足底に穴の開いた歩ける寝袋。
重ね着した厚めのジャージ。
ゴミ袋からパチって来たマフラー。
故障したウサミミ型メカ。
日本円いくらか。
季節感を無視した一人不思議の国アリス服。
水没して使い物にならないケータイ×2。
海草。
ガイメタル。
工具。
なんのことはない。
僕らの持ちうる使えそうな何かたちだった。
大海原を舞台にした盛大な子供のけんかの後。沈みかける束ちゃんを掬い上げて光のある方へと飛んで行った僕は海岸沿いにある小さな小屋で野宿した。
ガイメタルの力をノリと勢いで制御できるようになっていた僕は風を使い二人の衣服を乾かすと、備え付けてあった毛布に包まりくっついて夜を明かした。
戦闘中に裸足で兵器(平気)だぜ!とやっていたのはコレだったのか、と穴の開いた寝袋を見やり。
コレが壊れてなかったら、とパーツの減ってしまったウサミミを見やり。
朝起きたら毛布と寝袋を占領していた束ちゃんを見て、深く重い溜息をついた。
どうしてこうなった、と。
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私は特別に正常な人間だ。
生まれたときから。否、生まれる前の母の胎内の記憶を持ち。
それゆえに言葉も母の中で覚えた。
生まれてから数日で立ち上がり、言葉を増やし、本を読みふけり。
私は私が完成する頃には、天才と呼ばれていた。
保育施設では無かったことだが、小学校に通い始めるとソレは起こった。
コミュニティ形成における隔離と嘲り。要は私を妬むバカの、私を遠ざける作戦だった。
イジメというにはあまりにも稚拙。
しかし、確実に独りぼっちになった。
いや、あの頃から私を気にかけてくれた友は一人いた。
その友はとても強く、とても優しく、とても強がりで、とてもさびしがり。
年のワリに出来た弟を大事に大事に可愛がり、私の事も大事に扱ってくれた。
妹と、友と、友の弟と遊んでいたとき。
皆で、簡単に宇宙にいけたら、と思うようになった。
それからの私の行動は早かった。
それを実現するためにありとあらゆる手を尽くした。
一通りの完成をさせて、いざそれを世界に広げようとして。
世界は私のことを認めなかった。
この歳でそれらを完成させたことに驚き、呆れ、異端とし、異常とした。
私は正常だ。異常ではない。
それを認めさせるため、私は行動した。
するとどうだろう。
世界は簡単に手のひらを返した。
所詮バカしかいなかったのだ。
でも。
一応の完成を見せたそれらは、バカたちの行動により。
私たちの、子供のように笑いあう夢よりも。
私利私欲に目を向け始めた。
でも、でも本当に。
本当に、それだけが原因だったのだろうか?
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「いや、多分ミサイル打ち落としたりなんだりが原因だろ」
「なんで?」
「もっと面白いことすればよかろうものを軍事兵器ぶちのめす方向で行ったら結果として兵器転用されるのは当たり前じゃね?」
九重安寿。
お気に入りのアンナさんの、子供。
最初はバカだと思っていた。
次に思ったのはお人好し。
「今この状況を打開する方が先決なのに過去がたりいきなり始めるから何事かと思った。僕は異常とか正常とかわりとどうでもいいから良いけど」
今は、わからない。
「とにかく方角と日本との位置関係さえ割り出せれば飛んでいけるよ。ククルカンになればいいし」
だって、私のことを心配しているのだ。
親友でもない。
家族でもない。
赤の他人だ。
多分、年下だという理由だけで。
「聞いてます?」
「聞いてるよ?だからチャッチャとそこらへんに駐車してある車からパーツ奪って必要なもの作ろうとしてんじゃん」
「奪う事が犯罪だという自覚は?」
「必要な事だから仕方ないよ!」
「ダメだと言ってんだろバカタレ」
でも。
少しだけ。
「とにかく、ヒッチハイク成功させるか道なりに進むか」
「じゃあやっぱり車パクろうよ!」
「免許」
「大丈夫だって!」
「法律」
「私が法…あだっ」
「謝るまで梅干を辞めるつもりは毛頭無いのであしからず」
「ごーめーんーなーさーいー」
「ちっ」
少しだけ、このままでもいいかな。
そう思えた。
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第一村人は発見できなかったものの、何とか標識を発見する事ができたのは幸運といえよう。
「ぶれまるはべん」
「ブレーマーハーフェンだ!というかドイツじゃねーか!」
果てしなく東に飛べというのか!
日本について、且つ迷惑をあまりかけずに降りられそうな所が天野牧場くらいしかねぇ!
北海道、行かないつもりで居たんだけどなぁ……。
ハルオミ叔父さんに迷惑かけることになりそうだわ。
束→多言語?英語くらいならなんとか……
安寿→とりあえず英語仏語独語と中国、あと厨二時代にラテン語とエスペラント語を少々