未来の騎士王   作:アーっr

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やっぱりアーサー王の側にはマーリンがいなきゃ始まらないよね。
星が死んだからマーリンも死んでそうだけど。


うけて三つ

 

 

 

 「悪いが、俺にも一枚噛ませてくれ」

 

 なんとも珍しい。この大地に適応したわけでもない旧人類が未だに生存している。

 

 彼の名はゴドー。本名は◾️◾️。

 アリストテレスに家族を殺され、ついにホモ・サピエンス最後の一人となった者。

 

 この大地は最早旧人類が住める場所ではない。

 著しく発展した科学技術でさえ、ジン対策の薬を生み出すので精一杯だった。

 更に、薬には旧人類の命を縮める副作用がある。

 

 ジン対策をしなければ直ぐに死んでしまう。だが、ジン対策は命を縮める。

 

 ただ生きるだけでも命を削る彼が、なぜ危険な戦いに身を投じるというのか。

 

 「なんだ、そんなこと気にするのか?お前なら

“見て”わかるだろ?」

 

 王は彼の過去を知っている。

 旧人類最後の楽園に住んでいたが、(ソラ)からの侵略者によって楽園そのものを失い、家族も死んだ。

 

 チューニングができていないギターだけが、彼の姉が生きていた唯一の証だ。

 復讐、なのだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「………それで、何がしたい?」

 

 王の間に、静謐でどこか温かな声が響く。

 一挙手一投足で他者を魅了する王のカリスマ性に、常人ならば首を垂れるしかない。

 

 「お、ちゃんと会話をする気になったな?」

 

 だが、この男は常人とは言えないだろう。

 この大地に生きる誰よりも弱い身体でありながら、(ソラ)からの侵略者を殺さんと息巻く者。

 

 『王』を地球の王(タイプ:アース)とするならば、この男はまさにもう一人の王(タイプ:アザー)に相応しい。

 

 「なぁに、特別こうしろって要求するつもりはない。ただ───」

 

 思い出すのは姉のこと。

 黒い巨人が現れて、自分だけは逃がしてくれた強く聡い姉。

 

 「───ちょっとくらいは、俺にも戦わせろ」

 

 生き延びた者として、この大地に生きる者として。最後まで、抗いたい。

 

 「では、金星の王(タイプ:ヴィーナス)はお前に任せる」

 

 ………負担、重くね?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 星の檻(大気圏)の外。

 そこに、一体の鉱石生命体が佇んでいた。

 

 全長三千メートル以上の十字架のような姿をしたこの存在は、土星の王(タイプ:サターン)

 

 各星からの命令を受信し、各アリストテレスに伝える中継地点にして指揮官。

 はるか上空から齎される光の空爆は、地中数kmを貫きプレートに影響を与え地震すら引き起こす。

 

 土星の王(タイプ:サターン)が居るのは地上から約100kmほど上空。

 

 遠すぎるが故に、人類では攻撃できない。

 

 「───エクスカリバー」

 

 星を覆った侵略者を斬殺した時と同じように、土星の王(タイプ:サターン)にその剣は届いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「ゴドー。よくやった」

 

 誰よりも弱い身体でありながら、しかし敵の脳天を撃ち抜いて見せた英雄を王は労う。

 

 言葉こそ少ないが、騎士王は心からゴドーを認めているのだ。

 

 「はあ、あれだけやってやっと一体かよ。やっぱりお前は反則だ」

 

 空を泳ぐ寄生植物(タイプ:ヴィーナス)を撃ち落とした弱き英雄は、まさにその死骸を見つめていた。

 

 「にしてもどういう原理なんだよ、その”斬ったら繋がる“やつ」

 

 ゴドーが撃ち落とした後、騎士王は大地ごと金星の王(タイプ:ヴィーナス)斬った(・・・)

 すると、金星の王(タイプ:ヴィーナス)と大地が融合した。

 

 

 「『魔剣』エクスカリバーの能力、とでも言えばいいのか………」

 「原理としては、”綺麗に斬ったせいで元の形に戻った“を引き起こしている」

 

 おかげで惑星表面改造(テラフォーミング)も捗る、と騎士王はなんてことないように言う。

 

 「………だが、いいのかよ。アレ、下手したら動きかねないんだろ?」

 

 極限の単独種(アルテミット・ワン)の特性というべきか、あるいは地球が特殊なだけか。

 

 どちらにせよ、(ソラ)より来たる侵略者達に『死の概念』は存在しない。

 故に、どれだけ身体が損傷してもいつかは回復しまた動き出すだろう。

 

 「それに関しては問題ない(・・・・)。他の侵略者は俺が直々に『殺した』」

 

 死の概念を持たないのならば、与えてから殺せば良いのだ。

 そして、彼にはそれが出来た。

 

 「そうでなくとも、もはやヤツらは『他星の王』ではない(・・・・)

 

 「へぇ。負けたら王じゃなくなるもんなのか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『鉱石生命体による外殻、目標耐久値を大幅に更新。擬似太陽に耐えられる可能性 98%』

 

 『マスターの”眼”にアクセス申請………受諾。

直ちに実行し、この素材の最適な加工方法を検索します』

 

 『検索成功(ヒット)。外宇宙より飛来した星間航行船団を模倣します』

 

 「………恒星炉完成後も戦闘時以外は自由にアクセスすることを許す」

 「頼んだぞ、マーリン

 

 『───はい、マスター』

 




ゴドー
 最後のホモ・サピエンス。彼以外に旧人類は生き残っていない。

 ジンに対して特攻を持つ“ブラックバレル”の持ち主であり、その銃で金星の王(タイプ:ヴィーナス)を撃ち抜いた。

 姉がいたが死亡済み。形見のギターはチューニングもまともにしていない。
 そのうちアーサー君にギターを譲る。

 負けたら王じゃなくなるもんなのか………?

土星の王
 本来ならゴドーの死因となったはずのもの。
ぷかぷか浮いてるから騎士王に斬られた。

 死体の回収は六人姉妹がした。

 もはや王ではない。

金星の王
 撃ち落とされた挙句大地と強制的に融合させられた。まあ寄生植物だし本望でしょ。

 身体の上で街を作られたり、惑星にまた命が芽生えるように手助けさせられている。
 死んではいないが、動けない。

 もはや王ではない。


マーリン
 AI。現行人類の科学力の結晶。もしかしたら新しい霊長になれるかもしれない存在。

 千里眼は肉体に宿るものなので、アーサー君の神経とマーリンを電子的に繋げれば可能。
 魔◾️王も同じことをしていた。

 自己成長出来るAIで、技術や情報さえあれば自分で進化し続ける。今の餌は人類史一万年。

 本物のマーリンは星の内海(アヴァロン)と一緒に死んでると思う。はず。
 このマーリンは全く別の存在。


騎士王
 斬った相手に死の概念を付与したり、『斬って』『繋ぐ』という矛盾を成立させているが、あくまで剣技。

 『魔剣』エクスカリバーの本質は様々な法則などから来る『矛盾』を矛盾のまま成し遂げること。
 ただ斬ること。それだけを叶える聖杯。

 『聖剣』エクスカリバーの本質はまた別のところにある。
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