連載版 ダンまちトリオ   作:色々残念

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かなり久しぶりに思い付いたので更新します
今回は2000文字くらいですから短めですね


挙動が不審な女神様

最近になって、ヘスティア・ファミリアの教会周辺で赤い髪をした女神が頻繁に目撃されるようになったが、外見的な特徴からして、赤髪の女神はロキ・ファミリアの主神であるロキ様で間違いなかった。

 

目撃した人々によれば、ロキ様は教会に近付いては離れるという動作を繰り返していて、教会周辺をひたすらウロウロとしていたそうだ。

 

ロキ様は何かに葛藤しているかのような顔もしていたらしく、教会周辺をウロウロしていたのにも何かしらの理由があるのだろう。

 

主神のヘスティア様にロキ様がヘスティア・ファミリアのホーム周辺を彷徨いていたと伝えてしまうと、ホームから飛び出していってロキ様と喧嘩を始めそうだと思った私は、ロキ様とは犬猿の仲であるヘスティア様に、今回の件を任せることはない。

 

とりあえずヘスティア・ファミリアの団長である私が、直接ロキ様と話してみようと考えて、教会周辺で待ち構えてみると現れたロキ様。

 

此方に気付いたロキ様は、私のことを見ている内に挙動がかなりおかしくなっており、明らかに挙動不審なロキ様には落ち着きがなかった。

 

「あ、あれやな、今日はええ天気やと思うんやけどモビタはどうや、元気にやっとるか」

 

此方を見ながらそんなことを聞いてきたロキ様に「ええ、元気ですよロキ様」と笑顔で答えると「モビタの優しい笑顔は変わっとらんな」と呟くロキ様の顔はだらしなくにやけている。

 

自分の顔がにやけていたことに気付いたのか両手で両頬を挟み込むようにはたき始めたロキ様「あかん!しっかりするんやうち!あれは別世界!此方のうちとは関係ないんやで!」と言いながら「うおおおお!」と顔をはたき続けるロキ様の両頬は真っ赤になっていて痛そうだ。

 

「真っ赤になってますからそれ以上叩いたら駄目ですよロキ様」

 

自分の頬をはたき続けていたロキ様の両手に優しく触れて、はたくのを止めさせた私は、ゲドが作ってくれた塗るタイプのハイポーションをロキ様の両頬に塗っておく。

 

「そ、そないにうちに優しくしてどないするつもりや」

 

ハイポーションで赤みが引いて頬の腫れも消えたロキ様が動揺しながらそんなことを言ってきたが、嘘を見破れる神に嘘を言う意味はないので、正直に思ったことを言ってみた。

 

「見返りは何も求めていません。ロキ様は、とても綺麗な顔の女神様なんですから、両頬が真っ赤になって腫れてるままにしておくのは嫌だと思ったので、私が勝手に治療しただけですよ」

 

目の前の女神様に正直に言葉を伝えた私に「あ、あかん。この世界でもめちゃくちゃええ子やこの子」とやっぱり動揺していたロキ様。

 

「くっ、別世界の記憶に負けたらあかんでうち!うちは可愛い女の子と酒を愛する女神ロキやで!そうやモビタのことなんてなんとも、思っとらん筈やのにヘスティア・ファミリアにモビタが所属しているだけで精神的にダメージを受けとるんやけど!なんやこれは!」

 

早口で喋りながら身悶えているロキ様は頭を抱え始めたが「あっ、ああっ、脳がっ!脳が破壊されてまうっ!寝取られは悪い文明やっ!」などと言い出すロキ様の言動と挙動は確実におかしくなっていたな。

 

「大丈夫ですか?」

 

心配になってきたのでロキ様に大丈夫かどうかを聞いてみると「大丈夫やないわ。うちの脳は強烈な寝取られでボロボロやで」と答えたロキ様は大丈夫ではないらしい。

 

「ヘスティアを選んだのはなんでなんや?おっぱいか?おっぱいがええのんか?やっぱり男はおっきいおっぱいがええのんか!?」

 

そんなことを聞いてくるロキ様に「私は好きになった相手がタイプですよ」と前置きしてから「ヘスティア様のファミリアを選んだ理由は信頼している友人が善神のヘスティア様なら眷族を大切にしてくれると教えてくれたからですね」と答えておいた。

 

「ああ、まあ、モビタらしい理由やな。なら、しゃあないか」

 

私の答えを知り、そう言って寂しそうに笑ったロキ様。

 

「今のファミリアで、楽しくやっとるか?」

 

「ええ、親友2人と楽しくやっていますよ。何故か私が団長だったりしますけでね」

 

「モビタなら、きっと団長でも大丈夫やとうちは思うで」

 

「そうですかね、団長になって3ヶ月とちょっとくらいしか経過していませんが」

 

「うちの眷族達は薬師のゲドと鍜冶師のジーンにだけ目を向けとるようやけど、モビタがほんまは凄いってことをうちは知っとるんや」

 

「何処で知ったのかは教えてもらえそうにないですね」

 

「よく分かっとるやないか、ロキ・ファミリアやとうちだけが知っとるモビタの秘密は誰にも内緒やで」

 

「じゃあそのまま内緒にしておいてください」

 

「せやね、そうしとくわ」

 

楽しげに微笑んだロキ様は

最後に「ほな、さいなら!」と言うと元気に走り去っていく。

 

挙動不審だった時のロキ様は、よく分からないことを言っていたりもしたが、別世界やらこの世界とも言っていたのは確かだ。

 

荒唐無稽な話になるが、もしかしたら別世界では私がロキ・ファミリアに所属していたのかもしれない。

 

別世界の私とロキ様の関係がどんなものだったのかは、私にも分からないがな。




ちなみにロキ・ファミリアのホームに帰ってきたロキは「奪られたら奪り返せって言葉があるんやけど、フィンはどう思うか教えてくれへんか」とロキ・ファミリア団長に聞いて、団長のフィンを困惑させています
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