サイキョー転生!Finished Story 作:堕落と強欲の権化
本当に申し訳ない!
え、9月と10月はどうしたって?
忘れてた⭐︎
__魔王城、城門前__
「何だ、貴様は?」
「クロム。__あいつらに復讐したいから、ここで力をつけたい」
「ふん、小童がそんなことを言うとはな」
そういう魔王「グリム・ファーター」は、門を開け、中へ招き入れる。
「ついてこい、菓子くらいは出してやる」
__応接間__
「おぉ……」
『これはこれは……豪華で煌びやかな装飾だ』
「ふふふ、そうだろう?俺の妻の趣味だ」
なんかとんでもないことを聞いたような気がしたけど無視して、ずらっと並んでいる席の一つに座る。
「失礼致します」
メイドさんがトレイを持って入ってきた。
トレイの上には、紅茶やクッキー、桃などのフルーツが乗った皿、それと「マカロン」とかいうお菓子もあった。
「美味しそう!」
『罠の可能性を考慮しろ!』
「フハハ、聖剣は面白いことを言う。どう言う罠だと思ったのだ?」
『毒が入っていたり……って、なぜ私の言葉が分かる!?』
「知らん。魔王になった時からそうなのだ。動物や魔物の言葉も何となく理解できる」
「はえすっごい」
スライムやゴブリン、オークやドラゴンの言葉もわかるらしい。羨ましい!
「……して少年よ」
「はひ?」モグモグ
「…………」
「……?」
「……我が配下にならぬか?稽古もつけてやる」
「本当!?」
にこやかな笑顔に、グリムさんは顔を顰め、マカロンを口に放り込む。
「我が配下になれば、衣食住、安全は約束しよう」
そんな言葉と共に、聖剣使いは魔王軍の一味になった。
__5年後__
「……ふっ!……ふっ!」
「精進してるな!」
「オルクさん!」
15になり、成人した俺は魔王幹部の座を与えられ、聖騎士としての才能も磨くことで「聖騎士兼魔王軍幹部」という素晴らしい地位を獲得した。
「覚悟しろ!魔王!」
「効かぬわ勇者!」
「ぐわああああああああああ」
魔王様は勇者を何度も返り討ちにし、無敗を誇っていた。
「覚悟しろ!魔王!」
「またか」
「ぐわああああああああああ」
何度目かの返り討ち。
勇者は何がしたいのか。
_____
「魔王軍幹部クロム!覚悟しろ!」
「……」
俺のところにも勇者が来るようになった。
まあ倒したところで何も起きないし、そろそろティータイムなんだが。
「うおおおおおおおおっ!」
「邪魔だ!」
聖剣「ハイドレンジア」を振りおろす。「白魔術」が聖剣に纏われる。
「奥義__『大切断・極』っ!」
「な__ぐわああああああああああ」
デジャヴ。
__10年後__
「クロムよ」
「魔王様……?」
「我はもう長くはない。異世界に飛ばそう」
「ま__」
魔王様は手をこちらに伸ばす。
「おうさ、……ここは」
異世界。魔王様はそういっていた。
「ここが、そうなのか」
もう聖剣は必要ないだろう。その場に封印し、後継者となり得るものに託すため、「黒魔術」で魂をそこに縛る。
「これで、俺が死んだらお前に宿るのか」
『……寂しく、なるな』
「ああ。……近くに村の気配がする。そこで暮らすとしよう」
そうして、俺は42で死ぬまで村に貢献し続けた。
その村を統治している国王や、魂だけとなった魔王様、なぜか追いかけてきていた勇者一行がその最期を見届け__そして。
_____
クロム「__今に至る、というわけだ」
エリック「はえすっごい」
クロム「もうハイドレンジアは反応してはくれないがな」
エリック「そっか。……あ、そうそう。仲間がね、『スノーケル』って人を知ってるんだけどさ、クロム、何か知らない?」
クロム「俺の末裔だな、それは」
エリック「え」
_____
『__おし、まい』
グリモワールが閉じる。
『まあ、というわけだ。その魔王様が、このグリモワールだったりするんだが__』
「それを先に言ってよ!?」
『ま、ワタシはもうそんなことする気も起きないが』
「そっか、よかった。……あ、そろそろ帰らないと」
『む、もうそんな時間か。よし、ワタシを連れて帰れ』
「えー、うーん。わかった」
僕はグリモワールを脇に抱え、地下階段を駆け上がる。
__地下入り口__
「ヴェーダ!」
「と、父様?」
「よかった、心配したんだぞ!ってか地下に行ってたのか!?」
「う、うん」
「__ああ、グリモワールか。そのアーティファクト、大事にしろよ?」
「うん!」
怒られるかと思ってたけど、そうだ、父様は優しいんだ。
「……ふう」
『お疲れのようだな』
なんとか部屋に帰って来れた。さて、夕食の時間までまだあるし、魔法の練習でも__
「あれ?」
見慣れないスキルがある。「白魔術」に「黒魔術」……?
「ねぇグリモワール」
『なんだ?』
「『白魔術』と『黒魔術』って……」
『教えてやろう。ワタシが話した英雄の力を一部、引き出せるのだ』
「そうなんだ……?」
『次は、とある料理人の話でもしようか』
「その人も英雄なの?」
『まあ、「食」という概念を根本から変えた人だからな』
「おぉ!」
それは楽しみだ!
次回?ああ、召喚されし者だよ。
__とその前に閑話だよ。