ヤハタちゃんの青春ラブコメはできるのだろうか?   作:龍造寺

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第22話です。


第22話ー罠にハマった奉仕部。危機に立ち上がる仲間たち。

 

総武高校・昼間・職員室。

 

総武高校の職員室、昼間の喧騒が落ち着いた時間帯。平塚静は電話を手に、怒級高校に塵山絵里の件で問い合わせていた。受話器の向こうでは、絵里のクラスの女性担任が対応している。

 

【塵山絵里の学校での評価を教えてほしい】

 

平塚の声は落ち着いているが、切迫感が滲む。絵里の担任は、少し間を置いて答えた。

 

【塵山絵里は、確かに制服の着こなしで違反はありますが、問題行動を起こす生徒ではありません。授業態度も普通です。ただ、学校外のことは把握していません】

 

平塚は眉を寄せる。

 

【学校外の行動が、総武高校の生徒に影響を及ぼしている可能性がある。調査が必要だ】

 

【それは……学校外のことまで責任は持てません】

 

絵里の担任の冷淡な答えに、平塚は苛立ちを抑える。怒級高校に直接出向くべきかと考えた瞬間、教頭先生から呼び出しがかかった。

 

 

総武高校・昼間・生活指導室。

 

生活指導室。平塚は教頭先生、校長先生、そして見知らぬ男性と対峙していた。男性はスーツを着こなし、胸にはやや汚れた弁護士バッジが光る。久保美津雄の父親、久保弁護士だ。

 

【平塚先生、なぜ呼ばれたか分かるかね?】

 

教頭の声に、平塚は目を細める。

 

【久保が弁護士を……?】

 

久保弁護士が口を開く。

 

【私の息子を犯罪者呼ばわりしたようですね】

 

平塚は冷静に反論。

 

【犯罪者とは言っていません。本屋の監視カメラ映像に基づいて判断したまでです】

 

【その映像、息子は捏造だと言っていますよ】

 

久保弁護士のふざけた言い分に、平塚はカチンとくる。

 

【捏造? ふざけないでください。この映像を警察に提出することもできますよ】

 

久保弁護士はメガネを押し上げ、平塚を見据える。

 

【こんな映像一つで警察が動くと思いますか? 息子が触った証拠にはなりません】

 

教頭と校長が間に入る。

 

【平塚先生、久保弁護士、落ち着いて。穏便に解決しましょう】

 

だが、久保弁護士は畳みかける。

 

【我々は冷静ですよ。息子は女子3人と平塚先生に精神的苦痛を受けたと言っています】

 

【精神的苦痛!? ふざけないでください! 精神的苦痛を受けたのは、触られた比企谷です!】

 

平塚の怒りに、校長が慌てて宥める。

 

【平塚先生、落ち着いて……】

 

久保弁護士は冷たく続ける。

 

【息子は無実の罪で性犯罪者に仕立て上げられようとした。学校と3人の女子を正式に訴えてもいいんですよ。校長、教頭、わかりますよね?】

 

校長と教頭は、久保弁護士の気迫に押され、言葉を失う。平塚は呆れながら反論するが、議論は平行線。結局、この日の話し合いは決裂した。

 

翌日、職員会議で、平塚は『行き過ぎた指導』を理由に謹慎処分を言い渡された。

 

彼女は反論したが、決定は覆らない。膝を崩し、呟く。

 

【比企谷、雪ノ下、由比ヶ浜……すまない……】

 

平塚は自分の無力感に苛立ち、拳を握りしめた。

 

 

総武高校・昼休み・校長室。

 

昼休み、校長室に呼び出された。雪乃、結衣、私、3人揃って、目の前には校長、教頭、そんで、久保の親父――久保弁護士。なんか、めっちゃ嫌な予感。トラウマがチラつくよ。中学のとき、絵里にいじめられたとき、誰も私の味方してくれなかった記憶、蘇る。校長、気まずそうに切り出す。

 

【比企谷君、雪ノ下君、由比ヶ浜君、久保君の件だ。君たちが彼を無実の罪で犯罪者に仕立て上げようとした、と言われている】

 

は!? 私が反論。

 

【監視カメラ、久保が私のお尻触ってる映像、ちゃんと映ってるじゃないですか!】

 

教頭、信じられないこと言い出す。

 

【君が久保君の前でお尻を出したんじゃないかね?】

 

【は!? 教頭先生、なに!? なんで私がそんなことするんですか!】

 

雪乃、冷静だけど怒気含んで。

 

【教頭先生、その発言は比企谷さんへの侮辱です】

 

結衣、めっちゃキレて。

 

【そうだよ、ゆきのんの言う通り! やーちゃんの気持ち、考えてよ!】

 

雪乃と結衣、めっちゃ心強い。ほんと、2人がいなかったら、私、泣いてるよ。雪乃、ふと気づく。

 

【校長先生、平塚先生はなぜいないんですか?】

 

校長、言葉に詰まる。久保弁護士、ニヤリと。

 

【平塚先生は、行き過ぎた指導で謹慎処分ですよ。で、奉仕部――訳の分からない部活も、今日限りで解散です】

 

【ふざけないでください! あなたに奉仕部を潰す権利、ないでしょ!】

 

雪乃、珍しく感情的。奉仕部、彼女にとっても大事な場所だもんね。久保弁護士、雪乃を冷たく見る。

 

【雪ノ下さん、こんなことでキャリアに傷つけたら、雪ノ下グループの人間として恥ですよ。お姉さんやお母様に届かないでしょう?】

 

雪乃、急に黙る。雪乃の家族のこと、めっちゃ弱点だよね。私、雪乃の代わりに叫ぶ。

 

【雪乃のお姉さんやお母さん、関係ないでしょ!】

 

久保弁護士、私の方見て、ニヤニヤ。

 

【平塚先生の謹慎と共に、比企谷八幡さん、貴女も停学処分です。校長、そうですよね?】

 

校長、戸惑いながら。

 

【2年F組、比企谷八幡君、久保君を無実の罪に陥れ、彼を傷つけた。本来なら退学だが、久保弁護士の温情で、停学で済む】

 

は!? 停学!? 奉仕部、潰される!? 私、頭真っ白。雪乃と結衣の顔、青ざめてる。奉仕部、私たちの居場所なのに。雪乃の立場も危うくなる。こんなの、絶対許せない。でも、私、咄嗟に叫ぶ。

 

「わかりました、停学、受けます! でも、1つ条件、いいですか?」

 

校長は私の方を見て、

 

【なんだね?】

 

久保弁護士も、

 

【条件? 聞きましょう】

 

【奉仕部の存続、お願いします。残してくれるなら、停学、受けます……】

 

私、頭下げて、懇願。雪乃と結衣、

 

【やーちゃん!?】

 

【比企谷さん!】

 

って、止めようとするけど、私、決めた。奉仕部、守りたい。雪乃の立場、傷つけたくない。久保弁護士、ニヤリ。

 

【いいでしょう。比企谷さんの懇願に免じて、奉仕部は存続させます】

 

雪乃と結衣、黙る。私、悔しいし、情けないけど、これで奉仕部、守れたよね……?

 

ーーー

 

総武高校・放課後・帰り道。

 

総武高校を出た八幡は、夕暮れの道を歩いていた。涙が頬を伝う。悲しいわけじゃない、悔しいわけでもない、ただ、感情が溢れていた。自分の無力さ、奉仕部の危機、絵里の影――全てが重くのしかかる。そんな八幡を、雪乃と結衣が追いかける。二人は八幡を両側から抱きしめた。八幡の心が泣いていると、二人にはわかった。

 

【比企谷さん、絶対、諦めないわ。久保美津雄と塵山絵里、必ず引きずり出す】

 

雪乃の声は、静かだが強い決意に満ちている。

 

【やーちゃん、私たち、絶対、犯人見つけるよ! やーちゃん、悪くないんだから!】

 

結衣の声は、涙混じりだ。二人の支えに、八幡は小さく頷く。

 

学校側は、久保弁護士の圧力に屈し、十分な調査をせず、八幡と平塚に処分を下した。教育委員会が絡めば事態が複雑になると考え、久保の怒りを鎮めるためだった。だが、八幡こそが無実であり、久保が嘘をついているのだ。

 

 

翌日・総武高校にて。

 

翌日総武高校では、八幡の停学処分されたことが、2年F組に瞬く間に広まった。上条美紗希、麦野静乃、葉山隼人、戸塚彩加――八幡に助けられたクラスメイトたちは、衝撃を受ける。奉仕部が過去に解決したサッカー部事件、バスケ試合、MISAKIの葛藤――それらを知る者たちは、八幡の無実を信じた。

 

【八幡がそんなことするわけない! 久保、なんか怪しいよ!】

 

麦野がバスケ部で声を上げると、上条も頷く。

 

【比企谷さん、いつも真剣に助けてくれた。絶対、濡れ衣だよ】

 

海浜総合高校の雪柳綾音も、八幡との繋がりから話を聞き、動き出す。

 

【八幡、停学!? ふざけないで! 八幡が、そんなことするはずかない!】

 

八幡を救うため、仲間たちが立ち上がった。雪乃と結衣は、奉仕部で調査を続ける。絵里の関与を突き止め、久保の嘘を暴く――その決意が、総武高校と海浜総合高校を繋ぐ新たな動きを生み出していた。




今回は昼投稿です。

八幡の相手は誰が良いですか?

  • 1ー高橋雅史
  • 2ー葉山隼人
  • 3ー材木座義輝
  • 4ー戸部翔
  • 5ーその他
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