生徒に、家族を。   作:木林8852

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ドーモ、ミナサン。コバ=ヤシです。
ヒサカタブリのトーコ、誠にスマナイ。

ホンペンのストーリ=コウソウが上手くいかず苛立ちのエブリデイ、、

これからも修練にドリョクするので、オーエン、ヨロ!


30話 トリニティ潜入

 

 

遂に、この日が来た。「出張の日」だ。

 

 

「じゃあ、保管をお願いします。」

イロハさんに衣服、剣、そして義足を預ける。

 

 

「、、受け取りました。まぁ、しっかり保管しておきます。」

 

 

「お願いします。私の、、大切な物ですから。」

 

 

「その声と姿ほんとに戸惑いますから早めに終わらせて来て下さいね。」

イロハさんは苦笑する。既に私は女の姿、、「キサラソ」になっている。

 

 

 

「はい。勿論。」

一礼をして、マコトさんの元へ向かった。

 

 

、、ヒールが歩きづらいな、、

 

 

 

「今回の装備だ。」

 

マコトさんはそういうと蝶柄のショルダーバッグを差し出した。中身を覗いてみる、、

 

 

財布、偽造免許証、足がつかないスマホ。そして諸々の書類。

 

 

「前回撮影後に説明したとおり、キサラソの立場はトリニティ総合学園の臨時職員とする。」

 

 

「特殊なルートで補習授業部の職員としての立場を用意した。まずはそこへ向かえ。」

 

 

「補習授業部には協力者がいる。白洲アズサという者だ。まずはソイツと落ちあう事だ。」

 

 

「じゃあ、頑張ってこい。くれぐれも、正体を掴まれないように。」

 

 

そういって、送り出された。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜 〜 〜

 

 

「、、サちゃん、アズ、、ちゃ、、」

 

 

 

 

 

「アズサちゃん!」

 

 

「はっ、、ヒフミ?」

どうやら、ウトウトしていたようだ。プールの掃除、意外と体力を使ったのかもしれない。

 

 

「、、ヒフミ、今、何時だ?」

 

 

「えっと、、今ですか?今は、、22時です。」

 

 

「そうか、わかった。」

あと一時間くらいか。そろそろ行くか。

 

 

点検し終えた銃を仕舞い、立ち上がった。

 

 

「あれ、こんな時間に、お出かけですか?」

ニコニコしながら浦和ハナコが呼び止める。

 

 

「見張りも兼ねて、ちょっと夜風に当たるだけ。大丈夫。すぐに戻る。」

 

 

「、、そうですか。夜道はどうか気をつけて。」

そういうと下江コハルの方へ歩いていった。

 

 

 

 

ザク、ザク、ザク、、

 

 

 

 

人気のない公園に来た。

監視はない。カメラも確認済みだ。

 

 

ベンチに、一人の女性が座っていた。

真っ直ぐ、その人へと向かう。

 

 

「こんにちは。」

 

 

「こんにちは、いい天気ですね。」

 

 

特に星が見える訳でもない。

だが、その言葉を待っていた。

 

 

「空崎ゲールさん、、だな?」

 

 

「えぇ。今はキサラソ、と呼んでください。」

 

 

彼女、、彼?は指を口に当てて微笑んだ。

 

 

「私の協力者と聞いている。」

 

 

「その通り。私もココに身を潜めさせて頂きます。」

 

彼は私達が合宿に使う校舎を指差す。

 

 

「目標は何だ?」

 

 

「百合園セイアの発見、及び状態の確認。」

淡々と告げる。

 

「、、成程。」

 

 

サオリの言った通り、この人は"アノ事"を知らない。

真実も、私しか知らない約束も。

 

 

「先生には既に話は通してある。」

 

 

「明日、また来てくれ。」

 

 

「了解。」

 

柔らかい声色になっているが、その声には間違いなく兵士の無機質さが感じられた。

 

しかし、男とは思えない。仕草からも。

 

もしアレが演技なら、、仏頂面の私にも学ばせてもらう事があるかもしれないな。

 

 

、、そろそろ怪しまれる。帰ろう。

 

 

 

 

 

帰って、暖かいベットで寝た。

あの場所よりも、ずっと良い環境。

 

 

私なんかが享受して良いのだろうか。

 

 

、、言い訳がない。

私は、トリニティの生徒ではないのだから。

 

 

 

でも、、

夢想してしまう。

 

 

皆が、当たり前に、、

 

 

幸せを享受する事は、出来ないのだろうか、と。

 

 

 

答えのない問いには睡魔がつきものだ。

いつのまにか、寝てしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「皆さん、おはようございます。」

教室に揃ったメンバーに、ヒフミが声を掛けた。

 

 

「補習授業を始める前に、先生からお話があるそうです!」

 

 

「はいは〜い。おはよう、みんな。」

 

 

「今日も授業をするんだけど、なんと新しい職員さん、、というか、お手伝いさん?が来てくれたんだ。」

 

 

「キサラソさん、どうぞ。」

 

 

「こんにちは、皆さん。臨時職員として皆さんのお手伝いをしに来ました、キサラソ、と言います。」

 

彼は優しく微笑み、ひらひらと手を振った。

 

「どうか、宜しくお願いします。」

 

 

「こちらこそ、お願いしますっ!」

ヒフミが礼をする。

 

「お、お願いします、、」

コハルも続いた。

 

「、、、こちらこそ、お願いします〜。」

ハナコも、一拍置いて挨拶をした。

 

 

 

「じゃあキサラソさんは、、まず授業風景を見てて。みんなの事を知るところから、お願い。」

 

 

「分かりました。」

 

 

補習授業、開始だ。

、、まぁ、初めは模擬試験だったのだが。

 

 

試験結果は、、ヒフミ以外は見事に惨敗。各自出来なかった箇所の復習が始まった。

 

 

 

 

 

「ヒフミ、ここの方程式はどうするんだ?」

 

 

「あぁ、これはこの式を代入して、、」

 

 

「コハルちゃん、何か詰まってませんか?」

 

 

「ぴぇっ!い、いや、大丈夫だからっ!」

 

 

「溜め込みすぎは身体に毒ですよ?キチンとすっきりしないと、、」

 

 

「へ、変なこと言わないでっ!」

 

 

私がヒフミに教えてもらい、ハナコがコハルを茶化す。何だか慣れてきた光景だ。

 

ちらりと先生とキサラソを見ると、何やら話し込んでいた。こういう時、つい聞き耳を立ててしまう。

 

 

「、、そう。第二時試験が、、」

 

 

「、、はい。一週間後に、、ですね、」

 

 

キサラソはトリニティの正式な職員ではなく、今回雇った外部の職員という立場(という設定)だ。

 

 

補習授業部の活動理由や、これからの日程の確認後をしている、、のかもしれない。

 

 

聞き耳はそれくらいにして、目の前の問題集との格闘を再開した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「皆さん、お疲れ様です。ハーブティを淹れましたので、休憩はどうですか?」

 

 

時間を忘れてペンを動かしていると、キサラソから提案があった。時計を見ると、約二時間が経過していた。

 

 

「、、そうですね。試験からのたて続けでしたし、、皆さん!少し休憩しましょう!」

ヒフミがぱんぱんと手を叩き、みんなに呼びかけた。

 

 

キサラソがみんなにカップを配っていく。

 

 

カップ片手に雑談が始まると、話題は当然キサラソの物が多くなる。

 

 

「キサラソさんは、何歳なの?」

コハルがハーブティを啜りながら問う。

 

 

「二十歳です。まだ大人になったばかりですね。」

 

 

「職員になれるって事は、やっぱり頭良いの?」

 

 

「、、実は、私ここの卒業も精一杯だったんですよ。だから、あんまり教えるのは上手じゃないかもです。」

 

 

「へぇ〜、、凄い落ち着いた雰囲気なのに、、」

 

 

「雰囲気と本質は別物ですよ。」

 

 

「、、、」

ハナコの手が僅かに震えた、、気がした。

 

 

「そのマフラー、取らないんですか?」

 

「少々寒がりでして、、」

 

 

マフラーを取らない理由は、恐らく喉仏を隠すためだろう。男性のものは女性より目立つと聞いている。

 

 

「、、では、そろそろ勉強の続きとしましょうか。」

ヒフミが問題集をぱらぱらと捲る。

 

 

私も、ペンを持った。

 

ヒフミは、みんなの為にいろんな対策を練ってくれた。

 

 

 

私も、それに応えないと。

 

、、あと、あの不思議なカワイイふわふわの物、、初めて見た。アレを絶対に手に入れて見せる、、!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

、、夜中まで補習は続く。

 

 

 

 

 

 

 

 

「コハル、この問題は、、」

 

 

「あ、この問題は、、ちょっとまってて。確か持ってきた参考書の何処かに、、」

 

 

そういってコハルは一冊の本を取り出した。

 

 

「この参考書に載ってるのか?」

 

 

「うん。」

 

 

「、、先生と、生徒の、、禁断の、、」

 

 

 

 

 

 

 

「!!!!!!!????」

 

 

 

 

 

 

「あらあら、これは、、」

 

「(先生、あれって、、)」

 

「(、、コハルさんの、あれ、、)」

 

 

 

 

「エッチな本ですねぇ。」

 

「(大人の本だ、、)」

 

「(成人向け冊子だ。)」

 

 

 

 

 

 

 

 

「う、うわあぁあぁっっ!!な、なんでぇ!!」

 

 

エッチな、、本、、?

表紙に「R18」と書いてある。どういう意味だ、、?

 

 

「、、あー、アズサさん。」

キサラソが私の視界を手で覆ってきた。

 

 

「ちょっと良いですか?」

そのまま廊下に出た。

 

 

 

「、、キサラソ、アレは何だ?参考書では無いみたいだが、、」

隣から早口なハナコの声が聞こえる。

 

 

「えー、、何だ、ですか、、うーん、難しい質問ですね。」

 

 

「あれはコハルさんの、、」

 

 

 

 

 

 

 

 

「個人的な趣味の本です。」

 

 

「、、じゃあ見られたく無い物、ということか?」

突然コハルの声が響いた。

 

 

「えぇ、それも、かなり、、」

 

 

 

「、、私、悪い事をしたかな。」

 

 

「いえ、そっとしておきましょ。それが一番です。」

キサラソは自身の口に指を立てた。

 

 

教室に戻ると半泣きのコハルが居た。

 

 

「う、、えぐっ、、うぅ、、」

 

 

「、、ごめんなさい、コハルちゃん。話が合うかも、と思ってしまって。」

 

 

「コハル。」

コハルの頭に手を置いた。

 

 

「私にはよく分からないけど、、」

 

「どんなコハルも、否定する事はない。」

 

 

「大丈夫だ。」

 

 

「、、アズサ。」「アズサちゃん、、」

 

 

 

「、、なに良い話にしようとしてんのよ!そんな顔で慰める事じゃないから!そもそもこれは私のじゃ、、」

 

 

「キサラソはコハルの個人的な物と言ってたぞ?」

 

 

「(やべっ、、)」「(キサラソ、、)」

 

 

「、、キサラソのバカぁっ!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結局あれは正義実現委員会の活動中、違法な差し押さえ品を間違えて持ってきてしまった、、らしい。

 

 

保管庫に返す為、先生とコハルは外出した。

 

 

、、さて、今私の目の前には、、

 

 

 

 

「、、スミマセン。」

正座しているキサラソが居る。

 

 

 

キサラソ。スパイだと言うのに、まるでその気を感じない。或いは元々、その気は無いのかもしれない。

 

 

そんなキサラソを、私は、、

殺さなければならないの?

 

 

あの人も、殺せなかったのに。

 

 

 

私は、あの教えは、正しく無いと思う。勿論、間違っているとは言わない。けれど、、

 

 

「、、ばにたす。」

 

 

世界は、全てが虚しくなんかない。

キサラソは、、殺させない。

 

 

 

でも、どうすれば、、

 

 

 

 

〜 〜 〜

 

 

 

「サオリ、そろそろ次の計画に動きます。」

 

 

「桐藤ナギサの殺害、、だな。マダム。」

 

 

「えぇ。ゲヘナの奴らは利用できそうですか?」

 

 

「あぁ。百合園セイアが殺害済みな事を奴らは知らない。お陰でトリニティに空崎ゲールを誘き出せた。」 

 

 

「空崎ヒナ率いる風紀委員会、、その護りもない奴は、すぐにでも消せるでしょう。」

 

 

「分かりました。先ずは桐藤ナギサ拉致を優先しなさい。」

 

 

「了解だ。マダム。」

 

 





おれは、しょうきにもどった!

一ヶ月半ぶりの投稿となり、申し訳ないです。
これからもチビチビ頑張ります。

なんで前書きがニンジャかって?
そりゃあブルアカのニンジャスレイヤーに新衣装が来ましたからね。


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