朝からやけにあわただしいと思っていたら今日だったんですね、試合。
時間は既に放課後で、なんとなく必要になるかなと淹れておいたコーヒーを大きめの水筒に。
さあいざ行かんアリーナへ!
いや関係ないとか前に言った気がするんですよ?ですがやはり気になる男の子!って感じに。
束ちゃん製の怪しげな黒いカードキーも持ったし大丈夫でしょう。
ああ図書室?図書委員の生徒さん達に任せてきました。
さあ行きましょう。
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ピピッ!
わぁはいれちゃったよー(棒)たいへんだなー(棒)。うん、まあ、当然だね。
関係者以外立ち入り禁止の文字を意図的に無視してアリーナピット内に侵入。
怪黒カードを懐にしまって、ピットの泥水を吐き出すだけのコーヒーメーカー前に移動する。
本当にコーヒーの匂いのする泥水だから困る。
中身を入れ替える。司書室の方が上等なコーヒーを淹れられるんだ!
ついでに持ってきておいた塩、砂糖、粉末ミルクもシュガーポットに入れておきましょう。
大きく書いておけばわかるよね。
粗悪品の角砂糖とミルクポーションは回収してポイしておこう。
あとはサイドにハンドルついた紙コップにコーヒーを注いで、盆に載せて。
彼女たちの背後に移動。そっと差し出す。
よし、普通に受け取った。
え?お前いつからそこに?まぁいいや的な感じで端の方に座って観戦だ!
……うーん。
ゲームじゃないのはわかるんだけど、もっとうまくいかないものか。
剣道勝負繰り返していたなら相手に対する踏込とかわかるものでは?
それを取り込もうとしていなかったのか、それとも意味もなく繰り返していただけなのか。
彼は自分の一挙手一投足を戦いに取り入れるべきですよね。
無駄に洗練された無駄の無い無駄なフラグクラッシャーぶりも戦いに……正直無理ですね。
彼はほとんど無意識ですから。
矯正したんです。したんですよ。したんですが、ね。
失敗しちゃいました♪
恋愛的価値観をちょっと意識するようにしかできませんでしたので、幾らかマシになったのかなあ?
お、今のはいい感じです。
避ける事よりも一歩引くことが大切です。
攻撃に転ずるならそこからどの結果につながるか同時に考えるべき。
あ、ダメかも。左手ぎゅっぱぎゅっぱし始めた。
たしか小説では相手の装備を過信したのだったっけ。
過信も慢心も戦うべき場所では放り捨てましょうって話をしたような気がするんですが。
ああそういえば戦うべき場所=デートの話だった。
今こそ合法ショタ御手洗くんのおねショタモテ話を思い出すんだ!
あるいはナンパ少年五反田くんの恋愛価値観をだな!
無理か!無理だな!
計測器に異常数値。
過剰なほどのエネルギー反応。
ファーストシフトってやつかな。
前方が文字通り姦しい。
コーヒーのお替りを持ってくる時間も惜しい。
ああ、良い。
こういうのが見たかったわけじゃない。
そうじゃないんだけど。
それでも。
自分の目でそれが見られる感動というものがあるじゃない?
僕は、ちょっと卑怯だと思うのだけれど。
卑怯もラッキョウも大好きなので問題ありませんね。
かっこいい。煙が晴れるって表現じゃない。
煙を切り裂いて現れたるは純白の剣士。
未だ若い彼にとっての鎧は未知数の塊。
君が気が付くだけで世界は有象無象に。
君がはばたく事で重力の楔から解き放たれる。
『俺は世界で最高の姉さんをもらったよ。それに最高の兄さんもいる』
え、ダレ?
誰だそれ。
『俺も、俺の家族を守る』
『は?あなた何を言って』
『とりあえずは千冬姉と安寿さんの名前を守るさ』
君まだあきらめて無かったな!?
僕は君の義兄にだけはなりたくないって言っただろうが!
絶対に嫌だからな!
『というか逆に笑われるだろ』
『だからさっきから何の話を……ああもう面倒ですわ!』
正直僕も目の前のモニタでフッ……て笑う一夏くんが面倒です。
雪片を握る手に力が入って、無い?
普通に握ってるだけだ。
必殺技が大好きな男子が寄ってたかって千冬ちゃんに内緒で見た試合の映像。
再現率も分析も大好きな男子が研究した
それどころかエネルギーブレードの出力を落としている。
払う動きだけでビットを落とす。
切らなくてもいいと判断したのか。
正しい、けれどそれは今、相手が焦っているから通用する技だよ。
懐に飛び込んだ直後腹部に強烈な蹴り。もしかしてブースト使った?速度があり得ないことになっている。
反動で回転する最中、無理やりだが構えをとった。
使うか、零落白夜。
ここまでエネルギーを温存しているということは、少しでも当てれば勝てる。
かっこつけるな。
かっこ悪くてもいい。
勝ってほしい。
君は勝てる。
大丈夫。
勝て。
勝て。
「勝てええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!」
一閃。
たった一振り。
彼の剣撃は彼女の背後を切りつける。
試合終了のブザーが鳴る。
≪試合終了。勝者――織斑一夏≫
機械音声が告げた名は彼のものだった。
いやあ熱いね。
思わず声を上げてしまったよ。
手に汗握る展開とはまさにこのこと。
ただ、惜しむらくは。
「あの、九重さん?どうしてここに?」
「え?あれ?え?え?」
「九重司書、言い残すことはありますか?」
ここから逃げる方法がまったく思いつかないことだ。
せーいぞーん ほーこくー
刀剣の沼にハマりつつイカで塗潰してマリオステージを作りながら過労でぶっ倒れて病院に運ばれ某所に刀剣小説上げてみんくじ引いてノーパソ死んで新しいの購入してちょっとだけ野菜炒め生活送ったけど俺は元気です。