ヤハタちゃんの青春ラブコメはできるのだろうか?   作:龍造寺

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第3話です。


第3話ー陽キャは、望んでもいないのに近づいてくる。

 

総武高校内・夕方・グラウンド横

 

夕陽の中、とぼとぼ歩く。疲れた…。そこへ、サッカーボールがコロコロ転がってきた。なんで!? グラウンド遠いのに…。男子の声。

 

【すいません、ボールを…って、比企谷さん!】

 

名前呼ばないで…。見ると、私と同じ2-F組の葉山隼人。爽やかに走ってくる。

 

【比企谷さん、今帰り?】

 

【ええ、そうだけど】

 

【こんな時間に帰るなんて珍しい。部活でも始めた?】

 

【私が部活に入ろうと、葉山君に関係ある?】

 

睨むと、葉山が少し怯む。

 

【ごめん、気に障ったなら謝るよ】

 

別に気に障ったんじゃない。取り巻きの女子たちがジロジロ見てくるから。雅史の時のトラウマで、女子の集団、嫌い。目立ちたくないのに、葉山と話すと悪目立ちする。雅史も葉山も、空気読まないよね…。

 

【葉山君、取り巻きに気遣ってよ】

 

私は小声で呟きながらスタスタ校門へ。

 

 

住宅街・夕方・比企谷家前

 

疲れた体で自宅前に着くと、背後から声。

 

【八幡、今帰り?】

 

【綾音か、そう、今帰り】

 

幼馴染の雪柳綾音。茶色のショートヘア、文武両道、海浜総合高校女子バスケ部の次期エース。妹もいる、サバサバしたお節介焼き。小中学校は一緒だったけど、高校で別々に。私は総武、綾音たちは海浜総合へ。本当は私も海浜総合に行くつもりだったけど、❝あの女❞たちの噂を聞いて、総武を選んだ。めんどくさいから。

 

ところで綾音は、コンビニから帰ってきたっぽい。紙袋持ってる。

 

【こんな時間に帰るなんて、八幡らしくないね】

 

【そう? 綾音はバスケ部で青春してるよね】

 

【うん、練習、楽しくてしょうがない!】

 

【青春してるね】

 

【私の青春はバスケだよ! 八幡も何かやったら?】

 

何か…って、今日、平塚先生に無理やり奉仕部に入れられたばっかり。私の意思、完全無視。

 

【私は…めんどくさいこと、目立つこと嫌いだから】

 

【またそれ!】

 

綾音、苦笑いで私を見る。その笑顔、眩しすぎ。陽キャの輝き、眩しすぎ。

 

【高校生活、楽しもうよ。八幡、青春しないともったいないよ!】

 

【適当に楽しむよ】

 

そう言って、家に入った。

 

 

夜・比企谷家内

 

ラフなキャミソールと短パンで、リビングのソファでテレビ。そこへ、風呂上がりの小町が。

 

【お姉ちゃん、小町、風呂上がったよ~!】

 

【うん、わかった】

 

生返事でテレビ見てると、小町が背後から忍び寄り…

 

【聞いてるの、お・ね・え・ちゃん!】

 

突然、胸を鷲掴み! もみもみしてきた!

 

【わぁ! また大きくなったでしょ!?お姉ちゃんの胸、レベルアップ!】

 

ニヤニヤの小町。

 

【なんで大きくなったってわかるのよ!?】

 

【❝小町センサー❞に狂いはないよ! お姉ちゃんのことならなんでもわかる!】

 

【ストーカー!?】

 

姉妹のじゃれ合いに、お母さんが。

 

【あなたたち、リビングでじゃれるのやめなさい! お母さんだけじゃなく、お父さんもいるのよ】

 

【小町、お父さんの前でやめてよ!】

 

【は~い。お姉ちゃん、小町、部屋戻るね!】

 

小町、スキップで部屋へ。私は乱れた服を整え、ため息。

 

【八幡、洗濯物、部屋に戻しておいたから】

 

【お母さん、ありがとう】

 

いつもなら私が洗濯物を取り込むけど、今日は奉仕部で遅くなった。強制入部に、迷える子羊を救う勝負まで…。私がそんな大それたことできる?

 

【どうしたの、八幡、考え事?】

 

【うん…ねえ、お母さん、私、困ってる人を救ったりできるかな】

 

お母さん、少し驚いた顔で、すぐに真剣な顔で。

 

【時と場合、八幡の力量次第ね。できること、できないことあるでしょ。昔、綾音ちゃんや雅史ちゃんを助けたじゃない】

 

【あれ、幼稚園の話だし…】

 

綾音と雅史が同級生にいじめられてた時、男っぽい綾音と女っぽい雅史が標的だった。私、単身で止めに入って、リーダーの男の子泣かせちゃった。先生に説教されたけど、理由話して、他の子も証言してくれて、喧嘩両成敗で終わった。

 

【八幡、あなたには優しい心がある。救えると思うわよ】

 

【そ、そうかな…】

 

でも、目立ちたくない。中学のいじめ、絶対嫌。作文の白紙で平塚先生の怒りを買い、奉仕部に連行されたのは私のせいだけど…ここまでする?

 

【八幡、何かあったら相談しなさい】

 

【うん、ありがとう、お母さん】

 

お風呂の準備して、自室へ。

 

千葉市内・通学路

 

昨日、ほんと長かった。奉仕部からの時間、特に。自転車通学の方が楽だよね、交通ルール守って。桜も葉桜に。春の終わり、ちょっと寂しい。

 

大型連休(ゴールデンウィーク)が近い。陽キャは旅行や練習試合で青春真っ盛り。

 

大型連休(ゴールデンウィーク)、みんな浮かれてるよね。

 

私は家でゴロゴロ予定。平凡が一番。

 

総武高校・朝・2-F組

 

教室で席につき、スマホでアニソン流す。イヤホン装着。周りはバラエティ番組やファッションの話。私は突っ伏して寝たふり。

 

【比企谷、アンタ、昨日、完全下校時刻ギリギリだったよね?】

 

前の席、麦野静乃。茶色のロングヘア、白いカチューシャ、スタイル抜群。一見不良っぽいけど、制服は真面目。一匹狼タイプ。昨日見たって…麦野さんも遅くまでいた?

 

【え、平塚先生に呼ばれて、ちょっと…】

 

【ふーん】

 

終わりかな、と思ったら。

 

【で、何の曲聞いてる?】

 

【そ、それは…バレたらバカにされるよ、絶対!】

 

隙をついてイヤホン取られた! 麦野さん、耳に当てて…

 

【いいじゃん。このバトル系アニソン、熱いよね。私、好きだよ】

 

【へ!?】

 

アホ面で麦野さん見てた。アニソン肯定されたから、表情わからず。麦野さん、ため息。

 

【比企谷、アンタ、私の見た目で判断しただろ?】

 

【そ、それは…はい、判断しました。ごめんなさい】

 

【まあ、私がアニメ見るようには見えないのが問題だよ。それにしてもあのバトル系アニソン、熱いよね】

 

と言いながらイヤホン返してくれた。怖そうだったけど、話すと案外いい人? もっと話したかったけど、予鈴が鳴り、麦野さん、前を向いた。

 

人は見た目で判断しちゃダメだな。

八幡の相手は誰が良いですか?

  • 1ー高橋雅史
  • 2ー葉山隼人
  • 3ー材木座義輝
  • 4ー戸部翔
  • 5ーその他
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