転生司書だけどのんびり生きて行こうと思う。   作:欲望貯金箱

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おや?3000字を超えたぞ?


合格からの四方山話
合格発表の話


 来るこの日に全てを賭けて、と言うものではないが。

 全て出し切った結果があらわれる日。そう、合格発表である。

 永かった。いや、長かったか?

 どちらでもまあ、僕の人生二回分くらいでは同じ事であろう。

 混みに混んだ人混みのなかで今どき珍しい特設の木製掲示板に張り出されていた。

 電光掲示板にでることが多い昨今にこの学校はどうしてこんな事をしているのか、というのはモッチから聞いたとおりなら経費削減らしいのだが遠く未来を見据えるなら電光掲示板設置した方が早いのではないのだろうか。

 いや、詳しく知らないけれど。

 あ、そうそう。

 引越しの件だが、なんか凄い事になってしまった。

 父方の親戚というか、お年玉はくれないけれど会うと何かしらの恩恵がもらえる親戚にこっち側にある家屋を借りる手はずだったのだが。

 えーっと、そのですね。

 買い与えられました。竃婆ちゃんと九十九婆ちゃんから。

 甘すぎやしませんかねえ、と蒼之丞(アオノジョウ)爺ちゃん(九十九婆ちゃんの夫)に電話で聞いたところ。

 

「ほっけぇ?がんが安寿はみぃんなば想われてんがんなぁ。つぐもちゃんもぉがまどさんもぉ安寿の事だぁい好きだがんな」

 

 うん。解りづらい事この上ないだろう。

 訳すと「そうか?だけど安寿は皆に想われてるからな。九十九ちゃんも竃さんも安寿のこと大好きだからな」

 ふむ。

 いや、理由ではないだろうけど、そのときは納得してしまった。

 リア充極まりない《ちゃん付け》で末永く爆発せずに大往生なさってください。

 いや、もう色々と。

 諦めたわけではないけれど、受け入れていこうと思っています。

 

 列なのかただ混雑しているだけなのか不明な人ごみの中、開いた隙間に身体をねじ込んでいくと掲示板の前。えーとFのフジサンロク、F-2236はっと?

 

 ……あった。

 あった。

 

 くっしゃくしゃの受験票を丁寧に伸ばして再三確認。

 目頭を揉んでからもう一度。

 目を瞑って三秒、目を開けて。

 

 ふ。ふへへへへ……。

 

「うひひひひ、ひぃっひひゃははははは……」

 

「へーいテンちゃん気持ち悪い」

 

「うわっとっとい!?」

 

 いつの間にやら隣にウサミミ。もとい束ちゃん。

 それと千冬ちゃんと箒ちゃんと、箒ちゃんくらいの年のころの少年。

 活発そうな少年だなぁ。いや、あの子だろうけど。

 

「えーっと千冬ちゃん」

 

「はい」

 

「距離あるよね?」

 

「そうですか?」

 

 そうでしょうね!

 引かれていた。割と素で。

 

「薄ら笑いテンちゃんは合格したんだよね?スベって螺子が飛んじゃった訳じゃなくってさ」

 

 なんか枕詞がおかしいとは思いませんかね。称号かな?

 ええまあ、ちょっとテンションが上がっていた事は否定できませんが。

 

「勝利の笑顔ですよ?なにも もんだいは ない」

 

「問題しか感じない笑顔でしたー、ざぁんねん!」

 

 まじかー。

 わざとらしいアメリカン笑いで肩を叩きあい、二人で観客を見る。

 少年は笑っていたが、残り二人が極寒の瞳。

 マジすいませんでした。

 

「それはそうと、千冬ちゃん。そちらの少年は?」

 

「前に話していた弟の一夏です。一夏、あいさつ。ほら」

 

「はじめまして!おりむらいちかです!」

 

「元気があって大変宜しいですね。僕は九重安寿。たった今、星城学園大学部に合格した18歳です」

 

 この子が、織斑一夏くんですか。

 いや、まあ。わかっていたけれどモテそうな子で何より。

 ……何がだ?

 

「千冬ちゃんは高等部試験大丈夫でしたか?」

 

「はい、合格でした」

 

「まー合格しててもしてなくてもテンちゃんところには連れてきてたけどね!」

 

 鬼畜の所業が行われようとしていた。

 未遂だけれども。

 

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 そんなこんなでお昼時。

 いろいろと浮いたお金があったので、奢りますか?と聞いたところ元気な男子と元気な女子が諸手を挙げて喜んだ。

 なお男子の姉と女子の妹の顔が鬼の形相だった事を付け加えておく。

 この日は合格発表ということもあり、第一食堂と第二食堂が開放されている。

 大学部側が発表の会場であり、近いところが第二食堂。

 ゆえに第一食堂まで歩いているところである。どうして第二にしないのか?

 人間の心理的に近いところで食事したいであろうことは明白だ。

 遠目に見ても混んでました。ありゃ無理だ。

 

「家族も一緒に食事を取れるのはいいですよね」

 

「たぶん宣伝も兼ねてるんでしょうけどね」

 

 苦笑する。これもモッチ情報だが、受験時や合格発表、オープンキャンパスに見学会、学園祭で開放される食堂を見て学園を見て……そうやってここに入学したい!と思う、男子が多い。男子が多い。

 大事な事なので二回言いました。

 ロマンあふれるかっこよさと奇抜さを勘違いした時計塔。マンガみたいな大きな校舎。どこかのゲームで見た食堂と、男子の好きな要素を詰め込んだ学園だとは思うそうだ。

 というか、食堂に関しては建替えのときに率先して建設予想図を書いた教員が居たそうで。

 ゲーム、やってましたよね?それ、建替えの年代考えるとコンシューマ移植されてませんよね?

 ぶっちゃけエロゲですよ、ね?

 とても不安でしかないその教員はモッチ入学の年に移動となり、行方はわからず。

 ○○○遊園地で僕と握手!張りのテンションで会ってみたかったんだけどなぁ(笑)。

 

「ところでいくらまで奢ってくれるのん?」

 

「一人あたり1,000円と言ったところですね。それくらいで腹八分目でしょう」

 

「……八分目?テンちゃんそれ以上食べるよね?」

 

「それは僕にとっての八分目でしょうに。君たちは大丈夫だと思いますが」

 

「俺ハンバーグ食べたい!」

 

「「一夏!」」

 

「ハモりましたねぇ」

 

「こう、ちーちゃんと箒ちゃんが姉妹に見えるじゃない?」

 

「性格の一致的な意味で?」

 

「うん。で、そうなるといっくんと箒ちゃんが結婚すれば全てが丸く収まると思うんだ」

 

「本人たちの意思によりますね」

 

 この子が画策すると二人ともかなりの狂依存になりそうだと思う。共依存の狂った状態という意味で。

 ヤンデレ生産するのだけはやめてくださいね。

 

 第一食堂の入口で受験票を見せ腕章を貰い、それぞれ付ける。

 僕は一人扱いだけれど、そういえば千冬ちゃんは三人分余計に貰うんだよな。

 

「一夏くん、券売機にこれを。お釣りは差し上げます」

 

「え!?良いんですか、安寿さん」

 

「はい、千冬ちゃんも。おいこら束ちゃんお前の分は箒ちゃんに渡したからいいだろ」

 

「それが気に入らんのだろうがぁ!箒ちゃぁああぁん!」

 

「わわっ、姉さん!?」

 

 っとと?券売機、券売機……おおっと!?

 ステキな大きさのチャーハン食ってる集団と、明らかに大きいラーメン食ってる後悔してそうな男。

 アレにしよう。

 チャレンジメニュー?一人で食べきったら返金?

 あ、あそこの色の違う席で食べればいいのね?

 よし。

 

「すいませーん」

 

「はいはい、あんらぁチャレンジメニュー二つも頼むのかい?」

 

「そこの席ですよね?」

 

「そうよぉ」

 

「じゃあ大丈夫です。連れもあそこで食べていいですか?」

 

「食べるのを手伝わさなければ良いわよ?」

 

 苦笑してますねー、ちょっと恥ずかしいですよ?

 しかしまぁ、特大五目チャーハンと特大豚骨生姜チャーシューメンか。

 時間掛かるんだろうねぇ。

 

「ハイどうぞ」

 

「って早ぁ!?」

 

「今日みたいな日は頼む人が多いのよぉ、準備はしてるからねぇ」

 

「ありがとうございます」

 

 片手で持て、た!

 持って行くのは楽だわ。時間制限ないし、美味しく頂きます。

 

「テンちゃん…?」

 

「ああ、コッチです」

 

「おぉ~にーちゃんスッゲェ……」

 

 えーBGMは、信頼と伝統の名人芸。上半身裸で下半身黒タイツ、狂喜乱舞に変態トップスピードの方。

 アレで行こうか!

 総ての命と料理人のおばちゃんに感謝して、頂きます!

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