連載版 ダンまちトリオ   作:色々残念

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思い付いたので更新します
今回は3100文字になりました


大防壁と竜の谷

人類の生存圏と北にある非生存圏を遮断する為の大防壁。

 

竜の長壁と呼ばれる大防壁は、最西端から最東端まで伸び続けているそうで、現在も工事と修復が繰り返されているらしい。

 

見上げる程の大きさで厚みのある石壁は、度重なる訪竜問題への対策として作られた防壁。

 

そんな大防壁が竜に破壊されることも珍しいことではないようで、一部が破壊されていた石壁を見た私は、壊れた石壁に巨大な布を被せるとスキル【時風呂敷】を用いて時を戻し、石壁が壊れる前にまで戻して防壁を復活させておいた。

 

それから私達は大防壁を見て回り、破壊されていた箇所があれば、壊れる前に戻しておく。

 

大防壁の破壊されていた全ての箇所を元通りに修復した私達。

 

頑丈な石壁ではあるが、竜の谷の竜には破壊されてしまうような強度しかない大防壁では、完全な対策にはなっていないのではないかと考えた私達は、大防壁に手を加えることはないが、大防壁よりも北の位置にオリハルコン製の防壁も【増殖鏡】で増やして設置。

 

流石に万里の長壁とまではいかないが、かなりの長さを持つオリハルコン製の防壁も大量に用意して設置し、更に守りを強力にしておいた。

 

これでそう簡単に大防壁が壊されることもなくなるだろう。

 

訪竜問題の原因である竜の谷も、1度見ておいた方がいいのではないかと考えた私達は、竜の谷へと向かうことを決めたが、大防壁の先へと歩みを進める前に、私のスキル【適応灯】で、浴びれば様々な環境に適応が可能になる光線を全員に浴びせておき、北へと進んだヘスティア・ファミリアとアルテミス・ファミリア。

 

先に進んでいくと濃くなっていく瘴気により、汚染されていた空気。

 

【適応灯】により、様々な環境に適応できるようになっていなければ、下界に降りてきた神々では死んでいたかもしれない程に瘴気が充満した空間を、ジーンが【炉炎浄化】で出した穢れだけを焼く炎で浄化してくれた。

 

浄化の炎で清められて清浄になった空間は、瘴気が消えたことで、汚染された空気も消え去る。

 

大防壁を越えて北の非生存圏に入ってからは、荒れ果てた大地ばかりが見えていて、人間の気配は欠片もない。

 

既に人が生きるような場所ではない非生存圏内の光景は、神が下界に降りる前の古代では、珍しいものではなかったそうだ。

 

かつては世界の全てが荒れ果てていて、人々はモンスターの脅威に怯えるしかなかった時代も確かに存在した。

 

立ち上がった古代の英雄達の活躍が無ければ、神が下界に降りてくる前に、下界が滅んでいてもおかしくはなかったのかもしれない。

 

神が下界に降りてきた神時代となり、ゼウスとヘラのファミリアによって倒されたベヒーモスとリヴァイアサン。

 

しかし最後に残る黒竜を討つことに失敗したゼウスとヘラのファミリアは、ほぼ全ての団員が居なくなってしまった。

 

現在も生きているのは、怪人から人間に私が戻したアルフィアだけになるかもしれないが、それ以外の団員がどうなったのかまでは、アルフィアに聞いていない。

 

ジーンの【異界記憶】によるとゼウス・ファミリアにはマキシムとザルドという突出した存在が居て、ヘラ・ファミリアには女帝という存在が居たそうだが、ゼウスとヘラのファミリアが黒竜に勝った異なる世界とは違うこの世界では、既に故人になっている可能性は高そうだ。

 

休憩を挟んで、スキル【適応灯】も何回か使いながら、北へ北へと進んでいく最中、出くわした飛竜の群れを残さず打ち倒した私達。

 

出会う竜を打ち倒しながら先へと進んでいくと、ついに到着した最北端。

 

見えるのは、巨大な竜巻であり、その巨大な竜巻の高さはオラリオのバベル位はありそうだが、竜巻の横の幅は、都市が丸ごと入りそうな程に広い。

 

凄まじく巨大な竜巻は、人工物でも自然現象でもなく、風の大精霊がその身を捧げて生み出した封印であり、今も黒竜をこの地に封じている風印であるそうだ。

 

かつて大英雄アルバートがその命と引き換えに片眼を奪って退けた黒竜。

 

逃げ去った黒竜は、傷付いた片眼を癒す為に竜達を集めたが、黒竜だけではなく集まったその竜達ごと、風の大精霊は竜巻で封じ込めた。

 

風印の中で眠る黒竜の鼾により、乱れた竜巻の隙間から竜が抜け出すことがあり、それが訪竜問題となっているが、古代から生きている竜は現在も風印の中に数多く存在している。

 

階層主に匹敵する力ある竜達が一斉に解き放たれてしまえば、オラリオ以外の場所が滅ぶ可能性は高い。

 

黒竜の鼾は幾度も起こり、その度に竜の谷からは、竜が降りてきていた。

 

そして今も揺らいでいた竜巻から、抜け出してくる数多の竜達。

 

劇毒の棘を放つペルーダ、ウダイオスよりも力が強いカドモス、群れで現れた飛竜のイル・ワイヴァーン、火炎弾による砲撃を行ってくるヴァルガング・ドラゴンの集団。

 

見覚えのある竜はそれ位だが、どの竜も深層から出現する竜達ではあった。

 

汚染瘴気を放ってくる竜の谷の竜達へと、ジーンが穢れを焼き尽くす浄化の炎を放ち、汚染される前に浄化された空間で始まる戦い。

 

現れた竜達を相手に全員で戦っていき、打ち倒したところで、追加で現れた見知らぬ竜。

 

まるでムカデのようではあるが、空を飛ぶ竜である相手は1体だけではなく、数多く姿を現す。

 

冒険者のLvに換算すればLv7はありそうなムカデの如き竜が数体現れたところで、ヘスティア・ファミリアの3人で幾度も放った残光により斬り裂かれた竜達が空中でバラバラになった。

 

これで終わりかと考えていると、次から次へと現れる竜の谷の竜達。

 

手が足りないと判断したゲドにより、スキル【粗悪複製】で増やされたのは私達ヘスティア・ファミリアの3人。

 

完全な複製ではなく粗悪な複製になるので、Lv9からLv6の実力になっていた私達の複製。

 

それでもジーンとゲドと私を30人ずつ【粗悪複製】で複製して増やしたことで、Lv6が一気に90人も増えた結果、かなり増えた戦力で現れる竜達全てに対処することが可能になる。

 

数多の竜達と戦い続けた私達と複製達により、現れた竜を全て倒すことには成功。

 

竜の谷に存在している黒竜以外の竜は、完全に狩り尽くしたと言えるような状態となり、数多の竜の死骸を魔石を破壊することで灰へと変える作業を幾度も繰り返す私達。

 

死後も汚染瘴気を撒き散らしていた竜の死骸に、ジーンが浄化の炎を放って瘴気を完全に焼き尽くす。

 

穢れを焼く浄化の聖炎により、完全に清められていく空間。

 

絶え間無く現れていた竜が、現れることも無くなり、これで終わったかと思えていた戦い。

 

しかし、竜の谷には、まだ黒竜が残っていた。

 

不意に、消えた竜巻。

 

解かれてしまった風の封印が意味することは、黒竜が解放されてしまったということだ。

 

感じた危機感に従って前方に出した完全不壊のオリハルコンの防壁。

 

巨大なその防壁は、ヘスティア・ファミリアとアルテミス・ファミリアを覆い隠す。

 

私のそれは正しく英断だったと言える判断であったようで、黒竜からの攻撃の直撃を防ぐことに成功した。

 

黒竜から放たれたのは風の巨大砲弾であり、完全不壊のオリハルコンの防壁に隠れていなかった複製の私達が一瞬で潰れてしまう程の威力があったようだ。

 

Lv6では耐えきれず、一瞬で潰れて地面に赤い血だけを残して消え去った複製達。

 

素早く追加で出した完全不壊のオリハルコンの防壁によるバリケードと、複数の極大守護魔剣による極大守護多重結界の内部にヘスティア様とアルテミス・ファミリアの面々には居てもらい、決してこの中からは出ないように言い含めておく。

 

オリハルコンの防壁と多重結界から出る前に、ジーンが用意してくれていた6連装填魔剣に装填された超絶強化魔法【スターダスト・オーバーリミット】により、6回超絶強化魔法を使用して強化された私達ヘスティア・ファミリアは、黒竜と対峙した。




壊された大防壁の修復に来た職人達は、完全に修復された大防壁と、新たに作られていたオリハルコンの防壁に驚いていたようです
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