ヤハタちゃんの青春ラブコメはできるのだろうか?   作:龍造寺

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第16話です。


第16話ー梅雨に入り、それから…

 

総武高校・放課後・奉仕部。

 

小田原先輩と熱海先輩のサッカー部を巻き込んだ事件から3週間。奉仕部は、私、雪乃、結衣の3人で、いつもの平常運転。

 

バスケの試合、サッカー部の件を解決したおかげで、奉仕部の知名度がますます上がって、依頼も複数入るようになった。勉学の依頼は、雪乃が的確にアドバイスして、龍造寺君みたいに解決できてるのかな。まぁ、そこはよくわかんないけど。落とし物の捜索とか、図書室からの「本を返却してない人から返させたい」って依頼も来た。

 

雪乃、奉仕部の理念にそぐわないって言ってたけど、私が「何でも挑戦した方がいい」って言ったら、目を見開いて驚いてた。

 

私、変なこと言ったかなって、結衣に聞いてみたら、「やーちゃんが自らやろうって言うなんて、成長してるんだね!」って。

 

いや、結衣、私が一番驚いてるから!図書室の依頼こなして、学校中歩き回って、色々見えてきた。バスケ部、サッカー部、みんな大会に向けて必死に練習してる。私たちも、奉仕部の依頼で相談者の背中押して導くの、最初は無理だと思ってたけど、感謝されるの、ちょっと嬉しいかな。

 

戸塚君の依頼、テニスが上手くなりたいってやつ、3日間コーチしてやり遂げたと思う。これはほぼ私が主導したけど。雪乃は他の依頼、結衣は雪乃のサポートしてたみたい。

 

学校行事、職業見学があった。専業主婦志望だから家でいいって言ったら、平塚先生にめっちゃ怒られた。強制的にテレビ局見学。

 

麦野さんや上条さんも一緒だったから、別に嫌じゃなかった。葉山君たちもいたし。で、避けられないイベント、中間テスト。私は普通に勉強してたから、まぁまぁ点取れた。

 

結衣、成績イマイチだったみたい。雪乃は学年トップ、私は5位。まぁ、悪くないよね。

 

この3週間、季節は梅雨に突入。制服も冬服から合服へ。結衣の胸元、冬服より目立つ。あんなに開けてて、恥ずかしくないの?って思う。雪乃はいつもの席で本読んで、結衣はスマホいじって、私も廊下側の席で材木座君の原稿読んでる。

 

彼、定期的に原稿持ってくる。私をモデルにした女子バスケのラノベ、書いてるらしい。

 

【梅雨入ったし、雨ばっかだよね~】

 

結衣、スマホで天気予報見ながら言う。

 

「そうね。それでも奉仕部の活動は変わらないわ」

 

雪乃、冷静に答える。私も口出す。

 

【奉仕部、外の部活じゃないしね。基本ここで活動するわけだし】

 

【依頼者が来て、初めて活動できるんだけど、お助け部じゃない。依頼者の背中を押すのが私たちの役目よ】

 

雪乃、奉仕部の理念をキリッと。結衣、笑顔で頷く。

 

【でも、最近、落とし物や図書室の依頼もこなしたよね】

 

【それは、あなたが『挑戦したい』って言ったからでしょ。それに、比企谷さん、個人で材木座君の依頼受けてるじゃない】

 

雪乃、チクリと。私、苦笑い。

 

【まぁ、そうなんだけど】

 

材木座君の原稿、個人で受けてる。忙しくなると読めなくなるから、ちょっと怖いけど。

 

【まずは現状の依頼を終わらせてから、後のこと考えなさい】

 

【わかってるって、雪乃】

 

こんな会話しながら、梅雨の季節を雪乃や結衣と過ごす。麦野さんやバスケ部のみんな、たまに「練習手伝え」って言うから、参加する。嫌々じゃなく、自分の意思でコートに立つ。

 

あと上条さんが、クラスのみんなに芸能活動していること、告白してくれたんだ。

 

そう、前々から噂のあった『MISAKI』が上条さんだってこと。

 

私がある日聞いたあの言葉は間違いではなかった。やっぱり上条さんがMISAKIだったのだ。

 

クラスのみんなの最初は驚いていたけど、みんな上条さんを応援するって言ってたね。特に男子たちがみんな力を入れて応援するって言ってたわ。特に花村君や大和君、大岡君あたりがだけど。

 

クラスの女子たちも男性芸能人のことを色々聞いてたわね。上条さんも話せる範囲でということでだったけど。

 

こんな生活、楽しく思えるようになった。比企谷八幡、プラスになってるのかな。

 

ただ1つ上条さんのことで、気になったけど、本人が言わないところを見ると大したことないのかな、とこの時は思ってしまったのだったけど。

 

 

ーーー

 

八幡たちの会話から数日後。

 

 

とある事務所・夜・とある部屋。

 

梅雨の雨が窓を叩く音が、静かな事務所に響いていた。総武高校の生徒、上条美紗希は、芸能事務所の一室で、ソファに座り、膝を抱えてうつむいていた。彼女の目の前には、マネージャーの北条輝子が立っている。黒髪ロング、モデル体型の輝子は、かつて自身もモデルとして活躍していたが、今は美紗希を支える立場にいる。厳しさと優しさを兼ね備えた大人びた女性だ。

 

【美紗希、いい加減、決断しなさい。学業、バスケ、芸能活動――三足のわらじは、無理よ】

 

輝子の声は穏やかだが、どこか有無を言わさぬ響きがあった。彼女は経験者だ。かつてモデルとして走り続け、学業と恋愛を両立しようとして倒れた過去を持つ。だからこそ、美紗希に同じ道を歩ませたくない。美紗希は顔を上げ、唇を噛んだ。

 

【大丈夫、何とかやってみせるから】

 

その言葉に、輝子は眉を寄せる。

 

【何とか、ね。私も昔、同じこと言って、無理して倒れたのよ。あなた、最近、疲れてる顔してる。気づいてる?】

 

美紗希は答えず、視線を落とした。彼女はグラビアアイドル「MISAKI」として活動しながら、総武高校のバスケ部で活躍し、学業も疎かにしない真面目な生徒だ。だが、その全てを全力で続けるのは、さすがに限界が近かった。

 

事務所の幹部たちは、美紗希をもっと売るため、仕事の量を増やしていた。ワンピース系の衣装からビキニ系の水着へのシフトも、事務所の意向だ。グラビアアイドル業界は戦国時代。生き残るには、過激さが必要だと幹部は言う。美紗希も、しぶしぶ承諾したが、心のどこかで違和感を抱いていた。

 

【5月末に撮った写真集、7月に発売されるわ。子供から大人への脱皮をテーマにした、魅力的な出来よ。これが売れれば、あなたの芸能活動の幅が広がる。でも、売れなかったら、現状維持か、もっと厳しい状況になるわ】

 

輝子の言葉に、美紗希は小さく頷く。写真集は、彼女の転機になるかもしれない。だが、事務所の社長が「バスケのユニフォーム姿も売りになる」と提案してきたことに、輝子は悩んでいた。

 

【美紗希の学生生活、バスケ部の領域にまで踏み込むべきかしら……】

 

輝子は事務所の片隅で頭を抱えた。美紗希が承諾したとしても、彼女の心が耐えられるか、輝子にはわからなかった。美紗希自身も、葛藤に苛まれていた。グラビアアイドルとして売れ続ければ、バスケ部を辞めざるを得ない。だが、バスケ部で試合を勝ち抜けば、芸能活動に割く時間がなくなる。どちらも好きで、どちらも中途半端にしたくない。真面目な彼女にとって、いい加減な気持ちで続けることなど考えられなかった。

八幡の相手は誰が良いですか?

  • 1ー高橋雅史
  • 2ー葉山隼人
  • 3ー材木座義輝
  • 4ー戸部翔
  • 5ーその他
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