連載版 ダンまちトリオ   作:色々残念

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本日2回目の更新になります
今回は3000文字で、ジーン視点の話になりました


鍛冶神の領域

鍛冶に使う炉の火の温度を自在に調節し、炉自体が壊れぬように不壊属性まで炉に宿せる【炉炎浄化】のスキル。

 

それを用いればゲドの【竜息吹】の助けを借りなくとも、以前戦った海竜のドロップアイテムを加工することが可能になった。

 

今回最初に行う鍛冶に使用するのは、海竜のドロップアイテムである黒い骨。

 

近付けるだけで弱いモンスターが逃げていく効果がある海竜のドロップアイテムは、生半可な温度では加工ができない頑丈な素材だ。

 

超高温の炉に入れていた黒い骨が熱されたことで赤く染まり、加工が可能な段階へと変わったところで、アダマンタイト製の鋏で取り出したドロップアイテム。

 

紅蓮の塊と化した骨へと鎚を振り下ろす。

 

凄まじい高温に熱されたドロップアイテムの近くに居るだけで吹き出る汗を拭うこともなく、ドロップアイテムの熱が移った鎚に落ちた汗が蒸発していった。

 

かなりの熱気の中、振り下ろす鎚を止めることはない。

 

相鎚を必要としない力で鎚を振るい、ドロップアイテムの真芯を捉えて、打ち下ろした鎚。

 

頑丈な素材に力強く打ち込む鎚により、形を変えていく赤々と熱された骨。

 

アダマンタイトで作った不壊属性を宿す鎚による打撃が、骨の形を確実に変えていき、その形状は槍へと近付いていった。

 

海竜のドロップアイテムである骨を丸々使って作成していく槍。

 

モンスターのドロップアイテムには、金属に似た性質を宿す部位もあり、鍛造による加工を可能とする。

 

骨でありながら、アダマンタイトよりも頑丈な素材である海竜のドロップアイテムを鎚で打つ度に、鳴り響く金属音。

 

硬質な金属を鍛造する際と似た音が鳴る程度には、金属の性質を宿していた海竜の骨。

 

強靭な海竜の骨を加工していくのは楽な作業ではないが、これも鍛冶師としてオレが引き受けた仕事だ。

 

鎚が奏でる音色がしばらく止まることはなく、続いていた鍛冶の作業。

 

鍛造により作り出していくのは、海竜のドロップアイテムを素材とした槍。

 

鎚に打たれて形状を変えていった骨は、鋭利な穂先を持つ槍へと変化していく。

 

槍としての形状が完成してからは、穂先の研ぎが始まり、鋭さを増していった槍の穂先。

 

穂先から長柄まで全て海竜のドロップアイテムで作成した槍は、黒い骨が素材となった為か、色は漆黒である。

 

完全なる不壊属性を付与した漆黒の槍は、第1等級武装を遥かに上回る槍となった。

 

完成した槍に「海鳴の槍」と名付けてゲドに渡したオレは、次の鍛冶に使う素材を取り出す為に複製品のスペアポケットに手を入れていく。

 

ゲドの【粗悪複製】で複製された品は粗悪な複製となり、オリジナルよりも劣化しているとしても収納力が高いスペアポケットは、便利なひみつ道具だ。

 

中身を探ってスペアポケットから取り出したのは、モビタが魔法【シネマティッククリエイト】で創造し、スキル【増殖鏡】で増やした夢幻三剣士の白銀の剣が3本。

 

白銀には似ているが、この世界には存在しない未知の金属で作成されている白銀の剣。

 

近い金属だと言えるのはミスリルだが、ミスリルよりも清浄で強度が高い未知の金属。

 

そんな白銀の剣3本を鍛冶に使う素材として炉に入れたオレは、炉の火の温度を上げていき、穢れを焼く浄化の炎を追加していく。

 

清浄な剣である為か、浄化の炎でなければ加工ができそうにない白銀の剣という素材。

 

燃焼材を使うまでもなく燃え盛る炉の火は高温と化し、浄化の炎によって熱されて赤い飴細工のようになった3本の剣を取り出すと重ね合わせて、力強く鎚を振り下ろした。

 

3本の剣を1本の剣に打ち直す鍛冶を行っていき、未知の金属で作成していくのは、新たな剣。

 

3本の剣を1本の剣に凝縮していく作業を行いながら、鎚を振るい続ける。

 

打ち下ろす鎚により、纏まってきた3本の剣を圧縮するように、1本の剣へと変えていった形状。

 

アダマンタイトよりも加工が難しい未知の金属であろうと、問題なく加工が可能なオレは、素材とした3本の白銀の剣を用いて1本の剣を完成させた。

 

色は変わらず白銀であるが、打ち直したことで斬れ味と強度が遥かに増した剣は、そう簡単に折れるものではない。

 

通常の白銀の剣よりも数段上な剣となったこの剣には「夢幻」と名付けておき、モビタに渡しておく。

 

それからアルテミス・ファミリアの装備の手入れも行ったオレは、剣やナイフを打ち直したり、斬れ味の落ちた武器の刃を研いだりもして、終わらせた鍛冶の作業。

 

鍛冶師としての仕事を行う日々を過ごしていたオレは、ある日、ただの鉄を鍛えて剣を作ってみて、どれだけ鍛冶の腕が上がったかを確かめてみることにした。

 

炉で熱した鉄を打ち、鍛え上げていく鍛造の作業を丁寧に行い、様々な工程を経て粘り強い鉄へと変えていく。

 

鉄に含まれた不純物を鎚で叩いて飛ばしていくと、飛び散る火花。

 

ただひたすらに鉄を打ち、作り上げていくのは1本の鉄剣。

 

長時間の鍛造にて、持てる全ての技術を使い、完成させた鉄の剣は鋭い輝きを放つ。

 

少し前にダンジョン内で発見したオリハルコンの扉を、ゲドの魔法【リトルフィート】で小さくして持ち帰っていたが、大きさを元に戻してもらったオリハルコンの扉はそれなりの厚みと、金属としては凄まじい強度を持っている。

 

アダマンタイトよりも頑丈なオリハルコンの扉を前に、鉄の剣を構えたオレは、磨いた剣の技量を使うことはなく、ただ無造作に鉄剣の刃をオリハルコンの扉に振り下ろした。

 

最も硬い金属とも言われるオリハルコンは、そう簡単には破壊されない金属だ。

 

しかしオレが作り上げた鉄剣の刃は、すんなりとオリハルコンを斬り裂いていく。

 

まるでバターでも斬るかのようにオリハルコンを容易く斬り裂いた鉄の刃は、刃こぼれすることもない。

 

鉄でオリハルコンを容易く斬り裂ける剣を作り出すことが可能な位には、上がっていたオレの鍛冶の腕。

 

その後、女神ヘスティアにオレの背の恩恵を確認してもらったが、鍛冶の腕が鍛冶神の領域に到達したことが偉業と判断されて、ランクアップが可能になっていたようだ。

 

ステイタスの全基本アビリティがSの999で極まっていたオレはランクアップをさせてもらうように頼んだが、発展アビリティは治力を選んでおく。

 

ジーン・グライペル

Lv9

 力:I0

耐久:I0

器用:I0

敏捷:I0

魔力:I0

 

 鍛冶:SSS

 彫金:SSS

 治療:A

 拳打:C

 堅守:D

 魔防:F

 連攻:H

 治力:I

 

《魔法》

【セイクリッド・ハイネスセラピア】

 

【フルンティング・ネイリング】

 

【スターダスト・オーバーリミット】

 

 

《スキル》

 

【天性肉体】

 

【鍛冶鍛錬】

 

【友愛鍛冶】

 

【極大治療】

 

【金剛豪拳】

 

【破壊王】

 

【閃光装具】

 

【英雄錬鉄】

 

【覇獣王】

 

【精霊魔剣】

 

【超越名匠】

 

【炉炎浄化】

 

【祝福巡継】

 

【異界記憶】

・異なる世界の自分の記憶を得る

 

ランクアップしたことで発現していた新たなスキル【異界記憶】により、オレが得たのは異なる世界の自分自身の記憶。

 

それは女神イシュタルの眷族となり、最終的には歓楽街の帝王と呼ばれるようになったオレの記憶で、女神イシュタルと結婚までしていたオレ自身に困惑してしまうが、こんな世界もあったということなのかもしれねぇな。

 

イシュタルの伴侶として生き、死後に再転生した自分が竜の騎士の息子として生まれ、ドラクエの呪文なども身に付けていた記憶もあり、更にはヒーローという職業が実際に存在する世界に生まれた記憶すらもあった。

 

だが、どんな世界でも笑顔に囲まれていた異界のオレは、きっと幸せだったのだろう。




ジーンがスキル【異界記憶】で得た記憶は、歓楽街の帝王の再転生まで含めたものになったようです
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