栄主と歌姫と白閃と   作:イ―グル

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ウマ娘要素はあと2話お待ちください………
2026年2月18日 改稿


第五話 戦略自衛隊

2032年4月5日

幹部候補生学校から卒業したのち、戦略自衛隊に配属された仁。

配属基地は戦略自衛隊東京湾基地。

前の世界では東京湾に基地は無かったはず。

まあ、悩んでいても仕方ない。

そう思いながら、防大時代の稼ぎを元手に買った新車でアクアラインに向けて走る。

ナビに従いながら走るとアクアラインの左手に分岐が見え、看板には

「自衛隊東京湾基地 自衛隊関係者以外立入禁止」

と書かれている。

検問で名前を伝えると通してくれたので、進んだ先にある駐車場に車を止め、集合場所へ向かう。

その時、思いがけない再会をした。

「えっ、仁!?仁か!?」

「えっ!?直人か!」

「まさか配属地が同じだとはな」

「ああ、俺も思っていなかったよ」

「一先ず集合場所に行こう」

「そうだな、遅れたら絞られるだろうし」

再会に喜びつつも、集合場所に向かう。

「それにしても、基地とアクアラインが繋がっているとはな。驚きだよ」

「ここは戦略的に重要な基地だからな、そういう特例が認められてるんだろう」

そう話しながら、集合場所に到着した。

時間の10分前に着いたものの、自分たち以外にはいない。

どうやら、今日配属の新人は自分たちだけのようだ。

「山本三尉、並びに橋塚三尉到着しました」

そう言うと、担当者と思わしき見覚えのある人物が出てきた。

「原田先輩、お久しぶりです」

「やあ、よく来てくれたね。そして久しぶりだね仁君。」

「仁、この人は?」

「俺の防大での先輩。よくお世話になった人なんだ」

「はぁ〜。」

「箸塚くんとは初対面だね。この基地の警備課に所属している原田一等戦尉だ、よろしく頼むよ」

「よ、よろしくお願いします」

ちなみに、箸塚は一般大学卒業者で、防大卒ではない。

「それじゃあ、この基地の案内をするので付いてきてね」

「「はい!よろしくお願いします!」」

それから、原田先輩が基地内を案内してくれた。

「まずこの基地の説明をしようか。ここは首都圏防衛のために建設された海上プラットホームで戦略海上偵察部隊の母港でもある。大体2000人位がここに勤務してるかな」

「だいぶ勤務してる隊員多いですね」

「まあ、ここには最新技術が集まってるからね。研究所とか兵器試験場の側面もある。飛実団の人とかがいるよ」

そう直人に対して話していた。それにしても自衛隊施設の中に研究所があるのか。

「そしてこの基地の最大の特徴で、建造した目的とも言えるのがあれだ」

そう言い、巨大な円筒状の砲台のような建造物を指差す。

「あれってSLISですよね」

SLIS。

弾道ミサイル防衛網の一つとして建造されたレ―ザ―兵器。

フル稼働時には一般的な火力発電所一基の発電量である100万kwを消費し、地域の計画停電が必要になるほどたが、宇宙で弾道ミサイルを迎撃することが可能な威力を持つ。

「よくこんなものを東京湾の真ん中に建てましたね」

「首都圏を防衛する上ではここが一番立地が良かったからね。

多少海上交通の邪魔になったとしても、ここにしたんだろう」

現在SLISは東京、大阪、札幌、福岡に一基ずつ配備されており、愛知、広島、仙台への配備計画も存在するらしい。

それにしても、やけにレ―ザ―兵器の開発が早いな。

前世界だと2025年とかで小型のがようやく試験段階だったのに。

そんな疑問を持ちつつも、施設を回って行った。

この施設には、戦自の警備部隊以外にも防衛のために陸上自衛隊の部隊が配備されており、アクアラインとの通路も緊急時には閉鎖か、本線側に影響が出ない爆破閉鎖が可能なようになっている。

海からの攻撃に対しても、基地の周囲には防潜網と横須賀の艦隊。

空に対しては陸自の高射部隊と設置式のCIWSや対空ミサイル発射機が配備されており、戦略基地として申し分のない防衛設備が整っている。

「さて、こんなところで基地案内は終わるよ。それから君たちの所属を発表するね」

そういえば、自分たちの所属を聞いてなかったなと思い、若干のワクワクを持ちつつ聞く。

「まず橋塚くんは僕と同じ、警備課3班」

まず?自分は違うのか?

「そして仁君は特殊試験課2班に配属されることになってるよ」

特殊試験課?説明で聞かなかった課だな

「あの、そこはどういう課なんですか」

「どういう課と言われても……、名前通りの課だね。ただ、君に馴染みのある人が班長だよ」

馴染みのある人物と聞き、若干の期待を胸に原田先輩達と分かれ課の場所へと向かった。

しばらく歩き、「特殊試験課2班」と書かれたネームプレートがはめ込まれている扉を見つけた。

コンコン

「山本三尉、入ります」

そう言って扉を開けると、普通のオフィスが姿を表した。

一先ず班長に挨拶しないといけないと思い、勤務している隊員に聞いた。

「すいません、ここの班長はどこにいますか」

「そこのデスクが、班長のものですよ」

そう言い、その隊員が指し示したデスクには「島崎」と書かれたネームプレートが置かれていた。

その時、期待は確信に変わったが、焦らずにその人にお礼を言いそのデスクに向かった。

 

 

今度の新規の計画、誰当てるか報告しないとイカンな。

それが終わったら、事務に経費の報告しないと………

そういえば今日新人が来るらしいけど、どんなやつだったかな

若干の期待と不安があるが、一先ずは歓迎しようと思っていたときだった。

「失礼します。本日より特殊試験課2班に配属となりました」

懐かしい声に一瞬、思考が停止する。

その声聞いてやっと思い出したわ

「山本三尉です。そしてお久しぶりです島崎一尉」

 

 

まさかの先輩ふたりとも、同じ基地に配属されているとは思わなかったので、若干の驚きを含みつつ、しっかりと挨拶した。

「まさか先輩お二人と再会できるとは思ってもみませんでしたよ」

「ホンマに久しぶりやな!それにしてもワシに会う前に誰か会ったんか?」

「はい。原田一尉に。それと幹部候補生学校の同期にも会いました」

「原田と会ったんか。あいつとはあんまり会ってないけど、元気してたか?」

「元気でしたよ。ついでに同期はそっち(警備課)に行きました」

そんな会話を少し交わした後に、この班の自己紹介と施設案内をされることとなった。

「一応、原田先輩にも施設案内されましたけどまだあるんですか」

「この基地の試験施設は地下にあってな、機密度が高くて許可された人間しか入れんのや」

やはり、この基地で研究・開発されていることは相当に重要なことらしい。

だから、特殊試験課は原田先輩の説明では話されなかったのか。

というか、この施設地下まであるとか、どんだけデカいんだ。

それから、島崎先輩と直接、試験施設を見ながら特殊試験課について説明された。

まず、特殊試験課はの下には5班存在し

     ・陸上班(3班)

     ・海上班(5班)

     ・航空班(1班)

     ・誘導弾班(6班)

     ・戦略電子機器班(4班)

     ・特殊技術班(2班)

が存在するらしい。

そして、自分の所属する特殊技術班(2班)。

文字通り特殊技術(レーザー、レールガン等)の研究を行う班。

主な成果物は、この基地の象徴ともいえるSLIS。

現在は海上班(5班)と共同し、艦艇用レーザーCIWSの開発を行っている。

「一通り見終えましたね」

「そうやな、ここまでで何か質問あるか?」

「そういえば、島崎先輩って航空要員課程だったのに戦略自衛隊所属なんですね」

「あぁ、そのことか」

「はい。ずっと気になっていたので」

「元々は航空自衛隊の方で働いていたんやけど、飛実団に配属されててな。それからここに支部長としてここにきて働いていたら、戦略自衛隊の基地なんだから戦自の方が都合がいいって判断されて、もう一回幹部候補生学校に入って、成果を出したら班長に任命されて今に至るという感じや」

「なんだか複雑ですね」

「やろ?ワシでもどうしてこうなったかわからん」

その後はPCのセットアップや必要書類の記入、仕事の仕方などを教えてもらい、指示されたことをこなしつつ、仕事を進めているといつの間にか終業時間の17時になっていた。

「あの、島崎一尉」

「どうしたんや、仁君?」

「今日は色々とありがとうございました。仕事の仕方を教えてもらったり、ミスをカバーしてもらったりして」

「えぇて、えぇて。部下に仕事を教えるのも上司の仕事の一つや。それにしても、君、彼女とかおらんのか?ちなみにワシにはいない」

「彼女、ですか」

彼女か。

防大と幹部候補生学校はどちらとも全寮制で、尚且つ軍隊というものは比較的男性が多いものなのが世の常なので、恋愛運には恵まれていない。

それに身近な女性は職業上、恋愛にはあまり向いていないため本当に恋愛運には恵まれていない。

「考えたこともなかったですね。職業上、恋愛には向いてないっていうのもあるんでしょうが」

「せやろなぁ。ワシも恋愛は考える暇なかったし。でも親からは身固めろって言われるんよな」

「大変ですね。自分も考えないといけませんね」

そんな風に雑談していたら20分ほどたっており、帰らなければと思い、島崎一尉に分かれを告げ、

駐車場に止めてあった車に乗って家へと帰る。

 

 

20分後……

 

……進まない。

ラジオを聞く限り、どうも川崎側のアクアトンネル出口付近で事故があったらしく、

2キロの渋滞となっているらしい。

「こりゃ遅れるな」とか「暇だな」とか思っているときだった。

ピリリリリリリリリリリリリリリ

スマホが鳴った。

誰かと思い、画面を見ると母の白鳥だった。

「もしもし、母さんどうしたの」

「え、えっとね。信じられないと思うけど」

「?どうしたの?」

「なんか庭の真ん中が光りだしたの」

なんかデジャブ。

「それ転移現象じゃないの?」

「たぶんね」

「取り敢えず、窓閉めて様子見るのがいいと思う」

「わ、わかった」

早く帰らないとなと思いつつ、一向に進まない渋滞にイライラする仁だった。

 

1時間後

「はぁ、やっと着いた」

駐車場に車を止めて、家に入る。

「母さん、父さん、どうなってんの?」

「あ、帰ってきたか」

見ると、リビングの窓から庭を覗く二人がいた。

「ちょっとずつ光は弱まってるけど、まだ晴れないみたい」

一時間も立ってるのに晴れないのか。

「お、もう少しで晴れそうだぞ!」

念の為、窓を開けて様子を見守る三人。

そして光が収まった時

「にぇ?」

もう一人のアイドルが現れた。

 

さくらみこ。

星街すいせいと同じホロライブ所属のVtuberだ。

 

自分含めて3回目で慣れてきたが、本人はまだ混乱してるようなので、落ち着くよう声をかける。

「え、え、ここはどこにぇ!?」

まあ、そうなるだろうなという反応をしながら慌てている。

「あ、あの」

「な、なんですにぇ」

「ひとまず落ち着きましょう、色々話すことがあるので」

すると、若干恐怖を滲ませた顔で

「し、信頼していいんですか」

やっぱりあの二人そっくりだな。

「このままでも、何も始まりませんよ」

数秒、静寂がはしる。

「じゃあ、お世話になるにぇ」

取り敢えずリビングに上げ、状況を話すことにした。

「ええと、まずあなたの状況を教えるとあなたは異世界に転移しました」

すると、目を見開いて

「い、異世界に転移!?」

と、机に手をついた。

「お、落ち着いて」

「あっ、ごめんにぇ…」

場の空気が重くなる。

落ち着いて、椅子に座り直すみこさん。

「それで、なんでみこは異世界に転移したにぇ?」

「それはわかりません。ただ言えることは、これが夢じゃないってことです」

そりゃそうだ、もう二度と元の世界には帰れないかもしれないからな。

この状況を打破するのはあの手しかないか

「ちょっと席を外します」

廊下に出て、電話をかける。

おそらく最も彼女と親交が深い人物だ。

 

10分後

ガチャ

「すいません。こんな時間に呼び出してしまって」

「いいよ、いいよ〜事態が事態だしね」

「それじゃ、早速」

リビングへ彼女を案内する。

「久しぶりだね、みこち」

その声にハッと顔を上げるみこさん。

「え、す、すいちゃんなの?」

「うん、そうだよみこち」

そう、すいちゃんだ。

みこさんが星街さんと同じ世界から来ているとしたら、この再開は一番テキメンだろう。

多分、向こうの世界では同僚にさえ事前告知なしの卒業になっているだろうから。

「う、うわぁぁぁぁぁ!!!!!」

再開の感動のあまり、星街さんに抱きついて泣き出してしまった。

「会いたかった、会いたかったよ、すいちゃん!!!」

「うん、うん、私も会いたかった……!!」

やはり、星街さんも涙を滲ませているようだ。

「感動の再開だな」

「こんなシーンを見られるとは幸せものだな、俺達」

そんなこんなで、十分程泣き続けた。

その後は、すいせいさんと一緒に市役所へとみこさんを送ることになった。

「それにしても、お二人は本当に仲いいですね」

「まぁね。みこちとは長い付き合いだからね」

「そうにぇ。お互い、いい親友だにぇ」

そんな風に雑談していると、市役所に着き、転移者窓口に事情を話すと受けいれてもらえた。

「じゃあね!みこち!」

「じゃあね~。後で連絡してね!」

そうして、市役所を後にし、家への帰路についた

「前の世界では、miCometとしてカップルと思われていましたけど、親友なんですね」

「仕事仲間だしね。ある程度の距離を保ちつつって感じ」

「無理に押し付けるのもよくないし、俺はいいとは思いますよ」

「ふぅ~ん。君はそんなに過激ではないのね」

「まあ、Vtuberも人間ですから好きに生きたらいいと思いますよ」

「ありがと。そういう風に言ってくれて」

「いえ。そこまで言われるほどでは」

そうしながら、夜は更けていった。




防潜網
敵潜水艦等が侵入できないようにするための網。

高射部隊
防空部隊。

CIWS
艦艇に搭載される、ミサイルを撃墜するための火器。
艦艇のミサイルに対する最後の砦。

戦略自衛隊
日本近傍の情勢変化によって2013年に設立された陸・海・空の三自衛隊に続く四つ目の組織。
他国への戦略的な活動を行うため、四自衛隊の中では最も機密度が高いが、定期的な情報公開や広報活動も行っている。また、技術開発・試験部隊の役割も持っており、あらゆる技術・兵器が集まる組織となっている。

SLIS (戦略レーザー迎撃システム)
弾道ミサイル防衛網の一つとして建造された巨大レ―ザ―兵器。
フル稼働時には一般的な火力発電所一基の発電量である100万kwを消費し、地域の計画停電が必要になるほどたが、宇宙で弾道ミサイルを迎撃することが可能な威力を持つ。
現在SLISは東京、大阪、札幌、福岡に一基ずつ配備されており、愛知、広島、仙台への配備計画も存在する。
また、小型化・省電力化が進められており、これが完遂すれば沖縄や諸島部にも配備可能となる。


さくらみこ ※本小説内での設定
身長 152㎝     桜色の髪が特徴的なVtuber。
実年齢 26歳     星街すいせいと同じ0期生のメンバー。
体重 45㎏      山本家の二か月後、星街すいせいの一か月後にこの世界へ転移している。
特技 ゲーム
誕生日 3月5日
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