転生司書だけどのんびり生きて行こうと思う。   作:欲望貯金箱

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夏休み編最終章
受験よりも硬い拳


受難の話

 高校3年の2学期は成績が落ち込むというが、この学校がそのような事を起こさないのはあの地獄の模擬試験があるからだろうというのは想像に難くない。

 それでも落とすやつは落とすし、そうでないやつもいるにはいるが。

 学年主席の座を護りきった花菱もまた、これで油断することなく動く事が出きるだろう。多分。

 

 ところで、考えないようにしていたキャラクターではなく現実という部分について二日間悩みに悩みぬいた結果、自分の勘違いに気がついた。

 もう、考えるのはやめた。

 ふざけてる場合じゃないのは分かってるんだけどな。僕が考えなければいいのだ。

 現実を見ろってよく言うだろう?

 

 っと、勘違いについてだった。

 前提条件として、僕の誕生日がポッキー&プリッツの日であることを考える必要がある。

 いや、自分のことは考えるって。

 僕、まだ17歳なんだよ。それで束ちゃん15歳だろ?2歳下だと思ってた。

 1年前だと勘違いしていたIS発表と白騎士事件だが、まだ1年たってはいない。

 去年だよ!1年前じゃない!

 つまり彼女は受験生だったんだよ。

 僕と同じ。

 ……どうして彼女はどんぶらこした?

 受験がイヤになるとか言う性格でないのは充分すぎるほど把握したさ、先日。

 人間について原作知識が使えないのなら、事象に特化しようじゃないか。

 記憶強化の範囲が今生からなんだけどな。

 

 こんなに考える事となった発端は、また夏休み中のことだったんだが。

 居たんだ。僕以外の転生者。

 しかも超至近距離に。

 

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「透視?」

 

「というかなんというか、な」

 

 ハッスと8月22日に会う。

 それだけの日。

 ハッスの心を読んできたやつがいるらしい。

 

「篠ノ之博士だったか?お前ら会ったんだろ?」

 

「迷子の事を指しているのなら間違いは無い」

 

「グァムで俺が走ってるときに俺の事をスプーキー・Eだというやつが居てな」

 

 ブギーポップこの世界に無いわけだが。

 僕が最初にハッスを見た際にその名前を出した。

 色黒デブで我の強そうな男だからそう評したのだが。

 

「お前がその言葉を俺以外に言う事はない。そうだろ?」

 

「むしろ通じないネタを友に言うのが趣味になってた時期がありますしね」

 

 通じればこの世界にあるという確認方法だ。

 厨二病的に確認する事でごまかしが効く。

 

「そいつに向かってベタベタに甘いチョコレートは好きか?って叫んだら見事に後ろにずっこけてな」

 

「そのネタまだ覚えていましたか」

 

「試合が終わったあとに滅茶苦茶にまくし立てられてな。君も選ばれし人間かとか、どんな能力を持っているんだとか」

 

「それだけだと厨二病まっしぐらなだけですよね」

 

「インフィニットストラトスは兵器じゃなくて宇宙進出用のパワードスーツというニュースは、日本以外では放送されていない」

 

「は?」

 

「しかもソイツはガッチガチのアメリカ人でハーフでもなんでもなく日本語に詳しいというわけでもないが、模範的な日本語で話しかけて周りすら驚かせて見せた」

 

「おいおい……」

 

「そして俺はお前の言うネタのほとんどが分かり、そいつの言うことも分かっている」

 

「待て待てウェイウェイ」

 

 こいつ聞き捨てならないことを言いやがった。

 相手が透視している事を俺が言った、ならいいけれど。

 僕のネタを理解している?

 

「いいぜ」

 

「その言葉だけ聞くとお前僕に大切な事を隠していた事にならないですか」

 

「ブーメランがっ!ってやつだな」

 

 待て。

 この世界にモンハンは無い上に。

 ハッスに()()()()()()()()

 

「転生者だ。ソイツも、俺も」

 

「ハッスが嘘ついているわけでないのなら、僕もですね」

 

 聞いたところによると。

 その娘(少女だったそうだ)は物の記憶を見る能力を得た代わりに足が悪くなったらしい。

 ただ、ハッスも僕も能力を得て何も失ってはいない。

 さらに聞けば。

 傲岸不遜な髭面のオッサンに殺され、そのオッサンによく似た神に無理矢理転生させられた。

 

「僕は板でした」

 

「板?」

 

「モノリスです」

 

「アンデットとか飛び出してこないだろうな」

 

「不明ですね」

 

 苦笑する。

 想像するものが一緒だった。

 元ネタのほうにしろと言いたい。

 

「俺はここがネトゲの世界だと思っていた」

 

「ネットゲームですか?イメージできませんね」

 

「顔も良く覚えてない友人に勧められたゲームでな。設定したキャラクターの姿そのものなんだよ」

 

「はぁ!?」

 

 唖然。

 もしくは呆然。

 その娘とも、僕とも違う。

 

「死んでない?」

 

「分からねぇ」

 

「僕は死因こそ覚えていませんが、死んだ事は確実に体が覚えています。正確には体の記憶ですが」

 

 体の記憶ねぇ……と胡散臭げに笑う。

 それよりも。

 

「束ちゃんの事何処に繋がるんです?」

 

「バタフライエフェクトって、分かるか?」

 

 蝶が羽ばたいたら地球の裏側でトルネードのカオス理論だったような。

 

「それがどうかしましたか?」

 

「お前、篠ノ之束が行方不明になる時系列は分かるか?」

 

「さっきから質問ばかりですね」

 

 って言われてもなぁ。

 たしか僕が成人式の1年後じゃなかったか?

 

「僕らが21の時に彼女達が17じゃないっけ」

 

「は?22だろ」

 

「あれ?」

 

「……そうか、お前の誕生日11月だったな」

 

「ん?えっと……あ」

 

「まあいい。失踪までの四年間なにもないのが正史だ」

 

 それはまあ。

 性格から考えて何もしなかったわけではないのがネックだけど。

 

「透視された事により花菱が俺にメールした内容が伝わる」

 

「把握。個人情報保護法も何もあったものではありませんね」

 

 少なくとも、プチ家出が原作で登場しないわけが無いのだ。

 何せ黒幕最有力候補なのだから。

 

「ま、俺はこの世界がIS世界と知ったところで原作に関わる気はないんだがな」

 

「パルクーラー詳しく」

 

「俺はパルクールの世界大会で優勝する。原作だなんだといった所で」

 

 俺には関係ない。そうだろ?

 ゲラゲラ笑って背中を叩いてくる。

 

「そういえば」

 

「おう!何だ?」

 

「ハッスの能力は?」

 

「超電磁砲」

 

「やっぱスプーキー・Eじゃねーか!」

 

 というか見た目どおりなのかよ!




スプーキー・Eは黒人だった頃と白人だった頃が存在しますが、ペパーミントのときの黒人時代が好きです。

なお女子は名前も出さないモブの模様。
あと原作に関わる気のない転生者しかいないのは仕様です。
根本的システムが同じものであるので、自分勝手に転生者を決めています。
ですが、酷い人間は選んでいません。ハーレム狙いは来られない模様。
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