連載版 ダンまちトリオ   作:色々残念

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思い付いたので更新します
今回はジーン視点の話で、5000文字になりました




オラリオ最強の称号

家族と友人以外には大切だと言える存在が居ないオレだが、唯一の肉親であった祖父が亡くなって、今生では血の繋がった家族は居なくなってしまった。

 

オレが生まれ変わったこの世界には実際に怪物が存在しており、人間とは異なり過ぎる存在は避けられていて、通常の人間よりも遥かに力が強くて身体が凄まじく頑丈なオレは村の連中から怪物扱いされていたことは確かだ。

 

祖父と友人2名とその家族以外には怪物を見るような目で見られていたオレは、特にそれを気にすることはない。

 

誰にどんな目で見られていようが、オレがオレであることには変わりがないなら、気にする程のことじゃあねえからだな。

 

だが、それでもオレの為に真剣に怒ってくれる友人達が居たのは、とても嬉しいことではあった。

 

そんな友人2人が居たから、祖父が亡くなってからも寂しいと思ったことはない。

 

友人達とオレを含めた3人でオラリオに向かう旅をして、到着したオラリオで出会った女神ヘスティアも、悪い神ではなかったな。

 

全員で女神ヘスティアの眷族となり、ダンジョンに潜ったりもして、戦争遊戯でソーマ・ファミリアに勝利したりもした。

 

それからダンジョン内で通常のモンスターとは違う強化種や亜種と幾度も戦いランクアップを重ねたオレ達。

 

今ではオレと友人達全員がLv4にまで辿り着いていたが、ダンジョン内でフレイヤ・ファミリアの猪に襲われたことを切っ掛けに、強くなることに意欲的になったヘスティア・ファミリアの全員。

 

オレは猪に勝利したが、今のモビタとゲドでは猪に勝つのは難しいだろう。

 

だからこそモビタとゲドは強くなる為の努力を惜しんではいなかった。

 

オレは鍛冶をすることでステイタスの熟練度を上昇させることが可能なスキル【鍛冶鍛錬】を持っており、鍛冶をするだけで強くなることができる。

 

それに加えて仲間の為に鍛冶をする時に、友愛の丈によって熟練度の上昇率が増加する【友愛鍛冶】のスキルも所持しているオレは、大切な友人であるモビタやゲドの為に鍛冶をするだけで、かなり強くなれるようだ。

 

しばらく鍛冶工房にこもっていたオレにモビタとゲドから渡された白木竜の大きな骨。

 

それを用いて作成するのは、刀と脇差。

 

熱してから分離させた骨を刃へと変えていく作業を続けていき、完成した白刃の2振りをモビタとゲドに渡してみたが、初めて触れた脇差の扱いが完璧だったゲドとは違い、刀の扱いには慣れていないモビタ。

 

刀には「白枝」と名付け、脇差には「木葉」と名付けてある。

 

モビタはゲドから刀の扱いを教わることにしたようで、日々鍛練を積み重ねているみたいだ。

 

刀と脇差以外にも、消耗品である投擲武器をモビタに渡したりもして、日々行っていた鍛冶。

 

それからどれだけステイタスが上がったか確認する為に、女神ヘスティアに更新してもらった背の恩恵。

 

ジーン・グライペル

Lv4

 力:S999

耐久:S999

器用:S999

敏捷:S999

魔力:S999

 

 鍛冶:D

 彫金:E

 治療:H

 

《魔法》

【セイクリッド・ハイネスセラピア】

 

【フルンティング・ネイリング】

 

《スキル》

 

【天性肉体】

 

【鍛冶鍛錬】

 

【友愛鍛冶】

 

【極大治療】

 

【金剛豪拳】

 

【破壊王】

 

【閃光装具】

・精神力を消費して光の装具を両腕と両足に纏うことが可能となる

・光の装具の強度は、耐久と魔力の数値により上昇

・装具を装着中は、力と敏捷に高補正

 

ステイタスがオールSでカンストしていただけではなく、新たなスキルまで発現していたオレは、確実に強くなることができていた。

 

スキル【閃光装具】で纏ってみた光の装具の外見は、何故かの悪魔狩人が手に入れた閃光装具にそっくりだったが、流石に悪魔の魂が宿っていたりはしない。

 

オレに新たなスキルが増えた日の翌日、猪がバロールを単独で討伐してLv8に到達したという情報がギルドから広まる。

 

いきなりダンジョンで襲ってきた猪が強くなったことは、あまり嬉しいことではないが、また猪から戦いを挑まれるんじゃないかと考えていたら、猪よりも先にオレに喧嘩を売ってきたフレイヤ・ファミリアの猫。

 

オラリオの街中を歩いていたオレにいきなり槍を向けてきた猫は「鉄遊びしてる鍛冶師程度に劣っているなど、認めねぇ!」と言って襲いかかってきた。

 

Lv6の猫程度の動きは簡単に見切れていたオレは、仲間が狙われていないなら過剰に攻撃する必要はないと思って「怪我しねぇ内に帰んな」と忠告しておいたが、その言葉で激怒した猫の動きは止まらない。

 

オラリオ最速と言われる猫は、確かに並みの相手よりかは速いことは確かだ。

 

それでも今のオレには簡単に捉えられる速度であり、加速していった猫の動きを視認しながら軽々と槍を避けていたオレに、苛立つ猫。

 

下層最速のイグアスよりも速く、地を蹴り加速して槍を繰り出してきていた猫は「はっ、避けてるだけか?」と此方を挑発してきたが、猪よりも細く貧弱に見える猫を殴ったら死ぬんじゃねぇかと思ったオレは、どれぐらいの力加減で殴ろうか考えていた。

 

「てめぇをブチ殺したら、残りの団員も刺し殺してやるよ!」

 

そんなオレの猫を労る気持ちは、猫が発したその言葉で消える。

 

猫が放つ槍による刺突、それを片手で掴んで止めたオレは、打ち出した拳を猫の腹部へとめり込ませていき、身体をくの字に曲げて吹き飛ぶ猫へと追い付いて素早く行う追撃。

 

振り下ろした拳槌打ちは猫の片足を、枯れ枝でも折るかのように容易くへし折り、猫の機動力を完全に奪う。

 

「ガァッハ!」

 

盛大に血反吐を吐きながらも、槍を杖代わりに立ち上がろうとする猫の両腕へとオレが打ち込む打撃で、完全に砕けた猫の両腕の骨。

 

槍を持てる状態ではなくなり、左足しか無事に残っていない猫は、最早1人だけでは立てない状態になって地に倒れたが、オレは容赦なく猫の左足も踏みつけて、左足の骨も折る。

 

砕けた両腕の骨とへし折られた両足で、四肢が動かせる状態ではなくなった猫。

 

「挑発するにせよ、言葉は選べ。オレの仲間を殺すって言ったよなお前、まさかこの程度で終わりだとは思ってねぇだろうな」

 

「クソがっ!」

 

「それだけ悪態吐ける元気があんなら、まだ死なねぇよなあ」

 

地に倒れた猫へと手を伸ばそうとしたオレへと飛んできた大剣。

 

ミスリルで作られた第1等級武装であるその大剣の腹を殴ると、砕けた大剣の破片が周囲に散らばっていく。

 

大剣が飛んできた方向を見ると、そこには猪の姿があったが、大剣をオレに投擲してきたのは猪で間違いないらしい。

 

「てめぇの助けなんて必要ねぇんだよオッタル!」

 

そう喚く猫の顔面をオレは軽く踏みつけて、地に猫の頭をめり込ませて気絶させておいた。

 

「うるさい猫は黙らせたが、何の用だ猪」

 

「オラリオ最強の称号を返してもらいにきた」

 

「まあ、お前に勝ったオレがオラリオ最強で間違いないが、それでお前の挑戦をオレが受けて、何かいいことでもあんのか?オレは猫を血祭りにあげるんで忙しいんだが」

 

「それは後にして、今はおれと戦え」

 

「猫の血祭りは止めねぇんだな」

 

「アレンがお前を怒らせたのだろう。その責任はアレン本人にある」

 

「ファミリアの団長とは思えねぇ言葉だ」

 

「フレイヤ様の眷族で、最も強い存在が団長となるのだ。おれ自身団長が向いているとは思っておらん」

 

苦々しい顔でそう言っていた猪は、フレイヤ・ファミリアの団長として苦労しているのかもしれない。

 

猫を痛めつけて弱いもの苛めをするよりも、猪と戦った方がスッキリしそうだと考えたオレは、鬱憤晴らしに猪と戦うことを決めた。

 

「オレとお前がやり合うなら、街中じゃあ被害が大きくなるぜ」

 

「案内しよう、戦いの野へ」

 

それから猪に案内されたフレイヤ・ファミリアのホーム。

 

フレイヤ・ファミリアの眷族達が殺し合いじみた戦いを日々行っている戦いの野にある広大な土地で、対峙するオレと猪。

 

幾つもの大剣を背負い、武装した猪を相手に、素手で何も武装をしていないオレは拳を構える。

 

「行くぞ、ジーン!」

 

「来いや、猪!」

 

真正面から小細工抜きで振り下ろされた猪の大剣へと拳を振るい、粉砕した大剣。

 

「第1等級武装を容易く砕くか」

 

「ミスリル程度じゃあ柔過ぎるぜ、さっさとその背中の剣を抜きな」

 

「バロールを屠ったオリハルコンの剣でなければ、お前には太刀打ちできんようだ」

 

そう言って背負っていた肉厚な大剣の柄を掴んだ猪は、背から剣を抜き、構えた。

 

「いい剣だ。作ったのはゴブニュ・ファミリアだな」

 

「その通りだ!」

 

振るわれる猪の剛剣は、先程とは比べ物にならない速度で、猪が全力を出しても折れることがないオリハルコン製の剣。

 

オリハルコンの剣には不壊属性も宿っているようで、並外れた強度がある。

 

だが、スキル【破壊王】を持つ今のオレには簡単に壊せる剣でしかない。

 

精魂込めて剣を作成したゴブニュ・ファミリアには悪いが、ぶっ壊させてもらうとしよう。

 

打ち放つ拳の一撃により砕かれたオリハルコン製の剣に、目を見開いた猪。

 

不壊属性を宿したオリハルコンの剣が砕かれたことに、流石に驚きを隠せていない猪へ「剣が無ければ戦えねぇってんなら終わりでいいか?」とオレは問いかける。

 

「まだだ、剣を失おうとおれにはまだこの拳がある!」

 

拳を構えてそう言い出した猪の戦意は失われておらず、まだまだやる気だ。

 

強情な猪が満足するまでは付き合ってやるとしよう。

 

それから始まったのはLv8とLv4の殴り合い。

 

普通ならLvが4も違えば相手になる訳がないが、オレは普通じゃあないんで、Lv4のオレでもLv8の猪と殴り合えていた。

 

激しい殴打の応酬、絶え間無い互いの乱打が叩き込まれていく身体。

 

拳と拳の打つかり合いが凄まじい衝撃波を生み、捲れ上がる地面。

 

踏みしめた地面が陥没し、打撃を打ち込む度に吹き荒れる暴風。

 

オラリオ最強を決めるぶん殴り合いは、止まらない。

 

寧ろ一撃ごとに加速していき、互いの拳を相手に打ち込んでいく速度が上がるオレと猪。

 

放つ拳の弾幕が互いの全身を痛めつけていくが、痣だらけになり、血反吐を吐こうと止まることがないオレと猪の拳。

 

肉が潰れ、骨が軋みを上げようと握った拳を目の前の相手に打ち込み続ける。

 

ただそれだけのことを考えて、拳打を放ち続けたオレと猪は互いの頬に打ち込んだ拳の威力によって、地を削りながら大きく後退した。

 

「【銀月の慈悲、黄金の原野。この身は戦の猛猪を拝命せし】」

 

距離が開いた時、迷わず獣化した猪は魔法の詠唱すらも開始。

 

「【駆け抜けよ、女神の神意を乗せて】!」

 

短文の詠唱を終わらせて拳を構える猪の腕へと集約していく魔力。

 

「【ヒルディス・ヴィーニ】!」

 

黄金の光を纏う猪の右拳は、魔法によって超強化されていることは確かだ。

 

獣化と魔法を用いた全身全霊にて、此方を打ち倒そうとしている猪を相手に、オレも出し惜しみはしない。

 

「【閃光装具】!」

 

瞬時に四肢に装着された光の装具は、光輝く狼の頭部を思わせる籠手と、狼の脚部を思わせる具足。

 

力と敏捷に高補正がかかった今のオレが繰り出す拳は、先程よりも強力だ。

 

示し合わせたかのように同時に地を蹴ったオレと猪が繰り出す全力の拳。

 

黄金の光を纏う猪の右拳と、光輝く籠手を装着したオレの右拳が真正面から打つかり合った。

 

大爆発のような衝撃波が周囲に広がり、先程とは段違いの暴風が吹く。

 

放たれた拳の威力は互角で、互いの拳の威力に吹き飛ばされたオレと猪の身体。

 

オレの拳の代わりに砕けた右腕の籠手は、いい仕事をしてくれた。

 

再び地を蹴り、踏み込んだのは両者の拳が届く間合い。

 

右拳が砕けた猪の動きが僅かに鈍っていた隙を突き、オレが放つのは左の拳。

 

光輝く籠手に覆われた左拳を猪の腹部へと叩き込み、打ち抜いた渾身の一撃。

 

それによって地に倒れた猪は意識を失い、気絶していた。

 

殴り合いでボロボロな顔じゃ格好がつかねぇが、空に突き上げて掲げた右拳で勝利を示す。

 

やることは終わったと地に倒れた猪を放置して、戦いの野から立ち去ろうとしたオレの前に立ち塞がったフレイヤ・ファミリアの眷族達。

 

「どけ、オレが進む道だ」

 

オレのその言葉で、道を開けたフレイヤ・ファミリアの眷族達を振り返ることなく進んだオレは、ヘスティア・ファミリアのホームへと戻る。

 

自身の怪我を全治魔法で治してから、女神ヘスティアに背の恩恵を確認してもらったが、どうやらランクアップできるようになっていたらしい。

 

Lv8な猪との全力での殴り合いに勝利したのは、偉業だったということなのだろう。




オラリオ最強となったジーンは、定期的にフレイヤ・ファミリアの面々から喧嘩を売られることになりますね
その中でも口が悪いアレンがよくズタボロにされていたりします
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