生徒に、家族を。   作:木林8852

45 / 47

ボンジョ〜ルノ、木林です。

コトネを持ってたチケット20連で引き当てました。
最高速度でぶち抜いたる!!

ほなどうぞ。


43話 逃亡

 

 

「、、なあ、ゲールさん。」

 

「ほんとに良かったのか?今からでも帰って、、」

 

 

「いい。そのまま行ってくれ。もう帰る場所はない。」

 

「、、わかった。」

 

 

アズサさんから聞いた内容。それは、百合園セイアの危篤、及び聖園ミカの消失。

 

アリウスに激しい憎悪を持つ彼女が、アリウスに復讐しないはずがない。私はそう睨み、動向を監視するように言った。

 

同時に考えたのはシャーレの先生の事だ。アリウススクワッドはアリウスから逃げている。

 

だが限界は来る。そんな時に頼るのは、あらゆる生徒の味方である彼だろう。

 

シャーレのユウ先生は、現在連絡が取れない。

恐らく、スクワッドと共にいるのだろう。

 

どんな時に頼る?

 

それは多分、、自分達だけではどうしようもなく、そしてそれでも為すべき事がある時。

 

スクワッドにとって最も大切な、、「家族」

スクワッドの誰かに、何かがあった時だろう。

 

スクワッドの誰かが死んだなら、先生に頼るべき事はない。恐らく頼る発想さえ出ることはないだろう。

 

 

ならば、誰かがいなくなった時?

 

ただいなくなっただけなら、探せばいい。部外者の先生に頼る事はない。自分達で解決できる。

 

では、連れ去られたとしたら?

アリウスで最も重要な存在。秤アツコがいなくなったとしたら?

 

黒幕、、ベアトリーチェなる人物は、彼女を殺さない。使い道があるのなら、生かしておくだろう。

 

スクワッドもそれが分かっているはず。だからこそ「助けれるかも」なんて幻想を抱くのだ。

 

この話をした時、アズサさんは、「自分も行く」と言い出した。もとからそうする気だったが、秤アツコが囚われている可能性が高いと知りさらに決意が固まったらしい。

 

 

、、、アツコに会いたいならスクワッドと敵対する私を連れていく事は完全に意味がない。

 

そう告げたが、彼女はこう答えた。

 

 

「アツコを助けたいのも本当だが、、私達が、アリウススクワッドが、貴方と空崎ヒナの、いや、もっと色んな関係を壊してしまったんだ。その決着を付けたいというのなら、協力すべきと思った。それが償いなんだ。」

 

 

、、決着か。

 

確かに、そうなのかもな。

 

 

 

元から関係は固い糸で繋がっていたわけではなく、吹けば飛ぶようなものだったが。

 

 

 

「アリウス自治区、、ルートが変わる迷路があると言っていたな。」

 

「あぁ。そこをどう突破するかが、問題なんだ。」

 

 

用意された車で移動し、カタコンベまで来た。

 

幸いにも誰もいない。スクワッドよりも、聖園ミカよりも先手を打てたようだ。

 

 

、、今は、あまり深く物事を考えないようにしよう。

私はいま、スクワッドに会って、、何かをしたいのだ。

 

 

「さて、どうする?」

 

「今の私達がカタコンベに入ろうものなら一生をそこで終える事になるが、、」

 

 

「簡単だ。」

 

「どうせあちらはスクワッドが襲撃してくると踏んでいるだろう。」

 

 

「ならば勿論自治区内に戦力は用意しているだろうし、誰が突破しても変わらない事だ。」

 

「正面突破、と言う事か?」

 

 

「アリウス兵の誰かを拉致し、カタコンベに入り込む。適当な道に行ったらそいつも共倒れだ。ルートを話すだろう。」

 

「それは、、どうだろう?」

 

 

「アリウス生徒の考えは異常だ。あの教えの前には、自分は助かりたい、なんて思うだろうか。」

 

「ならば。」

 

「拉致までは変わらない。ただ拉致して逃げている事を知らせながら逃げる。なら助けがくるだろう。」

 

「優しい生徒は仲間を助けに正解の道を通ってくる。と言うわけだ。どうだ?」

 

 

「それなら、、一度増援が来れば、あとは倒して進むだけだ。より難易度は高いと思うけど。」

 

「たった二人で城を落とすようなものだ。多少の無茶は必須だろう。」

 

 

 

最初のアリウス生徒が来るまで待機する事になった。装備の点検にピッタリの時間だ。

 

結果としてかなりの間待つことになった。

 

とっくに日を跨ぎ、夜明けまであと数時間、、という所だ。

 

 

、、、来た。

 

黒いフード付きマントを羽織った。たなびくマントは銃の狙いを僅かにずらし、闇に溶け込むだろう。

 

「突っ込む。援護を頼む。」「了解」

 

 

「うわっ!!誰だ!」

 

「スクワッドじゃない、、?」

 

 

適当なアリウス生徒に鉛玉をぶち込む。間合いに入れば、掌底と刃が飛ぶ。銃弾で体に穴が空かないとは、、

 

素晴らしいな。

 

この義足、、とても動きやすい。

病院のものより形は簡素で、遥かに重い筈なのに。

 

倒れ込むかの様に走り、懐に入り込む。重く、硬い義足の蹴りはアリウス生徒を浮き上がらせる衝撃を生んだ。

 

その際に彼女は武器を落とした。

なら、コイツが丁度いいだろう。

 

瞬時に縄で簀巻きにし、担ぎ上げる。

 

「アズサ!行くぞ!」

 

スモークグレネードを複数投げ、カタコンベの入口に向かって走る。アリウス生徒が最初に出てきた道に入った。

 

 

「これからどうする!?」

 

「とりあえず次の別れ道まで走れ!」

 

 

「スクワッドが来たぞ!」「皆、いったん集まって!!」

 

 

後ろから声が引いていく。どうやらアリウススクワッドも動き出したらしい。

 

「、、スクワッドが来たみたいだ。彼女達に会いたいなら、引き返すべきだが、、」

 

「いや、自治区までは行く。」

 

 

「アツコを助けたいんだろう?なら自治区まで行かなくてはな。」

 

 

「っ!、、ありがとう。」

 

「いいんだ。、、さて。」

 

 

「君とは長い付き合いになりそうだな。まぁ、運がなかったと諦めてくれ。すべては虚しいんだろ?」

 

簀巻きにしたアリウス生徒はガスマスクの下でどんな顔をしているのだろう。

 

「アズサ、、まさか、戻ってくるなんて、、」

 

「、、!その声は、マイア、、?」

 

 

「知り合いか?まぁ酷い事はしない、、」

 

 

「スバル先輩ぃ、、!!!みんなぁ、、!!!侵入者がここにいますぅ、、!!」

 

「、、すまないマイア。少しだけ手伝ってくれ。」

 

「この場合騒いでくれる事が手伝いだな。」

 

 

マイアなる生徒が助けを求めていると、別れ道の一つから足音と声が聞こえてきた。

 

「さ、行こうか。」

 

再度マイアに手を伸ばす。足を振って抵抗してきたが、体格差がある。楽に担ぎ上げることができた。

 

 

「マイアっ!お前達は、、!」

 

「白洲アズサ、、!?何故ここに!?」

 

「スバル先輩、、」

 

 

複数のアリウス生徒に混じって体格のいい子がいる。それ以外が小さいだけかもしれないが、、

 

リーダー格だな。そういう動きだ。

 

 

「今度はあの道だ。最短ルートで行く。」

 

スバルと呼ばれた子がライフルを構えた。いい速度だ。

即座にマイアを盾にする。

 

「くっ、、!」

 

ダダダッ!!!

 

人質に当たらない足元に狙いを変えたか。

 

ハンマー投げのようにマイアをぐるぐると振り回し、遠心力に任せて投げた。

 

スバルは高速で迫るマイアを受け止めた。それで片手となったライフルを奪い取る。

 

即座に一部部品をバラし、使用不可にした。

スバルはナイフに切り替えて刺しに来る。

 

奪ったライフルで適当に受ける。

別方向から射撃が飛んできた。

 

「痛いなぁ、、邪魔だっ!」

 

ナイフを持つ腕を掴んで、投げた。同時にスモークを焚く。

 

 

「すまないね。その子にはもう少し手伝ってもらうから。」

 

 

マイアを再び担いで走る。

 

「スバル先輩っ!助けてぇぇぇ!!」

 

「なるべく酷い目に遭わない様にするから。」

 

 

アズサも適当に敵を撒いたらしい。グレネードを投げ込んだ。

 

五感を研ぎ澄ませ。

 

僅かな空気の熱と揺らぎ、銃と火薬の香り、微かに見える地面の傷。遥か遠くでなる足音。

 

「こっちだ。」

 

時折り来るアリウス生徒で安堵しながら、正解の道をひた走る。マイアもこの異常な状況に少し慣れたらしい。

 

「、、凄い。ほんとにこのカタコンベを、、」

 

「あの、貴方は何をしに来たんですか?」

 

 

「、、、」

 

「アリウススクワッドに、、会いに来た。」

 

 

「なら、入り口で待ってれば、、」

 

「、、ゲールさんは、アツコを助けたいという私に協力してくれている。アツコはこの先に居るんだろ?」

 

 

「今朝方、2年生のグループが捕まえて来ましたけど、、」

 

「マダムが連れて行って、、今頃、、」

 

 

「、、、」

 

「あ、、」

 

 

この薄暗いカタコンベ。全員の目は暗闇に慣れている。一つの道に、僅かな光が差しているのを三人は捉えた。

 

 

「ここが、、」

 

「あぁ、着いちゃった、、」

 

「、、、懐かしい、、」

 

 

アリウス自治区。

 

月明かりが時々雲により隠れ、輝いている間はその古び壊れた自治区の様子を映し出している。

 

「とりあえず、、くたびれた。少し休息を取ろう。」

 

「こっちに幾つか廃屋がある。調べてくる。」

 

 

アズサが調べてきた廃屋に身を潜めることにした。各自弾薬の補填、装備の点検をしていく。

 

結構弾を使ったな。あと使えるのは拳銃だけか、、

 

アズサが栄養補助バーを渡してきた。包みを剥がしていると、、

 

 

ぐぅ〜〜、、、

 

 

「、、、」「、、、」

 

「、、、//」

 

「あー、自分はいい。マイアも疲れたろう、食べておけ。」

 

 

「えっ、なんで、、そんな立場じゃ、、?」

 

「いいから。巻き込んだのはこっちだからな。」

 

 

簀巻きにされたマイアは身動きが取れない。バーを口に近づけると恐る恐るといった感じで一口食べた。

 

「美味しいです、、」

 

「水も飲んどいた方がいい。」

 

 

アズサが水を飲ませている傍らで、こちらも水をゴクリと飲む。喉がカラカラだった事にその時気づいた。

 

「マイア、、さっきいたスバルっていうの、、どんな人だ?」

 

「スバル先輩ですか、、?お姉さんみたいな存在ですね。私達を守ってくれて、戦闘も上手で、、」

 

 

「戦闘か、、ここで習うのか?」

 

 

「はい。射撃は勿論習いますし、格闘もします。私は、あんまり上手じゃないんですけど、、」

 

「殺し方もか?」

 

「、、、」「、、、」

 

 

「ゲールさん、、」

 

「頭にコイツが浮いてるやつは、どうしたら死ぬんだ?」

 

 

「それ、は、、」

 

「戦い方と、同じです。教本には、ただの銃でも撃ち続ければ、いつかは、、って。」

 

 

「少し痛いぐらいの銃でも?」

 

「はい。」

 

 

ふうん、、エデン条約で撃ち込まれたミサイルは、どうなのだろう。単純な威力の差か?

 

だがあれで意識を失うやつはいても、死ぬやつはいなかった。そんなやつがただの銃で、、?

 

 

「マイア、、スバルは、大事か?」

 

「え、、?はい。勿論、、」

 

 

そうか。この子は、、私に無い物を持っている。いや、私が欲しくて、しかし捨て去ったものを、、

 

刃を抜いて、縄を切った。

 

 

「な、何のつもりですか、、?」

 

 

マイアは身動きができるようになると、飛び退いて格闘の構えをした。やっぱり優秀だな。

 

 

「アズサ、行こう。マイアは、、好きにしろ。」

 

「家族を大切にしろよ。」

 

 

「、、!」

 

 

「ゲールさん。ベアトリーチェは"バシリカ"という場所にいる。恐らくは、アツコもそこに、、」

 

「ああ分かった。案内は頼む。」

 

 

 

 





ゲール君、随分口調が変わってますなぁ、、
なんででしょうね?

まぁ強いて言うならいろいろ混ざってるからかな?

そういえば、、
ゲール君の斬撃で生徒達の服は切れませんよ?

ふしぎな力ってことで、、

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。