星が死んだからマーリンも死んでそうだけど。
「悪いが、俺にも一枚噛ませてくれ」
なんとも珍しい。この大地に適応したわけでもない旧人類が未だに生存している。
彼の名はゴドー。本名は◾️◾️。
アリストテレスに家族を殺され、ついにホモ・サピエンス最後の一人となった者。
この大地は最早旧人類が住める場所ではない。
著しく発展した科学技術でさえ、ジン対策の薬を生み出すので精一杯だった。
更に、薬には旧人類の命を縮める副作用がある。
ジン対策をしなければ直ぐに死んでしまう。だが、ジン対策は命を縮める。
ただ生きるだけでも命を削る彼が、なぜ危険な戦いに身を投じるというのか。
「なんだ、そんなこと気にするのか?お前なら
“見て”わかるだろ?」
王は彼の過去を知っている。
旧人類最後の楽園に住んでいたが、
チューニングができていないギターだけが、彼の姉が生きていた唯一の証だ。
復讐、なのだろう。
「………それで、何がしたい?」
王の間に、静謐でどこか温かな声が響く。
一挙手一投足で他者を魅了する王のカリスマ性に、常人ならば首を垂れるしかない。
「お、ちゃんと会話をする気になったな?」
だが、この男は常人とは言えないだろう。
この大地に生きる誰よりも弱い身体でありながら、
『王』を
「なぁに、特別こうしろって要求するつもりはない。ただ───」
思い出すのは姉のこと。
黒い巨人が現れて、自分だけは逃がしてくれた強く聡い姉。
「───ちょっとくらいは、俺にも戦わせろ」
生き延びた者として、この大地に生きる者として。最後まで、抗いたい。
「では、
………負担、重くね?
そこに、一体の鉱石生命体が佇んでいた。
全長三千メートル以上の十字架のような姿をしたこの存在は、
各星からの命令を受信し、各アリストテレスに伝える中継地点にして指揮官。
はるか上空から齎される光の空爆は、地中数kmを貫きプレートに影響を与え地震すら引き起こす。
遠すぎるが故に、人類では攻撃できない。
「───エクスカリバー」
星を覆った侵略者を斬殺した時と同じように、
「ゴドー。よくやった」
誰よりも弱い身体でありながら、しかし敵の脳天を撃ち抜いて見せた英雄を王は労う。
言葉こそ少ないが、騎士王は心からゴドーを認めているのだ。
「はあ、あれだけやってやっと一体かよ。やっぱりお前は反則だ」
「にしてもどういう原理なんだよ、その”斬ったら繋がる“やつ」
ゴドーが撃ち落とした後、騎士王は大地ごと
すると、
「『魔剣』エクスカリバーの能力、とでも言えばいいのか………」
「原理としては、”綺麗に斬ったせいで元の形に戻った“を引き起こしている」
おかげで
「………だが、いいのかよ。アレ、下手したら動きかねないんだろ?」
どちらにせよ、
故に、どれだけ身体が損傷してもいつかは回復しまた動き出すだろう。
「それに関しては
死の概念を持たないのならば、与えてから殺せば良いのだ。
そして、彼にはそれが出来た。
「そうでなくとも、もはやヤツらは『他星の王』
「へぇ。負けたら王じゃなくなるもんなのか」
『鉱石生命体による外殻、目標耐久値を大幅に更新。擬似太陽に耐えられる可能性 98%』
『マスターの”眼”にアクセス申請………受諾。
直ちに実行し、この素材の最適な加工方法を検索します』
『
「………恒星炉完成後も戦闘時以外は自由にアクセスすることを許す」
「頼んだぞ、マーリン」
『───はい、マスター』
ゴドー
最後のホモ・サピエンス。彼以外に旧人類は生き残っていない。
ジンに対して特攻を持つ“ブラックバレル”の持ち主であり、その銃で
姉がいたが死亡済み。形見のギターはチューニングもまともにしていない。
そのうちアーサー君にギターを譲る。
負けたら王じゃなくなるもんなのか………?
土星の王
本来ならゴドーの死因となったはずのもの。
ぷかぷか浮いてるから騎士王に斬られた。
死体の回収は六人姉妹がした。
もはや王ではない。
金星の王
撃ち落とされた挙句大地と強制的に融合させられた。まあ寄生植物だし本望でしょ。
身体の上で街を作られたり、惑星にまた命が芽生えるように手助けさせられている。
死んではいないが、動けない。
もはや王ではない。
マーリン
AI。現行人類の科学力の結晶。もしかしたら新しい霊長になれるかもしれない存在。
千里眼は肉体に宿るものなので、アーサー君の神経とマーリンを電子的に繋げれば可能。
魔◾️王も同じことをしていた。
自己成長出来るAIで、技術や情報さえあれば自分で進化し続ける。今の餌は人類史一万年。
本物のマーリンは
このマーリンは全く別の存在。
騎士王
斬った相手に死の概念を付与したり、『斬って』『繋ぐ』という矛盾を成立させているが、あくまで剣技。
『魔剣』エクスカリバーの本質は様々な法則などから来る『矛盾』を矛盾のまま成し遂げること。
ただ斬ること。それだけを叶える聖杯。
『聖剣』エクスカリバーの本質はまた別のところにある。