神様「ふむ…九重安寿の2015年は…」
1「ずっとゲーム」
2「とても素敵な彼氏ができる」
3「異性にモテモテの1年」
神様「2か3か選ばせるか…」
俺「すいません安寿のために2は勘弁してください」
心地よくもしっかりと頭に響く喧騒で目が覚める。
時計を見ると5時半。5時半!?
早いよ、まだ1月2日だよ?もっと寝かせてくれよ……。
しょうがない。チルタリス、メガタイカだ(ただの着替え)。
階下に降りると珍しく母さんに千冬ちゃんが食って掛かっていた。いや、違うな。困っているけれど話しているうちにボリューム上がっちゃった感じだ。
受け取れないとか家計の足しにしてとか聞こえる所を考えると、お年玉かな。
天野家でも九重家でも成人するまで貰っていたということで、僕も貰えるのは成人までだ。
現金書留が年末に届いていたのだが、厚かった。
例年に比べてそれはもう。
天野牧場に予期せぬ形でお邪魔した際に、
片方の少女は確実に見ていたわけで。
母さんが迎えに来たときにも話していたわけで。
で、1人一万円なんですよ。
子供が持つにはちょっと……ちょっと?おかしい金額になります。
小さい頃から少しだけお小遣いにして貯金に回してきた僕が言うのもなんだが、通帳額が凄い事になっている。しかもその凄い事になっている通帳の管理を5歳からさせるうちの両親。
いや、小さい頃からお金の大切さを学ばせるためと言う目的があるにはあるのだが。
「おはようございます、母さん。千冬ちゃんも」
「あら、おはよう」
「おはようございま、す?って、そうだ安寿さんも言ってくださいよ!」
「何をです」
「お年玉まで貰うのは流石に出来ません!ましてやこんな額は……」
「見よ、本邦初公開。18年分のお年玉貯金」
「貰えま、せ……」
どうだ、凄かろう。
そして僕の目を見るんだ。
どうだ、遠い目をしているだろう。
目を見開く千冬ちゃんにいつぞや聞いてみたことがある。
ご両親が居なくて生活費はどうなってるのか、と。
本当に生活費『だけ』顔も見たことのない親戚が振り込んでくれるだけで、その他のお金はバイトで算出しているのだそうで。
酷いよね。
という訳で(どういう訳で?)母さんに返そうとしていた厚い封筒を……うん、ポチ袋じゃ入らないからしょうがないね。封筒を押し返す。後ろによろけた隙にそっと開いていたボストンバックに押し込んだ。
荷物が本当に郵送されてきたときは思わず無言で束ちゃんを見つめたものだ。
バスの時間が迫っているので駅まで送る事に。
ええ、母さんの顔を見た限り時間まで余裕はありますとも。
時刻表チェックしてないから知らないけれど。
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寄り道どころか確実に違う方向に突き進もうとする束ちゃんを二人で抑えながら歩く。
押し黙る道中。
気まずくは無いが、間が持たないというかなんというか。
しかし束ちゃんが口を開く。
「ちょいとテンちゃん」
「何?」
「ちーちゃんのおっぱいの感触はいかがでしたグファ!?」
「何言ってるんだ束!?すいません!すいません!」
「どうせさっきの押し問答見てたとかでしょう?残念ながら触ってません」
「フォフォウ?ざ・ん・ね・ん?つまるところ触りたかったと?」
「たーばーね!」
「あぁ、残念なのは束ちゃんの頭でしたね。ハッ」
鼻で笑われた!?とオーバーリアクションを取る束ちゃん。
悪いが例え触っていたとしても感想言うとか悪趣味なことするわけ無いだろうに。
花菱じゃあるまいし。花菱じゃあるまいし。
「次に会うのは受験のとき、いや会えるかどうかわかりませんね。合格発表のときでしょうか」
「そうなりますね」
「会いたくなったら会いに来てもいいのよ?」
「「気持ちが悪い」」
「酷い!?」
きらきらおめめ雰囲気で言われましても。
「あ、そうそう千冬ちゃん?」
「はい?」
「お金、返すつもりなら就職した後に出世払いとかそんな感じで。手をつけてませんとかそれはそれで困るから」
「はい、解りました」
「それと束ちゃん」
「なぁに?」
「無駄使いするなよ」
「なんで年下の子供相手にするみたいな言い方なんですかねぇ……」
リアルに年下だろうに。
ともあれ。
合格、しなきゃな。
次回予告
合格発表と新居の話。
新たなる生活で問題が発生して安寿の胃壁がマッハ。
ついでに保護者枠として千冬ちゃんの胃壁もマッハ。
予定は突然変わる場合もあります。ご了承ください。