生徒に、家族を。   作:木林8852

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久しぶりです、木林と申します。

遂にエデン条約編です。
ここがシリアス多めで面白いから気合を入れて描いていきたいですね。

それと、あとがきにお願いを書いております。
一暼してくださると、幸いです。






因果、楽園の是非(エデン条約編)
29話 欺瞞の狼煙


 

 

 

「ふーっ、、ふーっ、、」

 

瓦礫を飛び越し、戦火を走り抜ける。

 

 

「せんせ、、何処に、、」

 

遠くで正義実現委員会が叫んでいる。

 

 

「ハスミ!!先生を連れて行け!ここは私が引き受ける!!、、、キヒッ、、キヒャヒャァ!!!」

 

 

「先生、此方へ!!」

 

こちらに声と足音が近づいてくる。

 

 

 

「、、っ、ヒナ!大丈夫!?」

 

先生が駆け寄ってきた。

 

 

 

「先生、、いきて、、」

 

 

 

「うん、私は大丈夫、、!ヒナも逃げよう、酷い怪我だ、、」

 

そう言われて、初めて血塗れな事に気がついた。

 

 

 

「わたしは、、いい、、先生は、守ってみせる、、、」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「先生まで、、失わせない、、」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜 〜 〜

 

 

 

 

「は?」

 

 

 

「何だ?再度説明が必要か?」

 

一丁前に窓を眺めている、その反射した顔を見つめた。

 

 

 

「いえ、そう言うことではなく、、」

 

 

「先程も説明した通り、エデン条約が近づいてきた。」

 

かつかつと、意味もなく歩いている。

 

 

 

「この条約は面目上平等なものでなくてはならない。」

 

 

「だが、トリニティの鶏共は確実にイニシアチブを取ろうとするだろう。締結後か、それとも既に、、」

 

 

「、、、」

 

まぁ、そうだろうなぁ、、

 

 

 

「故に、こちらも措置をとる。」

 

 

「空崎ゲール。貴様をトリニティにスパイとして送り込む。」

 

 

「これは決定した事であり、万魔殿に雇われているお前に拒否権はない。」

 

 

「、、うちの情報網からも、中々香ばしい情報が出てきてはいる。」

 

 

 

 

 

「エデン条約前に突如できた部活動、、それにシャーレの先生が顧問に就いた。」

 

 

「それに、、鶏の長共、、その1人が姿を見せない。」

 

 

 

実際に政治的な闘いは既に起こっている、、のだろう。

 

 

 

「期限はエデン条約当日、その一週間前までだ。」

 

 

 

「、、何故私が?」

 

 

 

「我々悪魔は鶏小屋には入らない。すぐにバレる。悪魔の特徴を持たない貴様だからこそだ。」

 

 

「キヒヒッ、、あぁ、この事は空崎ヒナ、及び風紀委員会には言うな。一時的な出張、と言う事としておく。」

 

 

「言えば、、お前を解雇しよう。それに業務妨害で発生する損害も支払ってもらうぞ?キヒヒッ、、」

 

 

「、、、考えておきます。」

 

面倒な、、

 

 

 

「、、一つ、お聞きしても?」

 

 

「なんだ?なにか分からない点が、、」

 

 

「何故トリニティを嫌うのです?」

 

 

 

 

 

 

「、、それは決まっている。」

 

 

 

 

 

 

 

「トリニティだからだ。」

 

 

 

 

 

「、、、」

 

冷ややかな視線をぶつけた後、私は部屋を後にした。

 

 

まぁ、、そんなものだ。

差別や嫌悪の理由など。

 

 

しかし、、

 

 

 

また面倒、、と言うかやりたく無い事を押し付けてきたな、、

 

 

マコト議長の暴虐には、ほとほと疲れる、、

 

 

 

「、、なんかすみませんね、ゲールさん。」

 

 

「、、いえいえ、イロハさん。」

 

 

缶コーヒーを差し出してくれたのはイロハさん、、万魔殿の戦車長。サボってないとは珍しい日もある。

 

 

「、、イロハさんもトリニティはお嫌いで?」

 

プルタブを開けながら聞いてみた。

 

 

「あー、、どうでしょうねぇ、、」

 

 

「まぁ、嫌いですけど、、あの人程ではないです。」

 

 

「互いに不干渉なら、良かったのですが、、」

 

 

「そう、ですか、、」

 

既に本質は掴んでいる。

エデン条約に、意味はない。

 

少なくとも、ゲヘナにとってはな、、

 

仮面をつけた話し合いに、如何程の価値があるのか。

 

 

「あっ!イロハ先輩居たー!」

 

 

「あっ、ゲールさんも居るー!こんにちは、ゲールさん!」

 

 

「おや、、こんにちは。イブキさん。」

 

彼女は丹花イブキ。ゲヘナ学園に飛び級で進学したという異色の経歴を持っている。あと私より頭が良い。

 

 

しょうがないじゃん、、最低限の教養しか知らないんだから、、偶に勉強してるから許して。

 

 

 

「2人共見てー!お絵描きしたのー!」

 

そういうとイブキさんは一枚の絵を見せてきた。

 

 

「よく描けていますね。この、、、鳥。」

 

イロハさんが頭を撫でている隣で、私も絵を見る。

 

 

「確かキャラクターでしたよね?」

 

 

「ゲールさん知ってるの?そうだよ!」

 

 

「名前は、、えーと、、」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ペナンシェ、、でしたっけ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぶー!不正解だよ〜。」

 

 

「じゃあ、、ペペローニ?」

 

 

 

 

 

「さっきよりは惜しい!ペロロっていうの!」

 

 

 

 

 

「ペロロ、、」

 

 

鳥の様な姿は愛くるしいと思うが、目の焦点が合っていないところにどこか狂気を感じるような、、?

 

 

「かわいいでしょー?」

 

 

「え、、えぇ。」「そ、そうですね。」

ほらイロハさんも困惑してるよ。

 

 

 

「マコト先輩にも見せてくるー!」

そういうとイブキさんはとてとて、、と歩いて行った。

 

 

 

「、、、ふふっ。」

その眩い程の純粋につい口元が綻ぶ。

 

 

 

「では、ゲールさん。申し訳無いですけど、、スパイの件。前向きに考えておいて下さいね。」

 

 

「、、分かりました。また連絡します。」

 

ぐいっとコーヒーを飲み干し、万魔殿を後にした。

 

 

 

 

 

〜 〜 〜

 

 

 

 

「、、で?マコトには何を言われたの?」

 

 

「出張の打診です。近々向かう事になりそうです。」

 

 

「ふーーん、、」

 

 

「マコトが、ねぇ、、、」

 

机を指で軽く叩きながらヒナ様は呟いた。

 

 

 

「、、分かったわ。とりあえず第2部隊がスケバン鎮圧に向かってるから、指揮をお願い。」

 

 

「かしこまりました。」

ゲールはオペレートの為に部屋を出て行った。

 

 

 

 

 

 

 

「、、、ふぅ。ベルム?」

空崎ヒナは一つ、書類を書き終えて隣のベルムに話しかけた。

 

 

 

「はい。委員長。」

 

 

「、、どう思う?」

 

 

 

 

「、、そう、ですね、、」

ベルムは顎に手を当てて答える。

 

 

 

「何とも言えません。」

 

 

「これまでも万魔殿がゲールさんに出張を頼む事はありましたが、時期が時期です。」

 

 

「エデン条約を控えて、、何か企んでいるかも、、」

 

 

「、、そうよね。考えておこう。、、あっ。」

 

その時万年筆が引っかかりインクが溢れてしまった。

 

 

 

「、、やっちゃった。」

 

 

「あら、、拭き物を持ってきます。」

 

 

 

〜 〜 〜

 

 

 

「よし。空崎ヒナにはバレていないな?」

万魔殿の会議室にマコト議長が現れた。三分遅れだ。

 

 

「、、えぇ。勿論。」

 

 

「よし。では段取りを説明する。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「今回の目標はティーパーティホスト、百合園セイアの居場所を掴む事。」

 

 

「これは極秘だが、、百合園セイアは身を潜めている、という情報が回ってきている。それの確認も兼ねてだ。」

 

 

「何故身を潜める必要があるのか?そこに奴らの弱点があるやもしれん。」

 

 

「それと、、補習授業部とかいう部活も調べてこい。シャーレの先生が顧問とは、、きな臭い。」

 

「今のところ作戦は以上。なにか質問は?」

 

 

 

「私の正体がバレた際、どうする?」

いかん、、こういう時、敬語がしにくいな、、

 

 

「万一その場合でも、万魔殿の者とは分からないようにする。貴様なら捕まる事はないだろう?キキッ。」

 

 

「、、引き際の判断は私がします。」

 

「それは勿論だ。むしろ捕まって重荷となられても困る。」

 

 

 

「あぁ、言うのを忘れていた。」

 

 

「お前が空崎ゲールだとバレないように、変装をしてもらう。」

 

「その義足も置いていけ。代わりは用意してある。」

 

「早速着てみるか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

と言うわけで試着室の中にいる。

中にあった服、というのが、、

 

 

 

 

白のロングスカート、中に着るシャツ、羽織る藍色のジャケット、目立たない色のタイツ、、

 

 

「何か間違えてません?」

 

「いや?問題はないぞ。」

 

 

どこが?問題しかないが?

ウィッグまであるし、、

 

 

 

「なんで女物なんです?」

 

「男のままだとバレるだろ。」

 

 

 

「、、いいから。取り敢えず着てみろ。」

 

「、、、、、、はぁ。」

 

 

 

えーっと、、パッドから、、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜 〜 〜

 

 

しゅるるる、、、

 

試着室のカーテンが開いた。

 

 

「、、、信じられんな。」

 

「化粧をすれば完全な女だ。」

 

 

「キキッ、、着慣れてないか?」

「初めてです。」

 

 

白と藍色基調、金のロングヘアー。肌はグローブやタイツで見えない為、筋肉も隠せている。

 

 

「あとは化粧だな。サツキー?」

 

 

「はいはいマコトちゃん、、あら、ゲールさん。、、とても可愛らしくなったわね。」

 

「余計なお世話です。」

 

 

 

「じゃあお化粧するから、こっちに座ってね。」

 

「、、、」

 

 

 

私はサツキさんの手を払いのけると、化粧液と乳液に手を伸ばす。

 

 

「あら、、、」

 

 

軽く下地を付けてから、ファンデーションを塗る。

マスカラ、、はこんなものか、、

 

カラコンを付けて、、と。

 

 

 

 

 

「、、どうです?」

 

 

「ゲール、、おまえ、やっぱりソッチの趣味が、、」

 

「とっても素敵よ、ゲールちゃん。」

 

 

 

何故化粧の心得があるのかって?

 

流石に女になる化粧は初めてだが、これでも前は潜入任務もこなしてきた。

 

女性の方々の物に比べれば陳腐だろうが、顔を変えるくらいの化粧ならなんとかなる。

 

 

、、なんでこんな技術が役に立ってしまうのか、、

 

 

 

「、、声はどうするんですか?」

 

 

「それについては、これを使う。」

 

そういうとマコト議長はリボンを取り出した。胸元につけるような物だ。

 

 

「リボン型変声機だ。イブキと見たミステリーアニメから着想を得た。」

 

リボンを付けるとボタンに気づく。押してみた。

 

 

 

「、、あ、あー、、?」

 

うわっ、気持ち悪っ、、完全に女の声だ。

 

 

「、、ほんとに別人になったわね、、」

サツキさんが感心の目を向けてくる。

 

 

「キキキっ、、よし。じゃあカードとか偽造するから、写真を撮る。付いてこい。」

 

マコトさんが背中をばしっと叩いた。

 

 

 

そして会議室の扉を開けた瞬間、、

 

 

 

「あれ、、知らない人。」

 

 

「こんにちは、お姉さん。私、イブキって言うのー!」

 

なんてこった、イブキさんと鉢合わせた。

 

 

 

、、マコトさんが背中を押してくる。

 

 

 

「、、、」

 

 

「あら、こんにちは。イブキちゃん、、って言うのね。」

女性らしく、、女性らしく、、

 

 

「そうだよ、お姉さんはなんて言うの?」

 

 

 

「私はゲ、、」

 

 

「(おい!)」グリグリ

 

 

「、、げほっ、げほっ、、」

 

 

「、、私は、キサラソよ。宜しく。」

 

 

 

「よろしく!キサラソお姉さん!」

 

イブキさんは頭を下げると向こうに歩いて行った。

 

 

 

「、、、」「、、、」「、、、」

 

沈黙が続く。

 

 

「キサラソって、空崎の逆さ、、?」

 

「、、咄嗟に思いついたのがそれだったんです!」

 

 

 

「、、まぁいい。偽名はキサラソで行こう。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜 〜 〜

 

 

 

暗い、どこか。

 

明かりは消えかけた街灯のみ。

 

 

 

 

 

「アズサ、一つ報告がある。」

 

 

「ゲヘナより一人、スパイが送られることになった。」

 

「そちらの臨時職員として来る予定だ。」

 

 

「、、例の計画を進める。」

 

「準備をしておいてくれ。」

 

 

「コレも、"マダム"の意向だ。」

 

「、、また、連絡する。」

 

 

 

 

 

「、、、あぁ。わかった。」

 

 

 

 

 

 






ゲール君には女装をしてもらいます。決して癖ではありますん。


では、お願いです。

これからは時系列も複雑になり、制作が難航する事が懸念されています。それに、最近はあまり推敲せずに投稿している為、自分の作品に自信が持てなくなっています。

そこで、しばらくの間投稿をお休みし、作品の書き溜めに入ろうと考えております。

いつ完成するかは分かりません。と言っても、ぼちぼち成果を上げて行きたいとは考えております。

こんな駄文を読んでくださっている皆様、少々お待ちください。

お気に入り登録をしてくださった39名の方の為にも必ず完結させようとは思っております。

要するに、更に不定期更新となります。


どうか、宜しくお願いします。



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