今回は3300文字くらいなので短めですね
ヘスティア様と一緒にヘスティア・ファミリアの団員全員でオラリオの街中を歩くことになり、出店や屋台巡りなどをしていた私達。
出店では金細工なども売られていて、丁寧な細工が施された金細工に興味を持った私は、金の羽根のネックレスを購入してみた。
それから屋台で買った串焼きなどを食べながら歩いていると、動けなくなっている妊婦さんを発見。
今にも子どもが産まれそうな状態になっている妊婦さんを私とゲドで協力して運び、ジーンとヘスティア様には近場の医療系ファミリアに話を通してもらう。
なんとか医療系ファミリアに運ぶことができた妊婦さんは無事に出産を終え、オラリオでまた新たな命が産まれた。
とりあえず出産祝いということで医療系ファミリアでかかった費用は私が立て替えておき、ある程度のヴァリスもお祝いとして出産した女性に渡しておく。
そんなことがあった日に、定期的に行っているステイタスの更新をヘスティア様に行ってもらったが、どうやら私には新たなスキルが発現していたらしい。
モビタ・モビ
Lv2
力:G267
耐久:G271
器用:G297
敏捷:G258
魔力:G284
射撃:I
《魔法》
【ガンスミス】
《スキル》
【銀矢投擲】
【牧場物語】
【金色縁】
・種まく者からの祝福
・スキル発現者にとって大切なものを護る時、全ステイタスに超高補正
・神威、魅了を無効化
・黄金を身につけている時、発展アビリティ神秘の一時発現
【金色縁】と書いて「コンジキエニシ」と読むスキルには、種まく者からの祝福と書かれていたようだが、劇場版ドラえもんのネジ巻きシティーに登場した存在である種まく者は、生命の種をまく神のような存在だった筈だ。
そんな存在から何故私が祝福されているのかは不思議だが、役立ちそうな効果があるスキルではあるので、種まく者には感謝しておくとしよう。
もしかしたら金細工に触れて生命の誕生に立ち会ったことが影響して、今回のスキル発現に繋がったのかもしれないが、詳しいことは検証してみないとわからないだろうな。
私が新たなスキルを発現した翌日、ヘスティア・ファミリアに来客がやって来た。
現れたのは歓楽街の主である女神イシュタル様で、ヘスティア様が物凄く警戒しながら「何の用だいイシュタル」と話しかけると「そう警戒するなヘスティア。今日は礼を言いに来ただけだ」とイシュタル様は落ち着いた様子で言う。
「イシュタルに礼を言われるようなことはしていないと思うけど」
不思議そうな顔で首を傾げるヘスティア様に、イシュタル様は「妊娠して動けない状態になっていたうちの娼婦を、医療系ファミリアにまで運んでくれたのはヘスティアの子達だろう」と言いながら微笑んだ。
「そうか、イシュタルのところの子だったんだね」
納得した様子で頷いたヘスティア様に「更に、出産にかかった費用の負担だけではなく祝いの金までもらったとするなら、流石にわたしが直接礼を言うべきだと思ってな」と言ったイシュタル様。
「感謝しよう、ヘスティアの子達よ」
続けて感謝の言葉を言ってきたイシュタル様はジーンのことを見た瞬間に何故か目を見開くと、満面の笑みを浮かべながら口を開く。
「ふふっ、どうやらわたしとジーンは夫婦だったようだな。つまりわたしとジーンはあんなこともこんなこともそんなこともやっている関係ということになる」
なんてことをいきなり言い出したイシュタル様に「きみは何を言ってるんだい!」と戸惑いながらも怒り出したヘスティア様。
「落ち着けヘスティア、処女神であるお前には耐えられんことかもしれんが、わたしとジーンは既にそういう関係なのだ」
「そんな訳ないだろイシュタル!ジーンくんは歓楽街に行ったことはないぞ!」
言い争いを始め出したイシュタル様とヘスティア様を見ながら、私とゲドは「で、実際はどうなんですか?」と問いかけるような目でジーンを見てみたが「いや今生は流石に童貞だぞオレは」と言ったジーンは嘘をついていない。
そうなるとイシュタル様は頭に思い浮かんだ存在しない記憶を現実だと思っている頭東堂な女神様ということになるな。
「ジーンのジーンは戦闘態勢になるとだな」
「ジーンくんのジーンくんに関する話は止めるんだイシュタル!」
何故か話の内容がジーンのあっちの方になっているイシュタル様を必死に止めようとしているヘスティア様は顔が赤かった。
ヘスティア様だけに任せておくと大変そうなので、私とゲドにジーンも加わってなんとかイシュタル様を落ち着かせたが、ジーンとその友人である私達には対応が優しかったイシュタル様。
「ふっ、友人には恵まれたようだなジーン」
「誰目線で話してんだあんたは」
「勿論お前の妻としての目線だ!」
「何で誇らしげな顔してんだこの女神」
「ふっ、そう照れるな」
「照れてねぇよ、ドン引きしてんだよ」
そんな会話をしていたイシュタル様とジーンは、そこまで相性は悪くないのかもしれない。
「よし、ではわたし達のホームに帰るぞジーン」
「いや、イシュタル・ファミリアのホームはオレの帰る場所じゃねぇからな」
「ふむ、夫の我が儘を受け入れるのも妻の甲斐性か」
「うん、おかしいのはそっちだからな」
「今しばらくジーンはヘスティアに預けておくとしよう。だが忘れるなヘスティア、ジーンの妻はわたしだ!」
堂々とそう言い放ちながら帰っていったイシュタル様。
「嵐のような女神様でしたね」
「そうだね、その辺はモビタに同意だ。それにしても、大丈夫かジーン」
「大丈夫じゃねぇよ、問題しかねぇよ」
珍しく頭を抱えているジーンの姿を見ることになったが、ジーンがそうなっても仕方がない出来事ではある。
「ジーンはイシュタル様に物凄く好かれてましたね」
「何か普通にジーンが夫扱いされてたからな」
「マジで何なんだあの女神。本気でオレを夫扱いしてたぞ」
「存在しない記憶でも生えてきたんじゃないですか」
「その時、女神イシュタルの脳裏に浮かんだ存在しない記憶、って感じか。呪術廻戦の東堂並みにヤバイな」
「何で存在しない記憶を現実だと思ってんだあの女神は」
ヘスティア・ファミリアの団員である私達3人がそんな会話をしていると「ジーンくんはボクが守護らねば」と言い出したヘスティア様。
なんてことがあった日の次の日、神会が開かれることになったらしく、ランクアップした眷族達の2つ名命名式も同時に行われることになるそうだ。
「なんとかボクの眷族であるきみ達には無難な2つ名を命名させてみせるよ!」
気合いを入れた様子で神会に向かっていったヘスティア様を見送り、ダンジョンへと潜る私達3人。
中層でひたすらミノタウロスを倒し、ドロップアイテムであるミノタウロスの角を大量に手に入れた私達はダンジョンを出る。
ゲドの魔法【リトルフィート】で小さくしていたミノタウロスの角を、元の大きさに戻し、ジーンに渡した私とゲド。
発展アビリティ鍛冶が発現している今のジーンなら、魔剣が作れるかもしれないと判断し、材料になりそうなミノタウロスの角を大量に用意してみた。
1本1本手抜きをすることなくジーンが精魂込めて作成していった魔剣の数々。
様々な属性の魔剣を作成することが可能になっていたジーンは更に鍛冶の腕が上がっていたようだ。
ヘファイストス・ファミリアの上級鍛冶師よりも腕が良いジーンは、オラリオでも上位の鍛冶の腕を持っている。
魔剣を実際に使ってみて試すのは明日にしておき、全員で汗を流しにシャワーを浴びにいった私達。
さっぱりとしたところでヘスティア・ファミリアのホームに戻るとヘスティア様が神会から帰ってきていた。
「皆の2つ名は無難なものになったんだけど」
そう言いながら複雑そうな顔をしていたヘスティア様に詳しい話を聞いてみると、どうやらヘスティア様にイシュタル様が味方したことで、私達は無難な2つ名を得ることができたらしい。
「ジーンとその友人であるモビタにゲドへ妙な2つ名を言い出した神は、歓楽街を出禁にするぞ」というイシュタル様の脅し文句もあり、無難な名が選ばれることになったみたいで、私は魔弾、ゲドは剣帝、ジーンは拳王という2つ名になったようである。
まあ、そこまで悪い2つ名ではないので、神々の悪ふざけを防いでくれたイシュタル様には感謝しておいた方が良さそうだ。
【金色縁】はモビタだからこそ発現したスキルになります
そしてイシュタル様は別世界の自分の記憶を受信してしまったようですね