転生司書だけどのんびり生きて行こうと思う。   作:欲望貯金箱

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あの人のファンの方、なんでもしますから許してください!


三度目の話

 チャレンジメニュー、大変美味しゅう御座いました。

 打ち上げというのか、ただ騒ぎたいだけなのかは別として。

 本当に久しぶりに花菱と二人だけでカラオケに行き、ノリと勢いだけでDASH…ではなくダッシュで電車と競争するなんてことをして。

 そして新居に。

 この新居。おどろおどろしい外観なんだが、中は小奇麗。

 サンルームなんかもあったりして購入するとなると普通の一戸建て三件は建つのではないだろうか。

 深く考えるのは恐ろしい。ので、やめることにする。

 簡単な掃除と荷物の片づけを終わらせ、玄関と同じ方向に向いている二階の書斎を自室その①にするとして個人のムフフな本も持ち込み……木を隠すなら森の中、というだろう?つまり、そういうこと。

 体に悪そうなカップ麺をひーふーみーよー……7つか、7つ食べたな。

 テンションが上がりすぎてもいけないから、と早めに風呂に入って明日以降の準備をして。

 次の休みに一旦実家に戻って卒業まではそっちだな。

 書斎の一部が変形してベッドが出てくるこの折り畳みベッド?にときめいたからこそ自室です。

 時間は10時になるかならないか。

 おやすみなさい。

 

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 起きた。

 時計を見ると2時を少し回ったところだ。

 やはり少しのホームシックでも感じているのだろうか、それとも慣れない新居で体が追いついていないのか。

 窓を開ける。春に近いとはいえまだまだ寒い風が心地よい。

 空は晴れ渡り、雲ひとつ無く月明かりが町並みを照らす。

 ちらほらと明かりはあるが、明確な光源はコンビニと電灯だけ。

 星城学園で僕は、司書になる。

 肺奥深くまで空気を吸い込み、吐き出す。

 そうして冷たい空気で肺を満たしながらそっと眼下の道路を見…………。

 

 何か見た。

 

 見間違いだろう、露出度の高すぎる少女なんて。

 まだ2月の終わりだぞ!?

 そっと窓を閉め、そっとカーテンを閉め、机に向かい、引き出しから目薬を出して射し、しぱしぱ。

 先ほどとは別の意味で深呼吸を繰り返し、カーテンを開けて窓を開ける。

 

 居た。

 艶のある黒髪をテールクリップでふんわりと留め、今時珍しい黒縁の眼鏡をした少女。

 黒サイハイソックスと焦茶のローファーを履いた少女。

 大きなボストンバックを肩から掛け、こちらにウインクをする。

 それ以外に何も身につけていないというか、ありのままのというか。

 

 

 生まれたままの姿を惜しげもなく晒す変態が居た

 

 

「つ、通報しなきゃ……」

 

 震える声が意外と大きかったのだろうか、口を開いたから反応したのだろうか。

 

「いやーオ兄サン!それはちょっち止めてくれないかなぁ?」

 

「ひぃい!?」

 

「声が大きいよ?誰かに聞かれちゃったらどうするんだい?」

 

 君がそれを言うかね!?

 誰だかわからないけど、やばい事はわかる。

 やばい事しかわからないが。

 

「おっと、誰か来たようだ。そういうわけで、見つからないようにお邪魔しますね」

 

「オイこらコッチ来んな庭に入るな聞けよ変態」

 

 え、アレ出迎えなきゃならないの?

 

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「いやあ実はこの家がしばらく空き家だったから着替えに使わせてもらってて」

 

「今は僕が住んでいますけどね」

 

 少女の名前は篝火ヒカルノ。

 そう、あの篝火ヒカルノである。

 

「大体なんですか、露出狂ですか」

 

「そだよ?しかしお兄さんいい人だねぇ。おっぱい触ったりしないし、コート着せてくれるし」

 

「年頃のオンナノコがそういうことしちゃいけません」

 

「でも興奮したでしょ?」

 

「うるせぇ黙れ」

 

 やーん怒ったー、とケラケラ笑う。

 ボストンバックには彼女の言うとおりに着替えが入っていた。

 近くに住んでいる彼女が公園で服を脱ぎ裸で練り歩いたあと、着替えるためのものだそうで。

 それと、立派な三脚と高そうなデジタルカメラも入っていた。

 ……絶対に問うまい。

 小学校の頃からノーパンで過ごし、中学になって過激にエスカレートし、現在に至るらしい彼女はこのたび高校に進学するという。もちろん()()()()()()()()()()()()()()のだから星城学園高等部だろう。

 つまり学び舎は違えど同じ敷地内にこの変態が出現することになる。

 エンカウントしたくない。

 厄介事の匂いしかしない。

 

「私ってば、性格ちょっち可笑しくて友達少ないからやることが無いわけ。で、人の気を引こうと頑張った結果がコレよ」

 

「その努力をもっと別の方向に向けなさい。おいコラたくし上げるな」

 

「ちらちらっちらっ」

 

「うるさい」

 

「太ももガン見ご馳走様です」

 

 男だからしょうがないね。

 でもね、危険だと思うんだ。何かあったら困るでしょう?

 

「もうあったけどね!」

 

「詳しく」

 

「えー?えっちー…って怖い怖い!顔が怖いよお兄さん!?あれは今から36万……ごめんなさい話します!……もー冗談通じないんだから」

 

「はよしろ」

 

「つってもねー?中学一年のときかな。露出がこなれて来て思い切ったことをしようとしてね。公園のジャングルジムで割り開いて、あ割り開くって言うのは」

 

「それは聞きたくない」

 

「えー。つまんなーい……うん、まあおっぴろげたわけですよ。大開脚して指で、こう」

 

 説明するな。

 何が悲しくて変態性癖を聞かねばならない。

 そこじゃないんだよ。

 

「そしたらリーマン登場ですよ、降りてきなさいって言われて『ヤバイ!怒られる!』とか思ってたらおもむろに前から抱きすくめられて、こんなことをしてメスガキがいきがってんじゃないぞって髪に顔をうずめられて、首筋舐められて、お知り痛いほど揉んできて。でもそれだけだったな。怖かったけど、私が欲しいのはコレじゃないなぁとは思ったけど」

 

「ごめん、そこが聞きたいわけじゃなかったんだけど」

 

「あれ?」

 

 はぁ。

 もういいや。

 

「露出をするな、とは、うん。個人の趣味だし強く言えないけどさ。危険なまねはしないで欲しいです。赤の他人だとしても」

 

「うん、それからはそういうのはしてない」

 

「そうじゃなくて、です。露出度を下げて、そうですね水着とかそういうので歩けばいいんじゃないですか?」

 

「なるほど!お兄さん頭いいね!」

 

「人が近付いてきたら『撮影中でーす』と言うとか」

 

「アダルトビデオの?」

 

「そういう知識は何処から仕入れてやがる」

 

 テヘペロされた。

 胃が痛い。

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