!!楽しんでるか!!」

「まだまだテンション上げてくよ〜〜!!!」

すいちゃんとエースがそう観客へ呼びかける。

だが、二人の胸騒ぎは増していく一方だった。

それでも信じるしか無い。

彼の無事を。

 

 

 

主任がフィールドを作り、財団が追い詰める。

その状態が続いて、日が落ちきったときだった。

仁が反撃に出た。

 

 

 

両手ブレードとレーザーブレードで動きを狭めてくる。

逃げれて尚且つ、反撃ができる場所…

やってみるしか無い!!

俺は財団を牽制しながら、スラスターを上方向へ向けて噴射した。

その先にいるのは、フィールドを作っている主任。

そこに36式特殊誘導弾6発とビームライフルをありったけ打ち込んだ。

殆どが迎撃されてしまうが、それこそが狙いだった。

その間に接近しきって、パルスブレードを展開。

天使の両翼を切り落とす。

「これでもうレーザーブレードは使えまい!!」

フィールドを作っていたレーザーブレードが消失し、一気に戦闘の幅が広がった。

そしてここで奥の手を使う。

両腕からパルスブレードが分離し、落下していく。

だが、それらはただの自由落下ではなかった。

「ファンネル起動!!」

そのパルスブレードからの後部からGN粒子が噴出し、推進していく。

この機体は自衛隊初のファンネル搭載機でもある。

特殊誘導弾はミサイルの発展型という扱いなので、これが初のファンネルである。

この二基のパルスブレードはN-WGⅨ/Vへ向かっていき、スラスターの片方と片腕を切り落とす。

「それなりの力はあるようだな」

「だが、まだ足りん。そうだろ?」

「次は条件を変えてだ」

するとおかしなことが起こり始めた。

周辺のGN粒子が上空に集まり始め、巨大な環を作る。

次の瞬間、俺達は小笠原上空から東京湾へ転移していた。

それと同時に複数個なにかが転移しているのも見えたが、今はそれどころではない。

パルスブレードを再接続し、再び二機の機影へ向かっていく。

都市の光に照らされる戦い

 

 

 

胸が締め付けられる。

ライブの最中であっても、仁君が心配で仕方ない。

お願いだから、無事で居て………

彼女たちの求める人はすぐそこまで来ている。

 

 

 

東京湾上空で戦う三。

まず仁が行ったのは、射撃兵装の完全破壊だった。

パルスブレードでN-WGⅨ/Vのライフルを溶断し、攻撃兵装を近接武器だけにする。

そして、何よりの最優先目標は主任のEXUSIA。

豊富な射撃武装を持っているため、一刻も早く潰す必要がある。

主任もありったけの攻撃をこっちに加えるが、ファンネルも使ったGNフィールドで被害を防ぐ。

そして懐に入った瞬間、奥の手2を使う。

一瞬動きが止まったかと思うと、夜空にもう一つの月ができた。

パルスアーマー。

以前使った防御重視ではなく攻撃重視の出力が高いもの。

それによって、主任のEXUSIAは完全に破壊された。

「見えたぞ、人類の可能性が」

そうノイズの交じる通信で主任は残してきた。

「残り一機!!」

後ろを向くと、財団はすぐ後ろまで迫ってきていた。

急いでパルスブレードを再接続・展開し、両ブレードで鍔迫り合いを行う。

戦いの終わりはどこ?

 

 

 

「お前ら〜!!今日は来てくれてありがとうな!!」

「次が最後の曲だよ〜!!」

熱気は最高潮に達し、ライブも終盤。

だが、仁を不安に思う気持ちは変わらなかった。

((今すぐにでも姿を見せてほしい))

そう思ったときだった。

 

 

 

白閃vsN-WGⅨ/Vの近接戦闘が続いて、30分ほど立ったころ。

またスラスターから噴射されるGN粒子が上に環状になって展開され始めた。

そして真っ黒な穴が出現し、その中にそのまま吸い込まれた。

そして転移先はまさかの場所だった。

 

 

 

「じゃあな〜また会うときまで!!」

「乙ま〜ち!!ま〜たね〜!!」

そう言い終わり、ライブが終わる…

突然、東京レース場上空に巨大な穴が空いた。

そしてその中から、かつて見たことのある人、よくわからない物など、様々な物が降りてきた。

そして、最後に白と黒のロボットが奥のターフに降りてきた。

決戦の終局

 

 

 

東京レース場!?

よりによって、人の多いところに…!!

クソっ、やってやるしか!!

ライフルを地面に突き刺し、パルスブレードを前方に展開する。

相手も片方だけになったブレードを展開。

さらに、搭載された4基の純正GNドライブをトランザムさせる。

お互い、最大出力でスラスターを貯める。

腹を括れ!!俺!!

その瞬間、周囲の目に捉えられない速度で何かが接触し、溶断されたとてつもない音がした。

可能性の証明

 

 

 

その白い機体と黒い機体が目にも止まらぬ早さで激突した。

それと同時に、尋常ではない衝撃波と土煙が舞い、周りが全く見えなくなった。

その土煙で目を閉じた瞬間。

アタシとすいちゃんは全く知らない空間にいた。

 

 

 

「ど、どこなの、ここ」

私は突然来た謎の空間に困惑していた。

「エースちゃん、分かる?」

「いや、アタシも」

「ここは、脳量子波の空間だ」

聞き慣れた声が脳内に響く。

辺りを見回してみると、パイロットスーツらしきものを着た仁君がいつの間にか後ろに居た。

「脳量子波を使える者が入れる空間、とでも言えばいいかな」

「の、脳量子波って?」

「簡単にいえば、特殊な脳波だ」

「そんな空間になんでトレーナーさんが?」

まぁ、最もな質問だ。

「俺は太陽炉のトランザムでGN粒子を浴びすぎた。だから…」

仁君がヘルメットを脱ぐ。

「たぶん、俺は脳量子波を使える、イノベイターになっちまってる」

仁君の目は金色に輝いていた。

イノベイター。

ガンダムの話を聞いてる時、少しだけ聞いたことがある。

ニュータイプのような新人類だって。

「それが人類の可能性だとでも言うのか」

 

 

 

横に視線を移すと、謎の光が浮いていた。

「ひ、人魂か!?」

「違う、私は「財団」だ」

財団という、集団の名前が急に人名のように出てきて、少し驚いてしまう。

「すまんな、それ以外の名前が無いんだ」

「貴様らのことは見ていたが、俺には興味がわかん。主任が言ってたこともわからん」

散々貶してくる財団。

「だから、貴様らは滅ぼすとしよう」

その瞬間、フラッシュバックするように視界が眩しくなり、元の場所へ戻っていた。

 

 

 

戻った後、目に写ったのは倒れる黒いロボットと両腕がなくなった白いロボットだった。

その姿は戦い、倒れた戦士のようだった。

爆発寸前の黒いロボットを保護するように、白いロボットがバリアを張っている。

その後、すぐに爆発するもバリアのお陰で被害は機体の下のターフだけで済んだ。

白い機体はバリアを球状にまとめて海の方へバリアだけ持っていった。

白い機体が膝を着き、胸の上部分が開く。

そこから一人の人が降りてきた。

その瞬間、アタシは察して急いで駆け寄った。

すいちゃんも室内から飛び出して、機体に駆け寄った。

「トレーナーさん!!」

「仁君!!」

 

 

 

俺は息も絶え絶えな状態で俺は機体から降りてきた。

まさか一度のトランザムでイノベイターになるとは。

4つのGNドライブを個別にリンクさせてツインドライブ化させてるのは伊達じゃないな。

粒子の精製量2乗の2乗の2乗だ。

一先ず、勝てたんだな、俺は主任と財団に。

そう思っていると、遠くから聞き馴染みのある声がしてきた。

「トレーナーさん!!」

「仁君!!」

叫ぶような声で呼ばれる。

すると同時に抱きつかれ、後ろに倒された。

「グスッ、ウゥゥ、ウワァァァァァァァァ」

「ヒグッ、ヒぐッ、グスッ、グスッ」

エースとすいちゃんが俺の胸に顔を埋め、一年前と比にならない泣き方をされた。

「………………」

俺は只々、二人を受け入れてやることしかなかった。

PiPPiPiPPiPPiPPiPPiPPiPPiPi

突然、胸に下げている通信機が鳴った。

「こちら山本二尉」

「仁二尉!!話したいことは山々だがすぐに機体と戻ってきてくれ!!」

上官の真田二佐に大声で言われた。

「一体、何が」

「財団と名乗る存在が今さっき、全世界に宣戦布告してきた!!」

あの野郎!!滅ぼすって俺達ごとかよ!!

決戦はまだ始まったばかりだ。




36式戦略機動機「白閃」
今までの4機種のデータをベースに作られた人型機動機の集大成。
アブ・マーシュが関わっていることから、見た目はホワイトグリント(fa版)。
動力には純正太陽炉が4基。それぞれがツインドライブ化されており尋常ではない出力を持つ。
それを利用した推進力は巡航時や瞬間的にはマッハ8で、最大出力時はマッハ10になる。
またGNフィールドやアサルトアーマーが装備されており、防御能力も申し分ない。
他にもパルスアーマーも装備しており、GNとパルスを併用することで戦術核にすら耐えうる。
武装は35式より強力になった36式ビームライフル、マーシュ氏の提案から子弾を発射する36式特殊誘導弾、パルスシールドとパルスブレードとファンネルを兼ねた36式自立攻守一体型兵装が装備されている。またパルスアーマーで空力特性を変化させ、飛行性を変化させることが出来る。
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