連載版 ダンまちトリオ   作:色々残念

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本日2回目の更新になります
今回は3200文字になりました


魔界大冒険

穢れた精霊が存在しているダンジョンの60階層にまで、向かうことに決めた私達。

 

魔界と化しているという穢れた精霊の本拠地へと向かう為、スキル【何処扉】で一気に移動したダンジョンの安全階層である50階層。

 

そこから降りていったが、何故か52階層に到着しても、下の階層から行われる筈だった砲竜の階層無視の狙撃が無かった。

 

すんなりと59階層にまで到着したが、まるで私達を快く招き入れるかのような不気味さがある。

 

それでも避けては通れない存在である穢れた精霊は、倒さなければいけないと感じていた私達3人。

 

足を止めることも引き返すこともなく、魔界へと足を踏み入れた私達の前に現れたのは、首も腕もないが、背に花弁のような翼を生やした女体の異形の集団。

 

異形達から連続で放たれた強力な魔法の砲撃は、精霊の力によるもので間違いない。

 

先頭に立った私が【反射外套】のスキルを用いて、反射していった魔法の数々。

 

そして私が全て跳ね返した魔法が直撃した異形達へと、ゲドとジーンの剣が叩き込まれていき、両断された異形が動かなくなる。

 

残骸のような異形達を仮称「精霊の残骸」と名付けておき、私達は先へと進んだ。

 

到着した広間には、数多の「精霊の残骸」達だけではなく、大精霊のような存在が2体と、黒い竜が1体、銀髪で頭から角を生やした男性のような怪物が1体に、天井から生えた穢れた精霊の本体が存在していた。

 

何故か穢れた精霊から凄まじい熱視線を向けられている私を見たゲドが「モテるなモビタ」と冗談混じりに言ってくると「モテモテじゃねぇかモビタ」とジーンまで笑いながら言う。

 

「あんなのにモテても嬉しくはありませんね。冗談が言えるようで安心しました。それで、誰がどれを担当します?」

 

「じゃあ俺はあの黒い竜で」

 

私の言葉を聞いて、迷わず黒い竜と戦うと決めたゲド。

 

「ならオレは、あの銀髪の性格悪そうな野郎の相手をしとくぜ」

 

銀髪で頭部から角を生やした怪物の相手を選んだジーン。

 

「それでは私はあの黒い大精霊2体に、精霊の残骸達と穢れた精霊の相手をしておきますね。黒い竜と銀髪の怪物は間違いなく強いですから気をつけてくださいね2人とも」

 

それから、それぞれが選んだ相手と戦うことになった私達。

 

スキル【竜鱗鎧化】でスケイルメイルのような装甲を形成し、装甲を全身に纏った状態で黒い竜へと斬りかかっていったゲドは、飛ぶ斬撃も巧みに用いて戦っている。

 

銀髪で角を生やした喋る怪物を相手に悪態を吐きながら、ジーンは拳と剣を怪物に叩き込んでいた。

 

【夢幻三剣士】の剣を装備している時に発動する全ステイタス高補正の効果に加えて、瞬時に衣服を怪盗服に変化させてスキル【豪華怪盗】による全ステイタスの高補正を発動させて、重ねがけした高補正。

 

それから私が相手をすると決めた黒く染まった雷の大精霊と黒炎と化している火の大精霊は、ジュピターとウルスに似ていたが、本物という訳では無さそうだ。

 

それでも容易く倒せる相手という訳ではなく、スキル【小雷雲】のスキルで雷によるダメージを無効化できる私に黒い雷の大精霊だけでは有効打を与えられないと気付いた黒き火の大精霊。

 

すると黒き雷の大精霊は黒い雷霆の剣へと変わり、黒炎の炎人の如き火の大精霊が黒い雷霆の剣を握って襲い掛かってくる。

 

炎雷を纏う黒剣による攻撃は、2属性の大精霊が協力した強力な一撃となっており、それを受け止めた白銀の剣が軋んだ。

 

スキル【夢幻三剣士】の効果の1つにより、不壊属性まで宿した白銀の剣が軋む程の威力がある炎雷の黒剣。

 

「ジュピター!」

 

出し惜しみをしている場合ではないと判断した私は、スキル【精霊腕輪】を用いて雷の大精霊を呼び出す。

 

炎雷を発している存在が目の前に居た為、呼び出すのも容易かったジュピターは、既に雷霆の剣に姿を変えていた。

 

白銀の剣と黄金の雷霆の剣による2刀流で、炎雷の黒剣を振るう黒い火の大精霊と斬り結ぶ。

 

雷電を纏う雷霆の剣により、加速した私の動きについてくる黒炎の精霊。

 

炎雷を宿す黒い雷霆の剣と、雷電のみを纏わせる黄金の雷霆の剣が交差し、雷速に加速した状態での高速戦闘が続く。

 

あまりの速さに穢れた精霊や精霊の残骸が割り込む隙がなく、打つかり合う色違いの雷霆の剣。

 

加速に次ぐ加速、取り残された精霊の残骸達が余波で打ち落とされる程に凄まじい斬撃の応酬。

 

黒炎の精霊が振るう炎雷の黒剣により、斬り裂かれる身体。

 

刻まれた裂傷の数々は、炎雷で焼かれて多量に血が流れることはない。

 

斬られて傷付く身体に、炎雷による痛みが走る肉体を動かして戦い続ける。

 

炎雷を纏う黒剣と、白銀と雷電を迸らせる黄金の剣が高速で打ち合う度に、破壊されていく魔界。

 

黒剣を構え、炎雷を極大まで高めた黒い火の大精霊が繰り出そうとする最大の一撃に対し、白銀と黄金の剣にスキル【心友音波】で破壊音波を極限まで宿した私は、黒炎の精霊の一撃を受けて立つことにした。

 

雷の大精霊と火の大精霊が全力で放つ炎雷を宿した黒剣と、強力な破壊音波を宿した白銀と黄金の剣で繰り出す飛ぶ斬撃が打つかった瞬間、周囲の地形を破壊しながら広がる衝撃波。

 

一瞬の拮抗の後に、押し負けた此方の攻撃。

 

しかしそれは想定内で、一撃だけで押し負けるなら連撃だと決めていた私は、幾度も剣を閃かせ連続で飛ぶ斬撃を放つ。

 

一撃、二撃、三撃、四撃、と出し惜しみなく繰り出す連撃。

 

連続で放たれた破壊音波を纏う飛ぶ斬撃により完全に消し飛んだ炎雷。

 

渾身の一撃を放ったことで身体が硬直していた黒炎の精霊へと、直接叩き込んだ破壊音波を纏う斬撃により、消滅した黒き火の大精霊。

 

火の大精霊が消滅すると同時に砕けた黒い雷霆の剣。

 

なんとか大精霊達に勝利することができた私は、ゲドとジーンがどうなったかを確認する為に視線を動かす。

 

全身の装甲を完全に砕かれて、身体中から血を流しながらも黒い竜の首を斬り落としたゲドが見えた。

 

更に視線を動かすと蓄力で輝いていた大剣「覇爪」を囮にして、スキル【英雄錬鉄】による蓄力を2箇所で行っていた傷だらけなジーンは、蓄力した拳による打撃によって銀髪で角を生やした怪物の全身を消し飛ばしている。

 

全員がそれぞれの戦いを終わらせて、残る敵は穢れた精霊のみとなった魔界。

 

私達3人は全員がボロボロだが、それでも2本の足で倒れることなく立っている。

 

焦るように大規模な魔法円を形成し、長文の詠唱を唱え始めた穢れた精霊。

 

巨大な魔法円は穢れた精霊の盾となり、生半可な攻撃では通用しないだろう。

 

ならば生半可ではない攻撃を叩き込むだけだ。

 

3人で並び立ち、構えた剣を渾身の力で振り下ろす。

 

魔法円を斬り裂き貫いた3本の飛ぶ斬撃。

 

穢れた精霊に直撃し、浅くはない傷を刻んだ飛ぶ斬撃に、動揺した穢れた精霊。

 

そんな精霊へと近付いた私とジーン。

 

ジーンのスキル【炉炎浄化】によって、穢れのみを焼く浄化の炎を浴びせながら、スキル【封印剣】を用いて穢れた精霊が取り込んできた精霊達を分離させた私は、精霊以外の存在も穢れた精霊が取り込んでいることに気付く。

 

一応それも分離させておくかと考えて分離させてみたが、分離させた瞬間に消滅した謎の存在。

 

あれが何だったのかはわからないが、取り込んできた存在を分離させられたことで、かなり力が弱まっていた穢れた精霊。

 

最後に怪物と融合していた穢れた精霊すらも分離して、ジーンのスキル【炉炎浄化】で、穢れのみを焼く浄化の炎を操ったジーンによって、穢れだけを完全に焼かれた穢れた精霊。

 

存在が反転していた穢れた精霊を、ただの精霊に戻したジーンの浄化の炎。

 

今まで自分がしてきたことを悔いていた元穢れた精霊を連れて、私がスキル【何処扉】で作り出した扉を通った全員。

 

空を見ることができた元穢れた精霊は、青い空を見ながら涙を流していた。

 

その後、ヘスティア様に背の恩恵を確認してもらった私達は、全員がLv8にランクアップできるようになっていたらしい。

 

どうやら私達の魔界での大冒険は、偉業と判断されたようだ。




穢れのみを焼くジーンの浄化の炎に焼かれていた邪悪な神ディオニュソスは、完全に消滅してしまったようです
天界に送還もされませんでしたね
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