ヤハタちゃんの青春ラブコメはできるのだろうか?   作:龍造寺

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第1話です。

比企谷八幡(やはた)の物語が始まります。


第1部
第1話ー始まりは突然に訪れる。


 

窓の外から暖かな風がそよぐ。木々の匂いが教室に漂い、カーテンが軽く揺れる。私は比企谷八幡(やはた)。総武高校の2年生。名前は「やはた」と読む。もし私が男子だったら、「はちまん」だったって、両親が冗談で言ってたっけ。まだ4月、2年生になったばかりだから、「なりたて」って感じかな。

 

今、教室では『高校生活を振り返って』という作文を書く時間。立案者は、現代国語の担任、平塚静先生。いや、ちょっと待って。このお題、絶対おかしくない? 高校生活を振り返るって、3年生の卒業間近でやるものじゃん。私達、2年生になったばかりで、振り返るような時間なんてほとんどないよ。それに、私の場合、振り返るようなこと…特にないし。

 

部活? やってない。イベント? 参加してない。目立たないように、ひっそり生きてきただけ。ペンをくるくる回しながら、原稿用紙を眺める。クラスメイトの中には、スラスラ書けてる人もいる。…スラスラ書けるなんて、リア充っぽいよね。ちょっと羨ましい…のかな、私。

 

私はそれを遠くから眺めてただけ。正直、気持ちいいものじゃなかった。だって、目立ちたくないから。中学の時のことが、余計にそうさせた。あの女…佐藤さん、だったかな。❝あの女❞のせいで。

 

❝あの女❞は、私が高橋雅史と幼馴染で、気安く話してたことに嫉妬したんだと思う。多分、雅史のことが好きだったんだろうね。私を❝雅史の女❞だと勝手に思い込んで、取り巻きの連中と一緒にいじめ始めた。最初は文房具や教科書を隠すくらいだったけど、だんだんエスカレート。上靴や体操服を隠されたり、トイレで水をかぶったり、階段で足をかけられて転びそうになったり…ほんと、姑息で最低なことばかり。

 

最終的には、❝あの女❞の取り巻きじゃない、別の子分の男子に襲われそうになった。あの時は、もうダメだと思った。

 

でも、雪柳綾音、立花緑子、結城七海、そして雅史と彼の友達が助けてくれた。みんながいなかったら…今頃どうなってたか分からない。

 

❝あの女❞は多分、雅史の事が好きだったんだろうな。

 

思い出すだけで、なんか腹立ってくるけど、こんなの作文に書けるわけないよね。

 

去年1年間、何があったっけ? 入学式…張り切って行ったけど、途中でワンちゃんが車にひかれそうになって、思わず身体が動いた。あの瞬間、前世の記憶が完全に蘇ってきた。

 

前世の私は、男だった。そして、同じように誰かを助けようとして…命を落とした。あの事故で意識を失って、目が覚めたら病院のベッドの上。両親や小町、綾音たちが、交代で私の意識が戻るのを待っててくれた。事故のおかげで、前世が男だったこと、知らない場所や勉強してない知識が頭にあった理由が分かった。ちょっと…自分でも笑っちゃうけど、前世の私も似たようなことしてたんだって。

 

前世の自分も、こんな風に誰かを助けようとして…バカみたいに命を落とした。あの時の自分と、今の自分、どっちが本当の私なんだろう?

 

そんな気が突然出てきたんだ。でも前世は前世、今は今、今の私が本当の私と結論付けたっけ。

 

でも、事故のことを作文に書くのも…なんか違うよね。他に何かないかな。綾音のバスケの試合応援に行ったこと? 緑子の水泳、七海のテニス、雅史のサッカー…全部、友達の活躍で、私自身の話じゃないし。

 

海浜総合の文化祭? 行くつもりなかったけど、綾音達に誘われて仕方なく行った。楽しかったのは本当だけど、でも、なんであんな目に…

 

七海にテニス部の更衣室に連れ込まれて、テニスウェアや体操服、コスプレさせられたのは…超恥ずかしかった。後で綾音や緑子が「バスケのユニフォームや競泳水着着せたかった」って言ってきたし。あの3人は着慣れてるかもしれないけど、私は無理! 恥ずかしすぎて死にそうだったよ。

 

…で、結局、私の原稿用紙は真っ白。クラスと名前しか書いてない。何か書かなきゃって思った瞬間、授業の終わりを告げるチャイムが鳴った。平塚先生が「はい、回収ー!」って言うと、後ろのクラスメイトが原稿用紙を集め始めた。

 

私は白紙のまま、原稿用紙を提出することになった。

 

まあ、いいか。どうせ誰も期待してないし。

 

そう思った時、平塚先生が私を見てニヤリと笑った感じがしたけど、別に気にしなかった。

 

 

総武高校・2-F組

 

昼休み。楽しみにしていたお弁当の時間を迎え、鞄からお弁当箱を取り出した瞬間、校内放送が鳴り響く。

 

2-F組、比企谷八幡、至急職員室の平塚のとこまで来なさい。繰り返す、2-F組、比企谷八幡、至急職員室の平塚のとこまで来て下さい

 

【なんで呼び出されなきゃいけないのよ…】

 

せっかくのお弁当タイムを平塚先生に奪われた。理由は一つしかない。『高校生活を振り返って』の作文だ。白紙で出した私の原稿用紙が、平塚先生の逆鱗に触れたに違いない。周りからヒソヒソ声が聞こえるけど、無視無視。お弁当の蓋を閉め、ため息をつきながら重い腰を上げ、職員室へ向かう。

 

職員室への道中、リア充たちがたむろする中庭を通らなきゃいけない。今日もカップルがイチャイチャしてる。毎日毎日、くっついてて飽きないのかな。空腹でお弁当を食べられない苛立ちを抑えつつ、足早に中庭を抜ける。

 

 

総武高校・職員室。

 

職員室に着くと、平塚先生が手招きで呼んでくる。ため息をもう一つ吐いて、先生の机に向かう。机の上には、真っ白な原稿用紙。私の名前とクラスが書かれた、あの原稿用紙だ。平塚先生は私をじっと見据え、口を開く。

 

【比企谷、私が与えた課題は何だったかな?】

 

【『高校生活を振り返って』という作文ですね】

 

【比企谷、わかってるなら、なぜ書いていないんだ?】

 

【なんと言いますか…私には振り返るような高校生活がないので、書けなかったんです】

 

【はぁ~君、なに寝ぼけたこと言ってるんだ? 高校入学から2年生になるまで、なんかあるだろ?】

 

【何かあるって言われても…】

 

苦笑いを浮かべる私に、平塚先生はこめかみをピクピクさせて、

 

【君の目は魚の死んだような感じだな】

 

【平塚先生、ひどいこと言いますね】

 

【お前のその態度が私を怒らせてるんだぞ!】

 

【…はぁ】

 

早く話を終わらせて、お弁当を食べたいのに。平塚先生は絶対に作文を書かせる気満々だ。押し問答を続ける気はないんだけど…。

 

【比企谷、私は別に怒っているわけじゃないんだ】

 

【…】

 

これ、絶対面倒なパターン。『怒らないから言ってみなさい』ってやつね。でも、平塚先生は意外にも本気で怒ってる感じじゃなかった。

 

先生は、女の私が見てもちょっとドキッとする胸ポケットからタバコを取り出し、咥える。火はつけず、すぐにしまう。男っぽい仕草だ。真剣な目で私を見る。

 

【君は部活をやってなかったよな?】

 

【はい、やってません】

 

【友達とかいるか?】

 

【…友達ですか? ()()には特に親しい友達はいませんね】

 

【そうか、そうか、いないか。私の見立て通りだな。君の腐った目を見れば、そのくらいすぐにわかったぞ!】

 

【腐った目とか関係あります? 私、()()にはいないって言ったんですけど、聞いてました?】

 

平塚先生は一人でうんうん頷いて、勝手に納得してる。なんなの、この人…。そして、遠慮がちにチラッと私を見て、

 

【…………彼氏とかいるのか?】

 

【いきなりなんですか!?】

 

【ふむ、青春の一つもなさそうだな】

 

平塚先生はそう言って1人で頷いている。確かに平塚先生の言う通り、青春の1つもしてませんよ。彼氏もいませんし。

 

【…彼氏とかいませんけど。ちょっと、なんで仲間みたいな目で見てくるんですか!】

 

内心で「だめだこりゃ」と思いながら、早く話が終わらないかなって祈ってたら、平塚先生が何か思いついた顔で私を見た。

 

【よーし、こうしよう。レポートは書いてこい】

 

【はい、わかりました】

 

今度は適当に無難なこと書いてごまかそう。内心でそう決めてたら、平塚先生がとんでもないことを言い出した。

 

【君には色々問題があるようだ。だから奉仕活動を命じる】

 

【…は? 奉仕活動? なんで私がそんなこと!?】

 

作文一つ書かなかっただけで、こんな罰ゲーム!? ありえないんだけど!

 

【放課後に私のとこまで来たまえ】

 

【え、放課後ですか!?】

 

【これ以上の拘束は、昼飯の時間もなくなるからな。君もどうせ食べてないだろうから、この続きは放課後にするとしよう】

 

こうして、私は放課後に再び職員室に来るハメに。作文一つでこんな大事になるなんて、ちゃんと書いておけばよかった…。職員室を出る時、またため息と愚痴が出てしまった。

 

【平塚先生、ほんと無茶ぶりすぎ…】

 

この呼び出しが、私の運命を大きく変えることになるなんて、この時の私はまだ知る由もなかった。




やはり俺の恋のリベンジは間違ってはいない。リメイクや俺ガイル~別れ、そして出会い~のやり直しの部分もあります。八幡を女性にして男性キャラとの恋愛を書こうかなと思いました。もちろん雪乃や結衣との友情や他の女性キャラとの絡みを書いていこうなと。

葉山の好きな人のチェンジとか考えています。大和や大岡もキャラ改変するかも。

八幡の相手は誰が良いですか?

  • 1ー高橋雅史
  • 2ー葉山隼人
  • 3ー材木座義輝
  • 4ー戸部翔
  • 5ーその他
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