ヒノキ花粉も今年から猛威を振るって俺のストレスがマッハ。
昨日の入学式から明けて、と言うほどでもない昼時。
黒山の、なんていうのは女子に対して失礼なので自重するとはいえ人だかりができているのは織斑一夏くんのまわりだろうなあなんて。確か二日目は遠巻きに見ているだけなんだったかな。篠ノ之の妹ちゃん、箒ちゃんが不機嫌オーラを出しているとか何とかで。
僕には関係ないでしょうけれども。
食券の券売機にお金を
マネーカードをスキャンするプレートに職員登録カードをかざすと職員限定のモードになる。
国税で食えるといえば罪悪感が沸くのだろうか。いや、無いか。
無制限で食券が買える、といったものでモードを終了するにはお釣りボタンを押す。
まあアレだ。燃費の悪い僕には嬉しいシステムだ。
基本的に女子高であるため、あったためにセットメニューの量が少ない。
少ないというか女子の一回の食事量に合わせているというか。
まあいい。それでは……まあいつもどおりカルビ丼を
あと、は山掛けうどんセットと牛乳(1L)。昼時の食堂、その窓際に異様な光景が広がるのは割と日常になりつつあるが頼みすぎだろうな。僕じゃなければ。お釣りボタンぽちー。
厨房のお姉さま方、お願いします。
「あれ、安寿さん?」
「あぇ?……あー……あー。そうでした、そうでしたねー」
「なんですか、その反応!?」
そうだよ、タイミングが会ってしまうとこういうことが起きるんだよ。
「いや……食堂で会う確率なんて相当低いなと思っていたところなので」
「それにしては変な反応じゃないですか?」
「まて一夏、司書職員と知り合いなのか?」
ちょっと、ショック。
いやかなりショック。
「おい何言ってんだよ箒。安寿さんだって。千冬姉とか束姉の保護者の」
「ああ!す、すいません!」
うん、謝らなくていいよ?
むしろ一夏くん僕に謝れ。
保護者ではない。
「はい!カルビ丼五人前に山掛けうどん!カレーはもうちょっと待ってなさい」
「あ、はい」
「……相変わらずよく食べますね」
「アイデンティティというやつです。あるいは単純な燃費の問題でしょう」
食義という概念が無く、それらの能力が自然と生活に根付いた天野家のなんと恐ろしい事か。
僕の身長と体重数値を見た人が思わず三度見をするのだからアレなものだけれど。
チビの男性職員なんて階段から突き落としてやる!とかやった生徒が自分の腕力で後方に倒れるんだぞ!
どうだ、ヤバいだろう。
「女子高に放り込まれた気分はどうですか一夏くん」
「香水の匂いがヤバイ。あとどう接していいか判んねえ」
「大丈夫です、あと三週間もすれば香水の匂いは和らぎ代わりに学校で無料配布されているシトラス系の清汗剤の匂いに変わるでしょう。人との接し方はそれこそ人それぞれなので僕にはなんとも」
「えー……」
ハニートラップしようとしている連中も含めて自分たちの匂いに耐えられなくなるだろうからねえ。
人との接し方は……まあフラグ建ても彼の魅力でしょうからね。
「カレーお待ち!そっちの二人も日替わりお待ちね」
「ありがとう、おばちゃん。おお、うまそうだ」
「ありがとうございます。他のお姉さま方にもよろしくお伝えください」
「褒めたって何も出やしないわよ。それにアンタ、うまそうじゃないわ?うまいのよ」
だが僕は知っている。
褒めちぎるとカレーの肉が増える事を。
お、あっちあいてる。
「それでは僕はこれで」
「え、あの……」
「二人でゆっくりしなさい、ね」
というか二人分よりも多く食べる僕の食料を置く場所が、原作どおりに二人分しかあいてない場所に座るであろう彼らの日替わり定職を侵犯するだろうが。
一瞬だけ一夏くんの目が「助けて!置いていかないで!」と言ったような気がしましたが、きっと気のせい。
彼は一人でも生きていけるでしょう。
ところでお盆重ねて歩くと人が割れるの、どうにもならない?
去年も同じような事が起きていたから6月辺りには収まるだろうけれど。
九重選手、最初は他の教員と共に寮生活をしており朝飯(各セットから好きなものを選ぶ)と夕飯(バイキング)にも同じような、とは行かない物の他人から見たら食べすぎなほど食事を取っておりました。
国民の血税(と書いてヒトノカネと読む)で喰う飯。うまい。
しかし、そんな生活を続けていたある日理事長から告げられます。
自宅から通うようにしていただけますか?と。
飯の食いすぎでIS学園の予算を圧迫したのか、それとも別の理由があるのかは定かではありませんが。
なお女性権利団体のゴタゴタとは一切関係が無い模様。