総武高校・放課後・奉仕部。
7月上旬、MISAKIこと上条美紗希の写真集が発売された。子供から大人への脱皮をテーマにしたってやつ、めっちゃ評判いいみたい。バスケ部の県予選大会でも、上条さん、スタメンでバリバリ活躍してるらしい。彼女、ちゃんと自分の道見つけたんだな。ちょっと眩しいよ、陽キャすぎて。
で、同時期に期末テスト。奉仕部の教室で、雪乃、結衣、私の3人で教え合って乗り切った。結果? 雪乃、学年1位、相変わらずの別次元。私、学年3位、まぁまぁ頑張ったよね。結衣、赤点コースからちょっと点数上げたけど、相変わらず
【ゆきのん、教えて~!】
って泣きついてた。ほんと、結衣の天然パワー、ブレないな。
梅雨のじめじめした暑さ、ほんと最悪。汗で制服が張り付くし、結衣の胸元、合服でさらに目立つ。あんなに開けてて、恥ずかしくないの? って、いつも思うけど、言わないよ、私、チキンだから。
雪乃は涼しい顔で本読んでるけど、さすがにこの湿気には
【不快ね】
って呟いてた。放課後、奉仕部の教室で、結衣が夏休みの話振ってきた。
【やーちゃん、夏休み、何する?】
【家でゴロゴロ、自堕落生活。最高じゃん?】
私の答えに、雪乃と結衣、揃ってため息。雪乃、冷ややかな目で私を見る。
【比企谷さん、変わるんじゃなかったの?】
結衣も
【やーちゃん、せっかくの夏休みだよ! 有意義に遊ぼうよ!】
って、ニコニコしながら拳握る。ほんと、陽キャのエネルギー、どこから湧いてくるの?
【わかった、わかった。適度に外に出て、頑張るよ】
って、適当に流したけど、内心、ちょっと焦る。中学のいじめトラウマで、目立つこと嫌いなのに、最近、奉仕部やバスケ部で目立っちゃってる。
バスケの練習試合、サッカー部の事件、美紗希の相談、全部、なんか注目される流れ。嫌いじゃないけど、慣れないよ、これ。
教室の外、野球部やサッカー部の声が響いてくる。大会や予選が近いから、みんな気合い入ってる。私は定期的にバスケ部の練習に顔出して、練習相手やってる。
麦野さんや上条さんが
『八幡、来いよ!』『比企谷さん、一緒にバスケやろうよ』って呼ぶから、嫌々じゃなく、自分の意思でコート立つようになった。なんか、成長ってやつ? 自分でもビックリだよ。
県内・午後・本屋。
でもさ、人生って、調子いいときほど不運がくるよね。ある日、いつものように本屋で立ち読みしてたら、なんか、お尻触られた気がした。え、痴漢!? って、慌てて振り向いたけど、怪しいやつ、誰もいない。店内、普通に混んでるし、大学生っぽい男や主婦っぽい人しかいない。私の気のせい?
【いや、でも、なんか変な感触……】
中学のときのトラウマがチラつく。あの頃、いじめっ子たちにからかわれたり、変な噂流されたりした記憶。目立つのが怖いのに、こんなことあると、余計ビビる。とりあえず、その日は何もなくて帰ったけど、モヤモヤが消えない。
総武高校・午前・校内。
2日後、総武高校の廊下歩いてたら、なんか、視線感じる。誰かに見られてる? 背筋ゾクッとした。振り向いても、普通に生徒が行き来してるだけ。誰も怪しくないけど、なんか、気持ち悪い。中学のとき、教室の隅でコソコソ見られて、笑いものにされた記憶が蘇る。
やめてよ、こんなの、ほんと無理。昼休み、購買でパン買って教室戻る途中、また視線。ゾワゾワする。さすがに我慢できなくて、奉仕部に相談することにした。だって、奉仕部員が依頼出すのだって、別にルール違反じゃないよね?
総武高校・放課後・奉仕部。
放課後、奉仕部の教室に雪乃と結衣がいる。雪乃、いつものように本読んでる。結衣、スマホいじりながら
【やーちゃん、遅い~!】
って笑顔。私、深呼吸して、切り出した。
【えっと、相談、なんだけど……】
【比企谷さん、相談? 珍しいわね。どんな悩み?】
雪乃、本閉じて、冷静な目。私、ちょっと縮こまりながら話す。
【なんか、最近、変なことあって。2日前、本屋で、誰かにお尻触られた気がしたの。で、今日、校内で、誰かに見られてる感じがして……】
結衣、目を丸くする。
【え、やーちゃん、痴漢!? それ、ヤバいよ!】
【由比ヶ浜さん、落ち着きなさい。比企谷さん、詳しく話して。本屋でのことは、確実に触られたの?】
雪乃、さすが冷静。いや、でも、そこが問題なのよ。
【確実、ってほどじゃない。なんか、感触あったけど、振り向いたら誰もいなくて。気のせいかもしれないけど、今日の視線も、なんか気持ち悪くて……】
結衣、めっちゃ心配そうな顔。
【やーちゃん、怖かったよね! でも、校内で見られてるって、誰かいるんじゃない?】
【由比ヶ浜さん、憶測で決めつけるのは早計よ。比企谷さん、校内のどこで視線感じたの? 時間帯や場所、覚えてる?】
雪乃の質問、めっちゃ探偵っぽい。私、記憶たどる。
【昼休み、購買行く廊下と、3時間目の教室出たとき。2階のF組の近く。あ、でも、誰も怪しいやついなかったよ】
雪乃、顎に手当てて考える。
【ふむ。校内で視線を感じるのは、単なる気のせいかもしれないけど、本屋での感触は気になるわね。監視カメラや目撃者がいれば、確認できるけど……】
結衣が心配そうに私に
【やーちゃん、怖いなら、一緒に歩こうよ! ゆきのんも、ね!】
【結衣、ありがとう。でも、私、こんなことでビビってるの、情けないよね……】
中学のトラウマ、チラつく。目立つこと嫌いなのに、こんな変な事件に巻き込まれるなんて。私、ほんと運悪いよ。雪乃が冷ややかに言う。
【比企谷さん、情けないなんて思わなくていいわ。自分の不安をちゃんと話したのは、立派よ。奉仕部として、調べる価値はあるわね】
【え、私の依頼、受けるの?】
【やーちゃん、当然でしょ。奉仕部員が依頼出すのだって、ルール違反じゃないし。ゆきのん、まずは本屋の監視カメラで確認できるのかな?】
結衣の提案に、雪乃が頷く。
【そうね、由比ヶ浜さんいい考えね。比企谷さん、校内の視線については、しばらく私たちと一緒に移動しましょう。誰かが観察してるなら、気づくかもしれない】
【うん、ありがと、雪乃、結衣……】
なんか、ほっとした。奉仕部の理念、困ってる人の背中押す、ってやつ、私にも当てはまるんだな。雪乃の冷静さと結衣の明るさに、ちょっとだけ勇気出る。
翌日、雪乃が平塚先生経由で本屋の店員に連絡。本屋の監視カメラ、確認できるか聞いてくれるって。結衣は
【やーちゃん、今日から一緒に行くよ!】
って、朝からくっついてくる。なんか、過保護すぎるけど、嫌いじゃないよ。校内では、雪乃と結衣が私の周りでさりげなく警戒。視線、感じなかったけど、なんか落ち着かない。バスケ部の練習にも顔出したけど、麦野さんや上条さんに
【八幡、なんか元気ない?】
って心配される。やめてよ、目立つじゃん!でも、奉仕部の2人、めっちゃ頼りになる。雪乃の分析力、結衣の天然パワー、私のトラウマ、ちょっと薄れる気がする。痴漢疑惑、気のせいならいいけど、なんか、嫌な予感。まぁ、比企谷八幡、私なりのスピードで、この謎、解いてみせるわ。
昼投稿です。
八幡の相手は誰が良いですか?
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1ー高橋雅史
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2ー葉山隼人
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3ー材木座義輝
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4ー戸部翔
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5ーその他