今回は転生ゲド視点で3300文字になりました
ダンジョン内でジーンやモビタと戦ったりもしながら、モンスターを倒したりもした日々も過ぎて、女神ヘスティアに更新してもらった俺の背の恩恵。
SSにまで到達しているものもあれば、SSSにまで辿り着いていたものまであったステイタス。
ゲド・ライッシュ
Lv4
力:SS1180
耐久:SS1169
器用:SSS1247
敏捷:SS1168
魔力:SSS1296
幸運:D
耐異常:E
剣帝:H
《魔法》
【リトルフィート】
《スキル》
【幸運冒険者】
【創薬師】
【特殊火遁術】
【渦槍水流撃】
【竜鱗鎧化】
【不死王手】
【盗賊窃盗】
【亜種龍手】
【寒氷陣】
・雪や氷に冷気を自在に生み出して操ることが可能となる
・スキル発動中は完全防寒となり氷雪や冷気の影響を受けない
【健全化】
・自身を含め、選択した対象の状態異常を回復
・スキルを使用した対象に一定時間の状態異常無効を付与
【秘伝治癒】
・自身を含め、周囲の仲間に自動回復の効果と風耐性上昇の効果を一定時間付与する
一気に3つも増えていたスキルは、戦闘に役立ちそうなのが1つに、治療系が2つと中々悪くはない。
特に状態異常を回復できて、一定時間状態異常無効の効果も与えられる【健全化】のスキルは、ダンジョン攻略にかなり役立つスキルだと言えるだろう。
ヘスティア・ファミリアではジーンだけが先にLv5に到達していて、まだLv4のままな俺とモビタは、ジーンに追い付く為にダンジョンへと潜ると決めていた。
戦える鍜冶師で治療師でもあるジーンが居なくても、治療系スキルで治療師にもなれるようになった薬師の俺が居れば、安定してダンジョンで戦うことが出来る。
モビタと2人でダンジョンに潜っている最中、到達した下層で遭遇した階層主。
通常は双頭の竜である筈のアンフィス・バエナには、何故か3本目の首が生えており、体長も30メートルはあって、通常のアンフィス・バエナよりも大きい。
アンフィス・バエナの亜種とも言える三頭竜が、大音量の雄叫びを上げると同時に、天井が崩落して塞がれたのは下層と中層を繋ぐ洞窟。
此方を逃がすつもりがないダンジョンと怪物を相手に、剣を構えた俺とモビタは退くことはない。
「足場は、氷で俺が作るよ」
「アンフィス・バエナのブレスには注意しましょう」
「ああ、それじゃあ」
「行きましょうか!」
【寒氷陣】を用いて俺が生み出した冷気によって、瞬時に凍結した水場は、氷と化す。
【亜種龍手】で身体能力を倍加して平坦な氷の足場を進み、斬撃を叩き込もうとした俺とモビタへと、全身を震わせた三つ首の竜は体表に蒼い炎を纏い始めた。
竜胆から流れる焼夷体液を体表にまで流せるようになっていた亜種のアンフィス・バエナは、身を守る為に燃え盛る蒼炎の鎧を纏う程度の知能はあるらしい。
自身の蒼炎では焼けない程に強度が高い白亜の鱗を持つ白い竜。
ガソリンのような焼夷体液を全身から垂れ流して燃えている三つ首の白竜に、不用意に近付いて攻撃すれば、体表の炎が此方に燃え移る可能性は非常に高い。
随分と厄介な防御の手段を持ち合わせている亜種のアンフィス・バエナは、そう簡単に倒せる相手ではなさそうだ。
身体に蒼炎を纏っている今のアンフィス・バエナに、直接近付いて攻撃するのは避けた方がいいが、近付かないで攻撃するなら何も問題はないだろう。
放たれるのはモビタが投擲する投げナイフであり、ジーンが大量に作成した投げナイフの「飛牙」は、レイダーフィッシュの牙を素材に作られた投擲武器。
スキル【銀矢投擲】で投擲武器の威力を上昇させることが可能なモビタが投げた「飛牙」は、アンフィス・バエナの強固な鱗すらも貫く威力があり、突き刺さった投げナイフによって傷が増えていった白竜。
俺は俺で【寒氷陣】を用いて生み出した氷を高速で発射してアンフィス・バエナを打ちのめしていたりもしたが、投げナイフと氷で傷付いたアンフィス・バエナの真ん中の首が咆哮を上げると同時に、塞がっていった白竜の全身の傷。
どうやら真ん中の首は、再生能力を司っているようだ。
全身に纏っていた蒼炎を消し去ったアンフィス・バエナの左右の頭が、同時に放つ焼夷蒼炎。
まともに食らえば身体を這ってしばらくは燃え続ける厄介な蒼い炎。
足場となる氷すらも溶かしていく超温度の烈火を避けていった俺とモビタは、壁面を足場として蹴り、互いに振り下ろした剣でアンフィス・バエナの左右の首を同時に斬り落としたが、真ん中の首が吠えると直ぐ様生えてきた左右の首。
凄まじい再生速度を持つ三つ首の竜は、真ん中の首を先に斬り落とさなければ倒せない。
優先して真ん中の首を狙い始めた俺達に対し、白い竜は器用に真ん中の首にだけ蒼炎を纏わせて攻撃を行ってくるようになった。
水が炎熱で蒸発し、蒸し暑さが増した空間で、体力を削られながらも戦いを続けた俺達。
長引けば俺達が不利だと考えた俺は丸焼きになる覚悟を決め、スキル【竜鱗鎧化】を用いた状態で、一瞬だけ【特殊火遁術】を用いて一定時間だけ熱を無効にすると、蒼炎で燃え盛るアンフィス・バエナの中央の首へと飛びかかる。
上段から真っ直ぐ振り下ろした黒い長剣は、アンフィス・バエナの首を斬り落とすことには成功するが、剣が首に触れた瞬間に燃え移ってきた蒼炎が、俺の身体を包み込んだ。
熱が無効になっている為に暑さは感じないが、身体に纏っている竜鱗の鎧が熔け始める程に高温な蒼い炎。
苦しくなってきた息は、蒼炎に焼かれていることで空気を満足に吸い込めていない証だろう。
全身が蒼い炎に包まれて、前が見えない状態になっていても、スキル【竜鱗鎧化】を解くことはないが、満足に息が出来ないことで倒れそうな身体。
呼吸が出来なくて苦しんでいた最中、不意に視界が晴れたかと思えば、剣を振り抜いた姿勢のモビタが目の前に立っていて「成功しましたか」と安堵の表情を浮かべていた。
どうやらモビタはスキル【封印剣】を用いて、斬ったものに痛みを与えず分離する効果で、俺と蒼炎を分離させてくれたらしい。
俺から少し離れた場所で燃え盛る蒼炎が、分離したもので間違いないみたいだ。
それからアンフィス・バエナの残る2つの首を、モビタと協力して斬り落とし、全ての首を斬り落として倒したかと思ったところで、再び首が生えてきた白竜。
まだ終わっていない戦いに気を引き締めて、剣を構えた俺とモビタ。
先程の三つ首のどれよりも太い首が生えていた白竜は、簡単には斬り落とせない強度の首を持つ。
強靭な白亜の鱗は更に強度を増して、俺の2本の腕の力だけでは両断できない程に頑丈だ。
だが、それでも、この場に居るのは俺だけじゃない。
手慣れた様子で投擲されたモビタの2本の投げナイフが、アンフィス・バエナの眼球へと突き刺さり、白竜の視界を完全に奪う。
「やはり眼球は柔いようですね、なら鱗に覆われていない口の中も体表よりは、脆いでしょう」
冷静な判断力を持つモビタのその言葉を聞いて、思い付いたことを試す為に片手に持った槍をアンフィス・バエナの口内へと捩じ込んだ俺は、白竜の口内に槍が刺さった瞬間に、スキル【渦槍水流撃】を発動。
放たれた大渦の暴威により、口内がミンチになった白竜が身悶えている隙に、スキル【寒氷陣】で用意した氷の足場。
黒い長剣を突きの体勢で構えた俺が握る柄を、モビタも一緒に握った。
そしてそのまま2人分の力で押し込んだ長剣は白竜の胸部を貫いていき、深く深く突き刺さる。
それでもまだ魔石までは届いていない長剣の柄を更に押し込もうとしたところで、暴れだしたアンフィス・バエナにより、吹き飛ばされた俺とモビタの身体。
それでも空中で魔法【ガンスミス】を発動し、大口径の魔法銃を両手に握ったモビタが放つ弾丸により、押し込まれていく長剣。
俺も【寒氷陣】で作り出した氷の弾丸で、長剣の柄を押し込んでいき、魔法銃の弾丸と氷の弾丸によって押し込まれ、魔石へと到達した黒い長剣の切っ先。
魔石を貫かれた白竜の身体は灰となり、白竜が残したドロップアイテムは牙と分厚い甲殻に竜胆の3つであった。
それからドロップアイテムをバックパックに入れて、中層に繋がる道をなんとか開通させた俺達。
疲れた身体を動かして地上に戻り、女神ヘスティアに背の恩恵を確認してもらった俺とモビタは、ランクアップが可能になっていたようだ。
やはりあの亜種のアンフィス・バエナを倒したのは、偉業だったということなのだろう。
今回登場した3つ首のアンフィス・バエナの亜種は、Lv7上位ぐらいの強さがありました