転生司書だけどのんびり生きて行こうと思う。   作:欲望貯金箱

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実は作者、バイクの免許を取った事がありません。
教習所のホームページ見ながら書いたので間違っている点があるかも。


バイクの話

 誕生日を迎えればコッチのものだった。

 学校に教習所に通う旨を報告。進学や就職にあわせてバイク/車の免許を取る人はいるのだ。

 誕生日から次の土曜に教習所に行き、一括で教習代金を支払う。

 禿げ散らかした受付のオッサンに「背ェ低いからァ大型じゃキツかったよォ」と言われはしたが。

 うん、大丈夫だ。

 男の背の伸びしろは、あと4年あるから。

 22まで仁伸びなければアウトだが。

 そういえば前世ではMT車の免許しかなかった。

 恐ろしく頑丈に魔改造された軍用ジープを当時の祖父が所持しており、亡くなった折に遺言で僕の下へ来たのだった。燃費がよかった事と中々に趣味だった事でスルーしていたが、どんな改造を施したらああなるのか。

 まあ、これから似たようなバイクに乗るための免許を取るわけですが。

 鍵がね、板なんですよ。それっぽい板。クソ頑丈な。

 取扱説明書にISの装甲技術で作ったとあったのでモノ自体は分かっていたのだが、まさか鍵もソレだとは。

 あと、ライト付いてないなぁと思っていたら正面の部分が光る。

 ウィンカーも同じ。前は正面の曲がる側1/3と側面1/5くらい。後も同じくらい光る。

 何処にあるのか検討も付かない。

 やっぱりあれは公道で乗ってはいけないものなのでは?

 無碍にすると後が怖いから乗るけれど。

 

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 適正試験のあと、座学。実技は午後からだった。

 倒れたバイクの起こし方を習ったのだが、そもラピラビ(なんとなく略した)は倒れても自動で起き上がるらしいので習う必要があったのか不明。まあ普通のバイクを買った際にでも役立てよう。

 センタースタンド・サイドスタンドの立て方・外し方はありがたい。一応ラピラビにも付いているので。

 エンジンのかけ方、ギアチェンジの仕方を教わる際にカブのような場合はどうするのか聞いてみた。

 ラピラビ、仕様が完全にカブだったのである。

 セルとキックでかけるのは分かるのだが、エンジンどこ?な機体だが。

 カブのようなタイプはロータリー式といってギアチェンジの方向が逆。

 普通はつま先で上げるのが加速だが、ロータリー式は逆だという。

 ……最短で教習終了しても満足に乗るために練習が必要な事がわかった瞬間である。

 存外バイクが重いというのも気になる。

 普通自動二輪でコレなら、大型はどれだけなのだろうか。

 最後にローギアでアクセルは一切回さずに半クラッチ。足をつけたままノロノロとバイクを2mくらい走らせては止めてエンジンを切る動作を繰り返す反復練習となった。

 エンジンをかけ、走り出すまでは順調なのだがエンジンを切る際に手間取る。

 今日は教習、あと2単位入れてしまったのだが。大丈夫だろうか。

 

 結論。

 楽しいけど疲れる。

 やはり車体が重いぶん、動かす際も気をつける点が多々ある。

 乗っている時も転ばぬように体が強張るものだから肩がこる。

 制動力により3回ほど転倒しているのだが。

 ブレーキの感覚がつかめん。

 こんな調子で大丈夫か?

 あと、教官が軍人みたいな女性。

 ああいうタイプが好みだ。年上ならなお良し。

 何を言っているのか。ちなみにその人は既婚。

 明日の3時間予約をとって帰宅。

 受験勉強の合間に車の免許を取るやつの気が知れないなどと思っていたが、なかなかどうして面白い。

 

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 天気が崩れるとどうしても風が吹くのは11月、というか冬の特徴だな。

 雨の予報ではないが、一日中くもり。

 最初の1単位は座学とシミュレータ教習。

 卒業検定の課題を発表された。

 スラロームは8秒以内、一本橋は7秒以上で通過。

 8の字、S字、クランクと普通の自動車訓練と同じコースも走る。

 おい。スラローム、おい。

 昨日の転倒箇所なのだが。

 シミュレータは、その。

 ハングオンって分かるだろうか。

 あんな感じなのだが、コレがまた良くできていて。

 実際の車体よりは軽く出来てるよ、などと言われてもあまりわからないくらいだった。

 急制動の練習もこれでやる。

 ふざけている生徒に怒鳴り散らす女教官だが、よく考えれば次は実車でコレをやるのだ。

 教習所で命に関わる授業をやるのにふざける者があるか!だそうだ。

 最後に適正試験結果が出たわけだが。

 安全運転度、運転適正度ともに最高ランク。精神健康度も次点であった。

 

 急制動楽しい。

 昨日はブレーキの感覚がつかめなかったが、今日はどういったことだろうか。

 ふざけるな、との御達しだが自然と笑みがこぼれてしまう。

 坂道発進?ああ、アイツはいいやつだったよ。

 発進はいい。その前に一度停まるだろう?エンストしてしまうのだが。

 どうしろと。

 練習しかないな。

 バランス系も楽しい。

 一本橋は流石に遅すぎるとの事だが、7秒以上とはああいうことではないのか?

 場所によってはクラッチを握りっぱなしだったようで、左手が疲れている。

 スラロームは……うん。

 転ばなくなったぞ。

 時間?聞かないでくれ。

 

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 全日程が終わるまでに12月に入ってしまった。

 平日は勉強に当てたいのでおのずと土日に限定されてしまうからなのだが。

 一段階が9単位、二段階が8単位で卒業検定となる。

 みきわめ教習であの女教官が笑顔で「次は検定だ。このままなら一発合格だな」などというのでテンションが上がる。

 我ながら現金なやつだとは思う。

 その帰りに芹奈嬢とすれ違う形で会い、彼女は流石に車なのだろうなと思いをはせた。

 みきわめの際に新車でやらせるのはどうかとは思うが。

 緊張感が出ていいだろう?とのこと。

 

 検定は一発合格。

 ウォーミングアップに一度回ってから始めろとのことだったが、何を思ったか僕はそのままスタートしてしまった。

 教官や参加者が帰ってきた僕の前で大爆笑である。

 冗談めかして「緊張がほぐれましたか?」なんて言えば堪えていた人も噴出す始末である。

 あとは免許センターに行くだけだが、確か平日だったような。

 また学校に許可を出してもらわなければならないのか。

 いっそ冬休みに、いやしかし。

 座学を一日で詰め込み、午後から実技というか夕方から始めた日が遠く感じる。

 約一ヶ月と少しか?

 

「あれ?九重くん」

 

「おや獅子野さん」

 

「やめてくださいッス!その仰々しい苗字キライなんス!」

 

「では芹奈嬢で」

 

 自動車教習はバイクよりも工程が多いのだったか。

 

「僕はもう合格してしまいましたよ。二輪ですが」

 

「バイク大きいッスよね」

 

「実はアレで中型なんですよ?大型は身長のせいで危険だったそうです」

 

「なんと!?」

 

「先月の誕生日にある知り合いから最新技術の塊のようなバイクを貰ってしまいまして」

 

「メーカーは?」

 

「話せる口で?」

 

「実は私もバイクが良かったんスけど、親の意向で」

 

「なるほど。しかし残念ながらメーカーというものは存在しません」

 

 しいて言うなら篠ノ之工房か。

 恐ろしいほど根回しの効いたアタマオカシイ(褒め言葉)機体である。

 

「ほぇ?」

 

「IS技術転用試作型ホバーバイクといいまして、SFの浮くバイクです」

 

「……公道走れるんスか?」

 

「製作者が許可とってナンバーまで付いていますよ。今の僕の技術で乗りこなせるかは不明ですが」

 

 つい先日、帰ってきた父さんが庭先から近くを一周する形で乗り回していたが。

 ハンドリングの癖が面白いなどと言っていたのを思い出す。

 初心者にキツイって事だと思うのですがソレは……。

 

「しかしコレで受験勉強に集中できると……あ、ダメですね」

 

「期末テストがあるんスよね……」

 

「それまでに車は取れませんか」

 

「取れませんね。どうしろと!ってやつッスねー」

 

「ガンバレガンバレヤレバデキル!モットガンバレドウシテソコデアキラメルンダヨ!アキラメンナヨヤレバデキルッテ!」

 

「暑くはなれませんねー!」

 

「ですよねー」

 

 ケタケタと笑いあう。

 おい、本当にどうしろと。

 期末って2週間後じゃないですかねぇ?

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